「スピリチュアルヘルス」という健康観
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「スピリチュアルヘルス」という健康観
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【スピリチュアル(spiritual)とは?】
スピリチュアル(spiritual)とは、日本語では「霊性」「魂」などと表現
されますが、具体的には、人生の意味・希望・安らぎなどを見出す「心の奥
」をさす概念といえます。
米国では、「スピリチュアルヘルス(魂の健康)」ということばも使われて
おり、主に、宗教や祈り・瞑想や各種ヒーリング・代替療法などを通じて実
践されているようです。
また、「スピリチュアルヘルス」は、1999年のWHO(世界保健機構)
総会において、これまでの3つの健康定義(体の健康、精神的な健康、社会
的な健康)に、4つ目として追加すべきだという提言が、論議されました。
最終的には、必ずしも追加は必要でないという結果になったようですが、そ
れ以来「スピリチュアルヘルス」という考え方への注目は高まっています。
今回は、米国と日本の「スピリチュアルヘルス」のいくつかの事例を紹介し
、今後の「スピリチュアルヘルス」のあり方を考えてみたいと思います。
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【米国でのスピリチュアルヘルス事例】
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■事例1:Spirituality & Health
http://www.spiritualityhealth.com/
・サイト概要
米国の代表的な「スピリチュアリティと健康」をテーマとした雑誌。199
8年創刊で、発行部数75,000部。
・主な内容
雑誌の内容は、スピリチュアルと健康に関わる最新記事、代替療法について
のコラムや解説、セルフチェックツール、関連書籍の書評などです。
具体的には、下記のような幅広い分野をカバーしており、なかでも2)の代
替療法に関する記事が充実しています。
1)世界の宗教
2)代替療法(瞑想・ヨガ・ヒーリング・気功・マッサージなど)
3)家族関係
4)自然(住まい・ガーデニング・環境など)
5)科学(脳の研究・スピリチュアルを応用した技術など)
6)スピリチュアルに関するビジネス
7)芸術
8)死について
9)健康とヒーリング
10)人間関係(家族・親子・恋愛や結婚など)
11)その他(マネー、政治など)
※バックナンバー(タイトルのみ読むことができます)
http://www.spiritualityhealth.com/NMagazine/archive.php
■事例2:familydoctor.org
http://familydoctor.org/
・概要
American Academy of Family Physicians(アメリカ家庭医学会)が運営す
る患者教育サイト。健康課題や症状別に、一般向けのわかりやすい解説を提
供しています。「スピリチュアルと健康」についても詳しく説明されていま
す。
・主な内容
「スピリチュアルと健康」コンテンツでは、下記のようなテーマ別に、解説
と関連リンクを紹介しています。
1)スピリチュアルとは何か?
2)スピリチュアルと健康の関係
3)「スピリチュアルヘルス」を改善するには?
4)医師と代替療法の活用などについて
ここでは、「スピリチュアルと健康」が、宗教・瞑想・芸術・ヨガなどを通
じて得られるだけでなく、自分が本当に興味のあること(読書・ボランディ
ア・散歩など)を通じても得られえる「心の安らぎ」と述べられています。
※「スピリチュアルと健康」コンテンツ
http://familydoctor.org/650.xml
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【日本におけるスピリチュアルの現状】
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日本では、「スピリチュアル」ということばは、さまざまなシーンで使われ
ています。健康関連では、例えば下記のようなものがあります。
1)医療現場における「スピリチュアルケア」
ホスピスなどでのターミナルケア、緩和ケアという用語ですでに実践されて
います。看護者(介護者)が、患者に対して生きる意味と意欲を回復できる
ように、またその家族を支えるための精神的なサポートをします。
・日本緩和医療学会
http://www.jspm.ne.jp/
2)民間療法としての「スピリチュアル・カウンセリング」
なんらかの悩みをもつ人に対し、カウンセラーやヒーラーがアドバイスを提
供します。主に、相談者の「気」「エネルギー」を感じとり、必要に応じて
ヒーリング(癒し)を行うという手法です。一部には、スピリチュアルを心
霊などと結びつけた信頼性に欠けるサービスも混在しているようです。
※ここでいうカウンセラーやヒーラーは、心理学をベースとしたカウンセリ
ングを行う臨床心理士などとは区別して扱っています。
3)介護施設での「スピリチュアルヘルス」
新しい動きとして、2004年10月に横浜にオープンしたスピリチュアル
ヘルスをコンセプトに、ゲーム機器などのエンターメント機能を併設した高
