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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2017年1月17日号
            ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
本年もよろしくお願いします。
 
今年も1月5日から8日にラスベガスで世界最大の家電見本市“CES 2017”
が開催されましたので、ヘルスケア製品情報を一挙31アイテムご紹介します!!
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「“CES 2017”注目のヘルスケア製品をチェック」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「地図を描く」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 健康管理・増進支援アプリ、海外 ウェアラブルデバイス市場動向など、10本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:“CES 2017”注目のヘルスケア製品をチェック
 
 
今年も米国ラスベガスにて世界最大の家電見本市“CES 2017”が1月5日から8日に開催されました。
“CES 2017”については、国内のニュースでも取り上げられたのを見た方もいると思いますが、ヘルスケアに関するものはほとんど見かけなかったのではないでしょうか?しかし会場では多くのデジタルヘルスツールが発表されていました。
 
今回のメルマガでは、米国ヘルスケア系ニュースサイト“mobihealthnews”が紹介した31アイテムをご紹介します。
 
 
ニュース元:mobihealthnews
 
 
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<Polar Team Pro Shirt/Polar>
 
スポーツウォッチの老舗Polarから新製品として「Polar Team Pro Shirt」を発表した。
ノースリーブタイプのシャツで、着用者の皮膚に接触する心拍センサーが埋め込まれているため、胸バンドやリストバンドが必要なくなる。襟元のポケットに入れて着用者の速度、距離、加速度を追跡するセンサー「pod」も備わっている。
 
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<360 Smart Bed/Sleep Number>
 
Sleep Numberは、睡眠時に使用するスマートマットレス「360 Smart Bed」を発表した。
睡眠中の心拍、動き、呼吸を追跡し、ユーザーがイビキをかきはじめるとそっとユーザーを動かす、睡眠を促進するために足を温めたりする機能が備わっている。睡眠中の動きのすべてはコンパニオンアプリに送信され、ユーザーが睡眠の質を知ることができる。
 
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<Bodytrak/Bodytrak>
 
英国スタートアップのBodytrakが、開発中のウェアラブルデバイス「Bodytrak」を披露した。
「Bodytrak」は、活動中の深部体温を計測し、アスリートから、軍人、そして入院患者まで多岐にわたるユーザーに生理学的フィードバックを提供する体温計が装備された一組のイヤホンだ。データはスマートフォン、腕時計やインターネットのハブに送信される。この製品は主にアスリート向けで、音楽を再生し、着用者にフィードバックを提供しながら速度と距離だけでなく、心拍数とVO2 (酸素摂取量)も計測する。
 
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<ara/Kolibree>
 
スマート口腔ケアを提供するKolibreeは、 ユーザーが歯磨きをする度にデータを収集する人工知能を搭載した歯ブラシ「ara」を発売した。
歯磨きデータ (頻度、歯磨き時間、磨いた部分) は歯ブラシに保存し、コンパニオンアプリの起動中に同期され、ディープラーニング・アルゴリズムを利用して個人の歯磨き習慣を理解し、利用回数が増えるごとにユーザーにより正しい歯磨きテクニックを身につけさせる。
 
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<Onitor Track/Onitor>
 
ウェアラブルメーカーのOnitorは、リストバンド型バンド、胸バンドまたはスポーツブラに設置するバイオメトリックセンサーを搭載したクリップとコンパニオンアプリで構成される新たな減量プログラム「Onitor Track」を発表した。
デバイスからのデータとユーザーが毎週入力する体重とを結合させて、ユーザーの状態に適応するエクササイズプログラムと栄養指導アドバイスを提供する。
 
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<Motiv Ring/Motiv>
 
Motivは、3-5日連続使用可能なバッテリーを搭載した指輪タイプのフィットネストラッカー「Motiv Ring」を発表した。
このリングは、睡眠、フィットネス (歩数、カロリー、距離と心拍数)を追跡する。水泳中に着用することもできる。先行予約販売価格は199ドル。
 
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<QuardioCore/Qardio>
 
Qardioは、ウェアラブルECG (心電図)モニター「QuardioCore」を発売した。
2000万以上のデータポイントを記録し、コンパニオンスマートフォンアプリに送信し続けるQardio 独自のセンサーテクノロジーが備わったこの医療用モニターで、ユーザーは心臓の健康状態をモニターすることができる。バンドを胸の周りに着用し、心電図、心拍変動、呼吸数、体温と活動データを継続的に記録し、また、このバンドはQardioのスマート血圧モニター、ワイヤレス体重計、医師用のQardioMDダッシュボードなど、その他の製品とも連動させることができる。
 
