[モバイルヘルス&アプリ動向編]2019年前半、再チェックしたいモバイルヘルス「注目ニュース」
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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2019年6月11日号
≫≫≫Author:渡辺 武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
早くも2019年も折り返しです!
この半年の振り返りとして、モバイルヘルス専門ニュースサイトmHealth Watchに掲載した「注目ニュース」の中から、改めてチェックしておきたい記事を紹介します。
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---2019年前半、再チェックしたいモバイルヘルス「注目ニュース」
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「コミュニケーションの態度」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 アプリの治験、海外 AIコーチなど、11本
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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<テーマ>
2019年前半、再チェックしたいモバイルヘルス「注目ニュース」
mHealth Watchには毎週1回、編集者が解説する「注目ニュース」があります。今年もすでに22本掲載してきました。
「注目ニュース」では、
・今までにない価値は?
・継続利用につながるポイントは?
・マネタイズポイントは?
など、ビジネスに役立つ視点で解説するようにしています。
今回は、<スマートウォッチ×ヘルスケア><モバイルゲーム×ヘルスケア>の2つのテーマで見ていきます。
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スマートウォッチ×ヘルスケア
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■注目ニュース1
血圧測定スマートウォッチは、高血圧管理のためのパラダイムシフトである(2/4掲載)
Brigham and Women's病院常勤のDaniel Yazdi博士は、現在の高血圧管理の問題として、以下の4点を挙げました。
1)測定頻度が低い
2)固有のデータ変動
3)白衣高血圧
4)服薬不遵守患者と医療従事者のフォローアップの貧弱さ
これらの問題を米国Omron Healthcareから発売されたスマートウォッチ『HeartGuide』が解決するだろう。とコメントしました。
『HeartGuide』は、リストバンドを膨らませることで血圧測定ができ、適したタイミングに正確な計測を可能とします。
■注目ニュース2
AT&T、OneLifeがLTE-M医療用スマートウォッチ『OnePulse』を発表(3/4掲載)
AT&Tとモバイル用医療ソフトウェア会社のOneLife TechnologiesがLTE-M認証付の医療用スマートウォッチ『OnePulse』を発表しました。
『OnePulse』は、活動、睡眠、心拍数、位置、落下の追跡能力に加え、血圧計カフやSpO2モニタなどの医療機器に接続し、そこからデータ収集も可能。データの暗号化とオープンAPIにより、機器と特定のEHRプラットフォームとの通信が可能になり、特定条件に合わせて機器の接続サービスを微調整するカスタマイズもできます。
・スマートウォッチのヘルスケアにおける進化
スマートウォッチのヘルスケア機能は、健康(運動)用ではスマートウォッチの登場時からほぼ変わらず、フィットネストラッカーと同一の活動、睡眠、運動強度、ストレス度合などの計測です。
一方、医療用では「Apple Watch」のECG機能搭載による医療機関での利用が話題になったのをはじめとして、医療に対応したスマートウォッチが登場してきました。
どれも医療現場での課題に対応したアプローチが取られています。
Omron Healthcareが発表した『HeartGuide』は、現状では認可取得に時間のかかる日本ではなく、米国から展開をスタートさせました。すでに医療機関での導入も始まっています。
記事にあるように、今までの高血圧管理の課題を解決する製品となるため、患者にどう受け入れられるのか、今後注目のアイテムです。
OneLife Technologiesの『OnePulse』は、機能的には目新しさはありませんが、他の医療機器やEHRとのスムーズな連携を可能とすることで、患者と複雑な設定をする余裕のない医療現場での導入のしやすさを追求しています。
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モバイルゲーム×ヘルスケア
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■注目ニュース3
Akili Interactive Labs、東アジアでシオノギ製薬がパートナーに(3/18掲載)
ADHDや自閉症スペクトラム障害を持つ子供向けにデジタルゲーム型治療を提供する企業Akili Interactive Labsは、自社デジタル治療製品の東アジアにおける展開支援パートナーとしてシオノギ製薬と契約しました。
シオノギ製薬は、Akili Interactive Labsの主要2製品『AKL-T01』、『AKL-T02』の日本と台湾における商品化、マーケティング、臨床開発、承認申請を引き継ぐことになります。
■注目ニュース4
モバイルゲーム『Cardio Ex』でCME(医師生涯教育)単位獲得(4/1掲載)
デジタルゲーム開発スタジオのLevel Exはこれまで、呼吸器科、気道挿管、麻酔および消化器病学を手がける医師向けに設計された教育的モバイルゲームを発表してきました。
循環器専門医に向けて知識や空間的推論、素早い意思決定の力を学ぶことができるモバイルゲーム『Cardio Ex』は、医師生涯教育(CME)の単位をアプリから直接獲得することができます。
・実用化してきた「モバイルゲーム」
治療のための“医療”と楽しむための“ゲーム”は、いわば対極の存在でしたが、モバイルを含めたデジタルの登場、発展により見事融合することができたのです。
まさにデジタル革命と言えます!
