2010年健康業界トレンド予測
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2010年健康業界トレンド予測
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今回は2010年の健康ビジネストレンド予測の特集です。
スポルツの専門家パートナーへ取材を行い、下記5つのテーマのトレンドを
大胆に予測しました。
[1]健康食品
[2]フィットネス
[3]健康サービス&健康機器
[4]メディカル
[5]健康食生活
以下それぞれを紹介します。
(長文になっています。一覧形式でご覧になる場合は、下記サイトから
PDFファイルをダウンロードしてください)
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/55.html
───────────────────────────────────
[1]健康食品分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
健康食品業界のトレンドは、株式会社グローバルニュートリショングループ
代表取締役 武田 猛氏にお聞きした。
切り口は、
・商品戦略の注目テーマ
・ブランド戦略
・法律制度の変化
・海外トレンドキーワードからの注目テーマ
で、合計7つのキーワードをあげていただいた。
【商品戦略の注目テーマ】
■関節・目・美肌
様々な健康食品がある中で、「関節、目、美肌」をテーマにしたサプリメント、
機能性食品・飲料市場が安定的な伸びを示している(2005年ー2008年の
市場成長率が40%以上)。特に関節の健康、目の健康は普及率がまだ低いこと
(11-14%)、比較的改善の実感を得やすいこともあり、2010年も成長が期待
される。
■ストレス
弊社分析の消費者調査結果から「ストレス」は懸念分野として上位(第3位)に
あがるが、健康食品としての市場は発展初期といえる。ストレスによる不眠、
疲労、過食など、ストレスを起因とする分野は広く、これに対応する食品が期
待される。
■抗疲労
・抗疲労(滋養強壮)をテーマにしたサプリメント、機能性食品市場は成長率
こそ低いが、市場規模はサプリメントで第1位(約2400億円)、機能性食品市場
で第3位(約2200億円)となっている。また、疲労に対する消費者意識は高いも
のがある(同社分析の消費者調査結果の懸念分野第1位)。
・近年、海外では医薬品でなく食品扱いが可能なエナジー飲料(レッドブル
など)というカテゴリーが作られ、新市場創造の事例として注目したい。
■健康長寿
・サプリメント、機能性食品・飲料には、特定の課題を解決するのでなく、
「継続摂取による安心感」を訴求する「お守り的」なものがある(青汁など)。
・海外では「健康長寿(未来の自分への投資)」のためにサプリメントを積極
的に摂取するスタイルの啓発活動が書籍や各種情報により進んでいる。日本で
も応用できそうな切り口であり、積極的な啓発がなされれば、大きく市場が伸
びる可能性はある。
【ブランド戦略】
■原料ブランディング
・原料ブランディングは、最終商品メーカーでなく「原料メーカー」が行う
ブランド戦略のこと。原料をベースに独自カテゴリーを構築し、情報発信・
コミュニケーション戦略(ストーリーづくり)を行う。海外からの低価格競合
原料が数多く現れる近年、有効な手法となる。
・海外では原料ブランディングが積極的に実施されている一方、日本では模索
中であり、今後のアプローチが期待される。
【法律制度の変化】
■トクホ制度の行方
消費者庁では2010年春に特定保健食品制度の見直しが検討されている(予定)。
また、健康食品業界7団体で健康食品の統一した定義が検討されはじめている。
消費者からみて安心でき、わかりやすい制度づくりが進む元年になりそう。
【海外トレンドキーワードからの注目テーマ】
■ウエイトロスからウエイトマネジメントへ
・サプリメント、機能性食品・飲料市場ともにダイエットをテーマにした市場
規模は縮小している(2005ー2008年でサプリメント34%減、機能性食品26%減)。
その大きな原因は、ウエイトロスに注力した商品づくりにあると考える(ウエ
イトロス型商品は短期間に減量できるものもあるがリバウンドしやすく、継続
利用しにくい商品のこと)。
・ウエイトロス型商品の対極にウエイトマネジメント型商品があり、これは減
量後のキープの方法までをセットにして提案するもので、継続利用しやすい商