齢者向けデイケア施設があります。
・通所介護事業所「かいかや」:株式会社ナムコ
http://www.kaigokiki.com/coverage/back_number/20050701coverage.html
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【スポルツの視点】
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■上記の事例のように「スピリチュアル」の解釈はさまざまです。特に、米
国のスピリチュアルヘルスが「代替療法(民間療法)」を中心として幅広く
提供されている一方で、日本では、主に「医療現場(西洋医学)」のターミ
ナルケアとして導入されている点が違っています。
■ただ「スピリチュアルヘルス」が、これまでの健康観ではあまり触れられ
ていなかった「個人の生き方」という部分に深く関わっている点は共通して
います。
■では、<これまでの健康観>と<スピリチュアルな健康観>は、どのよう
な違いがあるのでしょうか。具体的には下記が考えられます。
<これまでの健康観>
・健康的な食事・運動・休養
・健診の数値が正常である。
・心の悩みを改善する。
<スピリチュアルな健康観>
・生きる意味(目的)を見出す。
・前向きに生きる。
・今の自分を受け入れる。
・安らぎを感じながら生きる。
・死生感を持って生きる。
■今後、日本のスピリチュアルヘルスは、末期医療の患者に限定されるので
はなく、例えば「難病や原因不明の痛みの治療を長期的にうける患者とその
家族向けのケア」として、あるいは「介護予防・リハビリテーション・健康
維持などを目的したと健康サービス」としても活用されることが望ましいの
ではないでしょうか。
■さらに、スピリチュアルヘルスという健康観を「病気予防」や「セルフケ
ア」などの現在健康である人向けのサービスにまで活用できれば、ビジネス
の可能性は大きく広がり、他社サービスとの差別化にもつながりそうです。
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「スピリチュアルヘルス」という健康観
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【スピリチュアル(spiritual)とは?】
スピリチュアル(spiritual)とは、日本語では「霊性」「魂」などと表現
されますが、具体的には、人生の意味・希望・安らぎなどを見出す「心の奥
」をさす概念といえます。
米国では、「スピリチュアルヘルス(魂の健康)」ということばも使われて
おり、主に、宗教や祈り・瞑想や各種ヒーリング・代替療法などを通じて実
践されているようです。
また、「スピリチュアルヘルス」は、1999年のWHO(世界保健機構)
総会において、これまでの3つの健康定義(体の健康、精神的な健康、社会
的な健康)に、4つ目として追加すべきだという提言が、論議されました。
最終的には、必ずしも追加は必要でないという結果になったようですが、そ
れ以来「スピリチュアルヘルス」という考え方への注目は高まっています。
今回は、米国と日本の「スピリチュアルヘルス」のいくつかの事例を紹介し
、今後の「スピリチュアルヘルス」のあり方を考えてみたいと思います。
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【米国でのスピリチュアルヘルス事例】
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■事例1:Spirituality & Health
http://www.spiritualityhealth.com/
・サイト概要
米国の代表的な「スピリチュアリティと健康」をテーマとした雑誌。199
8年創刊で、発行部数75,000部。
・主な内容
雑誌の内容は、スピリチュアルと健康に関わる最新記事、代替療法について
のコラムや解説、セルフチェックツール、関連書籍の書評などです。
具体的には、下記のような幅広い分野をカバーしており、なかでも2)の代
替療法に関する記事が充実しています。
1)世界の宗教
2)代替療法(瞑想・ヨガ・ヒーリング・気功・マッサージなど)
3)家族関係
4)自然(住まい・ガーデニング・環境など)
5)科学(脳の研究・スピリチュアルを応用した技術など)
6)スピリチュアルに関するビジネス
7)芸術
8)死について
9)健康とヒーリング
10)人間関係(家族・親子・恋愛や結婚など)
11)その他(マネー、政治など)
※バックナンバー(タイトルのみ読むことができます)
http://www.spiritualityhealth.com/NMagazine/archive.php
■事例2:familydoctor.org
http://familydoctor.org/
・概要
American Academy of Family Physicians(アメリカ家庭医学会)が運営す
る患者教育サイト。健康課題や症状別に、一般向けのわかりやすい解説を提
供しています。「スピリチュアルと健康」についても詳しく説明されていま
す。
・主な内容
「スピリチュアルと健康」コンテンツでは、下記のようなテーマ別に、解説
と関連リンクを紹介しています。
1)スピリチュアルとは何か?
