[海外事例にみる企画ヒント編]低迷期を乗り越えようとする3社に学ぶ
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[海外事例にみる企画ヒント編]2018年7月17日号
≫≫≫Author:脇本 和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
今回の特集のテーマは「低迷期の乗り越え方」です。
ダイエット専門企業で米国で株式上場している3社(Weight Watchers、Nutrisystem、Medifast)の低迷期を乗り越える取り組みを紹介します。
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---「低迷期を乗り越えようとする3社に学ぶ」
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「時代の節目に起こる現象」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 健康経営Habi*do、埋め込みタイプ血糖値モニターなど、9本
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>
低迷期を乗り越えようとする3社に学ぶ
ダイエット専門の上場3社(Weight Watchers、Nutrisystem、Medifast)の低迷の様子、2016年の低迷脱出の取り組みは昨年のメルマガでもとりあげました。
・バックナンバー(2017.07.18号)
[海外事例にみる企画ヒント編]低迷期(停滞期)をいかに打破するか?
今回は、2017年の3社の売上動向と、取り組みについて見ていきます。
【今回の紹介事例】
1.価値を大きく見直し、低迷脱出のきっかけをつかんだ「Weight Watchers」
2.実現方法を増やし、回復基調を明確にした「Nutrisystem」
3.へルスコーチへの支援を充実させ、低迷脱出の入り口にきた「Medifast」
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1.価値を大きく見直し、低迷脱出のきっかけをつかんだ「Weight Watchers」
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■企業名:Weight Watchers
■概要
Weight Watchersは、肥満女性をターゲットとし、ダイエットセンターというリアル施設サービスとウェブサービスを展開する企業です。ポイントプログラムという食事を管理し、健康的な食生活を身につける独自のダイエット法を提案しています。
■売上動向
売上は2012年に最高1,800億円でしたが、2015年までに約1,200億円に下降、2016年にやっと歯止めがかかり、1,200億円を維持しました。そして2017年、1,306億円と上昇し、低迷を脱出するきっかけをつかんでいます。
■2017年の取り組み
・同社が長年提供してきた「食事を簡易なポイントで管理し痩せる」という価値は、食事記録ができる無料スマホアプリの台頭により魅力不足となったため、同社は2016年から価値を見直してきました。
・その後、Oprah Winfrey氏(主婦に人気の女性テレビ司会者)が取締役に就任。さらに2017年4月にMindy Grossman氏(テレビショッピングのマーケティングの専門家、女性)がCEOに就任。メディア/マーケティング戦略にたけた女性2名が、女性目線で「価値」をさらに見直しました。
■2017年の価値の見直し
・2017年、新プログラムとして「Freestyle(フリースタイル)」をリリース。同プログラムは200種類以上の食材をゼロポイントにし(いくら食べてもよいものとし)、ポイント制による食事制限を大幅に緩和しました。
・Freestyleの価値表現は「Freestyle is not a diet. It's a way of living(Freestyleはダイエットではなく、暮らし方です)」、「Less counting, more enjoying(ポイント管理を減らし、食事を楽しみながら痩せよう)」というものです。
・2017年は、「食事を簡易なポイントで管理し、痩せる」という価値から、「ポイント管理を減らし、食事をいろいろと楽しみながら痩せる)」という価値に変更し、低迷脱却のきっかけをつかんだと言えるでしょう。
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2.実現方法を増やし、回復基調を明確にした「Nutrisystem」
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■企業名:Nutrisystem
■概要
Nutrisystemは、肥満女性向けにダイエット代替食を販売する企業です。1日の食事のうち数食を同社の提供する食品に置き換えて、やせていくというものです。
■売上動向
売上は2007年に最高776億円でしたが、2013年までに358億円に下降。社長が交代した2014年以後、低迷を脱出し、2016年では売り上げ545億円まで戻してきました。さらに、2017年は売上を697億円とし、いよいよ回復してきました。
低迷脱出のきっかけになった2014年から2016年の取り組みは、それまでの「短期間で痩せる」という価値から、「痩せた後リバウンドしない」という新しい価値に変えたことでした。この価値は競合のMedifast社を真似たものです。価値自体は、競合と同じでしたが、同社は実現方法(商品づくり)にこだわりました。
■2017年の取り組み
・ダイエットのプロセスを減量期と維持期に分け、初期の実感を促すため、1か月の減量期間で13ポンド(約6キロ)痩せることにこだわった商品を2016年から販売していました。
・2017年はさらに進化し、ダイエットのプロセスを3つに分け、自社の個別ブランドをつくりました(減量期「Turbo13」、移行期「Nutrisystem」、維持期「Success」)。
・さらに、2016年に買収したサウスビーチ・ダイエットブランドを同社の価値にあうようリニューアルし(減量期、移行期、維持期ごとにどんな使い方をするかを明確にし)、自社ブランド商品に飽きた人が買えるようにし、売上増を実現しました。
・2017年は、価値を実現する方法(=商品づくり)を充実させ、回復を本格化させたと言えるでしょう。
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3.へルスコーチへの支援を充実させ、低迷脱出の入り口にきた「Medifast」
