Interview
2012.11.28
自分史上最高のボディデザイン
2012.11.28
株式会社ボディクエスト
代表取締役 ボディデザイナー 森 俊憲 氏
オンラインフィットネスの可能性が注目されはじめてかれこれ10年前後だろうか。この分野で国内において数少ない成長構造を描いているビジネスモデルとしてボディクエストが運営する「パーフェクトボディデザインプログラム(以下:PBDP)」がある。今回は自らをボディデザイナーとする代表取締役森俊憲さんに好調の背景に何があるのか、業種は違えども健康サービス事業にとって何か示唆はないか伺った。
プロフィール
森 俊憲[もり としのり]
自ら開発したオンライン支援サービスにより、これまでに4,000名以上へのカウンセリングやパーソナルトレーニング指導を実施。国内はもとより海外在住の顧客も多数。その斬新なアプローチは能力開発分野でも評価され、企業の人材教育や自己啓発プログラム等にも採用される。各種メディアでの企画監修や講演・セミナーなどでも活躍中。
主な著書に、『DVDつき へやトレ』、『ゆるトレ メソッド』、『筋トレセラピー』、『読む筋トレ』 等。自分が求めているサービス
森さんは、実はフィットネス産業出身ではない。ここが彼のビジネスモデルをシャープにかつ顧客志向具現に向けた動力源となっていることがインタビューを通じて分かってきた。
「大学時代にふとしたきっかけでトレーニングに目覚め、独学でボディメイクしてきました。それによってメンタルも安定し、充実感を得て、自分の存在証明がやっと確立できた気がしました。その後、就職して寮に入るのですが、生活が変わったことで自分のカラダを失いたくないと思いました」
就職一年目の寮生活が暇なはずがない。そこで彼は自ら工夫しながらいかに効果があって短時間でできる自重を使ったトレーニングを編み出すのだ。
「当時3人の相部屋だったので、自室の四畳半では運動ができなかったのです。そこで階段の踊り場などで創意工夫していきました」
この経験がベースとなり、フィットネスクラブに行きたくても行けない人のためのスキマ時間を活用した努力対効果、時間対効果の高いボディデザインプログラム開発へ発展していく。
会社勤め時代に自らのボディデザイントレーニング体験を公開したホームページを立ち上げたのが2003年頃。サイト訪問者と掲示板でのコメントを通じて共感や喜びをシェアできたことが嬉しかったとのこと。自分の試行錯誤がサービスになるのではないか?お役に立てるのではないか?ここが起業に向けたきっかけの萌芽だったのかもしれない。
コミュニケーションが商品
このプログラム開発で特に重視したことは「成果をコミットしたかった」と森さん。豊富なボディデザインコンテンツが魅力なのだが、「一番はコミュニケーションが売り」だと言い切る。「メールって究極のパーソナルメディアだと思うのです。顔は見えないけど面と向かって言えないことも言えてしまう」ここに森さんは可能性を見出していく。
「お客様の想像を超えるサポートをボリュームと頻度で提供する」という森メソッドはどんどん磨きがかかり、実に同時に1,000を超えるお客様のサポートを可能にしている。
パーソナルなコミュニケーションをベースとしたオーダーメイドのボディデザインコンテンツづくりを進めていくことになる。
このサービスをスタートした当初、まだ顧客数が多くない時期、様々なピュアなコミュニケーションを丁寧に積み上げていく。ここでノウハウを磨いていったのだ。実は優れたサービスプロセスを構築し魅力的な成長を遂げているモデルに共通するのは「多くの量をこなす原型を量が少ない時期に丁寧につくっている」ということだ。
自分らしい最高のカラダ
「フィットネス出身じゃないから、フィットネスをどう売ればいいかを自己流でつくったのです」
なるほど、森さんはこのサービスモデル構築の工程で同業他社などのリファレンスもしていなかったとのこと、だからこそ自分流に集中できたのだろう。
そして、フィットネスクラブやジムに行くのは気が引ける人や行きたくても行けない人たちが現在のお客様の80%とのこと。そのお客様へ「自分らしい最高のカラダ」づくりを熱く提唱する。
ここで、お客様からのコメントを引用しよう。
『最初はこんなの無理かなと思いながら相談したのに、すぐに森さん本人からとても丁寧で長い(笑)返事が来て最初は信じられないくらいでした。相談者一人ひとりを本当にパートナーとして考え、影から見守って支えてくれるのだなという印象です。いつもの真摯な姿勢と情熱に私のほうが申し訳ないくらいです。(43才 建築業 T.Yさん)』
※出所:ボディクエストのウェブサイト
PBDPのサービスは6ヶ月間となっている。延長を申し出るお客様も少なからずいるとのことだが、必ず6ヶ月間で卒業してもらうのだと言う。
「6ヶ月間で今後も持続可能なボディデザインスタイルを確立してもらいたいのです」と森さんは言う。
今回の森さんへのインタビューは僕にとっても極めて気づきの多いものでした。
「ぶれてない」
「磨いている」
「サービスプロセスデザインを修得している」
「コミュニケーションに対して真摯である」
当分、ボディクエストから目を離せませんね!!!
正直、弟子入りしたいと思います(笑)
インタビュアー:大川耕平
[取材日:2012年11月13日]