Waterfront Media社が仕掛ける「Online publishing」というビジネスモデル
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【先進事例分析】
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Waterfront Media社が仕掛ける「Online publishing」というビジネスモデル
ー 著者、出版社、読者すべてにメリットを提供 ー
数多くの投資家が注目
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前号では、米国の健康ポータルサイトとして
わずか２年弱でWebMDに続き２位に躍進した
「EverydayHealth.com」の特長を紹介しました。
このサイトを運営するのが、
Waterfront Media（ウォーターフロントメディア）社。
同社は、健康に特化した「Online publisher（ネット専門の出版社）」
として位置づけられ、現在２０の健康関連のサイトを運営し、数多くの投資家
から資金も集まっている注目企業です。
今号では「Waterfront Media社」のビジネスモデルを紹介します。
※参考バックナンバー（前号）：
注目健康ポータルサイト「EverydayHealth.com」（１）
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/227.html
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企業概要
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■運営企業：Waterfront Media,Inc.
http://www.waterfrontmedia.com/
■企業設立：２００２年
■企業概要：
１）有名健康書籍を中心にオンライン化の権利を取得し、現在２０の健康
サイトを保有。書籍の内容にそったオンラインプログラムを個人に有料で
提供する。(「Online publisher of self-help products」とも呼ばれる）
２）健康総合ポータルサイト（米国第２位のEveryday Health）の運営。
（収入は企業からの広告費）
■株主：BEV Capital、NeoCarta Ventures、タイムワーナー社他投資会社多数
http://www.waterfrontmedia.com/about-wfm-investors.aspx
■収益：個人からの月会費、企業からの広告費
■現在の有料個人会員数：３０万人
■メルマガ会員数：４００万人
■従業員数：１５０名
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運営する２０の健康関連サイト
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同社が運営する２０の健康サイトは、
・健康ポータルサイト
・書籍のオンラインプログラムサイト
・施設のオンラインプログラムサイト
の３つに大きく分類できます。
【ポータルサイト】
ポータルサイトは企業からの広告費が主な収入となる。
○Everyday Health（健康ポータルサイト）
http://www.everydayhealth.com/
・２００６年１０月開始
・WebMDにつづき第２位のユニークユーザー数を誇る
・利用は無料
○What to Expect（妊婦向けポータルサイト）
http://www.whattoexpect.com/
・Heidi Murkoff著者のベストセラー
「What to Expect When You're Expecting」のオンライン版
・利用は無料
【書籍のオンラインプログラムサイト】
書籍のオンラインプログラムサイトは一般生活者からの会費が主な収入。
また、同社は書籍のオンライン化の権利費用を出版社と著者に対し支払う。
○The South Beach Diet（サウスビーチダイエット）
http://www.southbeachdiet.com/
・２００３年米国で話題を呼び、今では２２００万部を超えた書籍
「South Beach Diet」（出版社はRodale社）のオンラインプログラム＆記録
＆レシピ集サイト。
・２００４年から開始
・会費は週５ドル
・出版企業「Rodale社」よりオンライン化の権利を購入
○Bikini Bootcamp（女性向け軍隊式プログラム）
http://www.bikinibootcamp.com/publicsite/funnel/index.aspx
・Amansala Spaが提供するビキニが着れる体型を目指すダイエットオンライン
プログラム。２００７年発売の書籍「Bikini Bootcamp」（出版社はBroadway
Books社）のオンライン版。
・会費は週４ドル
○Dr. Andrew Weil's My Optimum Health Plan
（ドクターワイル氏のオプティマルヘルスプログラム）
http://secure.agoramedia.com/weil/index_weil.asp
・数多くの健康著書をもつドクターワイル氏の書籍のオンラインプログラム。
・８週間にわたりアドバイスが得られる。
・会費は週４ドル
【施設のオンラインプログラムサイト】
施設のオンラインプログラムサイトも一般生活者からの会費が主な収入。
同社はオンライン化の権利費用を施設に対し支払う。
○The Duke Diet（デュークダイエット）
http://www.dukediet.com/publicsite/index.aspx
・米国でのダイエットの有名施設である「Duke Diet & Fitness Center」の
プログラムのオンライン版。
・会費は週４ドル。
※その他２０サイトの詳細
http://www.waterfrontmedia.com/meet-our-partners.aspx
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ビジネスモデルとしての価値
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Waterfront Media社のビジネスモデルとして特に注目したいのは、
有名書籍のオンライン化の権利を購入し、
・パーソナルプログラム化
・記録管理
・コミュニティ
・レシピ集、運動メニューなどの大量のデータの検索機能
など「実践的なオンラインプログラム化」を行うことで新しい価値を作り、
