海外健康ネットサービスの動向(その2)
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海外健康ネットサービスの動向(その2)
ー 日米好調企業の売上、ビジネスモデルの型 ー
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海外健康ネットサービスの動向(その2)
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前回に引き続き今号も「健康分野のネットサービス」をとりあげます。
前号では、健康ネットサービスの5分野(健康情報サイト、健康プログラム
提供サイト、健康コミュニティサイト、動画コンテンツ配信サイト、健康記録
サイト)の各動向を俯瞰しました。
今号では、
1.日米比較(売上好調企業)
2.好調事例の共通要因
3.米国の健康ネットサービスのビジネスモデルの型
について考えます。
※参考バックナンバー:海外健康ネットサービスの動向(2010年2月19日配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/258.html
(5分野での最新動向、主要企業を掲載)
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1.日米比較(売上好調企業)
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まず、日米の好調健康ネット企業の売上高を整理します。
※売上年度は2008年度となり、スポルツでの推定も一部入ります。
■米国
・WebMD(382億円)
・Weightwathers online(186億円)
・Everyday Health(100億円)
・HealthStream(51億円)
・HealthGrades(40億円)
・ADAM(29億円)
・eDiets(24億円)
・RealAge(14億円)
■日本
・ルナルナ(56億円)
・アスクドクターズ(15億円)
・スーパーボディ(11億円)
※売上不明だが、多くの会員数を集めているもの
au スマートスポーツ(会員数100万人)
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2.好調企業の共通要因
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では、日米での売上好調企業に共通する要因は何でしょうか。
様々な見方があるでしょうが、一つの見方として、
健康を真正面から訴求せず、
「他の生活テーマから健康に間接的にアプローチしている点」
があげられます。
例)他の生活テーマから健康に間接的にアプローチする
●Weightwathers
ダイエットのグループミーティングにより、参加者に「話しを聞いて
もらえる喜び」をまず提供し、そこから健康にアプローチする。
※参考バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/222.html
●RealAge
食・運動だけでなく、メンタル・家族との関係などを含む指標
「エイジング年齢」により「総合的な生き方の指針」を提供し、そこから
健康にアプローチする。
※参考バックナンバー
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/241.html
●ルナルナ
生理・排卵日予測ができるサイト。「妊娠・避妊」という人間の
本質的な部分から健康にアプローチする。
※ルナルナ
http://pc.lnln.jp/PC/
●au スマートスポーツ
携帯を使ってジョギングを楽しむサイト。「走る楽しさ」という
スポーツの楽しさを前面にだし、健康にアプローチする。
※参考インタビュー
http://www.healthbizwatch.com/keyperson/contents/033.html
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3.米国の健康ネットサービスのビジネスモデルの型
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米国の健康ネットサービスは、広告収入だけでなく様々な収益の工夫をして
います。下記に特に注目しているモデルを紹介します。
(実際には8つぐらいに分類できますが、そのうち4つを紹介します)
■蓄積データ販売モデル
ネット上で記録された会員のデータを編集・加工しBーB販売するモデル。
・例:patientlikeme
難病患者向けの体験記録データを製薬企業に販売するモデル。患者会と組み
難病ごとに患者を数多く集めている。
※バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/231.html
■専門家コンテンツ販売プラットフォームモデル
健康分野の専門家はそれぞれ独自のプログラムをもっている場合が多い。
その専門家が自分のオリジナルプログラムを一般に販売できるモデル。
・例:Pumpone社
フィットネストレーナーが自分のトレーニングプログラムを同サイトに提供
し、そのコンテンツが一般、他のトレーナーに売れると手数料が入るモデル。
・バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/180.html
■メディアのプログラムモデル
多くの顧客を有するメディア(書籍、雑誌)と提携し、メディアのネット
プログラム化を行い、一般に販売し収益をあげるモデル。
・例:EverydayHealth社
ヒットした書籍のウェブプログラムの権利を買い、有料プログラム化を行い
一般に販売することで収益をあげるモデル。読んだ後(知識取得後)の実行
までをサポートする点にフォーカスをあてている。
・バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/228.html
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/227.html
■ワンソースマルチユースモデル
1つのキラーコンテンツを様々な形で販売するモデル。
・例:RealAge
実年齢とエイジング年齢を無料でアセスメントでき、食事・運動・人間関係
などについてアドバイスする(Realage-test)をキラーコンテンツとする。
このコンテンツに関連する書籍、食品などの販売により収益をあげる。
・バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/241.html
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スポルツの視点
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■今回は、日米の健康ネットサービスの売上からみた好調企業と、
その好調要因、さらにビジネスモデルの型を整理しました。
■好調要因では、健康を真正面から捉えず「周辺からアプローチした結果、
健康は後からついてくる」という「健康は目的でなく手段である」という
健康本来の姿になっています。
■日米ともに健康ネットサービスは発展段階にあります。特に米国では
ベンチャー企業がIPOを目指し、豊富な資金を活用して積極的な取り組みを
行っており、日本での今後の健康ネットビジネスのヒントは豊富にあるといえ
ます。
■また、日米ともに健康関連の食品、機器、施設サービス分野などでもネット
サービスを連携させた新たな価値提供の模索が続いていますが、その点からも
数多くの発想のヒントがあるのではないでしょうか。