品のこと。
・海外では「健康食品」はダイエットのソリューションの一つでしかないと
考え、継続支援サービスを含めた商品企画を充実させ伸張する事例がある
(Medifast社、ダイエットセンターなど)。今後はウエイトマネジメント型
商品に期待したい。
※株式会社グローバルニュートリショングループ
http://global-nutrition.co.jp/
───────────────────────────────────
[2]フィットネス分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
フィットネス業界のトレンドは、業界誌「フィットネスビジネス」を発刊し、
海外情報にも詳しい株式会社クラブビジネスジャパン代表取締役 編集発行人
古屋武範氏にお聞きした。
切り口は、
・施設開発面
・マーケティング面(本業)
・会員定着・サービス面
・会費外事業・施設外事業
・その他
で、合計10のキーワードをあげていただいた。
【施設開発面】
■低価格の新業態「キークラブ」の出現
クラブの価値を絞りこんだ利便性の高いジムが現れる。その一つとしての
「キークラブ」は小型施設で会員がキーを持ち、セルフで利用する新業態。
セキュリティへの配慮がなされ、月20-40ドルで気軽に使える。
(「Anytimefitness」がその代表)
■既存店のリノベーション・移転新設
現在の利用者に対して常に新しい価値を提供し継続利用してもらうためには、
定期的なリノベーションがポイントになる。移転新設も増えるだろう。
【マーケティング面(本業)】
■購買行動・ライフスタイルに応じた新会員種別・利用システムの投入
一律な会費設定でなく、生活者のライフスタイルをよく理解することがまず
重要。月4回利用できる会員種別や1日1回90分間だけ利用できる会員種別など。
■会員紹介システムの確立
既存顧客の生涯価値を高めることが重要に。同時に既存顧客からの紹介率を
高めるしくみが導入される。
(例えば、紹介者に対する様々なインセンティブなど)
【会員定着・サービス面】
■初期定着システム
月に2-3回ほどの低利用会員の定着を高めるためのしくみが導入される。従来
のコース設定、目標サポート、プログラム提案だけでなく、「運動のための運
動」から「楽しさを感じる運動」に変えていく工夫も必要。「楽しさを感じる
運動」に変えていく際、自分の好きなスポーツを目標として設定する方法があ
る。(例えば、ゴルフを「マイスポーツ」とし、スコアを上げるためにクラブ
に通いたいといったモチベーションを感じてもらうことなど)
■スポーツのフィットネス化
自治体のスポーツ施設なども活用し、地域の同好会などと垣根を越えてスポー
ツを楽しむことに。従来フィットネスクラブに来ない人との接点も生まれる。
■アウトドアフィットネス
ランニング会員など、施設内だけのフィットネスにとらわれない新しいフィッ
トネスサービスが広がっている。フィットネスクラブがスポーツを行うGate
(玄関)になる。
【会費外事業・施設外事業】
■パーソナルトレーニング
少人数(2-3名)を一度に指導することも含めたパーソナルトレーニングの
充実。単なるサービス提供だけでなく、顧客をよく知るきっかけにもなる。
介護分野にもパーソナルトレーニングが広がる可能性がある。
■メタボ事業
2013年からメタボ健診の罰則規定が適用されるのを受けて、フィットネスクラ
ブが企業や自治体に積極的にアプローチすることで、ビジネスチャンスが
広がる。
【その他】
■ES(従業員満足度)強化
現場でのスタッフの顧客対応レベルが、会員満足に影響を与えるため、最前線
で働くスタッフが働きやすく、働きがいのあるしくみづくりが大切になる。
※株式会社クラブビジネスジャパン
http://www.fitnessclub.jp/business/index.html
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[3]健康サービス&健康機器分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
健康サービス&健康機器のトレンドは、株式会社スポルツ ヘルスビズウォッチ
編集部がまとめた。
切り口は、
・健康サービス
・健康機器
で、合計6つのキーワードをあげた。
【健康サービス】
■記録の価値化(記録からソリューションへ)
