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[健康サービス・デザイン編]2018年12月4日号
   ≫≫≫Author:大川 耕平
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みなさま
 
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
2018年も12月に入り、きっとあっという間に大晦日が訪れます。
今回は、来年も徹底的に研究していくコミュニティについてアプローチしています。ぜひご意見ください!
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「Community と Community ship」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「ただいまからおやすみまで」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 働き方改革推進コミュニティ、海外 Apple Watch動向など、16本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>Community と Community ship
 
 
顧客との継続的な関係性を発展させていくための装置としてコミュニティを運営するビジネスプレイヤーが増えています。
コミュニティでの顧客との共創や相互学習による気づきが、サービスそのものの価値を高めビジネスパフォーマンスに直結していくのですが、そのプロセスで必要となる重要なポイントを整理します。
 
 
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コミュニティシップ
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コミュニティシップとは、ヘンリー・ミンツバーグ教授(カナダ マギル大学)が提唱したコンセプト造語で、2009年頃に北米圏企業の行き過ぎた利益至上主義が導いた経済破綻現象(サブプライムローンなど)に対する警鐘として登場しました。
 
そこからだいぶ経ってはいますが、今読み返してみても今後のコミュニティ運営の指針となるものなので、ここではヘルスケア&ウェルネスサービスにとってのコミュニティという枠組みで僕の解釈を加えていきます。
 
コミュニティ運営にはいくつかの約束と空気づくりが必要です。それをコミュニティシップと言ってもいいと思います。
 
成立の背景が異なる複数のコミュニティタイプが存在しますが、共通する項目から列挙していきます。
 
 
<約束>参加条件としてのマインドセットの合意形成
 
(1)参加構成員に対してのリスペクト
(2)貢献し力を合わせる
(3)生まれる価値に期待
(4)日々の成長を感じる
(5)何らかの役割を担当する
 
ここは共通するテーマのもとに集まった構成員としてスタンスの合意がスタート地点です。
 
 
<上記から生まれる各構成員の感情>
 
(6)ここは自分の居場所だ
(7)やる気が湧いてくる
(8)凄いことに参加しているという喜びと誇り
 
約束項目をコミュニティ開始前から徹底することによって、前向き空気を創っていきます。その延長上に好ましい構成員の感情が表出してくるようにサポートしていきます。具体的には好ましい言葉を織り込んだシナリオを用意しておき、管理側のサポートメッセージの一貫性をキープします。
 
 
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小さな取り組みから
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コミュニティ内で交わされる価値交換が心地よい刺激を与え合い、新しい気づき機会に対する感謝や、相手へのリスペクトというクリエイティブでポジティブなコミュニケーション磁場のようなものが形成されると、コミュニティ活動から新たな価値創造が生まれる土台が出来上がっています。
 
<コミュニティシップ効果>
 
(9)構成員同士で小さな取り組みが自然発生
(10)共有体験が起こり始める
(11)その共有経験の中にある本質は何かとの問いを立てる
(12)その問いへの応えがやるべき次の施策となります
(13)構成員の中から自分ごと化したいとのリーダーシップが生まれる
(14)自律的プロジェクトがスタートします
 
 
コミュニティ活動の中で起こる関係性から新たな価値づくりに向けたプロジェクトが発生するという流れです。
そして、一つのコミュニティ内で起こったプロジェクト化現象は伝染していく傾向があることが最近わかってきました。つまり、また新しい小さな取り組みから価値が生まれていく可能性を意味します。
 
組織成功の循環(MITダニエル・キム教授)でもグッドサイクルは関係性の質→思考の質→行動の質→結果の質へとドライブしていくことが解説されていますが、コミュニティシップもまさに関係性の質から入る視点は同根です。
 
コミュニティ運営へのアプローチは様々な形が存在します。
ご興味ある方ぜひお声かけください。まずはディスカッションしましょう。
 
※ヘンリー・ミンツバーグ教授(Wikipedia)
 
 
●問い合わせ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「ただいまからおやすみまで」
 
ただいまからおやすみの家にいる時のみ接触するメディアがテレビ。おはようからおやすみまで接触し続けるメディアとしてのスマートフォン。
どちらを使ってどんなビジネスサービスを提供するか?
 
参照:動画2.0 ビジュアルストーリテリング 明石ガクト
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <16クリップ>
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[1]野村総合研究所、NRI JOURNAL:「健康経営」を停滞させない仕組みー有機的な連携で効果を“可視化”する
長年、ヘルスケア事業に携わってきたNRIの西尾紀一氏に、健康経営に関する課題や解決策について聞いた。NRIが今、開発・実証を進めている「WELLplus+」という新サービスについても触れている。(2018/11/20)
 
[2]サザビーリーグ、ヘルスケア事業に新規参入
株式会社ミズとの合弁契約のもと、薬のいらないくらしを提案する薬局をコンセプトにしたヘルスケアブランドを展開する新会社「株式会社YELLOW ALLY」を設立。(2018/11/21)
 
