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●ビジネスモデル事例 【Medicalbuyer.com 】

  ~医療機関向け商品のマーケットプレース型サイト~
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日本のインターネットビジネスの近未来を占う上で米国のネット投資家
の動きを把握しておくことは重要です。ヘルスビズメールマガジン12号
で紹介したように、米国での健康関連サイトにおける投資家の注目は今
「マーケットプレース型サイト」にあたっています。マーケットプレース
型サイトとは「インターネットを利用して企業間取引ができるサイト」
を指します。買い手にとっては原料調達のコストダウン、売り手にとって
は余剰在庫の処分や新規顧客開拓ができるメリットがあります。

今回紹介する「Medicalbuyer.com 」は、医療機関向け製品の売り手と
買い手を結ぶマーケットプレース型サイトの一つです。買い手である
医師や医療機機関従事者は、3万8000種類以上の医療機関向け製品の
中から製品の在庫確認と注文を簡単に行うことができます。


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【サイトの概要】 収益源は販売手数料
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サイトの概要は以下のとおりです。
■サイト名:Medicalbuyer.com
■サイトアドレス:
http://www.medicalbuyer.com/
■ビジネス対象タイプ:B-B
■設立:1997年
■収益源:医療機関向け製品メーカーからの販売手数料、バナー広告費


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【コンテンツ概要】 多用な検索機能が特徴
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このサイトの特徴は、医療機関の購買担当者が膨大な商品からより早く
必要な商品を見つけることができるよう、検索機能を工夫している点です。
商品の検索は「医療器具の種類」、治療機器からオフィスサプライ・家具
に至るまでの詳細な「製品カテゴリー」のほか、「製品ナンバー」や
「メーカー名」からの検索も可能となっています。また、2000年6月には
「売り手企業別の一覧表示」や「売れ筋商品のランキング」などの新しい
機能を追加し、リコメンデーションも行っています。


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【日本での可能性】「マーケットプレース型サイト」立ち上げのポイント
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■ 「マーケットプレース型サイト」では、医療機関の資材購買担当者
の業務を効率化すると同時に医療業界全体のサプライチェーン・システム
の新しい形を提供しています。今年中にオープンする予定のWEBMD JAPAN
(米国の医師向け大手ポータルサイトであるHealtheon/WebMDと日本のソフト
バンクが共同で立ち上げる業界ポータルサイト)では「マーケットプレース型」
の資材調達機能が現れるでしょう。(米国Healtheon/WebMDのサイトでは
既にこの資材調達機能があります)
■ 日本におけるマーケットプレース型サイトの立ち上げにおいては以下の
2つがポイントになります。

ポイント1:何をマッチングさせるか
「WEBMD JAPAN」のような米国大手「マーケットプレース型サイト」の
日本版ができるのは当然の流れといえます。従って、プラニング時点で
将来競合しそうな「米マーケットプレース型サイト」を設定して差別化
メニューを考えておく必要があります。

つまり、単に売り手と買い手の商品を集めたメニューだけをもっても
大企業がバックについている場合の多い米国大手「マーケットプレース型
サイト」の日本版に勝てません。競争に勝つには、サイトでのマッチング
を商品だけにこだわらず、あらゆる情報のマッチングをさせるという方法
があります。
例えば、プロジェクトマッチング(あるテーマに基づき共同で事業を興す
相手企業を探す)、業界内での人材のマッチング、サイト間のコンテンツ
のマッチングなどで、米国企業が日本語版を作ったとしても直接の競合
とはならないメニューつくりが大切になります。

ポイント2:売買の信頼性をいかに確保するか売り手、買い手ともに
このようなサイトを利用する上でいろいろな不安が発生します。売り手
にとっては「代金回収」、「特に余剰在庫をもっている場合、匿名で
だせるか」、買い手にとっては「品質の保証」、「返品の可能であること」
などです。これらの不安に対し適切に対応するしくみつくりが必要になり
ます。

今後マーケットプレース型サイトは日本でもあらゆる業界で見られるで
しょう。健康業界とは離れますが、米国ではe-GM(自動車メーカーのGMが
主催する自動車部品のマーケットプレース)のように製造メーカー自体が
自社の仕入れのコストダウンを図るために業界のマーケットプレース型
サイトを立ち上げようとする場合も多く見られます。

6月20日に発表になった「平成12年度通信白書(郵政省)」によると日本
におけるインターネット企業間取引は2005年までに今の10倍になると
試算されており、企業間取引の中でもこのマーケットプレース型サイトは
その中心となると考えられます。
今後もヘルスビズでは米国の健康業界の「マーケットプレース型サイト」
をウォッチしていきます。

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