・スポルツでは、健康行動の継続に作用するサービス支援技術を「継続ドライ
バ」と定義し10に分類している。記録(ビジュアルモニタリング)はそのう
ちの一つであり、継続支援の重要な技術。
・記録の価値化は、蓄積された記録データから自分の行動の課題を発見できた
り、自分の次の行動のヒントが得られたりするなど「記録した結果を次の行動
に活かす」ということ。インターネットや携帯電話による健康管理サービスが
増えるにつれ、蓄積された記録をどう活かすか?ということが次の勝負になる。
■パーソナライズ技術の進化
集められた記録データは個人ごとに異なったデータである。その個人ごとの
データから、その人にあった提案を行って初めて解決に導くことができる。
そのため、データから個人ごとに提案する技術が(パーソナライズ技術)進化
する。
■ダイエットビジネスの変化
・ダイエットからボディーデザインへ
単なるウェイトロスのプロセスを提供するだけのビジネスから、コンディショ
ニングを含む自分のカラダをポジティブに管理していく一歩進んだボディーデ
ザインサービスが成立し始める。
・サービスプロセスのLTV化
ダイエット成果後のキープまでをサービスの幅として提供するビジネススタイ
ルが支持されるようになる。北米圏の先進モデルは既にLTVを視野に進化が
始まっている。
・メンタルを加えたalltimeサービスへ
メンタルや睡眠なども含めた生活時間全体をライフログ技術をベースとした価
値提案とダイエットメソッドが連動していく。
【健康機器】
■PDCA型機器(ネットワーク対応)
・健康づくりにおいてはPDCAが重視されることはいうまでもない。
PDCA型ネットワーク機器は、従来のcheckだけにとどまっていた健康測定
機器と違い、健康測定機器でありながらネットと連動し、Plan,Do,Actionの
支援を行うもの。健康づくりの本質を支援する。
・健康家電業界の測定技術も進んでおり、今後は健康機器のデータだけで
なく、幅広い健康データを活かしたPDCA型機器が現れる。
■オールインワン機器の登場(ネットワーク非対応)
健康機器のネットワーク化が進む中、その対極としてネットワークと連携せず、
機器単体でデータの管理からソリューション提案まで行う機器完結型機器が
現れる。データ連携の煩雑さを嫌い、シンプルな機能を重視するユーザーニー
ズも存在する。
■ケータイのヘルスケアライフウェア化
この1年で携帯電話を使ったモバイルヘルスケアが飛躍的に向上してきた。また
スマートフォン使用環境が整備、拡大されてきたことで、益々ヘルスケア
ライフウェア化が促進される。動画サイトに自分の健康行動をアップしたり、
googlemapなどをウォーキングに活用することで、今までフォローが難しかっ
た食事記録や運動の促進が図られやすくなる。
※株式会社スポルツ
http://www.sportz.co.jp/
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[4]メディカル分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
メディカル業界のトレンドは、会津大学教授 医師 医学博士
株式会社レーグル代表取締役 奥 真也氏にお聞きした。
キーワードを5つあげていただいた。
■反メタボ
・脱メタボブームは、2010年にさらに緩やかに浸透すると思われるが、
これと併せてそのアンチテーゼとしての反メタボ商品に注目したい。
・小太りの方がかえって寿命が長いという医学論文もあり、過剰な痩せよりも
適度な体型のゆとりは、好ましい面も多い。反メタボは、脱メタボと反目する
ものではなく、相補的な概念として商品化、サービス化されていく。
■認知症の脳科学の再前進
・脳科学の最新技術は現在も進化を続けている。2009年も脳ブームは顕在
化していて、さまざまな商品が世に出ているが、まだまだ最新技術が十分に
使われている訳ではなく、理論と実践には隔たりがある。
・先進諸国に先がけて高齢化社会を迎えることになる日本は、認知症や介護へ
のアプローチにおいては重要な位置づけにあり、日本の国際競争力回復の原動
力にもなりうる。
■医・食(サプリ)同源ビジネス始動
・医療の実践と食・サプリメントの実践の共同歩調は、必要性はつとに指摘
されつつも、これまでは際立ったアプローチは見られなかった。
・しかし、健康増進法、(それ自体はあまり流行っていないが)特定保健指導
制度の施行がはからずも再教育を促した形で保健師・管理栄養士等の医療専門
