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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年10月11日号
            ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
先週開催されたCEATECは行きましたか?
IoTの広がり、AIを活用したコミュニケーションロボットの増加などが目立ちましたね。
ヘルスケアにおいても、モバイルツールとホームツールの融合(併用)による進化がすでにはじまっています。
 
今回は、アウトドアガジェットとIoTを使って自宅で最大限楽しむ取組みを紹介します。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---ホームトレーニングの新たな時代の幕開け「Zwift」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「小さな体験共有」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 鉄分の充足測定技術、海外 ウェアラブルデバイス動向など、10本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:ホームトレーニングの新たな時代の幕開け「Zwift」
 
2月の[海外注目企業の継続支援編]で紹介した「Peloton」は、自宅でのエクササイズを魅力的なものにするため、フィットネスで人気のSpin Bikeを取り入れるというものでした。
わざわざフィットネスクラブに行かなくても、参加者皆で盛り上がる楽しさを体感できることで注目されています。ただし、はじめるためには自宅用のエクササイズバイク(1,995ドル)を購入せねばならず、少々入口のハードルは高くなります。
 
今回紹介する「Zwift(ズイフト)」は、インドアサイクリングを継続しやすくするもので、ターゲットはトレーニングのため、すでに室内トレーニングの環境がある程度整っている人になります。そのため、導入のハードルは低く設定されています。
 
「Peloton」の記事はこちら
 
 
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1.「Zwift(ズイフト)」とは
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■企業名:Zwift, LLC.
 
■設立:2014年
日本では2015年秋より正式にスタート。現在、日本国内でも複数の自転車販売店が体験ディーラーを努めている。
 
■同社のサービス
・体感型オンラインサイクリングサービス「Zwift」の提供(月10ドル)
・サイクリングウェア、アクセサリーの販売
 
■オンラインサイクリングサービス「Zwift」
・ロードバイクを実際に使って、仮想空間を走るゲーム
・世界の競技コースで競ったり、仲間とツーリングしたりできる
・個別のトレーニングプログラムが提供される
 
→「Zwift」は、退屈な室内トレーニングを楽しいイベント、データを見ながら自分に合ったトレーニングに取り組めるサービスです。
 
 
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2.「Zwift(ズイフト)」のサービスの流れ
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■用意するアイテム
・ロードバイク
・ローラー台
・送受信機(Ant+やBluetooth対応)
・スマートフォン
・PCもしくはタブレット
・ネット環境
 
ロードバイクをある程度本格的にする方なら、室内トレーニングも取り入れているので、上記3つは所有していることが多いです。次の3つは、ロードバイクをしていなくても所有しているものになるので、追加購入はほとんどありません。
 
■利用の仕方
・PCにゲームをインストールする
・「Zwift」を起動し、ユーザーIDを作成する
・ログインし、各デバイス(スピードセンサー等)を無線接続する
・ロードバイクをローラー台に乗せてスタート
 
ここまで約10分で準備ができます。最初の14日間は無料トライアルできますので、環境が整っていればすぐに試すことができます。
ローラー台やデバイスなど、推奨されるアイテムを選ぶと、より正確なトレーニングに役立てることができます。もちろん、推奨でないアイテムの場合でも設定は可能です。
走行感は、こぐスピードに合わせて画面が流れていきます。アップダウンのある場所では同じ力でこいでいると、登りでは速度が落ち、下りでは速度が上がるなどの演出があり臨場感があります。
 
■プレイ内容
・フリーライド
自由にコースを走ることができる。その時間に実際に走っている世界中の参加者と一緒に走ることができる。世界中のレースコースや、ヒルクライムなどバリエーションも豊富。
 
・イベント
レベル毎のイベントが複数あり、好みのイベントを選び指定の時間にログインするとJoin Eventの表示が出るのでクリックしたらイベントがスタートする。ペース走からレースイベントまであり、本格的なレース気分を楽しめる。
 
・ワークアウト
トレーニングメニューが複数あり、自分のレベルに合わせてプログラムを選択できる。パワーメーターがあるとより正確な強度アップが可能になる。
 
 
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3.「Zwift(ズイフト)」にみる継続支援のポイント
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・辛さを排除
ロードバイクの室内トレーニングは、天候に左右されない、わざわざトレーニングができる場所まで移動しなくてよいなどの利点はあるが、景色が変わらない、風を感じられないなどから、ひたすら耐えるようなトレーニングになってしまいやすい。
「Zwift」なら、走りたいコースを選んだり、トレーニングではアドバイスをもらえたり、仲間と一緒に走ることができたりと、飽きさせない。大画面テレビに繋いで臨場感を出すなど、他のデバイスを活用すると言ったIoTによる広がりも楽しめる。
 
・スマートフォンの活用
サイクルコンピューターがなくても、スマートフォンが代用してくれる。その他、ライダー同士でテキストメッセージを使って会話したり、アバターにジェスチャーさせるなど、コミュニケーションツールとしても使える。
さらにPCがなくても、タブレットやスマートフォンが画面の役割をするβ版の提供もはじまった。
 
 
「Zwift」、いかがでしたでしょうか?実はここに書き切れないくらい、魅力的な機能や仕掛けがたくさん備わっています。
日本国内でも参会者が急増中で、この秋から放映がはじまったロードバイクを題材にしたアニメ「ろんぐらいだぁす!」とのコラボレーションもはじまり、さらに参加者が増えていくことになるでしょう。
 