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<New Apps/Garmin>
 
Garminは、デベロッパーがGarmin製品のコンテンツ構築に使用できるオープンプラットフォームConnectIQを介してサードパーティー企業からダウンロードできる新しいアプリ「data fields」と「watch faces」など多数発表した。
この新たに提供されるものの中には、Garminのウェアラブル製品に情報を表示する、Uber のETAトラッカー、Trek/Bontrager自転車のヘッドライトとテールライトのコントロール機能などが含まれる。
 
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<Seenso Health/Cogilex>
 
モントリオールの企業Cogilexは、「Seenso Health」という健康に特化した新たな検索エンジンを立ち上げた。
「Seenso Health」は、健康関連情報のキュレーターと、ガイドとして機能し、ユーザーにガイド付きの主要情報の「知識マップ」を提供する。
 
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<Flow/Plume Labs>
 
Plume Labsは、ユーザーがどこにでも持っていくことができるよう設計された、スマート大気環境トラッカー「Flow」を発表した。
この小型センサーは、ホコリ、排ガス、ガスや化学物質を計測し、ユーザー周囲の大気環境を示す様々な色を表示する。データはコンパニオンアプリに同期される。Plumeはクラウドソーシングされたリアルタイムの汚染マップの作成に取り組んでいる。
 
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<RESPeRATE/2breathe Sleep Inducer>
 
2breathe Sleep Inducerは、「RESPeRATE」と呼ばれるFDA認証済高血圧患者用ウェアラブルを発表した。
開発当初、ウェアラブルがユーザーを眠らせる効果があることに気づき、ユーザーが体に巻きつける伸縮性のあるバンドに取り付ける新たな追跡モジュールを開発することを決心した。ユーザーが呼吸すると、呼吸リズムのデータがコンパニオンアプリに送信され、呼吸に同期するメロディーを奏で、ユーザーの呼吸を落ち着かせ、入眠するようガイドする。
 
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<PillDrillHub/PillDrill>
 
PillDrillは、服薬遵守ハブ「PillDrillHub」とコンパニオンアプリを公開した。
4月に発売された「PillDrillHub」は、ユーザーの薬の側に設置するよう設計された小型のスキャンシステムで構成されている。服薬時間になると、音声と視覚的なアラートを送信し、ユーザーは、薬用容器 (スキャン用タグが貼付されている)をかざす。スキャンした、または、スキャンしなかったデータは家族やその他関係者にコンパニオンアプリを介してその最新情報が通知される。
 
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<Why WAIT/HealthyMation>
 
ハーバードのジョスリン糖尿病センターの専門家が起業したヘルスケア・アニメーション・スタジオHealthyMationは、最近立ち上げたデジタル糖尿病予防プログラムの「Why WAIT」の公式デモンストレーションを行った。
 
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<Vapor/Misfit>
 
Misfitは、新たなタッチスクリーン型スマートウォッチ「Vapor」を披露した。
Bluetooth対応の「Vapor」には、音楽とGPSの他に、アクティビティと睡眠追跡機能が備わっている。
 
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<Nod/Johnson & Johnson, RestDevices>
 
Johnson & JohnsonとRestDevicesは、新生児用のインターネット接続された睡眠追跡とコーチングシステムに関するパートナーシップを発表した。
来月には利用可能となるシステムは、estDevicesのウェアラブルベビーモニター「Mimo」、両社が共同で構築した「Nod」と呼ばれるコンパニオンアプリから構成されている。
 
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<Diabnext AI platform/Diabnext>
 
Diabnextは、糖尿病管理用人工知能ツール「Diabnext AI platform」を披露した。
Diabnextの人工知能プラットフォームは、J.A.R.V.I.S.インターフェイスを使用して医師と患者、そして、インターネット接続され、多種のインシュリンペンに対応するスマートインシュリン服薬記録装置のClipsulinを繋げ、注射データを記録し、スマートフォンまたはコンピューター上のDiabnext の人工知能システムに保存する。
 
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<Smart Spoon and Folk/Gyenno technologies>
 