職が確実にレベルアップし、ビジネスを変える潜在パワーを持つ。本来同源と
される医・食を、「チーム医療」で構成し直すことにより、意外な相乗効果が
期待できる。
■個人健康情報管理ビジネス
・PHR(Personal Health Records)は、ここ数年の医療ITにおける最大の注目
テーマである。病院で得られる検査データ、画像データ、医師による所見から、
家庭用センサーを用いた測定値、本人や家族のセルフチェックデータま
で、利用可能なデータ空間は十分に広がっている。
・これらの素材を料理するレシピがPHRの真骨頂であるが、単に記録保管するだ
けでなく、記録を次の行動に活かせるようなテーマ性がしっかりしていれば、
ニーズは確実に存在する。
■メンタルヘルス
・2010年トレンドとして取り上げることに躊躇するほど、毎年のようにあ
がって然るべきテーマである。それでもここに挙げたのは、社会の要請が強い
ことを日々感じるからである。
・医師として敢えて極論すると、人間はストレスさえなければ楽しい。そして
ストレスがあるのは人間だから、という身も蓋もない話である。ただし、スト
レスを科学的に記述し、軽減する技術がいろいろと存在していることは間違い
ないところでもある。本テーマは、「病院の副業」として改めて注目したい。
※株式会社レーグル
http://www.regle.co.jp/
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[5]健康食生活分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
健康食生活のトレンドは、有限会社クオリティライフサービス代表取締役
今川博喜氏にお聞きした。
キーワードを6つあげていただいた。
■食事力
・「健康的な食生活」「からだにいい食品」などの情報は氾濫しているが、
個人のライフスタイルは様々であり、からだの状態も様々である。したがって
今後は、自分自身のライフスタイルや健康状態に合わせて食べる力が必要と
なる。食事力の向上につながるアプローチが、健康食生活につながる。
・それに関連し、メンタルや癒し、抗疲労関連サービスに、食行動のアプロー
チをどう関わらせるか注目。全体として健康的なライフスタイルをつくるため
の「食事力」がテーマとなる。
■「時間生理学」に基づいた食事計画
自分のライフスタイルを大きく変えることは難しい。自分の現ライフスタイル
にあわせた、食事時間の設定、食事内容の考慮が必要。そのための情報と商品
開発がポイントになる。
■食体感
食事でからだが変ることを体感することで、食生活改善の意識、意欲を高める
ことができる。特に食事に無関心な人に有効なサービス(行動変容ステージが
上げる)となる。食体感を感じやすいプログラム、商品、情報、サービスの
提供に可能性がある。(特定保健指導、動機付け・積極的支援の開始前、又は
並行して行うことで、プログラムの継続率や効果上昇を期待できる)
■1日×1野菜簡単摂取
1日1回は野菜を素材から調理して食べる。「素材から調理」することが重要
で、野菜の栄養素を効率よく摂取。だたし調理の簡便性がポイントになる。
(クッキングツール家電、コンビニ、ドラッグ、駅中などでの展開可能性)
■食事×コンディショニング
コンディションの調整が必要な体調やシーンに合わせて食事をコントロール
する。そのための食品の選び方や、商品の選び方等を考える。
(風邪気味の時、飲み会の前、便秘の時など)
■食事×メンタルコントロール
栄養素の補給のみを目的とした食事から、食事のもつ精神的な癒しといった
メンタル面の効果を考慮した食事に着目。(食器に盛る、食器をかえる、
ランチョンマット・カーテン・音楽・花などの食卓環境、周辺サービスも)
※有限会社クオリティライフサービス
http://www.qls.co.jp/
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スポルツの視点
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■以上5分野におけるトレンドキーワード、いかがでしたでしょうか。
2010年を迎えるにあたり、外部環境の変化をつかむ一因としても活用して
ください。
■スポルツでは、2010年これらのキーワードを軸に、海外の動向を注意
深く追っていきます。2010年の本メルマガにもご期待ください!
