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【先進事例分析】
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       モバイルヘルスケアサービスの最新事例

       ー 今後新しい市場が形成される領域 ー

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モバイルヘルスケアサービスは、主に携帯電話を使って健康づくりを行う
サービスのこと。

シード・プランニング社の「モバイルヘルスケアサービスの現状と将来展望」
によれば、市場は2007年から形成しはじめ(80億円)、2012年には
1600億円に成長すると予想されています。

モバイルヘルスケア注目の理由は下記の3点です。

1)携帯電話は常に身に着けていて、すでにライフウェアレベルに近い機器に
なっており、一日のうちで接触頻度が高いこと

2)通信機能を活用してデータをやりとりしたり、携帯電話本体にセンサを
組み込み所有者の活動データを収集したり、また他の健康機器と連動する
など、健康づくりのツールとして利用範囲が広いこと

3)ゲーム開発技術、精密機器開発技術、健康サービス技術、コミュニケー
ション技術など、様々な技術背景をもつ企業からのアプローチにより、
新たな技術スタンダードが生まれる可能性もあること


今回は、携帯電話を使った健康づくりサービスに注目し、海外と国内
の代表、最新事例を紹介します。


※バックナンバー
・携帯電話を使った健康ビジネス動向(2008年 12月 05日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/233.html
・「海外の携帯電話関連健康ビジネス動向」(2008年 04月 08日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/219.html


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海外の動向
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まず、通話エリア全米一位のVerizon社の事例から紹介します。


【事例1:様々な健康アプリで飽きにくい】

■サービス名:Tools&Applications Wellness
http://mediastore.verizonwireless.com/onlineContentStore/index.html#catName=Health%20and%20Wellness&displayDriver=522&catID=359772

■提供企業名:Verizon Wireless

■概要:携帯キャリアが展開する健康関連アプリケーション&ツール
    (Verizon Wirelessは通話エリア全米最大のキャリア)

■特長:様々な健康アプリケーションを利用できる

アプリケーションの種類は、食事、運動、ストレスなど多岐にわたります。
例としては下記があります。

・Mayo Clinic InTouch(月額:$2.99)
 症状チェック、救急ガイド、救急医療機関の情報、医療&医薬品情報、
 健康ニュースビデオ

・Diet Fitness Diary(月額:$2.49 )
 500種以上の食品データベース、カロリー換算ツール、3日分ずつ食事&
 運動記録がつけられる

・Stress Buster by AMA(月額:$2.99 )
 日々のストレスチェックができる

・Healthy Body by AMA(月額:$2.99)
 栄養&運動の知識をクイズ形式で学習できる


スマートフォンの普及に合わせて、米国では携帯電話の健康アプリケーション
が豊富にあります。次の事例は、運動に特化して豊富なメニューをもつ
事例です。

【事例2:たくさんの運動メニューから選べ飽きにくい】

■サービス名:FitDeck Mobile
http://www.fitdeckmobile.com/

■提供企業名:App Store(開発:Sign Studios)

■概要:画像&テキストでの運動解説を提供(50種類と記述有)する
モバイル向けエクササイズプログラム。上半身・腹まわり・下半身・全身など
4種にカテゴライズされる。

■特長:
・BlackBerry、iPhone、iPod Touch などのスマートフォンで稼働
・イラスト&解説が、コンパクトで見やすい(カードのイメージ)
・イラスト&解説を読んで、いつでもどこでも運動できる
・50種以上の運動から必要なものを組み合わせることができる

■価格:$14.95/月



次は少し変わったところで、
「携帯電話のマイク機能」を使ったユニークな事例です。


【事例3:携帯電話のマイクでいびきの様子がわかる】

■サービス名:AntiSnore

■提供企業名:App Store(開発:Sign Studios)

■概要:「いびき」を軽減することを目的としたiPhone用アプリケーション

■特長:

就寝中の音を携帯電話のマイクで監視し、いびきを感知するとバイブで刺激
を与え、寝返りを促進させることでいびきの発生を抑えることができます。
※バイブの振動を伝えるため、常にiPhoneが体にふれている必要がある
(包帯で腕に巻きつける方法が推奨されている)



