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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2015年12月08日号
           ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
モバイルヘルスに関して今年を振り返ってみると、ビッグニュースがいくつもありました。
Under Armourやadidasなどスポーツアパレル企業による、MyFitnessPal、MapMyFitness、Endomondo、Runtasticなどの大型買収。Fitbitの上場。Apple Watchリリースによるモバイルヘルス環境の変化など。
 
ビッグニュース以外でも、スポルツ的に気になるニュースがいくつもありました。
今回は、モバイルヘルス専門ニュースサイトmHealth Watchで、先月の「調査まとめ」に続き、毎週お届けしてきた「注目ニュース」の中から、再チェックしたい記事を振り返っていきたいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---今年のモバイルヘルス、再チェックしたい「注目ニュース」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「ディスカッション・パートナー」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新サービス、海外 ウェアラブル動向など11本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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【テーマ:今年のモバイルヘルス、再チェックしたい「注目ニュース」】
 
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1.mHealth Watchの「注目ニュース」
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mHealth Watchでは、今年もモバイルヘルスに関する海外のニュースを多く取り上げてきました。通常の記事は「クリッピング」として記事の要約までですが、毎週1回、編集者が解説する「注目ニュース」を掲載しています。今年は合計47本掲載してきました。
 
その中から改めて共有したい記事を4本紹介します。こんな新しい技術が出た!と言う内容は他メディアも取り上げていますので、どう新たなユーザーを獲得するか?どうユーザーに使い続けてもらうか?など、サービス視点で選定しました。
 
 
1-1 糖尿病患者の支援アプリ積極利用は10%(2月16日掲載)
 
 
シンガポールで8週間に渡り、2型糖尿病患者84名にアプリを使って食事、運動記録をしてもらい、どれだけの人が継続したのか観察していったものです。
結果、76.8%が「最小限」の、11.9%が「断続的、尻つぼみ」な、9.5%が「几帳面」なユーザーであることがわかりました。
メタボ、糖尿病との括りで「その人達にはこれが効くでしょう」は、提供者側の論理であることが証明された調査と言えます。この記事から読み解きたいのは以下のポイントです。
 
<記事から学ぶべきポイント>
・糖尿病を患っていても緊急性(痛みなど)を感じないと行動しない
・記録の労力から得られる対価が必要
・「最小限」で続いた人が何ならできたのかが重要
 
 
1-2 Noom、慢性疾患向けコーチングアプリに100万ドル調達(4月13日掲載)
 
 
110万ドルの追加出資を受け、企業による慢性疾患患者へのケアサポートを目的とする『Noom Health』を開発しました。
Noomが培ってきた自動介入に連動し、医師や看護師が必要な場合にダッシュボードを通じて患者とコミュニケーションが取れるようになっています。
自動介入の情報から、企業がいつ、どの患者に働きかけるべきか把握が可能で、ひとつの企業が200人の利用者を獲得できます。
ユーザー視点で常にサービスを進化させているNoomの新しい取り組みから読み解きたいポイントは以下です。
 
<記事から学ぶべきポイント>
・ダイエット市場で得た継続効果を、医療領域で活用(横展開)する
・人とのコミュニケーションを絡めて継続率を上げる
・スポンサー企業が的確にリーチできる環境を作る(ターゲッティング広告)
 
 
1-3 meQuilibrium、従業員のストレス管理アプリで900万ドル調達(4月27日掲載)
 
 
ストレスが従業員にとって第一の脅威とし、従業員に現状を知ってもらい、「レジリエンス(回復力、抵抗力)」を身に付けるためのモバイルサービスです。
ストレスレベルを独自のスコア「meQスコア」では、自分の弱みと強みを知ることができ、改善するためのソリューションを提供します。
この12月よりストレスチェック制度がスタートしましたが、主にはメンタルヘルスの早期発見です。予防としてのレジリエンスを、手軽なモバイルを活用して提供するmeQuilibriumから読み解きたいポイントは以下です。
 
<記事から学ぶべきポイント>
・レジリエンスで従業員のパフォーマンスアップを図る
・独自スコアで従業員がわかりやすく自分の強みと弱みと対策がわかる
・1日10分と取り組み時間が明確になっている
 
 
1-4 Apple Watch、実際に健康になった多くの購入者(8月17日掲載)
 
 
Apple Watch販売から3ヶ月が過ぎたタイミングで、利用者が生活にどのような変化が起きているのか調査が行われました。
「減量した・より運動した」などの行動よりも、「より立つようになった・より健康になった・より歩くようになった・より健康的な選択ができた」などの生活習慣によい影響を与えたとの結果が得られました。
アクティブトラッカーは健康行動をしたい人が購入しますが、Apple Watch購入者の多くは違うでしょう。Apple Watchにヘルスケアコンテンツがあったので、たまたま使って、思った以上に健康行動に気を使うようになったのではないでしょうか!?まさに、多くの企業がアプローチしたいヘルスプロモーションが達成していると言えます。
以下にポイントをまとめます。
 
<記事から学ぶべきポイント>
・健康を売りにしても反応しない人には、興味を持ってもらえる別のアプローチを用意し、それを利用することで、結果健康行動を取っているような流れを作る。
 
 
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2.ヘルスケア成功企業の特長
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我々スポルツは300以上の事例を見てきました。その中でも成功に導いていけるのは、ユーザー視点でサービスを提供し、小さくチャレンジを繰り返しながら、常に進化させているものです。もっと言ってしまうと、小さな失敗を多く経験している人達が強いサービスを作っていっています。
 
今回紹介した4つの「注目ニュース」は、提供するものはサービス、機器など違いはありますが、ヘルスケアで成功する企業と共通する内容だと言えるでしょう。
今後も「注目ニュース」では、この視点を大切にしていきますので、毎週チェックしてください。
 
 
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3.海外ニュース・事例の活用
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ウェアラブルなどの最新情報だけでなく、それらを活用したサービスにビジネスのヒントが潜んでいます。スポルツでは、海外で先行するビジネス事例調査、市場動向調査、ユーザーニーズ調査を行い、ヘルスケアビジネス検討に即役立つことを目指しています。
例えば、
 
課題)
技術は開発したが、誰にどう売っていくと良いか?
 