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本号に関するお役立ち情報
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本号に関するお役立ち情報として、以下を紹介します。
■2010年健康ビジネストレンド予測(PDF版)
本号の内容が一覧でみることができるPDF版を用意しています。
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/55.html
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2010年健康業界トレンド予測
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今回は2010年の健康ビジネストレンド予測の特集です。
スポルツの専門家パートナーへ取材を行い、下記5つのテーマのトレンドを
大胆に予測しました。
[1]健康食品
[2]フィットネス
[3]健康サービス&健康機器
[4]メディカル
[5]健康食生活
以下それぞれを紹介します。
(長文になっています。一覧形式でご覧になる場合は、下記サイトから
PDFファイルをダウンロードしてください)
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/55.html
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[1]健康食品分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
健康食品業界のトレンドは、株式会社グローバルニュートリショングループ
代表取締役 武田 猛氏にお聞きした。
切り口は、
・商品戦略の注目テーマ
・ブランド戦略
・法律制度の変化
・海外トレンドキーワードからの注目テーマ
で、合計7つのキーワードをあげていただいた。
【商品戦略の注目テーマ】
■関節・目・美肌
様々な健康食品がある中で、「関節、目、美肌」をテーマにしたサプリメント、
機能性食品・飲料市場が安定的な伸びを示している(2005年ー2008年の
市場成長率が40%以上)。特に関節の健康、目の健康は普及率がまだ低いこと
(11-14%)、比較的改善の実感を得やすいこともあり、2010年も成長が期待
される。
■ストレス
弊社分析の消費者調査結果から「ストレス」は懸念分野として上位(第3位)に
あがるが、健康食品としての市場は発展初期といえる。ストレスによる不眠、
疲労、過食など、ストレスを起因とする分野は広く、これに対応する食品が期
待される。
■抗疲労
・抗疲労(滋養強壮)をテーマにしたサプリメント、機能性食品市場は成長率
こそ低いが、市場規模はサプリメントで第1位(約2400億円)、機能性食品市場
で第3位(約2200億円)となっている。また、疲労に対する消費者意識は高いも
のがある(同社分析の消費者調査結果の懸念分野第1位)。
・近年、海外では医薬品でなく食品扱いが可能なエナジー飲料(レッドブル
など)というカテゴリーが作られ、新市場創造の事例として注目したい。
■健康長寿
・サプリメント、機能性食品・飲料には、特定の課題を解決するのでなく、
「継続摂取による安心感」を訴求する「お守り的」なものがある(青汁など)。
・海外では「健康長寿(未来の自分への投資)」のためにサプリメントを積極
的に摂取するスタイルの啓発活動が書籍や各種情報により進んでいる。日本で
も応用できそうな切り口であり、積極的な啓発がなされれば、大きく市場が伸
びる可能性はある。
【ブランド戦略】
■原料ブランディング
・原料ブランディングは、最終商品メーカーでなく「原料メーカー」が行う
ブランド戦略のこと。原料をベースに独自カテゴリーを構築し、情報発信・
コミュニケーション戦略(ストーリーづくり)を行う。海外からの低価格競合
原料が数多く現れる近年、有効な手法となる。
・海外では原料ブランディングが積極的に実施されている一方、日本では模索
中であり、今後のアプローチが期待される。
【法律制度の変化】
■トクホ制度の行方
消費者庁では2010年春に特定保健食品制度の見直しが検討されている(予定)。
また、健康食品業界7団体で健康食品の統一した定義が検討されはじめている。
消費者からみて安心でき、わかりやすい制度づくりが進む元年になりそう。
【海外トレンドキーワードからの注目テーマ】
■ウエイトロスからウエイトマネジメントへ
・サプリメント、機能性食品・飲料市場ともにダイエットをテーマにした市場
規模は縮小している(2005ー2008年でサプリメント34%減、機能性食品26%減)。
その大きな原因は、ウエイトロスに注力した商品づくりにあると考える(ウエ
