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[健康サービス・デザイン編]2016年5月10日号
          ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今回は、今後もますます注目したい食事管理系アプリのサービス・デザインについて考えていきます。
 
ヘルスケアと食事は切っても切れない基本アイテムです。
しかし、毎日3食で繰り返される行為をどう正しい、そして好ましい方向へ持っていくかはリテラシーをアップすることが王道です。
 
様々なアプリもその方向を目指してリリース運用されていますが、どうやらいくつかの成功への岐路がありそうです。そのヒントを感じ取ってください!!!
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「食事管理系アプリのサービス・デザイン」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「コミュニケーション品質」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 食コンディショニング資格講座、海外 スマート鏡など、8本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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テーマ:食事管理系アプリのサービス・デザイン
 
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1、食事管理系アプリの可能性
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弊社とVisso社共同運営のHealth App Lab調べでは、ダイエット&食事管理系アプリは国内で有料無料併せて330存在しています。ヘルスケアにとって食事は極めて重要なことは明白です。この分野でのサービス・デザインの方向性を探ってみましょう。
 
◆食事力は健康力
食事での栄養摂取で我々は命をつないでいます。そして毎日の食事からカラダがつくられ健康状態につながっています。つまり、食事する力がその人の健康の力とほぼイコールと言って過言ではないでしょう。
食事力はヘルスケアサービス事業のド真ん中であるわけです。
 
◆見える化の意味
各アプリによって構成は異なりますが、機能としては下記となります。
 
・食事記録機能
・目標設定管理機能
・栄養構成分析機能
・摂取カロリー表示
 
・消費カロリー表示
・運動記録表示
・バイタルデータ記録機能
・各項目時系列変化表示
 
・ダイエットTIPS
・健康栄養豆知識
・日内カロリー摂取消費バランス表示
・他人との比較(ランキング)
 
・健康度ポイント
・日記記録
・アドバイス機能
・コミュニティ機能
 
各アプリのコンセプトによって同等の機能であっても、伝わる意味に多少なりとも違いが出てきます。
 
食事内容を記録(レコーディング)することによって体重やコンディションの変化理由を明確にしながら目標体重やコンディションに向かった食事内容に修正していくことがこのカテゴリーのアプリのミッションです。
 
漫然と食べていた毎日3回の食事内容を記録し、その意味を見える化しているとも言えます。
デジタル技術を駆使して食事記録を楽にしつつ楽しませ成果へ導くサービスです。
 
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2、リテラシー育成のストーリー
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機能的に食事記録がユーザビリティ的に過不足なく行えるレベルのアプリとなぜか?ユーザーが増えてダイエット成功者も続出するアプリとの違いは何なのでしょうか?
 
◆プロセスデザイン力の勝負
様々な動機で食事記録アプリを手にするユーザーがどのような使い方をし、何を感じ、何を課題とし、結果何を得るのか?得ないのか?つまりユーザー経験プロセスがデザインされているかが大きな分かれ目になるはずです。
 
◆相互学習関係とシナリオ
プロセスデザインをどう描いていくか?これはユーザーとのキャッチボールしかないです。
ユーザー側の経験にアプリを有効に使って自らの目標に向かって歩みながら工夫していく様々な知恵が存在します。
それらの経験情報を共有し、機能改善を重ねていくことで成功シナリオが見え始めます。
 
・アプリ利用初期段階のマインドにマッチした経験ポイント
・アプリ利用継続の課題とその対策
・成果が出はじめた時のモチベーションデザイン
・途中成果が思うように出ない時の対策
・成果を出した後のキープ方法
 
これらの経験ポイントはユーザーがダイエットや食事管理によるコンディショニングに成功しやすくする共通のリテラシーであり、それを経験習得できるようにストーリー化する技術が求められます。
優れたアプリにはこのリテラシーアップ効果が必ずあります。
 
 
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3、持続的共創を仕組み化
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リテラシー育成技術がみえてくると次の課題はその後の継続的関係性をどう描いていくか?です。
国内の先端アプリは今このテーマが課題となっています。
 
◆コミュニティデザイン&ドライブ
コミュニティを運営しているサービスモデルは顧客経験デザインのチューニングが巧い。ユーザー目線での場のデザインができるからです。
 
ユーザー同士の交流をナチュラルに運営し、そこでの交流経験から次のシナリオエッセンスを抽出して、テストして、修正して、磨いていくイメージです。
 
◆マネタイズポイントの自然発芽へ
ユーザーとの対話や相互学習関係をコミュニティという場で運営しながら各ユーザーの経験プロセスから次なるニーズがどこへ行くのか?
これを共有していきマネタイズポイントを見つけて提案していくのが今後の課題です。
コミュニケーション現場に全てのヒントがあるのだと思います。
 
LTV(顧客生涯価値)アプローチの次元へ食事管理系アプリで着手するのはどこでしょうか?
 
