【海外ユニーク事例編】健康データ一元管理の新勢力「クオルコムライフ」
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【海外ユニーク事例編】健康データ一元管理の新勢力「クオルコムライフ」
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こんにちは。
株式会社スポルツ、ヘルスビズウォッチ編集長の脇本和洋です。
先日発表になった安倍政権の成長戦略の中で
健康医療分野が取り上げられており、
健康医療データのICT活用が記載されています。
「医療・健康データ」のICT活用分野の一つの課題が、
「データの一元管理」です。
今回は、「データの一元管理」という課題に対して
米国「クオルコムライフ」社がユニークな取り組みをしているので
事例として紹介します。
※参考:成長戦略(案)
【本号の効果的な読み方】
・URLを記載していますので、クリックいただき、別画面で参照しながら
お読みいただくと事例のポイントをイメージしやすいと思います。
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企業概要
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■企業名:Qualcomm Life, Inc.
※親会社のQualcomm社は大手デジタル通信技術開発企業。
特にモバイル向けの通信技術に特化している。
■企業スローガン:Mobilizing healthcare(ヘルスケアの力を結集する)
■設立:2011年11月
■動画によるサービス紹介(3分):
上記ページの「Overview Video」をクリックしてください。
■ミッション:
日常生活に健康・医療用機器を持ち込み、より良い人生にするため、
ワイヤレス健康・医療ネットワークを定義し、つなぎ合わせる
(to define and connect the wireless health network to improve lives
and bring medical devices to life)
■サービス概要:
様々なメーカーのワイヤレス健康・医療機器で測定した患者の生体情報を
一元化し、本人、医師、介護者などがデータを管理できる「2ネット・エコ
システム」を提供
■顧客(B-B):
医療機関、介護事業者、アプリケーション開発会社、
遠隔医療システム/通信ネットワーク提供企業など
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同社一元管理サービス「2ネット・エコシステム」の内容
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■概要
様々なメーカーのワイヤレス健康・医療機器で測定した患者の生体情報を
一元化し、本人、医師、介護者などがデータを管理できる。
「様々なメーカーの」という点が重要で、現在25社と連携している。
■システム
・2ネットハブ:
電源コンセントに差し込んで使える受信機。
機器が送信する生体情報を受信し、2ネットのデータセンターに転送する。
・2ネットプラットフォーム:
専用データベースに保存されている生体情報を閲覧するための
オペレーティングシステム。
これにより、たとえば糖尿病患者は2ネットハブを自宅のコンセントに
差し込み、ワイヤレスの体重計、血圧計、血糖測定器などを使って計測
すると、自動的にデータは一元化され、担当医や患者・介護者はデータを
確認できます。
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特長1:Freedom(自由性)
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健康・医療データの一元管理といえば、マイクロソフトのヘルスボルトが
代表的なサービスでした。
ヘルスボルトでは、複数の違うメーカーの機器を使う場合、各メーカーの
装備にのっとりUSBや赤外線、ワイヤレスレシーバーなどを使って、
自ら設定してデータをパソコンにアップロードする必要がありました。
ところが、2ネット・エコシステムでは、同サービスに連携している
機器メーカーのものならユーザー自身がデータをアップロードするという
作業自体が不要で、自動で2ネットハブがデータを吸い上げてくれます。
つまり、
何もしなくても、勝手にデータを吸い上げてくれる状態=Freedom
と表現しています。
ここで大切なのは、どれぐらいの連携企業数があるかということですが、
連携「機器メーカー」の数は、マイクロソフトのヘルスボルトが現在4社
であるのに対して、同サービスは25社と連携しています。
・健康医療機器メーカー:25社(BodyMedia、Digifit、Withingsなど)
また、同社は健康医療機器メーカー以外に今後220の連携企業が
2ネットとの統合を実現していくと述べています。
■連携企業先(現時点)
・アプリケーション開発企業:20社
(病院向け医療データシステムを提供するMyca Healthなど)
・遠隔医療システム/通信ネットワーク提供企業:34社
(AT&T Mobility、Heart to Heart Networkなど)
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特長2:2way connection(双方向性のコネクション)
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同社が強調しているもう一つの特長として、
・2way connection(双方向性のコネクション)
・interoperability(相互運用性)
というキーワードがあります。
これは、データの双方向性という意味です。
従来の一元化サービスでは、プラットフォーム側ではデータを受動的に
受け取るだけでした。
このキーワードは、プラットフォーム側から健康・医療機器への情報の送信も
行うという意味と思われます。
もしこれが実現すれば、例えば体重計からのデータで体重が減ったことが
わかった場合、その数値を他のモニタリング機器(活動量計など)に反映
できる可能性もあります。
より、健康・医療機器を使った一元管理の価値が高まるというわけです。
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今回の学び:一元管理を根本から見直す
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今回は、同社からの学びとして、以下の2点をあげます。
■問題設定自体を考える
・現在の、データの一元管理の問題は何か?
・これからの一元管理はどうあるべきか?
2ネット・エコシステムは、そう考えて一からビジネスを組み立て
なおしました。
・自身として現状をどう見るか?
根本的な問題設定をした点は学びです。
■連携企業を増やしサービスを急速に普及する
同社は、急速に連携する企業を増やしていますが、
APIを公開し、SDKのベータ版を配布したため
2ネットにつながる機器やアプリケーションの開発が
容易になっています。
普及しやすいためには、どのような条件が必要かを
考え実行している点も、学びと言えます。
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