イトロス型商品は短期間に減量できるものもあるがリバウンドしやすく、継続
利用しにくい商品のこと)。
・ウエイトロス型商品の対極にウエイトマネジメント型商品があり、これは減
量後のキープの方法までをセットにして提案するもので、継続利用しやすい商
品のこと。
・海外では「健康食品」はダイエットのソリューションの一つでしかないと
考え、継続支援サービスを含めた商品企画を充実させ伸張する事例がある
(Medifast社、ダイエットセンターなど)。今後はウエイトマネジメント型
商品に期待したい。
※株式会社グローバルニュートリショングループ
http://global-nutrition.co.jp/
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[2]フィットネス分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
フィットネス業界のトレンドは、業界誌「フィットネスビジネス」を発刊し、
海外情報にも詳しい株式会社クラブビジネスジャパン代表取締役 編集発行人
古屋武範氏にお聞きした。
切り口は、
・施設開発面
・マーケティング面(本業)
・会員定着・サービス面
・会費外事業・施設外事業
・その他
で、合計10のキーワードをあげていただいた。
【施設開発面】
■低価格の新業態「キークラブ」の出現
クラブの価値を絞りこんだ利便性の高いジムが現れる。その一つとしての
「キークラブ」は小型施設で会員がキーを持ち、セルフで利用する新業態。
セキュリティへの配慮がなされ、月20-40ドルで気軽に使える。
(「Anytimefitness」がその代表)
■既存店のリノベーション・移転新設
現在の利用者に対して常に新しい価値を提供し継続利用してもらうためには、
定期的なリノベーションがポイントになる。移転新設も増えるだろう。
【マーケティング面(本業)】
■購買行動・ライフスタイルに応じた新会員種別・利用システムの投入
一律な会費設定でなく、生活者のライフスタイルをよく理解することがまず
重要。月4回利用できる会員種別や1日1回90分間だけ利用できる会員種別など。
■会員紹介システムの確立
既存顧客の生涯価値を高めることが重要に。同時に既存顧客からの紹介率を
高めるしくみが導入される。
(例えば、紹介者に対する様々なインセンティブなど)
【会員定着・サービス面】
■初期定着システム
月に2-3回ほどの低利用会員の定着を高めるためのしくみが導入される。従来
のコース設定、目標サポート、プログラム提案だけでなく、「運動のための運
動」から「楽しさを感じる運動」に変えていく工夫も必要。「楽しさを感じる
運動」に変えていく際、自分の好きなスポーツを目標として設定する方法があ
る。(例えば、ゴルフを「マイスポーツ」とし、スコアを上げるためにクラブ
に通いたいといったモチベーションを感じてもらうことなど)
■スポーツのフィットネス化
自治体のスポーツ施設なども活用し、地域の同好会などと垣根を越えてスポー
ツを楽しむことに。従来フィットネスクラブに来ない人との接点も生まれる。
■アウトドアフィットネス
ランニング会員など、施設内だけのフィットネスにとらわれない新しいフィッ
トネスサービスが広がっている。フィットネスクラブがスポーツを行うGate
(玄関)になる。
【会費外事業・施設外事業】
■パーソナルトレーニング
少人数(2-3名)を一度に指導することも含めたパーソナルトレーニングの
充実。単なるサービス提供だけでなく、顧客をよく知るきっかけにもなる。
介護分野にもパーソナルトレーニングが広がる可能性がある。
■メタボ事業
2013年からメタボ健診の罰則規定が適用されるのを受けて、フィットネスクラ
ブが企業や自治体に積極的にアプローチすることで、ビジネスチャンスが
広がる。
【その他】
■ES(従業員満足度)強化
現場でのスタッフの顧客対応レベルが、会員満足に影響を与えるため、最前線
で働くスタッフが働きやすく、働きがいのあるしくみづくりが大切になる。
※株式会社クラブビジネスジャパン
http://www.fitnessclub.jp/business/index.html
───────────────────────────────────
[3]健康サービス&健康機器分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
健康サービス&健康機器のトレンドは、株式会社スポルツ ヘルスビズウォッチ
編集部がまとめた。
切り口は、
・健康サービス
・健康機器
で、合計6つのキーワードをあげた。
【健康サービス】
■記録の価値化(記録からソリューションへ)
・スポルツでは、健康行動の継続に作用するサービス支援技術を「継続ドライ
