日本版ダイエットセンターの可能性(3)
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日本版ダイエットセンターの可能性(3)
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今回も前号につづき「ダイエットセンター(Diet Center)」を特集します。
ダイエットセンターは、米国では民間企業が運営する「食とダイエット」をテ
ーマにしたカウンセリング施設のこと。「一人では長続きしにくい」という、
ダイエットの主要課題を解決する日本企業にとって参考になるユニークなサー
ビスモデルです。
本特集の第1回目では、代表的企業である「L A Weight Loss Centers」を紹介
。第2回目は、大手3社のダイエットプログラムを比較しました。今回はこの
シリーズの最終回として、ダイエットセンターの費用比較、ダイエットセンタ
ーの特長整理、日本での展開ヒントを考えます。
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【大手3社の費用比較】
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前号では、プログラムを比較しましたが、今回は費用を比較します。
■Weight Watchers
・概要:講習会をベースに展開する世界最大のダイエットセンター
・拠点数:米国だけで4100か所
・入会金:40ドル(入会費用+1回体験)
・講習会費用:1回12ドル
・標準参加頻度:週に1回
※同社の食品利用は必須ではない
■Jenny Craig
・概要:個別対面カウンセリングがベースの高級志向ダイエットセンター
・拠点数:世界で531か所(2001年)
・入会金:なし
・カウンセリング費用:6週間36ドル+食費。食費は1日あたり、14から
19ドルが平均
・標準カウンセリング頻度:週に1回15分
・1週間当たりの合計費用:109から139ドル
※同社の食品利用が必須
■L A Weight Loss Centers
・概要:個別対面カウンセリングがベースの値頃感志向ダイエットセンター
・拠点数:世界で600か所(2004年)
・入会金:なし
・カウンセリング費用:8週間319ドル
・標準カウンセリング頻度:週に3回、5分から10分
・1週間当たりの合計費用:40ドル
※同社の食品利用は必須でない(ただし、必須としている店舗もある様子)
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【ダイエットセンターの特長の整理】
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以上ダイエットセンター3社の比較を行いましたが、ここではダイエットセン
ターの特長を改めて整理してみます。
1)ダイエットセンターはその場でダイエットを行うのではなく、ダイエット
を学習でき、指導を受けられる場所である
2)ダイエットのアプローチ分野は「食事」のみ
3)指導は「集団形式」もしくは「個別カウンセリング形式」を選べる
4)「個別カウンセリング」は短時間で高頻度である
(時間は5分から15分と短く、頻度は最低週1回で週に3回行う所もあり頻
度が高い)
5)リバウンドなしで、目標体重達成後の「体重キープ」を最大配慮したプロ
グラムになっている
6)最初はダイエット食品をうまく活用しながら減量の成功体験を感じること
ができ、最終的には「普段の食生活の改善」により、ダイエット食品に頼らな
いで体重をキープすることができる
まとめると、体重減とその後の体重キープために日頃の食生活の改善行動を報
告し、アドバイスをもらえる気軽な「食の学習・カウンセリング施設」といっ
てもよいでしょう。
また、「ダイエットビジネスにおける新しさ」でみた場合、以下の点が考えら
れます。
●カウンセリングを生かした商品販売モデル(サービス化モデル)
「Weight Watchers」と「Jenny Craig」は、商品(主にダイエット食品)販売
高がそれぞれ、330億円(総売上の約30%)、380億円(総売上の約
90%)となっており、商品販売だけで大きな売上を誇ります。カウンセリン
グという「サービス」を付加したダイエット関連商品の新たな販売モデルとし
て参考になります。
●「生涯ダイエットコスト」という考え方
「Jenny Craig」は3社の中で最も費用が高いわけですが、同社のプログラムで
は、目標体重に達するまでの間、同社のダイエット高級食品を使います。しか
し、その後の体重キープは特にダイエット食品を使うことなく、日常の食生活
の改善により行うプログラムになっています。
「一生」という長い期間でダイエットに使う費用を考えると、一時的な出費と
なりますが、こうした施設に通った方が意外に安いということもありえるので
はないでしょうか。
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【スポルツの視点】
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ここでは、健康業界のいくつかのプレイヤーごとにヒントを考えてみます。
●食品メーカーにとってのヒント
今回紹介した大手3社の中では、「Jenny Craig」が参考になるはずです。同社
売上の90%以上が食品の売上であり、先日Nestle社が「Jenny Craig」を買収
した理由もここにあります。食品利用を前提としたカウンセリングプログラム
は参考になります。
ただ、「Jenny Craig」の利用者は、肥満の女性(標準体重より15Kgから20
Kgオーバーの人)が中心であり、食品メーカーごとのターゲットにあわせたプ
ログラムの開発が必要になることはいうまでもありません。
●フィットネスクラブにとってのヒント
フィットネスクラブでは施設での商品販売がひとつの課題になっています。商
品利用が前提となるプログラムという観点でいえば、こちらも「Jenny Craig」
がヒントになるはずです。運動と食を結びつけ、さまざまな商品利用を前提と
したカウンセリング、プログラムを作りがポイントになりそうです。
●自治体での保健指導におけるヒント
今回紹介した大手3社の中では、「Weight Watchers」が参考になるはずです。
同社のプログラムの特長は、ダイエットに成功した地元の参加者を教育し、そ
の後講師(クラスルームリーダー)として採用し、その人が定期的にダイエッ
ト講習会を開き、地域に根ざした活動を行います。また、ダイエットができる
だけでなく、そこに参加することで新しい友人を見つけ地域での楽しみが増え
るなどの機会を提供しています。
●健康保険組合での保健指導におけるヒント
今回紹介した中では、「LA Weight Loss Centers」が参考になるはずです。カ
ウンセリングの費用もそれほど高くなく、特定のダイエット食品を利用するこ
とが前提になっていないからです。
保健指導の中心となる男性が対象となる場合、プログラムではカロリー計算を
前提にするのでなくわかりやすいポイント制を使い、面倒でない管理法を導入
することが必要。また、単に体重減のための食事カウンセリングだけでなく、
QOLの向上やビジネスマンとしての生活にどうプラスがあるかといった視点での
、やる気を引き出すコミュニケーションスキルが、まずはカウンセラーに求め
られるでしょう。
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