最後は、ダイエットアドバイスがくる携帯電話サービスです。


【事例4:携帯ダイエットプログラム】

■サービス名:Sensei for weight loss
http://www.sensei.com/sensei/

■概要:カスタマイズされた食事プラン、テキストメッセージなどで、
 生活習慣改善=行動修正を促す携帯向けダイエットプログラム

■提供企業名:Sensei. Inc

■特長:
・運動、食事の進捗管理がPCとも連動している
・大手オンラインダイエットよりも低価格で手軽にダイエットができる
・いつでも、どこでも、ダイエット情報が得られる
・ライフスタイルに合わせて3プランから選ぶことができる
・食品の栄養情報を検索表示できる
・専門家からのアドバイスメールがある



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国内の事例
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国内は大手キャリア3社の動向をみます。まずau です。


【事例1、2】au Smart Sports

■au Smart Sports 「Fitness」
http://www.au.kddi.com/sports/service/fitness/

・運営企業:KDDI株式会社

・サービス開始:2009年5月

・概要:携帯を活用した運動サポートサービス

・特長:好きなときに好きな所でヨガなどのエクササイズができます。
    ケータイを持ったりアームバンドで腕に装着し、インストラクターの
    声に従ってフィットネスをすると、モーションセンサーが体の動きを
    探知して消費カロリーを計測します。

 例)ヨガのお試しプログラム
http://au-fit.auone.jp/index.php?act=ProgDtl&prog_id=000yoga0002

・「Fitness」の専用サイト
http://au-fit.auone.jp/
特集、プログラム、コラムなど


■au Smart Sports 「Golf」
http://www.au.kddi.com/sports/service/golf/

・運営企業:KDDI株式会社

・サービス開始:2009年5月

・概要:携帯電話でプロによるゴルフレッスンコラムを閲覧できたり、
    アプリを使った実践型のレッスンで手軽にゴルフが上達できる

・特長:携帯電話のカメラを使ってゴルフクラブの持ち方、スイングするとき
    の立ち方、スイングフォームを撮影し、プロのお手本と比較できる
    アプリがあります。

・「Golf」の専用サイト
http://au-golf.jp/pc/
サービスの特長、コンテンツ紹介など



次にNTTドコモです。下記事例はBーBを対象とした新しいビジネスです。

【事例3】NTTドコモ

■NTTドコモ 「ウェルネスサポート」
http://www.docomo.biz/html/solution/all/wellness/


・概要:携帯電話と健康機器を連携させ、日々の健康データなどを収集する
    ことができる健康管理サポートツール(企業自治体向け)

・特長(対利用者)
  ー携帯から体重、血圧等のデータを送信するだけで、分析結果や保健師・
   栄養士等の専門家からのアドバイス・保健指導を受けられる
  ー日々の測定データはグラフや表形式で表示されるので、健康状態を
   視覚的に把握できる

・特長(対事業者)
  ー個々人の健康データを元にアドバイスが可能なので、より生活環境
   にあった適切な指導ができる
  ー各企業が提供する健康サービスと収集されたバイタルデータを連携
   させ、より効率的・効果的なサービスが実現する



最後はソフトバンク(ソフトバンクリブラ)です。


【事例4】ソフトバンク(ソフトバンクリブラ)

■ソフトバンクリブラ「ライフキャリア」
http://life-c.softbanklibra.co.jp/

・概要:様々な健康医療機器から得たバイタルデータを、同社のアダプターを
    使い携帯電話やパソコンで管理でき、健康改善や生活習慣病予防に
    役立てることができる健康管理支援サービス

・特長:
ー様々なメーカーの血圧計、歩数計、体重計等の測定結果を一元管理できる
ー日記、食事内容、運動の記録ができる
ーエクササイズ動画サービスで自宅でフィットネスができる


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スポルツの視点
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■今回は日米のモバイルヘルスケアサービス(主に携帯電話サービス)の代表
事例やユニークな事例を紹介しました。

■今後スマートフォンの伸び、さらにはPHR(パーソナルヘルスレコード)の
動きとの連動が予想され、市場はますます活性化すると予想されます。
私たちは引き続きモバイルヘルスケアサービスに注目していきます。


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