[モバイルヘルス&アプリ動向編]今年のモバイルヘルス調査から見える傾向
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[モバイルヘルス&アプリ動向編] 2015年11月10日号
≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
今週は「モバイルヘルス&アプリ動向」編をお届けします。
今年後半はヘルスケアに関する発表会やイベントが例年にも増して開催されました。先週は「Health2.0」がオフィシャルに日本で初開催されました。メディカルだけでなく、ヘルスケアでも長年注目していた方も多かったため、会場も大変盛況でした。
さて今回は、モバイルヘルス専門ニュースサイトmHealth Watchで、今年はどのような「調査」がニュースとして取り上げられてきたのか、振り返っていきたいと思います。
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---今年のモバイルヘルス調査から見える傾向
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「論理性と実際性」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 経済産業省 資料、海外 新フィットネストラッカーなど10本
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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【テーマ:今年のモバイルヘルス調査から見える傾向】
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1.今年のモバイルヘルスに関する調査
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mHealth Watchでは、今年もモバイルヘルスに関する海外のニュースを多く取り上げてきました。その中に「調査」に関するニュースは21記事ありました。今年紹介された「調査」からどのような傾向や動向があったのか、4テーマに分けて見ていきましょう。
1-1 ウェアラブル市場
最も多かった調査テーマです。現在のヘルスケアにおける「ウェアラブル」とは、活動量、睡眠の質、心拍などのデータを取れるリストバンド型の通信端末を指します。
メーカーシェアとしては、Fitbitが依然TOPシェアではありますが、格安スマホと同じく、ウェアラブルでもXiaomiが格安モデルによりシェアを拡大しました。
ウェアラブルをフィットネス専用ではなく、広く見るとApple Watchがシェアを伸ばしました。IDCが発表した15年第2四半期の出荷台数によるシェアでは
1, Fitbit 24.3%
2, Apple 19.9%
3, Xiaomi 17.1%
スマートウォッチによって、今までフィットネストラッカーに興味がなかった人が、スマートウォッチの機能としてフィットネストラッカーを利用し、価値を見出しているケースも見られました。
スマートウォッチはまだスタートしたばかりで、ヘルスケア機能も、既存のフィットネストラッカーと変わりがありません。しかし、健康行動に興味がなかったユーザーを取り込めるチャンスなので、スマートウォッチならではのサービス(アプリ)開発が望まれます。
<参考>
調査:フィットネストラッカーデバイス、2019年までに54億ドルへ
調査:ウェアラブル市場でXiaomiがシェアを伸ばす
調査:米国では5人に1人がウェアラブル機器を使用
『mHealth Watch』注目ニュース:Apple Watch、実際に健康になった多くの購入者
1-2 遠隔医療
メディカルに関して多かった調査は「遠隔医療」に関してです。
「遠隔医療」とは、医師と患者が離れた場所で、インターネットなどの通信技術を用いて行う診断です。テレビ電話機能を使った場合、テレヘルスと呼ばれます。
現在、大手企業などは、全米に広がる支社の従業員の医療管理として「遠隔医療」導入が増加傾向にあります。
慢性疾患のケアマネジメントでは、「遠隔医療」を活用することで医療費払い戻し制度が受けられるようになるため、注目されています。
利用者(患者)側の調査では、デバイスなどを活用し、医師とのデータ共有を望んでいる率が高まっています。医師との共有として注目事例は、Kaiser Permanenteのペイシェントポータルです。会員900万人中、490万人が利用しているサービスです。
日本では条件を満たしていなければ、直接の対面診断ができません。しかし今後は、医師不足、コスト問題などから、導入がされていくでしょう。まず最初にクリアすべきは、医師へ必要性を感じてもらえる仕組み、環境作りとなるでしょう。
<参考>
調査:遠隔医療提供を計画する大企業が2016年急増する
調査:医療従事者は遠隔医療を経由した慢性疾患ケアマネジメントに前向き
調査:米国の成人半数が医師との連携を望む
『mHealth Watch』注目ニュース:Kaiser Permanente、490万会員が健康管理プラットフォームを利用
1-3 BtoB市場
企業内のウェルネスプログラムでは、従業員へのインセンティブ平均額が増加傾向にあります。従業員1人あたりの費用は2014年に比べ、今年は100ドル上がり、平均693ドル支払う予定になっています。保険会社が契約者の健康行動に対しインセンティブを導入したことも話題になりました。
ウェルネスプログラムの取り組み内容に関しての「調査」はありませんでしたが、ただプログラムを提供するだけでなく自分ごと化するためにヘルスコーチングを導入しているものや、Keasがはじめたチーム対抗プログラムなどの評価が高く、Fitbitも法人向けサービスとして「corporate challenges」が新たに導入されました。
現在の日本でも課題となっているのは、「従業員にどう興味を持ってもらい、使ってもらうか?」です。機器がある、成果が出る仕組みがあるだけでは多くの人は動きません。多くの人が興味を持つサービスを作れるところが、市場を獲っていくでしょう。
<参考>
調査:雇用主はひとり当たり700ドルを健康インセンティブに支払っている
『mHealth Watch』注目ニュース:保険会社が健康トラッキング端末プランを発表