Akili Interactive Labsは2011年に設立されました。実に10年近くも研究、追求してきたからこそ、未開の地を切り開いてきたのです。
モバイルヘルスは、今まで行われてきた健康記録、管理を手元の端末でできるだけではないはずです。
健康フィールドにおいても、ゲーミフィケーションアプリはいくつも登場してきましたが、発展的展開はまだ見られません。
課題解決を“楽しく続けさせる”から、その先に得られることは何か?を見据えたサービスへのステップアップが必要な段階にきているのではないでしょうか。
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「コミュニケーションの態度」
伝えるというのは提供者論理で、それは言いようによってはエゴかもしれない。共感を持って伝わる工夫が本来的なスタンスです。
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【3】今週の注目デジクリップ! <11クリップ>
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[1]アスクル、産業保健支援サービス「first call」の「オンライン産業医(R)」「オンライン医療相談」「ストレスチェック」を提供開始【PDF】
働き方改革、労働環境改善、従業員の健康増進など、企業の「健康経営」推進の要請は今後より一層高まっていくことから、同社では、お客様の健康経営推進を支援するため新たな事業領域「健康経営サービス事業」へ参入。(2019/05/29)
[2]ティップネス、「コインランドリー+カフェ」で地域を健康に!ティップネス宮崎台1階に『喫茶ランドリー』がオープン!【PDF】
フィットネスクラブが「運動の場」という従来の役割を超えて、地域に開かれた「コミュニケ―ション基点」となり、「人と人との交流」で地域の健康増進に寄与することを目指すという、新たな試み。(2019/05/30)
[3]キュア・アップと慶應義塾大学、<日本初の「アプリの治験」結果を米国胸部学会議2019で公表> 国内第III相臨床試験で禁煙外来におけるニコチン依存症治療用アプリの有効性を確認
主要評価項目である9-24週における継続禁煙率は、対照群と比べ治験治療群で統計学的有意に高く、ニコチン依存症治療用アプリが禁煙の継続に寄与したことが示された。(2019/05/30)
[4]メドピアグループ、日本経済新聞社と業務提携し、日経ID会員向けにヘルスケア事業を共同展開
約900万人が登録する日経ID会員のヘルスケアをサポートする事業の第一弾として、毎日の歩数や日経電子版の閲覧に応じてポイントが貯まる歩数記録アプリを2019年夏頃より提供開始する。(2019/05/30)
[5]ケアネット、ソーシャル機能を備えた医療・医学ニュースサイト「Doctors’Picks」のiOS版アプリをリリース【PDF】
Doctors’Picksは、CareNet.com医師会員であれば誰でも興味のある記事を選定・共有し、コメントを投稿することで、医師同士のネットワークを広げることのできる医療・医学ニュースサイト。(2019/06/03)
[6]オムロン ヘルスケアとカゴメ、協働で日本のビジネスパーソンの高めの血圧対策に着手!
日本のビジネスパーソンの多くが抱える高めの血圧の啓発と興味関心の醸成を目的として、タクシーを活用した啓発プロモーションを展開。都内を走行するタクシー合計100台で血圧測定&トマトジュースをプレゼント。(2019/06/03)
[7]ウーマンズラボより、ヘルスケア業界、11個の課題
女性の健康を守るために、そして激変する日本社会とヘルスケア産業の健全な発展のため、業界全体で取り組みたい課題をピックアップ。(2019/06/04)
[8]SPORTEC実行委員会、SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN開催
開催日は7月9日(火)から11日(木)。スポーツ設備・機器、フィットネス機器、スポーツ用品、健康器具、介護機器、サプリメント・健康食品、スポーツツーリズムなどが世界中から一堂に出展する、スポーツ・健康産業日本最大の展示会。
[9]フィットネスプラットフォームAaptivが新しいAIコーチを追加
Aaptiv社は、新しい人工知能対応トレーナー「Aaptiv Coach」をリリースした。新技術は独自のアルゴリズムを使用して、フィットネスルーチンやライフスタイルのヒントを各ユーザーに合わせてパーソナライズする。(2019/05/30)
[10]「健康経営実践セミナー2019」レポート
去る5月24日、健康経営支援サービスを提供する4企業が参加する「健康経営実践セミナー2019」が開催された。セミナーでは、4部構成で健康経営を実践していくうえでの課題を事例を交えながら紹介。(2019/05/31)
[11]『mHealth Watch』注目ニュース:エムティーアイ、『ルナルナ』と国立成育医療研究センターが共同研究を開始
今回注目するのは、『ルナルナ』のビッグデータ活用に向けた取り組みに関するニュースです。(2019/06/10)
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