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【先進事例分析】
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       米国での健康記録サービス動向

    ー 利用者視点でみた記録活用の3パターン ー

 大手健康ポータルの記録サービス、記録専門サービスサイトを紹介

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健康記録サービスは、体重・血圧といった身体状態や、食事・運動といった
健康行動を記録できるサービス全般のことを指します。

サービス形態として大きくは、

・健康機器や食品などのモノ購入者に特典として提供されるもの
・ウェブサービスなど情報サービス単独として提供されるもの

があります。

米国では、NIH(国立衛生研究所)が肥満の行動療法の代表として自己監視
(セルフモニタリング=記録)を長年にわたり推奨するなど、減量の有効な
手段として用いられいます。

昨年日本でもレコーディングダイエットがブームになりましたが、ここ数年
米国では記録を活用した様々なサービスが現れています。

そこで今回は、米国の新しい「健康記録サービス」を紹介します。


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注目した記録サービス
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今回は、大手健康ポータルサイト「Everydayhealth」「WebMD」が提供する記録
サービスと、記録専門サイト「Figwee」「healthehuman」というサービスを
紹介します。


【Everydayhealth】

■記録サービス名:Manage My Everydayhealth
米国最大の健康ポータルサイト「Everydayhealth」のマイページでの健康記録

■健康記録の主な機能
・ブログ日記
・プログレスレポート(体重、太もも、ウエストなど項目ごとの
 進行状態のグラフ化)
・摂取カロリー記録(1日食べた食事を記録すると自動でカロリー計算がされ
 週・月ごとのグラフが現れる)
・フォトアルバム
・記録 + コーチングサービス(有料)

■特長:記録+コーチングサービス
摂取カロリー記録サービス(無料)を利用している人で、記録後にコーチング
を受けたい場合、アップグレード版として有料で利用ができる。
パーソナルコーチ(登録栄養士、フィットネスコーチ)が対応し、記録を見て
その人に合ったダイエット知識、コツ、モチベーションアップなどをメールを
使い提供する。

■価格:5ドル(週)

※Everydayhealth
http://www.everydayhealth.com/


【WebMD】

■記録サービス名:WebMD Health Manager
米国大手健康ポータルサイト「WebMD」でのマイページでの健康記録

■健康記録の主な機能
・各種疾患や手術など病歴を長期記録
・医師に適宜見せて説明が可能な記録
・ファミリーアカウント(家族全員で使える)
・子供の成長記録(6歳までの子供の発育記録)

■特長:子供の成長記録
6歳までの子供のライフスキル(社会性、自立性、言語力、数字力など)を
チェックし、その履歴が残る。

■価格:無料

※WebMD
http://www.webmd.com/



【Figwee】

■記録サービス名:Figwee
ビジュアル型食事日記サイト

■健康記録の主な機能
・ビジュアルフードダイアリー
(3万枚以上の「料理画像」より、量を直感的に選べる)
・ビジュアルフィットネスダイアリー(100枚以上の「運動画像」を提供)
・グラフ(カロリー消費や栄養量などをグラフ化。目標との差異がわかる)
・オンラインコミュニティ(グーグルのコミュニティを活用)

■特長:ビジュアルフードダイアリー
食事摂取量を画像を動かしながら調整できるので、摂取カロリーの記録精度を
高めることができる。直感的に選べるので、記録する手間が軽減される。
http://www.figwee.com/figwee/help/tour.asp

■価格:無料

※Figwee
http://www.figwee.com/



【healthehuman】

■記録サービス名:healthehuman
社会的な健康づくりを重視する健康記録サイト

■健康記録の主な機能
・体重、食事、運動、サプリメント摂取などの記録
・PDFでプリントアウトし、見えるところに置くことに配慮
・社会的な健康づくり記録

■特長:社会的な健康づくりの記録
心の健康に影響の大きい職業経験も含め、レジャー、教育、趣味、ボランティ
ア、近所の人とのつきあいなどを社会的な健康づくりの記録が可能になって
いる。

■価格
・無料会員は蓄積するデータに制限あり。月5ドル支払うと制限がなくなる。


※healthehuman
http://www.healthehuman.com/index.html



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記録活用の3つのパターン
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記録を活用して健康生活をどう実現していくか?
利用者視点でみると、記録活用のパターンは3つあると考えます。


(1)プラン見直しのための記録

記録結果を自ら見直しプランに反映させる活用法です。
この記録においては、利用者は丁寧に毎日(連続して)記録をつけることが
必須になるので、ダイエットの場合何度もリバウンド経験のある人など、
必要性に迫られている人に向いています。

ただし、一般の人が自分の記録をみて、その後どうすべきかを導き出すことは
難しいことが予想されます。その点を、上記事例「Everydayhealth」では
専門家による「記録+コーチングサービス」により対応しています。


(2)行動継続のための記録

記録すること自体を楽しみに変え、行動を継続しやすくする活用法です。
この記録においては、利用者は必ずしも記録を毎日つける必要はないので、
特別な目標意識をもたず、必要性に迫られていない人にも向いています。

上記事例の「healthehuman」の社会的な健康づくりの記録は、記録することで
常に前向きになれ行動継続を支援、また「WebMD」の子供のライフスキル記録
は、子供の成長確認を楽しむとともに、自らの健康行動も記録でき、
行動の継続を支援しているともいえます。

企業としては、記録を使って競い合ったり(ランキング)、同じ目的の仲間と
共有する(コミュニティ)、ポイントがたまるといった形で対応する場合も
多いです。


(3)モチベーションアップのための記録

何らかのプランに入る前に自分自身の現状に気づき、やる気を向上させる
活用法です。通常記録は短期間で終了し利用者の負担が少ないので、動機づけ
されておらず(なぜ行動が必要かが明確でなく)行動に移すことが苦手な人に
向いています。

昨年日本でブームになった「レコーディングダイエット」は、スタート時には
食べたものを記録するだけで、ダイエット行動はなにもしなくてよいことにな
っています。記録の目的は自分自身の現状に「気づき、モチベーションを上げ
ること」のみにフォーカスしています。


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スポルツの視点
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■健康記録サービスを企画する際の検討課題の一つとしては、
利用者を想定し、上記3つの活用パターンのどれをどの程度充実させていくか
といえます。その際、米国には記録活用パターンごとに様々な工夫があり、
ヒントになりそうです。

■また記録に関連する業界の動きとして、大手家電・通信・機器メーカー14社
が参画する「Continua Health Alliance」が健康機器の相互接続性を確保する
ための設計ガイドラインを完成したことを発表しました(2008年2月3日)。

利用者は、様々な企業の機器を一元的に簡易に記録管理ができるものになる
ものであり、この動きには大いに注目したいです。


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