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健康ポイントプログラム導入企業:BodyWedge社
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【健康ポイントプログラムとは】

「健康ポイントプログラム」とは、1日の歩数やフィットネスクラブでの利用
回数、低カロリーの食事を摂った回数など「健康づくりへの取り組み」をある
一定の基準(例えば、1000歩=1ポイントなど)で「ポイント化」し、ポ
イントをためればギフト券と交換できるなどの「インセンティブ」を用意する
もの。ポイント化自体は今までにもありましたが、インセンティブをつけると
いう点がこのプログラムの新しい点です。

継続利用がキーとなるフィットネスクラブや食品販売の分野では、今後注目し
たいサービス化モデルのひとつです。

健康ポイントプログラムの導入は、日米ほぼ同時に起き、昨年から具体事例が
でており、日本ではNTTデータ、ワコールなどが健康ポイントプログラムを
取り入れています。

そこで今回は、米国で業界団体を巻き込み大掛かりな健康ポイントプログラム
を導入しているフィットネス機器メーカーの取り組みを紹介します。


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【事例紹介】
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■健康ポイントプログラム名:Healthy Activity Rewards Program
(健康アクティビティ リワードプログラム)
http://www.ItsMyBod.com/scripts/default.asp

■運営企業名:Its My Bod, Inc.
(同社の親会社は、フィットネス機器メーカーのBodyWedge社。実質フィットネ
ス機器メーカーが運営していると言える)

※BodyWedge社
http://www.bodywedge.com/

■設立:2005年

■主な収益源:初期登録料、月間の会費収入

■プログラム参加費
個人会員:登録料10ドル+月5ドル
家族会員:登録料10ドル+月8ドル

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【健康ポイントプログラムの特徴】
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健康ポイントプログラムの構築は、

1)ポイント加算の対象の設定
2)インセンティブ対象の設定
3)プログラム利用者の増大施策
4)プログラム採算性の確保

という4つの視点で企画する必要があります。

この4つの視点で同社のプログラムの特徴を下記に整理します。


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1)ポイント加算の対象の設定
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多くの企業で導入している健康ポイント加算の対象は、自社商品・サービスの
みというものが多いですが、同社のプログラムは、同社の機器を購入した場合
のポイントはなく、フィットネスクラブへの会員申し込み、自らがとった運動
行動、食事カロリーがポイント加算の中心対象です。

「4)プログラム採算性の確保」の所で述べますが、このプログラム利用自体
を有料化することで、直接機器の販売がなくとも継続できるビジネスモデルに
しています。

下記がそのポイント加算の対象です。

■運動ポイント

・国内約100箇所のフィットネスクラブの会員申し込み
1ヶ月会員:50ポイント
3カ月会員:100ポイント
6カ月会員:175ポイント
1年会員 :250ポイント

・自ら行った運動(フィットネスクラブでの運動、ウォーキング、自転車など
30分:1ポイント
60分:2ポイント
90分:3ポイント
120分:4ポイント
など

・登録パーソナルトレーナーの利用

同サイトを運営するBodyWedge社のパーソナルトレーナーを紹介したり、パーソ
ナルトレーナーを専門に派遣する企業と連携してサービスを提供。利用頻度に
応じて25ポイントから100ポイントが加算される、利用割引きも受けられ
る。

■食事ポイント

・1500から2000カロリー1日摂取で2ポイント。2001から2500
カロリーで1ポイント加算されます。


※記録・管理ページ
http://www.memberawardcenter.com/bw21/enroll/workout.asp

ポイントの記録はすべて自己申告制ですが、一日の最大ポイントは「18ポイ
ント(食事2ポイント+運動16ポイント)」とされています。


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2)インセンティブ対象の設定
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貯めたポイントを使うインセンティブの対象ですが、多くの企業では自社商品
であったり、健康関連の商品・サービスであったりします。しかし、同社では
健康はあくまで人生を楽しむ手段であるという考えのもと、健康分野以外の様
々な商品と交換が可能にしています。

交換比率は、500ポイントから2000ポイントで、25ドルから300ド
ル相当のギフト券と交換できます。


■ポイント交換できるインセンティブの対象の一例

・Southwest Airlines社(エアライン)
・Best Buy社(家電)
・Hyatt社、Marriot社(ホテル)
・Barnes & Nobles(書籍)
・Lauren Matzen Classical Acupuncture (スパ・エステ)
・Dicks Sporting Goods(スポーツ小売)
など

※ギフト券が使えるショップ&サービス一覧
http://www.memberawardcenter.com/bw21/awards/merchants.asp


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3)プログラム利用者の増大施策
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健康ポイントプログラムを導入しても、実際に使う人を集めるしくみをある程
度最初からもたなければビジネスとしての成立は難しいです。同社は、その点
フィットネスクラブ利用を促進するを業界団体「IHRSA(国際フィットネス協
会)」に目をつけました。

具体的にはIHRSA(国際フィットネス協会)と連携し、同協会に加盟する主要
フィットネスクラブ施設店舗で、積極的にこのプログラムの告知をするように
させたのです。

フィットネスクラブにとっては、一切の出費がなく会員の継続利用につながる
ので、フィットネスクラブ側にとっても魅力的なサービスになっています。

同社は自社で集めることなく、会員を一挙に集めるしくみを作っています。

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4)プログラム採算性の確保
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健康ポイントプログラムを提供する多くの事例では、顧客はポイントプログラ
ム自体は無料で使うことができます(登録料などはかかりません)。そして企
業は商品・サービスのリピート購入が促進されることで、インセンティブにか
かる費用を埋めるというのが基本的なビジネスモデルです。

しかし、同社ではポイントプログラムの参加自体を有料にするかわりに、自社
の商品・サービスをこのプログラムの中では紹介していません。収益源自体が
通常の健康ポイントプログラムと違います。


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【スポルツの視点】
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■以上4つの視点からみても、同社の健康ポイントプログラムは、通常の健康
ポイントプログラムにはない工夫をしていることがわかります。

■1)の「ポイント加算の対象」としては、今後健康づくり全体を考えること
が訴求され、例えば外食・中食といった分野や、特定保健用食品、さらにはス
トレスや睡眠といった要素もポイント加算の対象として広がる可能性がありま
す。

■2)の「インセンティブの対象」としては、達成した時に賞を付与したり、
武道でよく使われている級や段を付与するなど「精神的満足度」を高めるもの
に広がることも考えられます。

■3)の「プログラム利用者の増大施策」では、食分野の業界団体へのアプロ
ーチが考えられます。

■4)の「プログラム採算性の確保」では、同社と同様のビジネスモデルを考
える場合、サイト内でのバナー広告の可能性、参加するフィットネスクラブや
インセンティブ対象となっている流通店へのフィットネス機器の販売の可能性
があります。

■今後健康ポイントプログラムを導入する企業は増えていくでしょうが、上記
4つの視点にどんな工夫をしていくかが、重要課題になります。


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