現在の先行プレイヤーから近い将来登場すると思います。
楽しみですね!!
 
 
 
-----<参照情報>-----
 
◇Health App Labで紹介している中の10個の食事記録系アプリを3週間から半年利用し分析したメモをベースにこのメルマガ原稿を執筆しました。
 
◇5月24日(火)にモバイルヘルス勉強会にて、実際にダイエット系アプリを運営しているKarada Manager(ネオス)、あすけん(ウィット)、Noom(Noom Japan)の各マネージャーが登場し、パネルディスカッションを行います。今回のテーマのヒントとなる話しを聞ける貴重な場です。ぜひご参加ください。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「コミュニケーション品質」
 
貴社の健康サービス事業に関わるメンバー同士で先月コミュニケーション品質に関して何時間議論しましたか?そこで何を課題とし、どうクリアしようと動いていますか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8リップ>
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[1]世界初の“スマート皿”「プレイティ」健康的な食習慣をサポート、一枚で無限のデザインパターン(ファッションプレスより)
スマートフォンと連動し、健康的で豊かな食生活をサポートする世界初の“スマート皿”。感圧センサーを通じて、食事にまつわるデータを蓄積・解析する画期的なプロダクト。(2016/04/19)
 
[2]カカクコム、地域ケアの情報検索サービス「たすケア」を開設
在宅介護のサポート情報を提供する、地域ケアの情報検索サービス。在宅介護を支援する事業者情報と、専門家が解説する豊富なコンテンツを提供し、介護を受ける方やその家族のスムーズな情報収集をサポートする。(2016/04/20)
 
[3]健康経営はなぜ企業にとって重要なのか?経済的な効果を探る(マイナビニュース)
「1.企業の健康経営と時価総額の関連性」。従業員などの健康管理を経営的な視点で考えて、それを戦略的に実践する経営手法である「健康経営」についてのレポート。(2016/04/20)
 
[4]電通、ベンチャーファンド「電通ベンチャーズ」がクリケットフラワー(コオロギ抽出タンパク)を使用した健康食品開発の米国エクソ社に出資
電通ベンチャーズは、まだ見ぬ未来をつくり出していく野心的なスタートアップ企業への投資と、投資先との協業を通した同社グループのオープンイノベーションを実現するために、昨年4月に設立したファンド。(2016/04/25)
 
[5]クオリティライフサービス、第10回食コンディショニング アドバイザー養成講座
開催日は2016年7月24日(日)、7月31日(日)の全2回。食コンディショニングを無理なくライフスタイルとして取り入れ、毎日を快適に、いつまでもベストコンディションで過ごす暮らし方を学ぶ資格講座。
 
[6]血液検査で疑惑のTheranos、当局が免許取り消しとファウンダーElizabeth Holmes氏の2年間就業禁止を検討
連邦規制当局は ファウンダーのElizabeth Holmes氏を血液検査業務への就業を2年間禁止し、カリフォルニアの同社の免許を取り消すことを検討している。(2016/04/21)
 
[7]体形を360度から確認できるスマート鏡『Naked 3D Fitness Tracker』
全身を鏡に映して体形を確認し、視覚情報でフィットネス効果を高めるスマート姿見。計測結果は、無線LANやBluetoothで連携させたスマートフォンへ転送され、体重、脂肪率、筋肉の量などがアプリで確認できる。(2016/04/22)
 
[8]Fitbitの従業員福利厚生長、議会聴聞でプライバシー、採用方針、ROIについて語る
Fitibit Wellness副社長兼統括マネージャーAmy McDonough氏は「ヘルスケア革命」と題された先週の公聴会で証言した。(2016/04/26)
 
 
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