継続ドライバ「ビジュアルモニタリング」事例
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【先進事例分析】
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継続ドライバ「ビジュアルモニタリング」事例
ー 海外事例にみる記録時、記録後の工夫 ー
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スポルツではヘルスケア事業成功の鍵は「継続率」にあると考え、様々な
ビジネス事例研究から、健康行動の継続に作用する支援技術を
「継続ドライバ」と命名し、本メルマガにおいても幾度か紹介してきました。
※継続ドライバとは
http://www.healthbizwatch.com/keyword/contents/14.html
10の継続ドライバのうち、これまでに、
・インセンティブ
・ヘルスコミュニケーション
を紹介しましたが、今号では「ビジュアルモニタリング」を取り上げます。
ビジュアルモニタリングは、視覚的に自分の健康状態・行動・結果を記録し
表現できる機能をさし、具体的には健康日記・体重グラフ・食事・運動記録
などができるものです。
ここ数年米国では、記録をベースにしたコミュニティサイトが数多く立ち上が
るなど、健康行動の継続を支援する重要な要素として、記録が改めて注目され
ています。
そこで今回は、米国のネット上のビジュアルモニタリング事例(健康記録
サイト)を
・記録時の工夫
・記録後の工夫
という観点で紹介します。
.........................................................................................................
「記録時」の工夫がみられる事例
.........................................................................................................
日本の記録サイトでは「記録時」の工夫という点で、「記録の手間のカット」
や「記録の一元管理」といった工夫が行われていますが、米国では
・気分(心理状態)記録
・ライフワーク記録
といった、健康を幅広く捉えた記録の工夫が行われています。
【気分記録】
■サイト名:DietTV
http://www.diettelevision.com/
■設立:2007年
■実績:会員数100万(推定)
■サービス概要
ダイエット継続は、仲間同士の励ましあいや専門家のアドバイスによってなさ
れるという主旨でダイエットコミュニティをスタート。
●記録時の工夫:気分・心理状態の記録
同サイトでは、体重食事・運動・睡眠といったダイエットに必要な記録項目
以外に、日々の感情気分を5段階で入力できるようになっています。
ダイエット時の変化(例えば、体が軽くなった気がする、全体的に肌のつやが
よくなったと感じるなど)を意識的に感じておくことは、ダイエットの継続の
ために有効です。
今のところ、体重や他の記録項目と気分記録の連動は見られませんが、
一覧的に見ることができれば、更に有効な記録になるはずです。
※気分・心理状態の記録のイメージ
(→かわいらしいアイコンで選べます)
http://www.diettv.com/DietTelevision/myplan/how-do-you-feel.html
【ライフワークを記録】
■サイト名:HealtheHuman
http://www.healthehuman.com/index.html
■設立:2006年
■サービス概要
・体重、食事、運動、サプリメント摂取などの記録
・心の健康に影響の大きい職業経験、ボランティア経験、近所の人との交流
などのライフワークの記録も可能
・無料会員は蓄積するデータの容量に限界値あり。月5ドル支払うと、
その制限がなくなる。
●記録時の工夫:ライフワークを記録
レジャー、教育、趣味、ボランティア経験などをライフワークの記録が可能に
なっています。単に自分の体の健康のことだけを考えるのではなく、
幅広い意味での健康づくりを考えた記録です。
※記録項目のイメージ
http://www.healthehuman.com/assets/images/profile_sshot_large.jpg
(→Lifestyleの項目があり、そこでライフワークも記録できます)
.........................................................................................................
「記録後」の工夫が見られる事例
.........................................................................................................