解決策)
・発想素材調査
→新技術に親和性の高いビジネス事例、エビデンス、市場ボリュームの調査
・新技術を活用したコンセプト設計
→コンセプト作りの参考となるビジネス事例の提示
・コンセプトのビジネススキーム化
→継続的に使ってもらうための参考となる継続ドライバモデルの提示
 
 
来年度のスタートダッシュに向け、ぜひご活用ください。
 
お問い合わせ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「ディスカッション・パートナー」
 
お客様のディスカッション・パートナーとして貢献ができる自分になるための課題は何だろうか?より一歩進化してお客様との関係性をイメージしてみましょう。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <11クリップ>
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[1]インテージ、「健康食品・サプリメント市場実態把握レポート2015年度版」発行
日本の健康食品・サプリメント推定市場規模は1兆5,785億円で、対前年444億円(2.9%)の増加。健康食品の利用目的(ヘルスベネフィット)を分類し、49の分類(カテゴリ)ごとのユーザー層や購入理由・使用実態、顕在・潜在市場規模等の把握が可能。(2015/11/25)
 
[2]第一興商とNTT、共同検討第二弾「コミュニケーションロボットによる高齢者向けカラオケ支援に関する実証実験」開始
第一興商が展開する生活総合機能改善機器「DKエルダーシステム」とNTTの研究所が研究開発を進めるインタラクション技術等を活用した「コミュニケーションロボット」の連携によって介護施設等における高齢者のカラオケや介護予防の取り組みを支援する実証実験。(2015/11/25)
 
[3]エキサイト、介護・家事支援サービス「ファミリーサポーター」を本格始動
「ファミリーサポーター」は家事代行だけでなく、国内で初めて“介護支援者”と“介護支援を必要としている方”をインターネット上でマッチングするサービス。(2015/11/25)
 
[4]デジタルヘルス・レポート:減塩、靴センサー、睡眠改善…6つのビジネスプラン 「デジタルヘルスコネクト」成果発表会(日経デジタルヘルス)
選出された6チームの提案内容は「減塩コーチングサービス」「Walk Pattern Monitoring Device」「肺高血圧症対象 遠隔診療サポートサービス」「睡眠習慣改善『ふわモコ』」「スマートインソールサービス」「眠れないを改善するために」。(2015/11/25)
 
[5]日本保険薬局協会、「JAHIS電子版お薬手帳データフォーマット仕様書Ver.2.0」の公開について
厚生労働省 医薬・生活衛生局より電子版お薬手帳についての通知が発出。運用上の留意点をガイドラインとして取りまとめた。また、取りまとめにおいては電子版の特性も踏まえつつ、お薬手帳サービス全般に関する留意点についても幅広く記載。(2015/11/27)
 
[6]東京商工会議所、健康をテーマにした都市型観光ツアーを開催
都市型観光プログラム「TOKYO DISCOVERY」の一環で、健康(睡眠・食事・健康チェック)をテーマにした体験型ヘルスツアーを初開催。ツアーでは「睡眠講座」やストレスチェック、体組成計測定などのヘルスチェック、ヘルシーで栄養バランスのとれた「健康食」を体験。(2015/12/01)
 
[7]法研、「へるすあっぷ21 2015年12月号」発刊
特集は「ストレスチェック制度、始まります」。専門家アドバイスとともに、ストレスチェックを活用し、休職者の減少等につなげている企業の取り組み事例を紹介する、など。
 
[8]OmadaとHumana、70歳であっても減量は可能
Medicare Advantageのコホート研究は、6ヵ月後85%のエンゲージメント率を記録。参加者は6ヵ月で平均8.7%体重が減少したが、これによりII型糖尿病発症リスクが71%低下。実際、この研究は若年層と比較して平均値が高かった。(2015/11/25)
 
[9]腕輪型スマートトイ『Moff』、米国の教育メディアPBS KIDSと提携
Moffは、米国の子ども向け教育メディアPBS KIDSとパートナーシップを組み「Moff Band」を使った知育アプリ「PBS KIDS Party」(iOS/Android)を共同開発した。ウェアラブル端末を使って楽しく学べる知育の体験を提供する。(2015/11/26)
 
[10]聴覚障害者をサポート、メガネに装着するウェアラブル『LTCCS』
「The Live-Time Closed Captioning System」は、もともとGoogle Glassのアイデアをもとに開発者の1人Daniil Frants氏が着想したウェアラブルツール。メガネに装着するディスプレイ、マイクロコンピューター、高性能マイクの3つのパーツで構成されている。(2015/11/26)
 
[11]水泳やサイクリングに使える、骨伝導式の防水MP3音楽プレーヤー『Beker』
「Beker」は、音の振動を頭蓋骨に与え、それを鼓膜に届かせることで音楽を聴く骨伝導式MP3プレーヤー。ゴムバンドで頭の後ろに装着して使う。(2015/11/30)
 
 
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