Fitbit、『corporate challenges』を追加し、過去4ヵ月で約20企業や団体と契約
1-4 高齢者
モバイルヘルスにおいても今後注目の高齢者市場に関してはAARP(全米退職者協会)が、高齢者にフィットネストラッカーを使わせた6週間のテストの結果を報告しました。77%が有効であると回答し、45%が健康習慣への動機となり、46%が活動的になったことで、よく食べ、よく眠れるようになったと回答しました。
高齢者市場に関しては、残念ながら、毎年AARPが発表する以外の調査ニュースは見られませんでした。米国市場では、まだこれからの動きとなるのでしょう。
<参考>
調査:高齢者をやる気にさせる健康モニタリング
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2.来年への期待
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ウェアラブル市場に関する出荷台数調査は、今後も多く発表されるでしょう。とは言え、すでに5人に1人がウェアラブルを持っている状況として気になるのは、利用動向(継続率)です。購入者が実際に使い続けているのか?どのようなサービスと組み合わせることが効果的なのか?シニア市場、メディカル市場、BtoB市場それぞれのレポートが期待されます。
メディカルに関しても、来年も引き続き「遠隔医療」が中心になるでしょう。医師とのデータ共有の観点からも、ウェアラブルとの結びつきは増してくると思われます。特に医療関係者の間では、スマートウォッチの活用に注目が集まっています。ヘルスケア側から経験を活かした提案をするタイミングになってきたようです。
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3.ビジネスへの調査活用
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ウェアラブルやサービスの市場シェアも大切ですが、ビジネスを検討する上では、なぜそれだけのシェアを獲れたのか、どのように継続利用につなげているのか、などが知りたいのではないでしょうか?一般的な調査では、見えにくい点でもあります。
スポルツでは、海外で先行するビジネス事例調査、市場動向調査、ユーザーニーズ調査を行い、ヘルスケアビジネス検討に即役立つことを目指しています。来年のスタートダッシュに向け、ぜひご活用ください。
お問い合わせ
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「論理性と実際性」
健康ビジネスの難しさと楽しさはこの相反する考え方の両面思考です。
論理性を優先しすぎるとサービスモデルとして成長が描き辛い場合が多いですが、実際性のみの追求もNGです。
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]経済産業省、産業構造審議会 新産業構造部会(第2回)配布資料「欧米企業の最新動向」【PDF】
国際的な競争環境の変化や主要領域における事例のポイントなど。領域別事例「医療・健康」ではFitbit、Proteus Digital Healthを紹介。(2015/10/28)
[2]ヤマダ電機と日本光電、健康みまもりサービス「SUKOYAKA」サービス開始【PDF】
これまでのみまもりサービスは、万が一に備えて設置する緊急通報タイプが主流だったが、日本光電が開発した「SUKOYAKA」は通報機能に加え、アクティブシニアを対象に健康増進や未病管理にもつながる機能も提供できる全く新しいサービス。(2015/10/29)
[3]Healthmore、生涯健康県おおいた21×花王「めざせ!健康寿命日本一」大分県の挑戦と花王のサポート
大分県の「健康寿命日本一」への挑戦と、これを職場や地域でサポートする花王の取り組みについて。(2015/10/30)
[4]経済産業省、平成26年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(健康寿命延伸産業分野におけるニーズ・シーズのマッチングに関する調査)【PDF】
「健康投資/健康経営」の視点からの健康寿命延伸産業活性化に向けた方策調査事業報告書。(2015/10/30)
[5]アールビーズ、サイクリスト向けのウェブサイト「FUNRiDE(ファンライド)」オープン
1993年より発行してきたスポーツ自転車専門誌「月刊FUNRiDE」を10月にウェブメディアとしてリニューアル。読者投稿コラムや大会エントリーなど参加型コンテンツを豊富に用意し、サイクリストの活動を多面的に支援する。(2015/10/30)
[6]東急スポーツオアシス、神奈川県「未病産業研究会」モデル事業に採択
「働く世代のための未病の見える化・未病を治すサービス開発・実証事業」の構築事業が採択された。コンソーシアムは味の素とDeNAライフサイエンスと同社の3社により構成。(2015/11/02)
[7]クラブビジネスジャパン、マイクロジム経営セミナーを開催
開催日は12月17日(木)。経営志向をもったプロフェッショナルなトレーナーとその予備軍を対象に「これからのマイクロジム経営ー成功するためのキーポイント」と題するセミナー&施設見学会を開催。
[8]Misfit、新フィットネストラッカー『Shine 2』を発表
『Shine 2』はいくつかの新機能を備えるが、コンセプトは初代のShineと同じ。基本的な機能も同じで、歩数や睡眠、水泳のデータを記録する。(2015/10/28)
[9]Accenture調査、プライマリケアにおけるデジタルツール利用でアメリカの医療システムは年間100億ドル節約の可能性
Accentureの研究者グループは、予防ケア外来、定期乳幼児健診、高血圧、糖尿病を含む他の疾患による通院を含む通常の外来診療のワークフローを分析。(2015/10/29)
[10]23andMe、遺伝子検査を再始動
FDAが23andMeに郵送による遺伝子試験サービスの販売停止を指示してから2年近くが経過したが、ようやくFDA基準を満たした個人ゲノムサービス(Personal Genome Service:PGS)最新版の提供を開始した。(2015/10/30)
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