2)スピリチュアルと健康の関係
3)「スピリチュアルヘルス」を改善するには?
4)医師と代替療法の活用などについて
ここでは、「スピリチュアルと健康」が、宗教・瞑想・芸術・ヨガなどを通
じて得られるだけでなく、自分が本当に興味のあること(読書・ボランディ
ア・散歩など)を通じても得られえる「心の安らぎ」と述べられています。
※「スピリチュアルと健康」コンテンツ
http://familydoctor.org/650.xml
......................................................................................................
【日本におけるスピリチュアルの現状】
......................................................................................................
日本では、「スピリチュアル」ということばは、さまざまなシーンで使われ
ています。健康関連では、例えば下記のようなものがあります。
1)医療現場における「スピリチュアルケア」
ホスピスなどでのターミナルケア、緩和ケアという用語ですでに実践されて
います。看護者(介護者)が、患者に対して生きる意味と意欲を回復できる
ように、またその家族を支えるための精神的なサポートをします。
・日本緩和医療学会
http://www.jspm.ne.jp/
2)民間療法としての「スピリチュアル・カウンセリング」
なんらかの悩みをもつ人に対し、カウンセラーやヒーラーがアドバイスを提
供します。主に、相談者の「気」「エネルギー」を感じとり、必要に応じて
ヒーリング(癒し)を行うという手法です。一部には、スピリチュアルを心
霊などと結びつけた信頼性に欠けるサービスも混在しているようです。
※ここでいうカウンセラーやヒーラーは、心理学をベースとしたカウンセリ
ングを行う臨床心理士などとは区別して扱っています。
3)介護施設での「スピリチュアルヘルス」
新しい動きとして、2004年10月に横浜にオープンしたスピリチュアル
ヘルスをコンセプトに、ゲーム機器などのエンターメント機能を併設した高
齢者向けデイケア施設があります。
・通所介護事業所「かいかや」:株式会社ナムコ
http://www.kaigokiki.com/coverage/back_number/20050701coverage.html
......................................................................................................
【スポルツの視点】
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■上記の事例のように「スピリチュアル」の解釈はさまざまです。特に、米
国のスピリチュアルヘルスが「代替療法(民間療法)」を中心として幅広く
提供されている一方で、日本では、主に「医療現場(西洋医学)」のターミ
ナルケアとして導入されている点が違っています。
■ただ「スピリチュアルヘルス」が、これまでの健康観ではあまり触れられ
ていなかった「個人の生き方」という部分に深く関わっている点は共通して
います。
■では、<これまでの健康観>と<スピリチュアルな健康観>は、どのよう
な違いがあるのでしょうか。具体的には下記が考えられます。
<これまでの健康観>
・健康的な食事・運動・休養
・健診の数値が正常である。
・心の悩みを改善する。
<スピリチュアルな健康観>
・生きる意味(目的)を見出す。
・前向きに生きる。
・今の自分を受け入れる。
・安らぎを感じながら生きる。
・死生感を持って生きる。
■今後、日本のスピリチュアルヘルスは、末期医療の患者に限定されるので
はなく、例えば「難病や原因不明の痛みの治療を長期的にうける患者とその
家族向けのケア」として、あるいは「介護予防・リハビリテーション・健康
維持などを目的したと健康サービス」としても活用されることが望ましいの
ではないでしょうか。
■さらに、スピリチュアルヘルスという健康観を「病気予防」や「セルフケ
ア」などの現在健康である人向けのサービスにまで活用できれば、ビジネス
の可能性は大きく広がり、他社サービスとの差別化にもつながりそうです。
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