健康メディア(雑誌・書籍)の注目事例
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【先進事例分析】
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米国での健康メディア(雑誌・書籍)の注目事例
ー 健康専門の世界最大のメディア社「Rodale」 ー
マルチコンポーネントモデルの姿
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健康雑誌・書籍というメディアが活力をもっている米国。
代表的雑誌名と発行部数は下記のとおりです。
・Prevention(プリベンション):330万部
・Mens Health(メンズヘルス):180万部
・Shape(シェイプ):170万部
一方日本の健康雑誌は、
・きょうの健康:24万部
・Tarzan:18万部
・壮快:17万部
※日本雑誌協会調べ(最新)
とその差は歴然です。
雑誌文化の違い、日米人口の差、健康意識の差といったものがあることは否め
ませんが、米国メディアのビジネスモデルからいくつかのヒントを引き出す
ことができます。
今回は、米国で約70年という歴史をもち、健康分野では最大の
「Rodale(ローデール)社」のビジネスモデルを紹介します。
.........................................................................................................
1)会社概要
.........................................................................................................
■企業名:Rodale Inc
http://www.rodaleinc.com/
■設立:1930年
■ミッション:健康、フィットネス、ウエルネスに関して信頼性のある情報を
世界中で提供する
(the authoritative source for trusted content in health, fitness, and
wellness around the world )
■売上:136億円(2008年)
※不況の中、2007年と同じ売上を確保
■世界展開:50カ国
■主な収益源
・雑誌、書籍の販売費
・雑誌、ネットでの広告費
・有料ネットプログラム費
・法人向け出版支援
※携帯電話向けサイトを2009年開始予定
(携帯広告費が新たな収益になる見込み)
■主なサービス
・雑誌の発刊(9雑誌)
http://www.rodaleinc.com/products/magazines
・書籍の発刊
http://www.rodaleinc.com/products/rodale-books
・各雑誌のブランドサイト及び有料ネットプログラム
http://www.rodaleinc.com/products/online-products
.........................................................................................................
2)マルチコンポーネントというビジネスモデル
.........................................................................................................
「マルチコンポーネントモデル」は「プロフィットゾーン経営理論」で紹介
されている利益モデルの一つで、同じ商品が形を変えて提供され高い収益性
をあげるビジネスモデルをさします。
同社のマルチコンポーネントモデルの流れは下記の1から3のとおりです。
1)雑誌・サイト内でプログラムを発表
同社は9種類の健康雑誌を発刊しています。各誌の編集長自身が実体験を元
に専門家とともにプログラムを作り、雑誌・サイト内の特集コーナーで
プログラムの一部をまず発表します。
2)雑誌・サイト内で人気の高かったものを「書籍・DVD化」
雑誌・サイトに掲載されるプログラムは、書籍化・DVD化のテストマーケ
ティング的な位置づけになっており、人気のあるものだけが書籍化・DVD化
されます。
3)書籍、DVDの売上のよいもののみ「有料ネットプログラム化」
有料ネットプログラムは書籍の内容をより自分のものにし、ネット上での実践
継続を支援するもの。「個別プラン+記録+コミュニティ」が基本機能となり
ます。(費用は月15ドル前後)
※現在有料プログラムは5つあり。
http://www.rodaleinc.com/products/online-products
雑誌の中で生まれたプログラムが、サイトに掲載され、それがやがて書籍化・
DVD化され、さらには有料プログラム化されるという、同じ商品が形を変え
て提供され高い収益性をあげるという「マルチコンポーネントモデル」になっ
ています。
.........................................................................................................
3)「実践支援の深さ・幅」も特長
.........................................................................................................
その他の特長としては、「実践継続」を積極的に支援している点があります。
■雑誌での実践支援:
同社雑誌の中でも最大発行部数を誇る「Prevention」では、健康・フィット
ネス・栄養・レシピ・マインド・美容というカテゴリーで最新トレンドを知識
として提供するだけでなく、実践をより支援する下記内容も提供しています。
(例)
・切り取り式の実践プログラム
・実践時の障害をテーマにした特集(2009年4月号では、ストレスを起因とする
食べ過ぎでのストレス対策を紹介)
・クッキングレシピ集
■サイトでの実践支援:
同社の9雑誌にはすべてブランドサイトが開設されています。
ブランドサイトは、雑誌で紹介した内容を「いかに実践するか」という観点で
補完するもの。「Prevention.com」では、下記のような実践支援コンテンツを
無料で提供しています。
(例)
・サクセスストーリー(66人)紹介
・運動動画集
・記録機能
・ブログによるコミュニティ
・各種ツール(カロリーカウンター、グラフ、
減量シミュレーションなど)
・オンラインストア
※雑誌「Prevention」のブランドサイト
http://www.prevention.com/cda/homepage.do
■有料ネットプログラムでの実践支援:
有料ネットプログラムでは、自分の身長・体重・生活スタイルなどを入力する
と、自分に合った実践プランが提示される「個別プラン」が充実しています。
※同社の有料プログラム一覧「Personalized Online Fitness Plan」
http://www.rodaleinc.com/products/online-products
.........................................................................................................