日本の記録サイトでは、「記録後」の工夫という点で、「記録を使って遊ぶ」
や「記録後にアドバイスがある」といった工夫が行われていますが、米国では
・進行と対策の共有、定量化された記録情報
・フードサジェスチョン
といった工夫が行われています。
【進行と対策の共有、定量化された記録情報】
■サイト名:patientslikeme
http://www.patientslikeme.com/
■設立:2008年
■実績:Business 2.0 Magazineが選んだ「世界を変える15社」に選出
(2007.7)
■サービス概要
体験情報共有型ネットコミュニティ。患者同士の助け合いで、日々を充実して
過ごしてもらうことをミッションにする。
●記録後の工夫:
1)進行と対策の共有
検索項目にしたがって、自分と同じ病状の人をクリックすると、その人の
プロフィールとともに、症状の変化、対策(処方薬、サプリメントなど)、
周辺症状の変化が一目でわかります。利用者側のベネフィットとして、自分の
将来のシナリオとして活用、先読みしていろいろな行動や準備ができる点が
大きいです。
※進行と対策の共有のイメージ
http://www.patientslikeme.com/welcome/share
(→右上にグラフイメージがでています)
2)参加者による定量化情報
実際に取り組んだ「対策」については、同じ病状の人がその対策をどの程度
取り組んでいるか、どう評価しているかが定量データとしてわかります。
例えば、あるサプリメントを摂取するという対策をとっている人の
定量化情報として、集計データとして現れます。
※定量化情報のイメージ
http://www.patientslikeme.com/als/treatments/show/5-coenzyme-q10-coq10
(→サプリメントの摂取理由、摂取量、摂取期間などがでています)
【フードサジェスチョン】
■サイト名:Calorie Count Plus
http://caloriecount.about.com/
■設立:2007年
■実績:会員数62万人
■サービス概要
ダイエットの方法は人それぞれ違うものであるという前提に基づき、単に
コミュニティがあるだけでなく、コミュニティで集めた情報を高度にカスタ
マイズし、ダイエットのパーソナライズをサポートする。
■記録後の工夫:フードサジェスチョン
「Food Suggestions」は自分の食事をマイページに記録すると、コミュニティ
参加者で自分と同じ食事を記録した他の複数メンバーが、できるだけ共通して
利用している食品を薦めてくれるというもの。
書籍販売サイトamazon.comで、自分と同じ商品を購入した人が、どのような
組み合わせで購入したかを分析し、お薦め商品として提案するしくみを応用
しています。
※フードサジェスチョンのイメージ
http://caloriecount.about.com/calories-bagels-toasted-i18002
(→実際に自分は摂った食事を入力すると「Suggested Food item」として
上記のようなページが紹介されます)
.........................................................................................................
スポルツの視点
.........................................................................................................
■今回は、米国の独自性あるビジュアルモニタリング(健康記録サイト)事例
をみました。いずれもまだ日本には少ない継続支援のための工夫があります。
■今後の記録サイトは、記録機能の充実だけでなく「継続支援サービス」とし
ていかに充実させるかがポイントになります。記録を他の継続ドライバと
絡ませて提案することは、記録サイトの今後の方向性の一つになるはずです。
例)記録と「ヘルスコミュニケーション」を絡ませる
・成果の良し悪しにかかわらず、続けたことに対して専門家がほめてくれる
・記録が長期になるにつれ、行動のポイントが変わることが予想されるが、
それにあわせたアドバイスをしてくれる(例:減量期、リバウンド期、
維持期を判断してくれ、適切なアドバイスをしてくれる)
など
例)記録と「交流」を絡ませる
・全会員の記録データが個人を特定できない定量化された情報として共有され
自分の記録傾向と似た人がどんな行動をとっているかわかる
・記録内容により成功者と初心者に分け、成功者が初心者に教えるといった
交流ができる
・家族全員の記録ができ、家族単位での交流ができる
など
■今後も健康記録サイトは「健康行動の継続を支援する」有効な手段として、
新しい価値を作り出していくと思われ、継続ドライバの一つとして引き続き
注目していきます。
.........................................................................................................
今回の参考バックナンバー
.........................................................................................................