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海外健康ネットサービスの動向(その2)
ー 日米好調企業の売上、ビジネスモデルの型 ー
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海外健康ネットサービスの動向(その2)
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前回に引き続き今号も「健康分野のネットサービス」をとりあげます。
前号では、健康ネットサービスの5分野(健康情報サイト、健康プログラム
提供サイト、健康コミュニティサイト、動画コンテンツ配信サイト、健康記録
サイト)の各動向を俯瞰しました。
今号では、
1.日米比較(売上好調企業)
2.好調事例の共通要因
3.米国の健康ネットサービスのビジネスモデルの型
について考えます。
※参考バックナンバー:海外健康ネットサービスの動向(2010年2月19日配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/258.html
(5分野での最新動向、主要企業を掲載)
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1.日米比較(売上好調企業)
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まず、日米の好調健康ネット企業の売上高を整理します。
※売上年度は2008年度となり、スポルツでの推定も一部入ります。
■米国
・WebMD(382億円)
・Weightwathers online(186億円)
・Everyday Health(100億円)
・HealthStream(51億円)
・HealthGrades(40億円)
・ADAM(29億円)
・eDiets(24億円)
・RealAge(14億円)
■日本
・ルナルナ(56億円)
・アスクドクターズ(15億円)
・スーパーボディ(11億円)
※売上不明だが、多くの会員数を集めているもの
au スマートスポーツ(会員数100万人)
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2.好調企業の共通要因
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では、日米での売上好調企業に共通する要因は何でしょうか。
様々な見方があるでしょうが、一つの見方として、
健康を真正面から訴求せず、
「他の生活テーマから健康に間接的にアプローチしている点」
があげられます。
例)他の生活テーマから健康に間接的にアプローチする
●Weightwathers
ダイエットのグループミーティングにより、参加者に「話しを聞いて
もらえる喜び」をまず提供し、そこから健康にアプローチする。
※参考バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/222.html
●RealAge
食・運動だけでなく、メンタル・家族との関係などを含む指標
「エイジング年齢」により「総合的な生き方の指針」を提供し、そこから
健康にアプローチする。
※参考バックナンバー
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/241.html
●ルナルナ
生理・排卵日予測ができるサイト。「妊娠・避妊」という人間の
本質的な部分から健康にアプローチする。
※ルナルナ
http://pc.lnln.jp/PC/
●au スマートスポーツ
携帯を使ってジョギングを楽しむサイト。「走る楽しさ」という
スポーツの楽しさを前面にだし、健康にアプローチする。
※参考インタビュー
http://www.healthbizwatch.com/keyperson/contents/033.html
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3.米国の健康ネットサービスのビジネスモデルの型
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米国の健康ネットサービスは、広告収入だけでなく様々な収益の工夫をして
います。下記に特に注目しているモデルを紹介します。
(実際には8つぐらいに分類できますが、そのうち4つを紹介します)
■蓄積データ販売モデル
ネット上で記録された会員のデータを編集・加工しBーB販売するモデル。
・例:patientlikeme
難病患者向けの体験記録データを製薬企業に販売するモデル。患者会と組み
難病ごとに患者を数多く集めている。
※バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/231.html
■専門家コンテンツ販売プラットフォームモデル
健康分野の専門家はそれぞれ独自のプログラムをもっている場合が多い。
その専門家が自分のオリジナルプログラムを一般に販売できるモデル。
・例:Pumpone社
フィットネストレーナーが自分のトレーニングプログラムを同サイトに提供
し、そのコンテンツが一般、他のトレーナーに売れると手数料が入るモデル。
・バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/180.html
■メディアのプログラムモデル
多くの顧客を有するメディア(書籍、雑誌)と提携し、メディアのネット
プログラム化を行い、一般に販売し収益をあげるモデル。
・例:EverydayHealth社
ヒットした書籍のウェブプログラムの権利を買い、有料プログラム化を行い
一般に販売することで収益をあげるモデル。読んだ後(知識取得後)の実行
までをサポートする点にフォーカスをあてている。
・バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/228.html
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/227.html
■ワンソースマルチユースモデル
1つのキラーコンテンツを様々な形で販売するモデル。
・例:RealAge
実年齢とエイジング年齢を無料でアセスメントでき、食事・運動・人間関係
などについてアドバイスする(Realage-test)をキラーコンテンツとする。
このコンテンツに関連する書籍、食品などの販売により収益をあげる。
・バックナンバー:
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/241.html
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スポルツの視点
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■今回は、日米の健康ネットサービスの売上からみた好調企業と、
その好調要因、さらにビジネスモデルの型を整理しました。
■好調要因では、健康を真正面から捉えず「周辺からアプローチした結果、
健康は後からついてくる」という「健康は目的でなく手段である」という
健康本来の姿になっています。
■日米ともに健康ネットサービスは発展段階にあります。特に米国では
ベンチャー企業がIPOを目指し、豊富な資金を活用して積極的な取り組みを
行っており、日本での今後の健康ネットビジネスのヒントは豊富にあるといえ
ます。
■また、日米ともに健康関連の食品、機器、施設サービス分野などでもネット
サービスを連携させた新たな価値提供の模索が続いていますが、その点からも
数多くの発想のヒントがあるのではないでしょうか。
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