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日本版ダイエットセンターの可能性(2)

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【米国ダイエットセンター3社の比較】

今回は前号につづき「ダイエットセンター(Diet Center)」を取りあげます。

ダイエットセンターは、米国では民間企業が運営するダイエットをテーマにし
たアドバイス施設のこと。「一人では長続きしにくい」という、ダイエットの
主要課題を解決する日本企業にとって参考になるユニークなサービスモデルで
す。

前号では、代表的企業である「L A Weight Loss Centers」を紹介。今回は、
同社を含め大手3社を比較しながら、ダイエットセンターにおける提供プログ
ラムについて考えます。



※ダイエットセンター大手3社:

・Weight Watchers
http://www.weightwatchers.com/index.aspx

・Jenny Craig
http://www.jennycraig.com/

・L A Weight Loss Centers
http://www.laweightloss.com/


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【基本データ】
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まず、3社の基本データです。

■売上(2004年)
・Weight Watchers:1102億円
・Jenny Craig:419億円
・L A Weight Loss Centers:176億円

※どの企業も「プログラム参加費」、「食品(商品)販売」、「フランチャイ
ズ費」の3つが主な収益源となりますが、中心的な収益源をどこにおくかで差
があります。Weight WatchersとL A Weight Loss Centersは「プログラム参加
費」、Jenny Craigは「食品(商品)販売」が主力収益です。

■設立
・Weight Watchers:1963年
・Jenny Craig:1984年
・L A Weight Loss Centers:1989年

■施設数
・Weight Watchers:4100(米国のみ)
・Jenny Craig:648(世界)
・L A Weight Loss Centers:750以上(世界)


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【プログラムの比較】
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食事を中心としたダイエットプログラムがベースにあり、その提供方法に違い
がある3社ですが、今回は「ダイエット食品利用が必須かどうか」「プログラ
ムの提供方式」「オンライン提供の有無」という視点で比較してみます。

■ダイエット食品利用が必須かどうか

1)必須タイプ
「Weight Watchers」、「Jenny Craig」がこれにあたります。ダイエットプロ
グラムの中に、自社の食品利用がある程度前提になっているものです。その食
品の多くは、低カロリーの食品であったりサプリメントであったり、冷凍食品
など様々です。

2)必須ではないタイプ
「L A Weight Loss Centers」がこれにあたります。特にダイエット食品を利用
しなくとも、日常の食生活の中での工夫で減量することを目指す方法。食べ方
や調理法など、「普段の食生活のちょっとした工夫」で低カロリーに抑えてい
きます。


■プログラム提供方式

・集団タイプ
「Weight Watchers」がこれにあたります。同社のプログラムでダイエットに成
功し、同社の専門トレーニングを受けた「クラスルームリーダー」と呼ばれる
地元の人が講師となって、参加者(集団)に対してダイエット講習会を進めま
す。

・個別タイプ
「Jenny Craig」、「L A Weight Loss Centers」がこれにあたります。いずれ
も、プロのカウンセラーが1対1でダイエットプログラムを進めていきます。


■オンラインでの提供の有無

3社いずれも基本は、施設での対面ダイエット講習(カウンセリング)ですが
、オンラインでの提供を行う場合と、行わない場合があります。

・オンラインプログラムあり
「Weight Watchers」、「Jenny Craig」がこれにあたります。ネット、電話を
使って自宅でも同様のプログラムを受けることができます。

・オンラインプログラムなし
「L A Weight Loss Centers」があたります。同社は、対面の個別指導にフォ
ーカスしており、オンラインでの提供は行っていません。


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【スポルツの視点】
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以上ダイエットセンターのプログラムを簡単に比較しました。それぞれどの方
法がよいかは一概には決めることは難しく、ダイエットをしたい人をもう少し
イメージする必要があります。ここでは、「ダイエットの目的」をひとつの切
り口に以下の3つに分けて考えてみます。


■1)単に体重を短期間で落としたい人

・例えば、毎年夏前に見た目が気になりダイエットする女性です。こうした人
は楽で即効性を求める傾向にあるはずです。下記のような組み合わせが考えら
れます。

・組み合わせ
ーダイエット食品の利用:必須
ープログラム提供方式:個別カウンセリング
ーオンラインでの提供:あり(自宅でも可能)


■2)体重を落とすだけでなく、その後体重をキープすることを意識している


・例えば、メタボリックシンドロームのため、リバウンドが少ない方法で中長
期的な視点でダイエットしたいと思っているビジネスマンです。下記のような
組み合わせが考えられます。

・組み合わせ:
ーダイエット食品の利用:必須でない(普段の食事の見直しでのダイエット)
ープログラム提供方式:個別カウンセリング
ーオンラインでの提供:あり(自宅でも可能)


■3)体重を落とすだけでなく、ダイエット行動で得た体・心により、QOL
(生活の質)までも上げたいと思っている人

・例えば、単にダイエットしたいだけではない、定年後で比較的時間のある男
性や中高年の主婦です。運動を継続することで日常行動全般が積極的になった
り、さまざまな人との出会いで、生きがいを発見できることを望む人です。
下記のような組み合わせが考えられます。

・組み合わせ:
ーダイエット食品の利用:必須でない(普段の食事の見直しでのダイエット)
ープログラム提供方式:集団タイプ(仲間を発見)
ーオンラインでの提供:なし

ただ、上記1)から3)は必ずしも最初から分かれているわけでなく、1)が
最初の目的で続けていくうちに2)、3)へ変化していくことの方が多いかも
しれません。

上記はダイエットの目的により、サービス提供のパターンが変わることを示し
た一例ですが、いずれにせよダイエットしたい人が「体重を減らすという行為
の中に何を求めるか」の仮説をたて、サービスの中身を決めることが必要です。

次号(8/25配信)ではさらに

・米国ダイエットセンターが抱える課題
・日本版ダイエットセンターのヒント

といった視点で、ダイエットセンターの可能性(3)をお届けします。


 

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