[3]日本マイクロソフトなど8社、異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革推進コミュニティを発足
「Millennial Innovation for the Next Diverse Society」を発足。様々な業種の企業において若手社員層にあたるミレニアル世代が集まり、議論・実践・検証を行い、各社内および社会に対して2020年に向けた理想の働き方を提言していく。(2018/11/21)
 
[4]資生堂、肌内部で起きる「老化の伝播」を解明
加齢に伴い肌内部に形成される老化した細胞が、周囲の細胞の機能を低下させ肌の加齢変化を引き起こすことを解明。この“老化の伝播”を真皮の幹細胞が抑制すること、などを発見。(2018/11/21)
 
[5]MTG、身に着けるトレーニング・ギア SIXPADから「SIXPAD Bottom Belt」を発売
ヒップアップに必要な3つの筋肉「大臀筋」「中臀筋」「ハムストリング」に効率的にアプローチするトレーニング・ギア。スマホとの連動により筋トレの可視化も可能。(2018/11/21)
 
[6]富士通総研、ニューズレター:デジタル・ヘルスの国際動向「社会実装の方法論と加速化」
デジタル・ヘルスの現状と今後を議論する国際会議、WHINN(Week of Health and Innovation)がデンマークで開催された。本稿では、会議での議論を中心にデジタル・ヘルスの議論の動向として実装の加速化についての論点に焦点をあてる。(2018/11/21)
 
[7]ウィット、ダイエッター250万人の1.2億件の食事記録を集計!2018年もっとも食べられた市販食品ランキングを発表(@Pressより)
「あすけん」において、2018年1月-10月末までに250万人のユーザーが登録した食事記録1.2億件から、もっとも多く食べられた市販食品を集計。TOP10には、ダイエット中に不足しやすい野菜・果物などを補う市販食品が多くランクイン。(2018/11/22)
 
[8]日立コンシューマ・マーケティングと日立アプイライアンス、単身高齢者向け見守りサービス「ドシテル」の提供を開始
スマートライフ事業第1弾。離れて暮らす単身高齢者の部屋での様子や変化をスマートフォンで確認できる見守りサービス。(2018/11/22)
 
[9]エイベックス、ベルリン発の完全個人向け自動ヒーリング音生成アプリ「Endel」を国内販売開始
「Endel」は、天気や時刻、心拍数などをもとに、ユーザー個人にパーソナライズされたヒーリング音を、リラックス・集中・睡眠モード等の目的に合わせて自動生成するアプリ。(2018/11/26)
 
[10]経済産業省、次世代ヘルスケア産業協議会新事業創出ワーキンググループ(第10回)
開催日は、2018年12月12日(水)。議題は、次世代ヘルスケア産業協議会及び新事業創出WGの今後の議論について、など。
 
[11]TPCマーケティングリサーチ、2019年 食系企業の乳酸菌事業戦略調査ー「整腸」「免疫力向上」の次なる訴求提案に向けた研究が顕在化ー
2017年度の乳酸菌応用製品市場は、前年比0.8%減の6,489億円。機能別に見ると引き続き「整腸」機能を訴求した商品が、乳酸菌応用製品市場の7割超を占める4,704億7,000万円で最大。
 
[12]TPCマーケティングリサーチ、コンシューマーレポートNo.270 オーラルフレイルの実態と対策ニーズーオーラルフレイルの人は栄養状態に対する認識と実態にギャップが発生!ー
レポートでは、「オーラルフレイルの人」と「健常な人」の口の衰えや栄養状態や筋力の低下、社会参加の認識と実態、食事の実態、今後の対策意向、オーラルフレイルの認知度などを点数別、年齢層別に比較・分析。
 
[13]シードプランニング、市場調査レポート:2018年版 世界のITヘルスケア市場注目ビジネス事例研究
本レポートでは、大手IT企業の最新動向とともに、まだ日本であまり知られていない医療・健康分野注目企業のビジネスモデルを紹介。
 
[14]驚異の20日間電池持ち、Withingsが新フィットネストラッカーを発表
新フィットネストラッカー「Withings Pulse HR Fitness Tracker」は、最大20日間という長寿命バッテリーでありながら心拍センサーを搭載しており、電話着信の通知機能、50mの耐浸水機能も備える。(2018/11/22)
 
[15]『Apple Watch』を利用した史上最大の不整脈研究と、Appleの功罪
Apple Watchユーザーに参加を募って進められる不整脈スクリーニング研究の概要が明らかになった。参加登録者数は40万人を超え、史上最大。しかし、専門家からは問題点も指摘されている。(2018/11/27)
 
[16]『mHealth Watch』注目ニュース:メンタルヘルスアプリ、提供されるアプリは増加するも使用率は低いまま
海外のモバイルヘルスにおいて、この1-2年メンタルヘルスに注目が集まっています。しかし、実際使われているかどうかは別問題です。今回の調査で想像以上に使われていないことが明らかになりました。(2018/12/03)
 
 
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