活性化キーワードVol.21:「健康サービスは『自分研究』の提案」
■■■■■■■■■ 健康ビジネス活性化キーワード ■■■■■■■■Vol.21
HBW編集委員の里見です。
この4月から名称を改めて本格的にスタートした「Health Biz Watch Academy」
ですが、4月は5本のセミナーを開催しました。
以前「Health Biz Watch塾」として運営していた際は、月1本のセミナー開催
でしたが、「Health Biz Watch Academy」としては開催頻度を高め、様々な
テーマのセミナーがいつでも開催していることを目指しております。
弊社スタッフもセミナーの複数開催の運営に慣れながらのスタートでしたが、
今週は3本のセミナーをこなしました。
まだまだ運営面で不慣れなことが多いですが、
みなさまに満足いただけるセミナーをご提供できればと思っておりますので、
今後も「Health Biz Watch Academy」にご期待ください。
●セミナー・講座 開催予定一覧
http://www.sportz.co.jp/whats_new/contents/90.html
ヘルスビズウォッチアカデミー、5月開催予定のセミナー一覧です。
さて、今週ご紹介するキーワードは、
「健康サービスは『自分研究』の提案」です。
今週のキーワードは、健康ビジネスに対する企業のアプローチのタイプと
健康サービスを生活者にとって魅力ある表現にすることに関連するキーワード
です。是非参考にしてください。
(里見 将史)
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健康ビジネス活性化キーワード:「健康サービスは『自分研究』の提案」
大川 耕平
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弊社では1999年6月に健康サービスビジネス&ライフスタイルのビジネスモデル
分析メルマガを創刊以来、日米における健康サービスビジネス動向を観察して
きました。
現在の日本における健康ブームの起点は「健康日本21」(平成12年)から
だと我々は考えています。
ご存知の方も多いかと思いますが、これは「21世紀における国民健康づくり
運動(健康日本21)」は少子高齢化が進む中で健康で活力ある社会であるた
めに設定された内容になっています。
生活習慣病及びその原因となる生活習慣などの課題について9分野(栄養・食
生活・身体活動と運動・休養・こころの健康づくり・たばこ・歯の健康・糖尿
病・循環器病・がん)ごとの2010年を目途とした基本方針・現状と目標、対策
を国(当時厚生省)として各自治体へ通知しました。
国が示す今後の国民の健康のあり方に具体的な指標を示した試みとして多くの
企業に健康ビジネスの可能性を示唆するものでしたし、これを機会に健康産業
への新規参入や健康プロダクトメーカーのサービス開発などが始まりました。
このような流れから最近の健康ビジネス動向をみていくと、とてもユニークな
ポイントが発見できます。この起点から約12年の時が流れています。いろい
ろな事が起こり経験も出来る期間です。
健康ビジネスに対する企業動向のタイプとしては、大まかに分類すると4つだ
と考えています。
(1)10年以上の経験があり、失敗から学んでいる企業
→このタイプは健康ビジネスの本質を理解し明確なミッションを持ちますが、
業界を知りすぎていることが自らの限界を設定している事となり先行メリッ
トを活かしきれていない企業が多い。
(2)ここ数年で参入したが先行企業の失敗を学ばず同じような失敗をしかけ
ている企業
→このタイプは大企業が新規事業模索を目的に、短期間での成果を要求する
パターンがほとんどです。約束の期間内で目標達成できず撤退する例もみら
れます。
(3)ここ数年で参入してきたが過去の先行企業の失敗から学んでいる企業
→このタイプは健康産業に近いドメインにポジショニングしている企業(医療
医薬・スポーツ・食・リラクゼーションに多くみられる)で小さいながら
利益を出している例が多いです。
(4)先行する今までの企業とは全く違う視点を持ち参入する企業
→このタイプは北米に多いもので、ビジネスモデルとして健康ビジネスのデザ
インをする企業です。Health2.0やソーシャルヘルスケアというムーブメント
の中で多くみられます。日本でもこのタイプのチャレンジャーが登場してき
ています。
健康サービス事業を顧客にとってどう位置づけ、表現するか?ここ10年で
様々な試みがなされました。
「健康」をどう定義するのか?がまず大きな課題テーマでした。
・健康は誰もが望むものだという前提
・健康改善しなければいけない発想
・健康改善するためには我慢が必要だという強制
これらのアプローチは間違いではないのですが生活者にとって魅力ある表現と
はなりませんでした。
様々な試みを繰り返しながらここ1年で健康サービスを表現するボキャブラ
リーが成熟し始めてきていると大川は感じています。
(3)のタイプの小さい単位でも健康サービスが利益をあげだしてきている例
は生活者ニーズにサービスがマッチしていることを意味していると言えます。
また今後大きな力となるのが(4)のタイプです。ICTを駆使したサービス
プロセスでの価値創造が様々な角度から提案され、当然表現も今までに無い
角度からライフスタイル全体を見通すものになると思います。
実はここのところ大川の結論的な切り口なのですが、
健康サービスは「自分研究」提案です。
自分事として自分の健康に向き合ったとき、その人の望む健康への活動が始ま
るのだと思います。自分にとって解決の出来るカタチにするという言い方も
できるでしょう。
自分に似合った健康スタイルを自分研究を通じて計り、感じ、学んでいくプロ
セスの提案が健康サービスです。この文脈に同意していただける健康サービス
事業者がどんどん増えていく気がしてならないです。