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<<今月のテーマ:米国健康食品サイトの「第3者機関による信用供与」>>
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●海外健康ビジネス最新ウォッチ
●特集 米国健康食品サイトの「第3者機関による信用供与」


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<海外健康ビジネス最新ウォッチ>
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■MotherNature.com、「優良e-ビジネス企業」の評価を得る
http://www.e-Buyersguide.com/ebg/contest_earlwinners00_frameset.html

ネット上の健康食品販売企業の大手MotherNature.comが、
格付け企業e-BuyersGuide.comから優良企業の評価を得た。この評価は
消費者からの投票を主な基準としている。

■eHealthstores、旧来企業をオンラインビジネスへ招待
http://www.eHealthstores.com/

新サイトeHealthstoresは、従来から存在している健康関連企業が
その豊富なビジネスノウハウを活かしつつネット市場へ参入する際の
サポートを主な事業内容としている。

■医師と会話ができる新サイト
http://www.1-800-DOCTORS.com/

1-800-DOCTORS.comが、医師と会話のできるサービスの提供を開始した。
消費者(患者)はこのサービスを利用して、24時間いつでも医師に相談
することができる。

■サプリメントの摂りすぎをチェックできるWebページ
http://www.macd.net/vitamintool/

サプリメントの摂りすぎによる健康への悪影響や医薬品と相乗しての
副作用の危険が指摘されるなか、macd.netがWebページ上でサプリメント
の摂りすぎをチェックできるコーナーを開設している。サイト訪問者が
服用している商品をメニューから選択して結果を表示させる。


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<特集 米国健康食品サイトでの「第3者機関による信用供与」>
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健康食品販売サイトの構築にあたって米国では「カスタマイゼーション」と
「信用の供与」という2つのトレンドがある。

カスタマイゼーション*とは消費者の「どの成分がどの程度自分の今の
体調に必要かよくわからない」というニーズを解決するために個人の
ライススタイルごとに最適な配合を作り、商品を提供することである。

もう一つのトレンドである「信用の供与」とは消費者の「何を基準に
健康商品を信用したらよいかわからない」というニーズを解決するために
サイト自体や商品単体ごとにいろいろな信用情報を消費者に提供すること
をいう。

健康食品販売サイトの場合、信用を供与するには「第3者機関による客観的
評価」及び「その商品を購入したことのある消費者の評価」を活用すると
いう2つの方法がある。今回は前者の「第3者機関による客観的評価」という
方法に注目してみたい。

【第3者機関による信用供与の事例】
米国の「第3者機関による信用供与」を理解するための具体的事例として
「healthshop.com」、「consumerlab.com」、「supplementwatch.com」
という3つのサイトに注目してみた。

■事例1:healthshop.com
http://www.healthshop.com/

<healthshop.comの概要>
healthshop.comは6000種類の自然食品(サプリメント)を販売している
オンラインショッピングのサイトである。特徴は「Healthplaner」と呼ば
れる個人のライフスタイルに関する質問に答えると最適な商品が選ばれる
カスタマイゼーションと「health quality standards」と呼ばれる第3者
機関による品質保証プログラムを採用していることにある。

<health quality standardsの内容>
医療関連の専門家(大学教授中心)17名が中心となり設定した10の基準を
クリアしているかについて「ALPHA(FDAに許可されている第3の検査機関)」
で商品のテストを行っている。この検査結果がメーカーの発表する数値と
明らかに違う場合はそのメーカーの商品は排除するようにしている。
また、このテストの目的、テストを行う機関、テスト方法、専門家の略歴
などについて詳細を説明し、商品の選別に非常に力を入れている印象を
消費者に与えている。

■事例2:consumerlab.com
http://www.consumerlab.com/

<consumerlab.comの概要>
健康食品メーカーを対象に商品のテストを行ってくれる第3者機関。テストに
必要な費用はメーカーが負担する。商品はメーカーが郵送したものでなく
consumerlab.comがアトランダムに小売店などで購入したものを使い、
官能検査などのいろいろな専門的テストに合格すればCLマーク(consumer lab
の保証マーク)を得ることができ、そのマークを自社のサイトに貼ることが
できる。consumerlab.comサイトには評価の公平性を保つために企業広告は
全くなく、テストの費用(認定費用)とコンテンツライセンス(商品評価
内容使用許可を雑誌社などに販売すること)を主な収益源としている。

■事例3:supplementwatch.com
http://www.supplementwatch.com

<supplementwatch.comの概要>
健康食品を第3者機関が自ら選び評価する。テスト内容は「ラベル表示内容
と実際の商品の相違の有無」、「広告宣伝内容の正しさ(誇大表現のなさ)」、
「成分など科学的数値の正確さ」、「添加物量などの安全性」などで
合計100ポイントを満点として専門家により評価されている。
supplementwatch.comもconsumerlab.comと同様にサイトには企業広告は
全くなく、コンテンツライセンスを主な収益源としている。各商品の
テスト結果をサイト上で公開し消費者もそれを見ることができる。

【サイトウォッチングメモ】

健康食品の販売をサイトを考える場合、消費者からの信用を得ることが
売上を向上させる一つの重要な要因であることは間違いない。

米国では信用を得る方法としてconsumerlab.comのような第3者機関での
テストを積極的に利用して自社のブランドの安全性を強調したり、
supplementwatch.comのような第3者機関が自ら行うテスト結果に自社製品
が紹介されるか注意して見ておき、結果がよかった場合はその内容を
自社サイト上で紹介したりする方法をとっている。

今後「第3者機関での評価」を必要とするメーカー・ショップは更に
増加すると予想され、第3者による客観的なテスト自体をビジネスとした
consumerlab.comやsupplementwatch.comのような「専門家による健康食品
評価サイト」が新しいビジネスとして注目されている。

また、米国では信用を供与するためのもう一つの方法である「その商品
を購入したことのある消費者の評価」を掲載する消費者評価サイトが、
consumer review.com、the publiceye.comをはじめ多くあり、今後は
「健康食品に特化した」消費者評価サイトがでてきてもおかしくない。
http://www.consumerreview.com/
http://www.thepubliceye.com/

日本の健康食品販売サイト構築にあたりこうした海外の健康食品サイトの
「信用供与」動向はウォッチしておく必要がありそうだ。

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