バ」と定義し10に分類している。記録(ビジュアルモニタリング)はそのう
ちの一つであり、継続支援の重要な技術。
・記録の価値化は、蓄積された記録データから自分の行動の課題を発見できた
り、自分の次の行動のヒントが得られたりするなど「記録した結果を次の行動
に活かす」ということ。インターネットや携帯電話による健康管理サービスが
増えるにつれ、蓄積された記録をどう活かすか?ということが次の勝負になる。
■パーソナライズ技術の進化
集められた記録データは個人ごとに異なったデータである。その個人ごとの
データから、その人にあった提案を行って初めて解決に導くことができる。
そのため、データから個人ごとに提案する技術が(パーソナライズ技術)進化
する。
■ダイエットビジネスの変化
・ダイエットからボディーデザインへ
単なるウェイトロスのプロセスを提供するだけのビジネスから、コンディショ
ニングを含む自分のカラダをポジティブに管理していく一歩進んだボディーデ
ザインサービスが成立し始める。
・サービスプロセスのLTV化
ダイエット成果後のキープまでをサービスの幅として提供するビジネススタイ
ルが支持されるようになる。北米圏の先進モデルは既にLTVを視野に進化が
始まっている。
・メンタルを加えたalltimeサービスへ
メンタルや睡眠なども含めた生活時間全体をライフログ技術をベースとした価
値提案とダイエットメソッドが連動していく。
【健康機器】
■PDCA型機器(ネットワーク対応)
・健康づくりにおいてはPDCAが重視されることはいうまでもない。
PDCA型ネットワーク機器は、従来のcheckだけにとどまっていた健康測定
機器と違い、健康測定機器でありながらネットと連動し、Plan,Do,Actionの
支援を行うもの。健康づくりの本質を支援する。
・健康家電業界の測定技術も進んでおり、今後は健康機器のデータだけで
なく、幅広い健康データを活かしたPDCA型機器が現れる。
■オールインワン機器の登場(ネットワーク非対応)
健康機器のネットワーク化が進む中、その対極としてネットワークと連携せず、
機器単体でデータの管理からソリューション提案まで行う機器完結型機器が
現れる。データ連携の煩雑さを嫌い、シンプルな機能を重視するユーザーニー
ズも存在する。
■ケータイのヘルスケアライフウェア化
この1年で携帯電話を使ったモバイルヘルスケアが飛躍的に向上してきた。また
スマートフォン使用環境が整備、拡大されてきたことで、益々ヘルスケア
ライフウェア化が促進される。動画サイトに自分の健康行動をアップしたり、
googlemapなどをウォーキングに活用することで、今までフォローが難しかっ
た食事記録や運動の促進が図られやすくなる。
※株式会社スポルツ
http://www.sportz.co.jp/
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[4]メディカル分野の2010年トレンド
───────────────────────────────────
メディカル業界のトレンドは、会津大学教授 医師 医学博士
株式会社レーグル代表取締役 奥 真也氏にお聞きした。
キーワードを5つあげていただいた。
■反メタボ
・脱メタボブームは、2010年にさらに緩やかに浸透すると思われるが、
これと併せてそのアンチテーゼとしての反メタボ商品に注目したい。
・小太りの方がかえって寿命が長いという医学論文もあり、過剰な痩せよりも
適度な体型のゆとりは、好ましい面も多い。反メタボは、脱メタボと反目する
ものではなく、相補的な概念として商品化、サービス化されていく。
■認知症の脳科学の再前進
・脳科学の最新技術は現在も進化を続けている。2009年も脳ブームは顕在
化していて、さまざまな商品が世に出ているが、まだまだ最新技術が十分に
使われている訳ではなく、理論と実践には隔たりがある。
・先進諸国に先がけて高齢化社会を迎えることになる日本は、認知症や介護へ
のアプローチにおいては重要な位置づけにあり、日本の国際競争力回復の原動
力にもなりうる。
■医・食(サプリ)同源ビジネス始動
・医療の実践と食・サプリメントの実践の共同歩調は、必要性はつとに指摘
されつつも、これまでは際立ったアプローチは見られなかった。
・しかし、健康増進法、(それ自体はあまり流行っていないが)特定保健指導
制度の施行がはからずも再教育を促した形で保健師・管理栄養士等の医療専門
職が確実にレベルアップし、ビジネスを変える潜在パワーを持つ。本来同源と
される医・食を、「チーム医療」で構成し直すことにより、意外な相乗効果が
期待できる。
■個人健康情報管理ビジネス
・PHR(Personal Health Records)は、ここ数年の医療ITにおける最大の注目
テーマである。病院で得られる検査データ、画像データ、医師による所見から、
