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   米国心理学会前会長「セリグマン氏」が手がけるメンタルヘルス
   サービスにみる健康アドバイスのヒント
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【マーティン・セリグマン博士とは】

マーティン・セリグマン博士は、米国心理学会(APA)の前会長で、人生の
幸福(Happiness)を継続させるための「ポジティブ心理学」研究の第一人
者です。

著書「世界でひとつだけの幸せ(アペクト社)」は、2002年に出版され
、その後、8か国語に翻訳されベストセラーになっています。

うつ病などの患者だけでなく、「病気ではないが何らかの悩みを持つ一般の
人」に向けて、「自分の強み(長所)を生かすこと」に重点をおいたポジテ
ィブ心理学を提唱しています。

セリグマン博士の「ポジティブ心理学」を活用したメンタルヘルスサービス
は、Reflective Learning社が提供。今回はその中のメンタルヘルスプログ
ラム「Reflective Happiness」を紹介し、健康アドバイスのヒントを探りま
す。

このプログラムは、TIME誌で特集が組まれるなど注目を集めています。

※世界でひとつだけの幸せ(アペクト社)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757210442/qid=1137558598/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-6237651-1233868


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【事例紹介】メンタルヘルスプログラム「Reflective Happiness」
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■基礎情報

・運営企業:Reflective Learning社
・設立:2003年

・事業概要
個人向けの自己啓発プログラムや法人(企業・学校・医療機関など)向けメ
ンタルヘルス改善プログラムの開発・販売企業。Reflective Happinessは、
セリグマン博士と提携して開発された新プログラムです。

このプログラムは、はじめに無料チェックテスト(Happiness Tests)を提
供し、その後有料プログラム(Happiness Program)を提案する流れとなっ
ています。

http://www.reflectivehappiness.com/


■特長1)「悩み」より「強み」を意識させる「Happiness Tests」

このテストは、選択式の設問に答えながら個人の「Happiness」を測定す
るもので、下記の3種類が用意されています。(無料)

1)幸福度チェックテスト(24問)
日常生活の健康状態・人間関係・仕事への取組みなどから、幸福度をスコア
で診断。


2)うつ傾向チェックテスト(20問)
現在のうつ傾向の度合いをスコア化。


3)自分の強み(長所)を発見するテスト(24種類)
自分の性格、日常生活への取組み、将来への希望など、さまざまな設問から
自分の長所を発見することができる。

診断結果では、リーダーシップ・協調性・美的関心の高さ・寛大さなど24
種類の強み(長所)の中から、自分の長所ベスト5が提示されます。

上記の中でも、3)の設問数がもっとも多く、充実しています。悩みの改善
だけでなく、自分自身の中にある強み(長所)に気づくことが、重要とされ
ています。

・Happiness Tests(無料)
http://www.reflectivehappiness.com/Happiness/Introduction.aspx


■特長2)専門家からの強みを伸ばすアドバイス「Happiness Program」

セリグマン博士の40年間のポジティブ心理学研究の結果を元に開発された
自分の強み(長所)を伸ばすことを目的にしたオンラインプログラムです。
(会費:$9.95/月)

・オンラインエクササイズ(ポジティブ心理学の基本スキルを学ぶ)
・専門家(セリグマン博士)へのQ&A
・ニュースレター配信
・オンラインフォーラム
・その他(書籍紹介など)

講座のメインであるオンラインエクササイズでは、「バーチャルパートナー
」と呼ばれる複数のスタッフがステップ毎に講座継続をサポートします。

バーチャルパートナーは、ポジティブ心理学を学んだ専門スタッフで性別・
年齢・経歴・職業ともさまざまです。

・「バーチャルパートナー」
http://www.reflectivehappiness.com/AboutUs/VirtualPartners.aspx


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【スポルツの視点】
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■今回注目したい点は、「自分の強み(長所)」をベースに健康改善のアド
バイスをするという点。

■同氏の著書「世界でひとつだけの幸せ(日本語版)」の中にも、自分のと
っておきの強みが探せる24の質問があります。

■強みの項目は「好奇心」「学習意欲」「判断力」「独創性」「勤勉」「誠
実」「愛情」「謙虚さ」「ユーモア」など人間のベーシックな項目24に分
かれて、合計5分ほどで、どの項目が自分の強みなのかがわかるようになっ
ています。

(どのように日常生活、健康改善行動に結びつけるかまで具体的には記載さ
れていませんが、、、)

■ちなみに私も受けてみた所、いくつかの強みに気づくことができ、回答後
の自分の意識変化として、「とても認められた」、「自信がついた」という
感覚をもちました。

■また、回答を行いながら「今は隠れているが、こうした強みが過去にはあ
った」ということにも気づく流れになっています。

■このようなその人の強み(長所)を探すプログラムは、健康アドバイス
(生活習慣改善アドバイス)を行う多くの場面で、その人がやる気を感じる
方法として応用が可能ではないでしょうか。

■また、今回の事例で注目したい点は、一般には敷居の高く感じられるメン
タルヘルスサービスを、「幸福度診断テスト(Happiness Tests)」という
ネーミングで興味のわきやすいテストにアレンジしている点です。

■もちろん、心理学の権威がついているからこそ可能なネーミングでしょう
が、これにより、何らかの悩みを持っている人はもちろん、心身ともに元
気な人にも幅広くメンタルヘルスに関心をもつよう工夫されています。

■自社の売りたい商品・サービスは、健康づくりの手段であり目的ではない
ことを提示し(幸福度を含めた主観的健康観が上がった人・事例を紹介し)
、自分の主観的健康観をチェックできるプログラムを作れば、健康商品・サ
ービスのプロモーションの一つにもなるのではないでしょうか。


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