Gyenno technologiesは、パーキンソン病患者やその他の不安定な症状を持った患者の手の振戦を補正するよう設計されたスマートスプーンとフォークを発売した。
このデバイスは、振戦に関するデータを収集し、医師と研究者に通知するとともに、経時的にその性能を改善するよりスマートなアルゴリズムの開発にも利用される。
 
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<Doppel/Doppel>
 
ロンドンの企業Doppelは、「Doppel」と呼ばれる“気分変動”ウェアラブルをアメリカで初公開した。
このデバイスは、ユーザーの手首の内側に設置されたセンサーを着用するもので、コンパニオンアプリを介して同期される。Doppelは、心拍のような振動を発し、ユーザーはデバイスをタッピングまたはなでることで振動の速度を調整し、ユーザーの覚醒度を高めたり、落ち着かせたりするとされている。この商品は数ヶ月以内には発売され、現在では予約販売を受け付けている。
 
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<TomTom Sports/TomTom>
 
TomTomは、新しいアプリ「TomTom Sports」を発売した。
同社のウェアラブルトラッカーとペアリングすることで、アプリは12種類までの活動を追跡し、進捗状況と競技用のダッシュボードを作成し、Strava、Nike+、Endomondo、MapMyFitnessやRunkeeperなどのサードパーティー製プラットフォームと同期させることができる。
 
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<RunIQ/New Balance, Intel>
 
New BalanceとIntelは、GoogleとStravaの2社とのコラボレーションを搭載したフィットネス用スマートウォッチ「RunIQ」を発売した。
ランナーは自分のトレーニングデータをアップロードし、世界中のコミュニティに共有することができる。この腕時計にはGPS、心拍数モニターが搭載されている。
またNew Balanceは、Jabra audioのハードウェアで作成したワイヤレススポーツ用ヘッドホン「PaceIQ」も初公開した。スマートウォッチは300ドル、ヘッドホンは110ドルで発売される。
 
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<Hear and Now/BioBeats>
 
英国企業のBioBeatsは、ストレスを軽減させ、健康を改善するよう設計されたアプリ「Hear and Now」の最新版を公開した。
このアプリは、ユーザーがカスタマイズした呼吸エクササイズを通じてガイドし、ストレスの元を認識する、マインドフルネスコーチとして機能する。
 
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<DietSensor/DietSensor>
 
DietSensorは、糖尿病や肥満などの慢性的症状を改善するよう設計された栄養アプリ「DietSensor」の発売をすることを発表した。
現在はAndroid用で用意されているこのアプリは、Consumer PhysicsのSCiOセンサーが搭載されているセンシング対応スマートフォン「Changhong H2」と連動させることができる。この機能で、ユーザーは食物の細胞をスキャンすることができ、タンパク質、脂質や炭水化物を計測して栄養状態とフィットネスを監視し、ユーザー向けにカスタマイズされた栄養とフィットネス指導を提供する。
 
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<Benchmark senser systems/Valencell>
 
Valencell は、新たに2種類の「Benchmark senser systems」の発売を発表した。
これらシステムのひとつは可聴式専用で、もう一方は手首と腕に着用できるウェアラブルだ。これらの新しいモデルの双方は、心拍数、VO2、VO2max、安静時心拍数、カロリー消費量と回復を継続的に計測する。
 
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<Bloomlife/Bloomlife>
 
Bloomlifeは、女性が陣痛を追跡し理解できる妊娠追跡用ウェアラブル「Bloomlife」とコンパニオンアプリを披露した。
 
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<Devices & Apps/Philips>
 
Philipsは、インターネット接続された以下の健康管理ツールを披露した。
スマートベビーモニターと耳式体温計とペアリングするコンパニオンアプリ「Avent uGrow」、デジタル育児プラットフォーム、ユーザーがどこにでも持ち運べるポータブルCPAPデバイス、インターネット接続されたソニッケアー歯ブラシと、モバイルコーチング機能付のヘルスウォッチとペアリングできるアプリベースの行動改善プログラム「Philips Heart Health」など。
またPhilipsは、ドライバーに運転中の健康状態の情報を提供するMercedes Benz「Fit & Healthy project」で、Daimlerと提携したことを発表した。
 
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31アイテム(Philipsは複数でしたが)はいかがでしたでしょうか?
 