 
【モバイルヘルスの活用サポート】
「Zwift」の成功のポイントは、ライダーがトレーニングを効率化するためにはじめた室内トレーニングが、退屈で苦痛と思っている課題を解決する(ユーザーの不満の解消)ために、オンラインゲームを組み合わせたこと(既存ITの活用)です。
楽しく運動できる環境を提供することで、結果、健康になるという、理想的なヘルスケアサービスに仕立てています。
 
皆さんの、新たにヘルスケアアプリを検討したい、商品を絡めて継続率の高いサービスを開発したい、すでにあるアプリやサービスを活用して価値化したい、などのご要望に、スポルツがストックする事例を活用し、スピーディーにプランニングするサポートを行っています。
まずは気軽な情報交換からいかがでしょうか?
 
 
お問合せはこちら
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「小さな体験共有」
 
お客様と小さく失敗して共感、同じく小さく成功して感動!これを繰り返すことのできるサービス現場は絶対枯れない!
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]ファンケルと古河電気工業、唾液による鉄分の充足測定技術を開発【PDF】
唾液中に存在する栄養素の一つである、鉄分の充足状態がわかるタンパク質「フェリチン」を測定する技術を開発。本技術により、従来行われている鉄分の充足測定方法である血液を採取せず、唾液中に微量に存在する「フェリチン」を測定することで簡単に鉄分の充足状態を確認することが可能になる。(2016/09/26)
 
[2]ドコモ・ヘルスケア、LACOSTEとコラボしたウェアラブル活動量計「ムーヴバンド3 with LACOSTE」新発売
従来の「ムーヴバンド3」の活動量や睡眠の計測機能はそのままに「活動量計をファッションアイテムに」というコンセプトのもと、フランス発祥のプレミアム・カジュアルブランド「LACOSTE」とコラボレーション。(2016/09/28)
 
[3]Eatreat、管理栄養士・栄養士のためのサイト「Eatreat」を公開
「Eatreat」の特徴は、会員とイートリスタとの交流。現在活躍している管理栄養士・栄養士をイートリスタと命名し、サイトを通じて情報発信を行っていく。また、日本橋の本社事務所にキッチン付きセミナールームを併設し、セミナーを通してサイトだけでは得ることができない実践的なスキルを提供する。(2016/10/03)
 
[4]ヤフー、多様な働き方の支援や従業員の心と身体の健康増進を目的に新幹線通勤の導入とチーフ・コンディショニング・オフィサーを新設
従業員の心と身体の健康増進を推進する「CCO」を新設し、代表取締役社長執行役員 最高経営責任者の宮坂学が就任。今後、従業員に貸与しているスマートフォンや、社員食堂「BASE」などを活用した健康増進の取組みを進めていく、など。(2016/09/27)
 
[5]デジタルヘルス事例:“赤ちゃんのうんち×iPhone”で臨床研究 聖路加大とウンログが「Baby うんち」(日経デジタルヘルスより)
「Baby うんち」。一風変わった名前のiPhoneアプリを使った臨床研究が始まる。今回の研究は「胆道閉鎖症」と呼ぶ、生後間もない赤ちゃんに発症する疾患のスクリーニング手法を開発することが大きなテーマ。(2016/09/29)
 
[6]デジタルヘルス事例:健康教育に乗りだすベネッセ「継続性」に通信教育の知見生かす(日経デジタルヘルスより)
ベネッセホールディングスが弘前大学COI研究推進機構と連携し、健康教育に乗り出す。経営戦略本部 事業開発部長の西村俊彦氏がヘルシーエイジング・イノベーションフォーラムにて今秋からの実証研究について語った。(2016/10/04)
 
[7]ジェイアイエヌ、JINS MEME MEDICAL LAB.「STRESS & MOTIVATION」スタート【PDF】
ウェアラブルで世界初、AppleのResearchKitを使用した医学研究プロジェクト。ストレスチェックをテーマに、集中力の可視化がもたらすパフォーマンス・生産性の向上について研究していく。プロジェクト実験参加者募集中。(2016/10/07)
 
[8]呼気チェックヘルスケアのBreathometer、Phillipsとの提携を発表
この提携によりBreathometerは、オーラルケアに対する意識が高いであろうSonicareのユーザー層に対して、自社プロダクトを提供できるようになった。(2016/09/28)
 
[9]体温、心拍、ストレス度合いを可視化!小型ガジェット『soltrackr+』
soltrackr+は、キーホルダーに付けられるほど小さいが、体温や心拍、血中酸素濃度などをセンサーで計測しスマホに表示するガジェット。中央近くにセンサーがあり、この面を額にかざすだけで体温が計測できる、など。(2016/09/30)
 
[10]世界で初めて「水分補給レベル」と心拍数・カロリー・歩数を計測可能なウェアラブルデバイス『LVL』
水分補給レベルはディスプレイにたまる水で視覚的に確認可能で、この水が少なくなると喉が渇いていることを表す。表示を切り替えることで、心拍数、消費カロリー、歩数、ムード(気分、状態)を表示する。(2016/10/03)
 
 
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