会員から安定的な収益を上げるという点です。
このビジネスモデルを、書籍の著者、出版企業、読者という３つの視点で
考えてみます。
●書籍の著者の視点
健康関連の書籍を発刊した後、爆発的に売れたとしてもある一定期間が過ぎる
とブームはおさまります。また、書籍の形ではどうしても「知識レベル」の
提供にとどまり、実際に行動してもらう「実践レベル」の形にしにくく、著者
自身の考えが伝わりきれませんでした。
Waterfront Mediaのビジネスモデルでは、書籍の内容が個々人に合うプログラ
ムとして提供されるので、著者自身の考えが読者の「行動」に影響を及ぼし、
継続的に使われることになります。また、オンライン化の印税も安定的に期待
できます。
●出版企業の視点
Prevention、MensHealthなど有名健康雑誌を出版する米国最大の健康出版社
「Rodale社」では年間１００冊を超える健康書籍を発刊しています。
Rodale社としては、健康ベストセラーを毎年作り出すことは難しく、いかに
書籍をロングセラー化していくかが課題となっています。
Waterfront Media社のビジネスモデルでは、Rodale社は「The South Beach
Diet」のオンライン化権利を同社に売却、そのかわり「オンラインプログラム
付き書籍」という新しい売り方を提案。その後書籍のロングセラー化に成功
しているようです。
それを示すように２００８年３月、Rodale社はWaterfront Media社と「The
South Beach Diet」のオンライン版について５年の再契約を結びました。
●読者の視点
「書籍を読んで理論はわかったとして、何人の人が実行に移せるか？」
この課題は健康分野の書籍でも同じです。
読者自身が気に入った書籍の場合、さらにその次のことを知りたい、著者の
セミナーを聞きたい、著者に相談したい、といった次のステップが予想されま
すが、今までではその次の実践ステップが用意されていませんでした。
Waterfront Mediaのビジネスモデルでは、書籍の内容が個々人に合う
・パーソナル化プログラム
・記録管理
・コミュニティ
として提供されるので、より実践し自分化することが容易になります。
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スポルツの視点：
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■書籍の著者、出版企業、読者という３者の課題をうまく解決したのが、
Waterfront Media社のビジネスモデルの中核です。
■さらに同社は、ポータルサイトを運営し多くのアクセス数を保有すること
で、「各サイトへの集客」という課題も解決しています。
■ヘルスビズウォッチでは、健康業界の抱える課題として、
「Plan」「DO（継続）」「Check」「Action」のつながりをいかに高めるか？
を挙げてきましたが、同社はこの課題にビジネスモデルとして対応していると
言えるでしょう。
※本ビジネスモデルはとてもユニークでした。本ビジネスの日本版にご興味の
ある方は編集部までご連絡ください。
気軽な情報交換ができればと思います。
https://www.sportz.co.jp/contact/
（情報交換の欄にチェックしてください）
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【先進事例分析】
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Waterfront Media社が仕掛ける「Online publishing」というビジネスモデル
ー 著者、出版社、読者すべてにメリットを提供 ー
数多くの投資家が注目
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前号では、米国の健康ポータルサイトとして
わずか２年弱でWebMDに続き２位に躍進した
「EverydayHealth.com」の特長を紹介しました。
このサイトを運営するのが、
Waterfront Media（ウォーターフロントメディア）社。
同社は、健康に特化した「Online publisher（ネット専門の出版社）」
として位置づけられ、現在２０の健康関連のサイトを運営し、数多くの投資家
から資金も集まっている注目企業です。
今号では「Waterfront Media社」のビジネスモデルを紹介します。
※参考バックナンバー（前号）：
注目健康ポータルサイト「EverydayHealth.com」（１）
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/227.html
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企業概要
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■運営企業：Waterfront Media,Inc.
http://www.waterfrontmedia.com/
■企業設立：２００２年
■企業概要：
１）有名健康書籍を中心にオンライン化の権利を取得し、現在２０の健康
サイトを保有。書籍の内容にそったオンラインプログラムを個人に有料で
提供する。(「Online publisher of self-help products」とも呼ばれる）
２）健康総合ポータルサイト（米国第２位のEveryday Health）の運営。
（収入は企業からの広告費）
■株主：BEV Capital、NeoCarta Ventures、タイムワーナー社他投資会社多数
http://www.waterfrontmedia.com/about-wfm-investors.aspx
■収益：個人からの月会費、企業からの広告費
■現在の有料個人会員数：３０万人
■メルマガ会員数：４００万人
■従業員数：１５０名
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運営する２０の健康関連サイト
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同社が運営する２０の健康サイトは、
・健康ポータルサイト
・書籍のオンラインプログラムサイト
・施設のオンラインプログラムサイト
の３つに大きく分類できます。
【ポータルサイト】
ポータルサイトは企業からの広告費が主な収入となる。
○Everyday Health（健康ポータルサイト）
http://www.everydayhealth.com/