■継続ドライバ関連
・米国での健康インセンティブ事例(2009年2月20日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/237.html
・米国での健康コミュニケーション事例(2009年3月6日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/238.html
■個別事例関連
・ダイエット専門のSNSコミュニティ「DietTelevision」(2007年7月27日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/202.html
・「体験情報共有型」患者コミュニティ「patientslikeme」(2008年10月9日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/230.html
・米国ダイエットコミュニティ「Calorie Count Plus」(2008年5月22日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/221.html
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【先進事例分析】
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継続ドライバ「ビジュアルモニタリング」事例
ー 海外事例にみる記録時、記録後の工夫 ー
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スポルツではヘルスケア事業成功の鍵は「継続率」にあると考え、様々な
ビジネス事例研究から、健康行動の継続に作用する支援技術を
「継続ドライバ」と命名し、本メルマガにおいても幾度か紹介してきました。
※継続ドライバとは
http://www.healthbizwatch.com/keyword/contents/14.html
10の継続ドライバのうち、これまでに、
・インセンティブ
・ヘルスコミュニケーション
を紹介しましたが、今号では「ビジュアルモニタリング」を取り上げます。
ビジュアルモニタリングは、視覚的に自分の健康状態・行動・結果を記録し
表現できる機能をさし、具体的には健康日記・体重グラフ・食事・運動記録
などができるものです。
ここ数年米国では、記録をベースにしたコミュニティサイトが数多く立ち上が
るなど、健康行動の継続を支援する重要な要素として、記録が改めて注目され
ています。
そこで今回は、米国のネット上のビジュアルモニタリング事例(健康記録
サイト)を
・記録時の工夫
・記録後の工夫
という観点で紹介します。
.........................................................................................................
「記録時」の工夫がみられる事例
.........................................................................................................
日本の記録サイトでは「記録時」の工夫という点で、「記録の手間のカット」
や「記録の一元管理」といった工夫が行われていますが、米国では
・気分(心理状態)記録
・ライフワーク記録
といった、健康を幅広く捉えた記録の工夫が行われています。
【気分記録】
■サイト名:DietTV
http://www.diettelevision.com/
■設立:2007年
■実績:会員数100万(推定)
■サービス概要
ダイエット継続は、仲間同士の励ましあいや専門家のアドバイスによってなさ
れるという主旨でダイエットコミュニティをスタート。
●記録時の工夫:気分・心理状態の記録
同サイトでは、体重食事・運動・睡眠といったダイエットに必要な記録項目
以外に、日々の感情気分を5段階で入力できるようになっています。
ダイエット時の変化(例えば、体が軽くなった気がする、全体的に肌のつやが
よくなったと感じるなど)を意識的に感じておくことは、ダイエットの継続の
ために有効です。
今のところ、体重や他の記録項目と気分記録の連動は見られませんが、
一覧的に見ることができれば、更に有効な記録になるはずです。
※気分・心理状態の記録のイメージ
(→かわいらしいアイコンで選べます)
http://www.diettv.com/DietTelevision/myplan/how-do-you-feel.html
【ライフワークを記録】
■サイト名:HealtheHuman
http://www.healthehuman.com/index.html
■設立:2006年
■サービス概要
・体重、食事、運動、サプリメント摂取などの記録
・心の健康に影響の大きい職業経験、ボランティア経験、近所の人との交流
などのライフワークの記録も可能
・無料会員は蓄積するデータの容量に限界値あり。月5ドル支払うと、
その制限がなくなる。
●記録時の工夫:ライフワークを記録
レジャー、教育、趣味、ボランティア経験などをライフワークの記録が可能に
なっています。単に自分の体の健康のことだけを考えるのではなく、
幅広い意味での健康づくりを考えた記録です。
※記録項目のイメージ
http://www.healthehuman.com/assets/images/profile_sshot_large.jpg
(→Lifestyleの項目があり、そこでライフワークも記録できます)
.........................................................................................................
