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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年9月13日号
            ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
先週金曜に開催したモバイルヘルス勉強会では、ヘルスケアビジネス全体からカテゴリーごとに注目企業を見ていきました。それぞれの事例を見ていくと、モバイルヘルスが大きく貢献していることがわかります。
 
今回は、勉強会で紹介した注目企業の中から、モバイルヘルスをどのように活用しているのか見ていきたいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---注目企業のモバイルヘルスの活用
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「健康サービスユーザーにとっての手間」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 腸内フローラ実証事業、海外 アプリ動向など、9本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:注目企業のモバイルヘルスの活用
 
 
先日開催したモバイルヘルス勉強会では、健康業界の現状として「モノ」「流通」「施設サービス」「情報サービス」の4つの市場ごとに注目される企業を紹介しました。それぞれの市場で、特にコミュニケーションとして活用されているのが、モバイルヘルスです。今回紹介した18事例中8事例にモバイルヘルスが活用されています。
 
 
「モノ」市場の紹介事例
・Medifast(ダイエット食品)
・Fitbit(フィットネストラッカー)
 
「流通」市場の紹介事例
・Wallgreen(ドラッグストア)
 
「施設サービス」市場の紹介事例
・Orangetheory(フィットネス)
 
「情報サービス」市場の紹介事例
・Mindoula(うつ病患者家族サポート)
・WeightWatchers(ダイエットサポート)
・Health IQ(健康クイズ)
・Healthways(企業向けサービス)
 
 
それぞれモバイルヘルスをどのように活用しているのか、特長となる点を「継続ドライバ」にて分類していきます。
 
※継続ドライバとは?こちらをご覧ください。
 
 
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1.継続ドライバ:インセンティブ
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・Wallgreen(ドラッグストア)
「Balance Rewards」と言うポイントプログラムを提供しています。単に店舗で購入したポイントが付与されるものではなく、健康行動もポイント対象になります。
健康行動(疾患ごとの運動、服薬状況や血圧などの記録)する上で、複数のアプリやデバイスと連携しているので、自分が使いやすいものを選ぶことができます。
 
 
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2.継続ドライバ:ヘルスコミュニケーション
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・Medifast(ダイエット食品)
ダイエットを成功させ、リバウンドしないようにするため、Medifastが販売するダイエット食品にプラスして「ヘルスコーチ」による寄り添い型のサポートを行っています。
モバイルヘルスは、自分の行動をヘルスコーチと共有するため(見守り感)に活用されています。
 
・WeightWatchers(ダイエットサポート)
世界最大のダイエットセンターによるオンラインサービスです。
以前は食事記録のしやすさに注力していましたが、すでに同様の機能を持つモバイルアプリが増加したため、ヘルスコーチによる「コーチングサービス」にて差別化を図ろうとしています。
 
・Healthways(企業向けサービス)
企業向けにウェルネスプログラム、ディジーズマネージメントプログラムを提供しています。
生活習慣を実践的に変えていくためのサービスとして「Focus」と言うヘルスコーチによる支援を提供しています。
 
・Mindoula(うつ病患者家族サポート)
うつ病患者本人とその家族のメンタル面のサポートをするサービスを提供しています。かなり深いアセスメントを行い、本人向け、家族向けのプランを提示してくれます。
プラン実行段階では、アプリを使って日々の気持ちを評価したり、緊急時には電話相談ができるようになっています。
 
 
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3.継続ドライバ:ヘルスナレッジ
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・Health IQ(健康クイズ)
健康知識を身に付けるため、クイズ形式で楽しみながら学んでいきます。
クイズに正解するとインセンティブが得られます。
 
 
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4.継続ドライバ:パーソナライズ
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・Fitbit(フィットネストラッカー)
Fitbitの場合は、多くの継続ドライバを活用していますが、包括的に見るとパーソナライズに分類することができます。
デバイスによる活動記録(モニタリング)を活かし、ダイエットや生活習慣の改善など、自分の課題解決に活用することができます。サービスの選択肢は幅広く、現在1000種類を超えるアプリやデバイスと連携しています。
 
 
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5.継続ドライバ:ゲーミフィケーション
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・Orangetheory(フィットネス)
心拍数を活用した運動プログラムで、消費カロリー効果を高めるメソッドを提供するフィットネスクラブです。この秋よりついに日本にも上陸します。
参加者全員が心拍計を付けて、心拍の変動をリアルタイムで大型モニターに投影しながらみんなでモチベーションを高めて取組むことができます。
 
