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【今回の注目事例】:ベビーフード企業「Gerber社」
       ~「こどもの野菜嫌い」改善の処方箋とは?~
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【「こどもの野菜嫌い」は母親共通の悩み】

家族の健康を気遣う母親にとって、「子供の食事」は、大きな関心事。私の
周囲の幼児・小学生をもつ母親の間でも、「普段、なかなか野菜を食べてく
れない」「なんとか偏食を直したい」という声をよく聞きます。

日本では、政府の食生活指針や野菜や果物を1日5皿以上食べようという「フ
ァイブ・ア・デイ」運動はありますが、子供の野菜嫌い改善に役立つ母親向
け情報としては、野菜レシピの提供などが中心で、それほど多くはありませ
ん。

すでに本メルマガでは、米国Dole社の「ファイブ・ア・デイ」の事例を紹介
しています。今回は、2002年度にもっとも熱心に野菜摂取のキャンペーン
に取り組んだ企業に贈られるアワード(PBH財団主催)の受賞企業「Gerber
社」に注目。こどもの野菜嫌い改善のヒントを探ります。


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【注目事例:Gerber社】  乳児の時から野菜摂取を習慣づける
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Gerber社は、米国大手のベビーフードメーカー。育児中の母親向けの離乳食
レシピ、栄養情報、商品情報などを提供しています。

・サイトURL: http://www.gerber.com
・運営企業:Gerber社(1927年設立)
・商品ライン:有機の野菜・果物を使った「Tender Harvest」シリーズ。ほか
瓶詰め食品、シリアル、野菜ジュースなどのベビーフード全般。注目コンテン
ツは、0~2才の子供を持つ家庭の「ファイブ・ア・デイ」実践をサポートする
「Healthy Start」です。

・「Healthy Start」のトップページ
http://www.gerber.com/minit?initid=init1

■「Healthy Start」の特長

「Healthy Start」の特長は、離乳期(1才以下)という早い段階での
「ファイブ・ア・デイのすすめ」を提供している点にあります。

具体的には、以下の5つのステップ毎を説明しています。

ステップ1:導入
野菜・果物から乳児の好きな味(バナナ、スイートポテトなど)を与える。

ステップ2:定着
できるだけ、新しい味の野菜&果物を用意して、味に慣れさせる。

ステップ3:激励
子供をほめてあげながら、あきらめずに勧める。

ステップ4:「ファイブ・ア・デイ」実践
Gerber社のベビーフード 2.5瓶=1日5杯の野菜・果物を摂取する。
上手に商品を活用して、簡単に「ファイブ・ア・デイ」を実践できる。
※ベビーフード2.5瓶の説明
http://www.gerber.com/minit?initid=init6

ステップ5:継続
「ファイブ・ア・デイ」キャンペーンが推奨している、5種類のカラーチ
ャートを参考に毎日、野菜&果物を食べさせる。

※カラーチャート(Colors of Health)
野菜&果物を5色に分類した表。5色×5杯の目安で食べることを推奨。
http://www.5aday.com/html/consumers/healthcolors.php

「Healthy Start」を通じて、母親は、子供を早い時期から野菜に慣れさせ
ることが可能です。早いスタートは、幼児期・学童期における野菜嫌い防止
にもつながるのではないでしょうか。


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【HBMチームの視点】  育児を通じて家庭全体の食習慣も見なおす
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■日本のベビーフードサイトにも、月齢期別・食材別レシピが豊富にあり、
充実しています。ただ、母親にとっての離乳食期は、食べ物になれさせる、
食事の楽しみを教える時期で、もう少し成長してから栄養バランスを重視す
するという考え方が主流のようです。

Gerber社のように、母親向けに、早い時期から5ADAYを意識することを
促す情報提供があってもよいのではないでしょうか。

■また、今回の事例の「Healthy Start」では、家庭全体の食習慣も見直せ
るように、簡単な質問も用意しています。(例:1日1回野菜ジュースを飲ん
でいますかなど5問)

子供の野菜嫌いを改善するには、「家族」みんなが率先して、ファイブ・ア
・デイを実践することが欠かせないというアプローチは、食と健康コンテン
ツ開発のヒントになります。

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