家庭用センサーを用いた測定値、本人や家族のセルフチェックデータま
で、利用可能なデータ空間は十分に広がっている。
・これらの素材を料理するレシピがPHRの真骨頂であるが、単に記録保管するだ
けでなく、記録を次の行動に活かせるようなテーマ性がしっかりしていれば、
ニーズは確実に存在する。
■メンタルヘルス
・2010年トレンドとして取り上げることに躊躇するほど、毎年のようにあ
がって然るべきテーマである。それでもここに挙げたのは、社会の要請が強い
ことを日々感じるからである。
・医師として敢えて極論すると、人間はストレスさえなければ楽しい。そして
ストレスがあるのは人間だから、という身も蓋もない話である。ただし、スト
レスを科学的に記述し、軽減する技術がいろいろと存在していることは間違い
ないところでもある。本テーマは、「病院の副業」として改めて注目したい。
※株式会社レーグル
http://www.regle.co.jp/
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[5]健康食生活分野の2010年トレンド
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健康食生活のトレンドは、有限会社クオリティライフサービス代表取締役
今川博喜氏にお聞きした。
キーワードを6つあげていただいた。
■食事力
・「健康的な食生活」「からだにいい食品」などの情報は氾濫しているが、
個人のライフスタイルは様々であり、からだの状態も様々である。したがって
今後は、自分自身のライフスタイルや健康状態に合わせて食べる力が必要と
なる。食事力の向上につながるアプローチが、健康食生活につながる。
・それに関連し、メンタルや癒し、抗疲労関連サービスに、食行動のアプロー
チをどう関わらせるか注目。全体として健康的なライフスタイルをつくるため
の「食事力」がテーマとなる。
■「時間生理学」に基づいた食事計画
自分のライフスタイルを大きく変えることは難しい。自分の現ライフスタイル
にあわせた、食事時間の設定、食事内容の考慮が必要。そのための情報と商品
開発がポイントになる。
■食体感
食事でからだが変ることを体感することで、食生活改善の意識、意欲を高める
ことができる。特に食事に無関心な人に有効なサービス(行動変容ステージが
上げる)となる。食体感を感じやすいプログラム、商品、情報、サービスの
提供に可能性がある。(特定保健指導、動機付け・積極的支援の開始前、又は
並行して行うことで、プログラムの継続率や効果上昇を期待できる)
■1日×1野菜簡単摂取
1日1回は野菜を素材から調理して食べる。「素材から調理」することが重要
で、野菜の栄養素を効率よく摂取。だたし調理の簡便性がポイントになる。
(クッキングツール家電、コンビニ、ドラッグ、駅中などでの展開可能性)
■食事×コンディショニング
コンディションの調整が必要な体調やシーンに合わせて食事をコントロール
する。そのための食品の選び方や、商品の選び方等を考える。
(風邪気味の時、飲み会の前、便秘の時など)
■食事×メンタルコントロール
栄養素の補給のみを目的とした食事から、食事のもつ精神的な癒しといった
メンタル面の効果を考慮した食事に着目。(食器に盛る、食器をかえる、
ランチョンマット・カーテン・音楽・花などの食卓環境、周辺サービスも)
※有限会社クオリティライフサービス
http://www.qls.co.jp/
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スポルツの視点
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■以上5分野におけるトレンドキーワード、いかがでしたでしょうか。
2010年を迎えるにあたり、外部環境の変化をつかむ一因としても活用して
ください。
■スポルツでは、2010年これらのキーワードを軸に、海外の動向を注意
深く追っていきます。2010年の本メルマガにもご期待ください!
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本号に関するお役立ち情報
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本号に関するお役立ち情報として、以下を紹介します。
■2010年健康ビジネストレンド予測(PDF版)
本号の内容が一覧でみることができるPDF版を用意しています。
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/55.html
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