確かに一般メディアで取り上げたくなるような驚きのあるものではないですが、ヘルスケアに関わる者としては気になるものも多かったと思います。
それぞれの詳細情報をチェックしてみてください。
 
さて、今年スポルツが扱うモバイルヘルス関連情報では、成果を出しはじめた「健康経営」にスポットを当てていきます。
「健康経営」によって収益を改善した事例や、健康行動に参加しない社員を動かすユニークな取組などを紹介していきたいと思います。
 
ご期待下さい!
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「地図を描く」
 
顧客への提供サービスの進め方を地図に描いて共有するというのは如何なものか?
このアクションを磨くとすごいことになる!きっと。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]エーザイ、肥満症治療剤「lorcaserin」全世界における開発・販売に関する全ての権利を獲得
Lorcaserinは、米国においてBMIが30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の体重に関連する合併症を有するBMIが27kg/m2以上の成人患者の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として2012年6月にFDAより承認され、2013年6月から発売されている。(2017/01/05)
 
[2]ワコム、「デジタルインク」に記録した脳波データから「喜怒哀楽」の感情を抽出・表示するコンセプトモデルを展示
タブレット端末などモバイルIT機器で手書(描)き入力した、文字や絵などのデジタルインクに、ユーザーの脳波データを重ねて記録し、人間の感情の4大要素「喜、怒、哀、楽」を抽出して表示するコンセプトモデルを開発。(2017/01/06)
 
[3]伊藤忠商事、NTTドコモと共同で企業向け健康管理・増進支援モバイルアプリ「Re:Body」を開発
「Re:Body」は、健康診断結果の閲覧・経年比較、ドコモ・ヘルスケアの“ムーヴバンド3”による運動・睡眠データ、体組成計による体重・体脂肪等データ、食事記録も含めた日々の生活習慣データを一元管理できる。更に管理栄養士等とのコミュニケーション機能も備え、健康に関連するデータ管理・閲覧に加え、健康増進に対するアドバイスを行う機能を持つことが特徴。(2017/01/10)
 
[4]大正製薬、「血圧が高めの方のタブレット(粒タイプ)」大正製薬ダイレクト限定で新発売
血圧が高めの方に適した機能性表示食品で、機能性関与成分としてヒハツ由来ピペリンを1粒あたり90μg含有。血圧低下作用があるヒハツ由来ピペリンには、1-2週間で高めの血圧を改善し、正常な血圧を維持する機能があることが報告されている。(2017/01/10)
 
[5]オールアバウト、今年多くの人を動かす8つの「コト」All About「国民の決断ー未来予測」を発表
2017年以降に生活者のライフスタイルに変革をもたらすと考えられるコトを「未来予測」として発表。健康部門「人工知能で医療ビックバン」、老後部門「ごちゃまぜコミュニティへの移住」など。(2017/01/10)
 
[6]UBMメディア、健康博覧会2017(第35回)
開催日は、2月15日(水)から17日(金)。健康寿命の延伸に関わる製品/サービスを一堂に会した国内最大級のビジネストレードショー。「健康食品・サプリメント展」「健康機器展」「フィットネス&スポーツ展」など。
 
[7]クオリティライフサービス、第12回食コンディショニング アドバイザー養成講座
開催日は、2017年4月9日(日)、16日(日)の全2回。食コンディショニングを無理なくライフスタイルとして取り入れ、毎日を快適に、いつまでもベストコンディションで過ごす暮らし方を学ぶ資格講座。
 
[8]インフォグラフィックス:ウェアラブルが私たちの健康情報を管理する方法を変える
ウェアラブル技術が活躍する場面が増えているので、患者自身が健康状態をモニターし記録できるようになっている。このため医師と患者の関係は劇的に変化し、ヘルスケア業界に革新的な変化をもたらしている。(2017/01/05)
 
[9]米国のウェアラブルデバイス市場は不調
全体としてウェアラブルデバイスカテゴリは、これまでに予測されていた速さで成長はしていない。ウェアラブルデバイスの利用はやっと人口の15.8%に達したところで、2020年までに21.1%に成長する程度だと予想される。(2017/01/06)
 
[10]mHealth Watch注目ニュース:PatientsLikeMe、iCarbonXとのパートナーシップで1億ドル調達
このパートナーシップは、人口知能を利用して遺伝的情報と患者が発する情報を統合し、iCarbonXとともに業務を行ない、技術とアプリケーションのコンソーシアム、iCarbonXのデジタルライフアライアンスに基づくもの。目的は、疾病を緩和するための行動、環境要素についての理解と知見を深化させること。(2017/1/16)
 
 
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