日本版ダイエットセンターの可能性(1)
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日本版ダイエットセンターの可能性(1)
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【ダイエットセンターとは】
「ダイエットセンター(Diet Center)」とは、米国では民間企業が運営する
ダイエットをテーマにしたアドバイス施設のことを指します。
(Weitht-contorol Center、Weitht Loss Centerと呼ばれることもあります)
具体的にはダイエットのプログラムを受講したり、その場で仲間と情報交換が
できたり、ダイエット商品(食品中心)を購入できたりします。
米国の代表企業としては、「Weight Watchers」「L A Weight Loss Centers」
「Jenny Craig」という3社があげられ、それぞれが世界でフランチャイズ展開
(日本にはまだ未展開)。
「一人では長続きしにくい」という、ダイエットの主要課題を解決するユニー
クなサービスモデルです。
前回の本メルマガ(国内外ニュース編)で、NestleがJenny Craigを約6億ドル
で買収したという記事を紹介しましたが、ダイエットセンターはダイエットビ
ジネスの注目分野のひとつと言えます。
そこで、今回はそのうちのひとつである「L A Weight Loss Centers」を紹介。
また、次号では主要3社を比較しながら、日本版ダイエットセンターの可能性
を探ります。
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【L A Weight Loss Centersの概要】個別ダイエット食事カウンセリング施設
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■企業名:L A Weight Loss Centers
http://www.laweightloss.com/
■売上:約220億円(2005年実績)
■設立:1989年
■本社:ホーシャム(ペンシルバニア州)
■拠点数:計750箇所以上
米国に約350以上の自社施設。また、米国49州、カナダ・欧州など海外
5カ国に、約400以上のフランチャイズ施設を所有。
■事業コンセプト(表記):
a unique combination of regular foods that you can eat out
or purchase at your grocery store AND personalized, one-on-one
counseling.
(「普段の食事」と「個別カウンセリング」とのユニークな融合)
■事業概要:
個別の対面食事指導つきダイエットプログラムの提供
■事業収益の形:
・会費収入(カウンセリング費用)
・商品販売収入
・フランチャイズフィー
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【L A Weight Loss Centersの特徴】
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同社の特徴としては、以下の3点をあげることができます。
■対面式の個別食事コンサルティング
・個人にあった食事個別プログラムを作成し(40種類から選び)、1対1で
対面アドバイスを提供(オンラインサービスはしない)
・予約不要
・プロのカウンセラーが対応
■普段の食事メニューでダイエットを実践
・特にダイエット食品を利用しなくとも、日常の食生活の中での工夫で減量
することを目指す。従って家族と同じ食事でよい
・基本はカロリー制限。スーパーでの買い物、外食などのアドバイスもあり
・量や調理法で低カロリーに抑える
・利用者は面倒なカロリーカウントなど不要
■ダイエット成功後の「キープ」を3ステップでフォロー
・ステップ1:普段の食事で1日1100~1800カロリーにおさえる
・ステップ2:目標体重に達したら6週間継続する
(リバウンドがないかの確認)
・ステップ3:その後は体重キーププログラムに従い定期的に施設に通う
※上記は同社のウエブサイト、同社に関する記事から整理。
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【スポルツの視点】
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■「普段の食事の見直しでダイエットしたい人」がターゲット
今回紹介した「L A Weight Loss Centers」の3つの特徴は、
「ダイエット食品を第一に利用するのでなく、普段の食生活をまず見直すこと
をしたい。でも、それをどのように見直し、どう調整しながら自分なりに継続
していくか、、それが難しくてできない。。」
そういった人をターゲットに想定し練られたものと思われます。日本でもダイ
エット方法に同じような考えをもつ人は多いのではないでしょうか。
■日本で近い事例
今回紹介した「1対1の対面」「食事個別ダイエット指導」「施設チェーン展
開」という観点でいえば、日本に同様の事例は存在しません。
ただ、近い事例としては以下のようなものが存在しそうです。
(潜在的競合事例)
・エステのダイエットコース
・フィットネスクラブでの食事ダイエット指導
・コーチングダイエット企業
・美容クリニックでのダイエット外来
・病院での肥満外来(あるいは生活習慣病でのダイエット教室)
・サプリメントショップでの対面指導
・漢方薬局でのダイエット指導
■日本版ダイエットセンターというビジネスモデル
健康的にダイエットしたい人が、普段の食生活での悩みを気軽に専門家に相談
でき、ダイエット成功後も十分なフォローをしてもらえる。日本的なアレンジ
は必要でしょうが、新しいビジネスモデルとして、その可能性は期待できるの
ではないでしょうか。
次号ではさらにこのダイエットセンターの可能性を考えてみます。
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