 
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モバイルヘルスでの継続ドライバ活用のヒント
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今回はモバイルヘルスを活用している8つの事例を「継続ドライバ」で分類し、特長を整理してみました。
 
特に多かったのが「ヘルスコミュニケーション」で、習慣化するためにヘルスコーチの手法をうまく取り入れているサービスが目立ちました。
習慣化のために、普段持ち歩いているモバイルツールは相性がよいと言えます。
今後はテーマに合わせ、ヘルスコーチ手法をどうアレンジしていけるかがポイントとなってくるのではないでしょうか。
 
 
 
【継続ドライバを学ぶ】
ヘルスケアビジネスでは、継続支援がビジネス成功の鍵になります。8つに分類された継続ドライバの特長を事例と共に学ぶことで、皆さんのビジネスにお役立てください。
今回ご紹介するセミナーは、継続ドライバの解説だけでなく、活用方法をセルフワーク、グループワークでご体感いただけます。ぜひご参加ください。
 
 
健康業界での成功のカギ「継続支援」を磨くための 「継続ドライバ」活用ワークショップ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「健康サービスユーザーにとっての手間」
 
健康改善行動には何らかの今までとは違う行動(努力)が伴う。その行為をどう認識してもらうかが勝負です。喜んでその手間を実践したいと思わせる説明ができるか否かの技術なんだと思います。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]エン・ジャパン、男女のリフレッシュ方法の違いを発表ーリフレッシュ方法のアンケート調査よりー
リフレッシュしたいと感じるのは、男女ともに「仕事で失敗したとき」「人間関係がうまくいかないとき」。男性が共感しづらい女性のリフレッシュ方法は「ショッピング」「話を聞いてもらう」こと。(2016/08/29)
 
[2]DeNAライフサイエンスと森永乳業、「腸内フローラ」をテーマとしたヘルスケアの実証事業を開始
実証事業では「推定腸内年齢」を判別する新たな「腸内フローラ解析サービス」の開発に向けて、推定腸内年齢の解析手法の検証と同サービスによる意識・行動変容の促進に関する調査を行う。(2016/09/01)
 
[3]日立ハイテクノロジーズ、「脳活動計測を用いたブレインフィットネスプログラム」を開発
本プログラムは、脳トレーニング用のコンテンツと、携帯型脳活動計測装置「HOT-1000」を組み合わせたもの。個人の脳活動の計測データを元にカスタマイズしたトレーニングコンテンツを印刷し提供する。(2016/09/01)
 
[4]日本政策金融公庫、食の志向「健康志向」が12半期連続で最多回答<平成28年度上半期消費者動向調査>【PDF】
20代の若者が30代よりも「経済性や簡便化よりも健康に気をつかう」傾向が高まっている、「割高でも国産食品を選ぶ」が6割超で消費者は国産支持の意向が高い、など。(2016/09/01)
 
[5]大阪市立大学イノベーションセンター、日本食の抗疲労効果を科学的に立証!成果を「抗疲労レシピ本」に
本成果は、抗疲労の観点から身近な食生活を改善することで、疲労倦怠感や疲労そのものを軽減させ、慢性疲労状態に陥ることを予防し、日々の仕事や学業の作業能率の改善につながることが期待される。(2016/09/02)
 
[6]新社会システム総合研究所、シリコンバレー最新レポート:AI×ヘルスケアの最新技術と収益化戦略を開催
開催日は2016年10月13日(木)。このセミナーはベンチャー企業動向にスポットをあて、AIを活用したヘルスケア・医療システムの最新技術とビジネスモデルを解析する。
 
[7]プロの栄養士が的確なカロリーを計算しフィードバックしてくれるアプリ『AVA』
ユーザーが撮影した写真をもとに、プロの栄養士らがカロリー計算を行ってくれるアプリ。栄養士からカロリーや栄養にまつわるアドバイス、さらには自分に適した食事(栄養)プランを手に入れることができる。(2016/09/01)
 
[8]食物アレルギーからレストランが選べるアプリ『DineSafe』
アプリが個人プロフィールに基づき安全な食事を楽しめるレストランをピックアップ。レストランは、アプリを通じてメニュを提案してくれるため、ユーザーは安心して外食することができる。(2016/09/06)
 
[9]ResMed、睡眠時無呼吸症候群の治療支援アプリ『myAir』を開発
睡眠時無呼吸症候群患者のCPAPマスク利用を支援するアプリ。CPAPユーザーは「myAir」により、iOSアプリを通じて自身の治療をトラッキングできるほか、日々の睡眠パターンとコーチングヒントにアクセスが可能。(2016/09/06)
 
 
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