「記録後」の工夫が見られる事例
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日本の記録サイトでは、「記録後」の工夫という点で、「記録を使って遊ぶ」
や「記録後にアドバイスがある」といった工夫が行われていますが、米国では
・進行と対策の共有、定量化された記録情報
・フードサジェスチョン
といった工夫が行われています。
【進行と対策の共有、定量化された記録情報】
■サイト名:patientslikeme
http://www.patientslikeme.com/
■設立:2008年
■実績:Business 2.0 Magazineが選んだ「世界を変える15社」に選出
(2007.7)
■サービス概要
体験情報共有型ネットコミュニティ。患者同士の助け合いで、日々を充実して
過ごしてもらうことをミッションにする。
●記録後の工夫:
1)進行と対策の共有
検索項目にしたがって、自分と同じ病状の人をクリックすると、その人の
プロフィールとともに、症状の変化、対策(処方薬、サプリメントなど)、
周辺症状の変化が一目でわかります。利用者側のベネフィットとして、自分の
将来のシナリオとして活用、先読みしていろいろな行動や準備ができる点が
大きいです。
※進行と対策の共有のイメージ
http://www.patientslikeme.com/welcome/share
(→右上にグラフイメージがでています)
2)参加者による定量化情報
実際に取り組んだ「対策」については、同じ病状の人がその対策をどの程度
取り組んでいるか、どう評価しているかが定量データとしてわかります。
例えば、あるサプリメントを摂取するという対策をとっている人の
定量化情報として、集計データとして現れます。
※定量化情報のイメージ
http://www.patientslikeme.com/als/treatments/show/5-coenzyme-q10-coq10
(→サプリメントの摂取理由、摂取量、摂取期間などがでています)
【フードサジェスチョン】
■サイト名:Calorie Count Plus
http://caloriecount.about.com/
■設立:2007年
■実績:会員数62万人
■サービス概要
ダイエットの方法は人それぞれ違うものであるという前提に基づき、単に
コミュニティがあるだけでなく、コミュニティで集めた情報を高度にカスタ
マイズし、ダイエットのパーソナライズをサポートする。
■記録後の工夫:フードサジェスチョン
「Food Suggestions」は自分の食事をマイページに記録すると、コミュニティ
参加者で自分と同じ食事を記録した他の複数メンバーが、できるだけ共通して
利用している食品を薦めてくれるというもの。
書籍販売サイトamazon.comで、自分と同じ商品を購入した人が、どのような
組み合わせで購入したかを分析し、お薦め商品として提案するしくみを応用
しています。
※フードサジェスチョンのイメージ
http://caloriecount.about.com/calories-bagels-toasted-i18002
(→実際に自分は摂った食事を入力すると「Suggested Food item」として
上記のようなページが紹介されます)
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スポルツの視点
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■今回は、米国の独自性あるビジュアルモニタリング(健康記録サイト)事例
をみました。いずれもまだ日本には少ない継続支援のための工夫があります。
■今後の記録サイトは、記録機能の充実だけでなく「継続支援サービス」とし
ていかに充実させるかがポイントになります。記録を他の継続ドライバと
絡ませて提案することは、記録サイトの今後の方向性の一つになるはずです。
例)記録と「ヘルスコミュニケーション」を絡ませる
・成果の良し悪しにかかわらず、続けたことに対して専門家がほめてくれる
・記録が長期になるにつれ、行動のポイントが変わることが予想されるが、
それにあわせたアドバイスをしてくれる(例:減量期、リバウンド期、
維持期を判断してくれ、適切なアドバイスをしてくれる)
など
例)記録と「交流」を絡ませる
・全会員の記録データが個人を特定できない定量化された情報として共有され
自分の記録傾向と似た人がどんな行動をとっているかわかる
・記録内容により成功者と初心者に分け、成功者が初心者に教えるといった
交流ができる
・家族全員の記録ができ、家族単位での交流ができる
など
■今後も健康記録サイトは「健康行動の継続を支援する」有効な手段として、
新しい価値を作り出していくと思われ、継続ドライバの一つとして引き続き
注目していきます。
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今回の参考バックナンバー
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■継続ドライバ関連
・米国での健康インセンティブ事例(2009年2月20日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/237.html
・米国での健康コミュニケーション事例(2009年3月6日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/238.html
■個別事例関連
・ダイエット専門のSNSコミュニティ「DietTelevision」(2007年7月27日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/202.html
・「体験情報共有型」患者コミュニティ「patientslikeme」(2008年10月9日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/230.html
・米国ダイエットコミュニティ「Calorie Count Plus」(2008年5月22日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/221.html
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