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■企業名:Medifast
■概要
Medifastは、Nutrisystemと同じく、肥満女性向けにダイエット代替食を販売する企業です。2005年に「痩せた後リバウンドしない」という魅力的価値をいち早く提供し、売上を拡大してきました。自社のダイエット法で痩せた人の中から「ヘルスコーチ」を育て、ヘルスコーチを通じた販売を行う点が特徴です。
■売上動向
売上は2013年に最高324億円でしたが、2016年までに275億円に下降し、低迷を脱出するきっかけがつかめませんでしたが、2017年に売上302億円とし、低迷脱出のきっかけを得ています。
■2017年の取り組み
・同社は、低迷の原因をヘルスコーチの質の低下と判断し、ヘルスコーチへの支援や、教育が重要課題であると2016年に発表していました。
・そこで2017年、コーチ同士や顧客とのやり取りを円滑にし、ヘルスコーチが顧客を開拓し、リピートを高めるためのヘルスコーチ支援システム「OPTIVA Connect」を開発しました。
・また、ヘルスコーチのスキルアップのための教育用コンテンツ「OPTAVIA Coach Answers」という情報共有システムも開発しました。新人コーチ向けではモチベーションをあげる方法、コーチの役割といった基礎知識を学べます。ベテランコーチ向けでは、新しいコーチの育成方法などを学べます。
・2017年は、ヘルスコーチへの支援・教育体制を充実させ、リピート率を高め売上を伸ばし、低迷脱出のきっかけを得ていると言ってよいでしょう。
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3社にみる低迷期脱出のポイント
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今号は、3社の2017年の低迷脱出の取り組みを紹介しました。
・Weight Watchersは「価値」を大きく見直した
・Nutrisystemは「実現方法(=商品づくり)」にこだわった
・Medifastは「ヘルスコーチへの支援・教育体制」を見直した
というものでした。
低迷脱出のためには、まず事業に魅力的な価値があるかどうかが最初のポイントです。魅力的な価値がない場合、商品やサービスを改善しても回復には及びません。
これは、Weight Watchersが長年提供してきた価値に見切りをつけ、新しい価値を訴求することで、低迷を脱出しつつあることが示しているでしょう。
そして、価値がまだ魅力的と判断できる場合は、商品・サービスを見直すことが次のポイントです。
これは、NutrisystemやMedifastが、「痩せた後リバウンドしない」という魅力的価値は同じなのに対し、Nutrisystemが商品を、Medifastがサービス(ヘルスコーチ)を見直し、ともに低迷を脱出していることが示していると言えるでしょう。
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「時代の節目に起こる現象」
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]リクルートワークス研究所、動き始めたフランスの働き方改革
Vol.10、ソシエテ・ジェネラル「テレワーク導入に大成功している欧州メガバンクの成功ポイント」。古いイメージの銀行を脱却し、デジタル時代の新しい働き方を積極的に実践している。(2018/07/05)
[2]サントリーとぐるなび、職場の飲料自動販売機で近隣レストランに宅配弁当を注文できる法人向け新サービス「宅弁(たくべん)TM」を開始
職場の自販機で手軽にレストランの宅配弁当を注文できる「宅弁TM」により、お昼時に混雑するレストランに並ぶ必要がなく、時間を有効活用しながらできたての昼食を摂ることが可能になる。(2018/07/05)
[3]ソフトバンク、ワークスタイルの変革を目的に、1,000人規模でWeWork「日比谷パークフロント」拠点を利用開始
WeWorkは、オープンイノベーションが促進されるコミュニティー形成を目的とした革新的なコワーキングスペース。WeWorkのメンバーは、全世界のメンバーと専用のアプリケーションを通してコミュニケーションをとることが可能。(2018/07/05)
[4]ライフログテクノロジー、ヘルスケアアプリ「カロミル」食事画像解析AIにて一般料理5,200品目を識別可能に、食事品目カバー率90%を達成(PR TIMESより)
「カロミル」は、2015年12月より提供している日々の食事や運動の記録・管理が簡単に行えるヘルスケアアプリ。今回の研究開発にて、品目数をシステマティックに増やすことができる開発ラインを構築。(2018/07/06)
[5]Be&Do、クラウドサービス「健康経営Habi*do(ハビドゥ)」の提供を開始
従業員が自律的な健康習慣を身につけられるサービス。ひとりひとりが日々の健康習慣の実施を報告。お互いの頑張りが可視化され、職場・目標・興味関心といった仲間づくりができる。従業員同士で励まし応援し合うことを継続できる。(2018/07/09)
[6]日経デジタルヘルスより、「幸福度」は健康経営に新風を吹き込むか
健康経営はもともと、従業員の健康を維持・増進することで企業としての生産性向上を目指すことを目的としている。これに対して最近では、幸福度と従業員の生産性、あるいは幸福度と企業の財務情報といった相関を精緻に研究する動きが出始めてきている。(2018/07/09)
[7]厚生労働省、「第7回 健康寿命をのばそう!アワード」募集開始
応募期間は7月2日(月)-8月31日(金)まで。今回より「生活習慣病予防分野」の啓発活動の中で、特にスポーツ・運動を通じて優れた取組を行っている企業・団体・自治体を表彰するものとして「スポーツ庁長官賞」を設立。
[8]90日間使える埋め込みタイプの血糖値モニター『Eversense』、米FDAが認可
Eversenseは、皮膚の下で使用するデバイスで、埋め込みは医師が行う。体内に埋め込むタイプの血糖値モニターが認可されたのは今回が初。(2018/07/06)
[9]mHealthWatch注目ニュース:Kaia Health、完璧なスクワットを達成するのに役立つAIアプリ
Kaia HealthのAI活用に組み合わせられる、ユーザー利用ストーリーを描いてみることで、自社ビジネスのヒントが見つけられるのではないでしょうか!?(2018/07/17)
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