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      米マイクロソフトが先駆け、グーグルも近く公開予定
         「健康・医療情報のプラットフォーム」

      ー 日本の健康ビジネスも大きく変わる可能性 ー

    米マイクロソフトが提供する「HealthVault」には40社が参画

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今回はぜひ注目していただきたい米国での動きを紹介します。

2007年10月4日、米マイクロソフトが健康・医療情報の管理を支援する
サービスプラットフォーム(consumer health platform)として、
「Microsoft HealthVault(ヘルスボールト)」を立ち上げました。

一方米グーグルも10月17日、かねてから開発していた同様の健康サービス
プラットフォームの提供を本格化すると発表しました。

携帯電話用OSでの両社の競争がそのまま、健康分野でのプラットフォームで
も展開されている構図です。

今回は、日本の健康業界にも大きな影響を与える可能性のある、米国の健康・
医療情報のプラットフォームビジネスの現状として、「Microsoft HealthVault」
を紹介します。


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Microsoft HealthVaultの概要
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■Microsoft HealthVault
http://www.healthvault.com/
(現在のところ、日本からは一部のみ閲覧可能な状況)

■概要

「HealthVault」は、個人が健康状態や疾病などの情報を保存する個人向け無料
ソフトウェアである。

■特徴

1)個人の医療情報(過去の病歴・健康診断結果)を記録できる
2)そのデータを医師や専門家(外部の人)と共有できる
3)使えば使うほどカスタマイズされていく高水準の検索システムを導入
4)個人情報のセキュリティにも最高水準のテクノロジーで対応

5)「HealthVault」で使うひとつの個人IDで、様々な参画企業の健康記録
 (食事内容、運動内容など)システムを使える
6)「HealthVault」に参画している企業の商品(例:健康測定機器)をもっ
 ている場合、「HealthVault」上にその商品を使った自分のデータをアップ
 ロードでき、他の自分の医療データとともに一元管理ができる


・参考:同サービスのプレスリリースより
http://www.microsoft.com/presspass/press/2007/oct07/10-04HealthVaultPR.mspx


※一方、グーグルでも、個人の既往歴や健康状態を記録し、ニーズに応じて最
新の健康情報を検索できるサービスの開発を目指している。個人の医療データ
のプライバシー保護については、パスワードで保護されたキーホルダー程度の
データストレッジを提供する形式をとる予定ともされている。また、グーグル
マップと連携させた健康サービス・情報の提供も想定しているという。


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参画企業
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健康機器メーカー、健康食品メーカー、ダイエット情報サイト運営企業、DM
(ディジーズマネジメント)企業などがこのプラットフォームに参画。日本企
業ではオムロンヘルスケアが参画しています。参画企業のプレスリリースから
その狙いをまとめます。

※40社の詳細
http://www.microsoft.com/presspass/press/2007/oct07/10-04HealthVaultPR.mspx

※健康関連機器メーカー系の参画企業
http://www.healthvault.com/ConnectionCenter/


■参画例1:Medifast Inc.

・サイトURL:http://www.medifast1.com/
・事業概要:ダイエット食品およびダイエットプログラム販売

・狙い
Medifast社は自社のユーザーが同社サイト上で保存している健康情報を
「HealthVault」に移せるシステムをつくる。HealthVaultを利用し、エビデン
スがあり信頼できるダイエット情報、サービス情報を得て「ヘルスナレッジ」
を高めることができるようにする。

※参考:同社プレスリリースより
http://news.moneycentral.msn.com/ticker/article.aspx?symbol=US:MED&feed=PR&date=20071004&id=7581375


■参画例2:Dietcom(Diet Health, Inc.)

・サイトURL:http://diet.com/
・事業概要:ダイエット情報&ツール&コミュニティ運営

・狙い
同サイトでは現在、Calorie/Meal Tracker、Weight Tracker、Blood Glucose
Trackerという、ダイエット関連のデータを記録することが無料でできる機能を
提供している。この情報を「HealthVault」に移し、医師や外部の専門家と共有
できるようにする。

※参考:同社プレスリリースより
http://diet.com/html/PR10_04_2007.shtml


■参画例3:Podfitness(Podfitness, Inc.)

・サイトURL:http://www.podfitness.com/
事業概要:ipod用にダウンロードできるフィットネス動画&音楽の提供

・狙い
HealthVaultに入力した医療健康情報を利用して、自分に合ったワンツーワンの
「フィットネス動画プログラム」を得ることができるようにする。

※参考:同社プレスリリースより
http://www.podfitness.com/page_attachments/1030/Podfitness_Microsoft_Final2_on_Letterhead_10012007.pdf


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スポルツの視点
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■米国でいよいよ始まった健康・医療プラットフォームの競争。ネット上での
個人情報の取り扱いについて日本人がどう感じるか(つまり日本で受け入れら
れるか)ということはありますが、近いうちに日本にも同様のプラットフォー
ムがあわられる可能性はあります。

■プラットフォーム企業が狙うシナリオとしては下記が考えられます。

1)「生活者の医療データ」や「様々な企業の健康行動記録ツール」をひとつ
 のIDで無料で活用可能とし、生活者のテーマに合った健康情報(ニュース
 ・書籍)をカスタマイズして提案する
2)多くの健康関連企業がこのプラットフォーム対応(このプラットフォーム
 にもデータを移せる)した商品をだす
3)それにより生活者がさらに集まり、圧倒的な集客により広告収入を得る
4)さらにカスタマイズ性の高い検索システム、地図店舗情報などを活用し、
 関連の商品やサービスを紹介し販売手数料を得る

■このプラットフォームが広く使われると、「プラットフォームにデータを移
せることに対応しているかどうか」も自社の商品が選ばれる基準のひとつにも
なります。

■さらにその先になると、このプラットフォームに対応していることが当たり
前になり、参画例3で紹介したPodfitnessのように、保存されている医療健康
データから、その人に合う自社の商品・サービス・プログラムを紹介するとい
った、提案機能をもつ参画スタイルに変化していくと予想されます。

■もちろん、このプラットフォーム上に無料のソフトを提供し、そのかわり自
社のサイトへの多大な集客を得て、他の商品・サービスを販売するといった、
新しいビジネスを展開する企業も現れるはずです。

■大きなビジネスチャンスをもたらす可能性のある「健康・医療プラットフォ
ーム」。今後も注目していきます。


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