・２００６年１０月開始
・WebMDにつづき第２位のユニークユーザー数を誇る
・利用は無料
○What to Expect（妊婦向けポータルサイト）
http://www.whattoexpect.com/
・Heidi Murkoff著者のベストセラー
「What to Expect When You're Expecting」のオンライン版
・利用は無料
【書籍のオンラインプログラムサイト】
書籍のオンラインプログラムサイトは一般生活者からの会費が主な収入。
また、同社は書籍のオンライン化の権利費用を出版社と著者に対し支払う。
○The South Beach Diet（サウスビーチダイエット）
http://www.southbeachdiet.com/
・２００３年米国で話題を呼び、今では２２００万部を超えた書籍
「South Beach Diet」（出版社はRodale社）のオンラインプログラム＆記録
＆レシピ集サイト。
・２００４年から開始
・会費は週５ドル
・出版企業「Rodale社」よりオンライン化の権利を購入
○Bikini Bootcamp（女性向け軍隊式プログラム）
http://www.bikinibootcamp.com/publicsite/funnel/index.aspx
・Amansala Spaが提供するビキニが着れる体型を目指すダイエットオンライン
プログラム。２００７年発売の書籍「Bikini Bootcamp」（出版社はBroadway
Books社）のオンライン版。
・会費は週４ドル
○Dr. Andrew Weil's My Optimum Health Plan
（ドクターワイル氏のオプティマルヘルスプログラム）
http://secure.agoramedia.com/weil/index_weil.asp
・数多くの健康著書をもつドクターワイル氏の書籍のオンラインプログラム。
・８週間にわたりアドバイスが得られる。
・会費は週４ドル
【施設のオンラインプログラムサイト】
施設のオンラインプログラムサイトも一般生活者からの会費が主な収入。
同社はオンライン化の権利費用を施設に対し支払う。
○The Duke Diet（デュークダイエット）
http://www.dukediet.com/publicsite/index.aspx
・米国でのダイエットの有名施設である「Duke Diet & Fitness Center」の
プログラムのオンライン版。
・会費は週４ドル。
※その他２０サイトの詳細
http://www.waterfrontmedia.com/meet-our-partners.aspx
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ビジネスモデルとしての価値
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Waterfront Media社のビジネスモデルとして特に注目したいのは、
有名書籍のオンライン化の権利を購入し、
・パーソナルプログラム化
・記録管理
・コミュニティ
・レシピ集、運動メニューなどの大量のデータの検索機能
など「実践的なオンラインプログラム化」を行うことで新しい価値を作り、
会員から安定的な収益を上げるという点です。
このビジネスモデルを、書籍の著者、出版企業、読者という３つの視点で
考えてみます。
●書籍の著者の視点
健康関連の書籍を発刊した後、爆発的に売れたとしてもある一定期間が過ぎる
とブームはおさまります。また、書籍の形ではどうしても「知識レベル」の
提供にとどまり、実際に行動してもらう「実践レベル」の形にしにくく、著者
自身の考えが伝わりきれませんでした。
Waterfront Mediaのビジネスモデルでは、書籍の内容が個々人に合うプログラ
ムとして提供されるので、著者自身の考えが読者の「行動」に影響を及ぼし、
継続的に使われることになります。また、オンライン化の印税も安定的に期待
できます。
●出版企業の視点
Prevention、MensHealthなど有名健康雑誌を出版する米国最大の健康出版社
「Rodale社」では年間１００冊を超える健康書籍を発刊しています。
Rodale社としては、健康ベストセラーを毎年作り出すことは難しく、いかに
書籍をロングセラー化していくかが課題となっています。
Waterfront Media社のビジネスモデルでは、Rodale社は「The South Beach
Diet」のオンライン化権利を同社に売却、そのかわり「オンラインプログラム
付き書籍」という新しい売り方を提案。その後書籍のロングセラー化に成功
しているようです。
それを示すように２００８年３月、Rodale社はWaterfront Media社と「The
South Beach Diet」のオンライン版について５年の再契約を結びました。
●読者の視点
「書籍を読んで理論はわかったとして、何人の人が実行に移せるか？」
この課題は健康分野の書籍でも同じです。
読者自身が気に入った書籍の場合、さらにその次のことを知りたい、著者の
セミナーを聞きたい、著者に相談したい、といった次のステップが予想されま
すが、今までではその次の実践ステップが用意されていませんでした。
Waterfront Mediaのビジネスモデルでは、書籍の内容が個々人に合う
・パーソナル化プログラム
・記録管理
・コミュニティ
として提供されるので、より実践し自分化することが容易になります。
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スポルツの視点：
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■書籍の著者、出版企業、読者という３者の課題をうまく解決したのが、
Waterfront Media社のビジネスモデルの中核です。
■さらに同社は、ポータルサイトを運営し多くのアクセス数を保有すること
で、「各サイトへの集客」という課題も解決しています。
■ヘルスビズウォッチでは、健康業界の抱える課題として、
「Plan」「DO（継続）」「Check」「Action」のつながりをいかに高めるか？
を挙げてきましたが、同社はこの課題にビジネスモデルとして対応していると
言えるでしょう。
※本ビジネスモデルはとてもユニークでした。本ビジネスの日本版にご興味の
ある方は編集部までご連絡ください。
気軽な情報交換ができればと思います。
https://www.sportz.co.jp/contact/
（情報交換の欄にチェックしてください）
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