スポルツの視点
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■今回は「マルチコンポーネントモデル」「実践支援の深さ・幅」に注目し、
同社の概略を上記で紹介しました。
■日本の注目事例としては、シリーズ200万部を発刊した「病気にならない
生き方」シリーズの新谷弘実氏が、サプリメント販売、さらにはクッキング
スクールの展開という新しい事業を手がけています。
http://www.drshinya.com/index.html
■日本版の健康メディアの新しい形をいかにつくるか。また、健康メディア
といかに接点をもつか。健康分野の書籍ではミリオンセラーも生まれてきはじ
めている現在、新しい模索が行われてもおかしくない時期といえるでしょう。
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【先進事例分析】
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米国での健康メディア(雑誌・書籍)の注目事例
ー 健康専門の世界最大のメディア社「Rodale」 ー
マルチコンポーネントモデルの姿
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健康雑誌・書籍というメディアが活力をもっている米国。
代表的雑誌名と発行部数は下記のとおりです。
・Prevention(プリベンション):330万部
・Mens Health(メンズヘルス):180万部
・Shape(シェイプ):170万部
一方日本の健康雑誌は、
・きょうの健康:24万部
・Tarzan:18万部
・壮快:17万部
※日本雑誌協会調べ(最新)
とその差は歴然です。
雑誌文化の違い、日米人口の差、健康意識の差といったものがあることは否め
ませんが、米国メディアのビジネスモデルからいくつかのヒントを引き出す
ことができます。
今回は、米国で約70年という歴史をもち、健康分野では最大の
「Rodale(ローデール)社」のビジネスモデルを紹介します。
.........................................................................................................
1)会社概要
.........................................................................................................
■企業名:Rodale Inc
http://www.rodaleinc.com/
■設立:1930年
■ミッション:健康、フィットネス、ウエルネスに関して信頼性のある情報を
世界中で提供する
(the authoritative source for trusted content in health, fitness, and
wellness around the world )
■売上:136億円(2008年)
※不況の中、2007年と同じ売上を確保
■世界展開:50カ国
■主な収益源
・雑誌、書籍の販売費
・雑誌、ネットでの広告費
・有料ネットプログラム費
・法人向け出版支援
※携帯電話向けサイトを2009年開始予定
(携帯広告費が新たな収益になる見込み)
■主なサービス
・雑誌の発刊(9雑誌)
http://www.rodaleinc.com/products/magazines
・書籍の発刊
http://www.rodaleinc.com/products/rodale-books
・各雑誌のブランドサイト及び有料ネットプログラム
http://www.rodaleinc.com/products/online-products
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2)マルチコンポーネントというビジネスモデル
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「マルチコンポーネントモデル」は「プロフィットゾーン経営理論」で紹介
されている利益モデルの一つで、同じ商品が形を変えて提供され高い収益性
をあげるビジネスモデルをさします。
同社のマルチコンポーネントモデルの流れは下記の1から3のとおりです。
1)雑誌・サイト内でプログラムを発表
同社は9種類の健康雑誌を発刊しています。各誌の編集長自身が実体験を元
に専門家とともにプログラムを作り、雑誌・サイト内の特集コーナーで
プログラムの一部をまず発表します。
2)雑誌・サイト内で人気の高かったものを「書籍・DVD化」
雑誌・サイトに掲載されるプログラムは、書籍化・DVD化のテストマーケ
ティング的な位置づけになっており、人気のあるものだけが書籍化・DVD化
されます。
3)書籍、DVDの売上のよいもののみ「有料ネットプログラム化」
有料ネットプログラムは書籍の内容をより自分のものにし、ネット上での実践
継続を支援するもの。「個別プラン+記録+コミュニティ」が基本機能となり
ます。(費用は月15ドル前後)
※現在有料プログラムは5つあり。
http://www.rodaleinc.com/products/online-products
雑誌の中で生まれたプログラムが、サイトに掲載され、それがやがて書籍化・
DVD化され、さらには有料プログラム化されるという、同じ商品が形を変え
て提供され高い収益性をあげるという「マルチコンポーネントモデル」になっ
ています。
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3)「実践支援の深さ・幅」も特長
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その他の特長としては、「実践継続」を積極的に支援している点があります。
■雑誌での実践支援:
同社雑誌の中でも最大発行部数を誇る「Prevention」では、健康・フィット
ネス・栄養・レシピ・マインド・美容というカテゴリーで最新トレンドを知識
として提供するだけでなく、実践をより支援する下記内容も提供しています。
(例)
・切り取り式の実践プログラム
・実践時の障害をテーマにした特集(2009年4月号では、ストレスを起因とする
食べ過ぎでのストレス対策を紹介)
・クッキングレシピ集
■サイトでの実践支援:
同社の9雑誌にはすべてブランドサイトが開設されています。
ブランドサイトは、雑誌で紹介した内容を「いかに実践するか」という観点で
補完するもの。「Prevention.com」では、下記のような実践支援コンテンツを
無料で提供しています。
(例)
・サクセスストーリー(66人)紹介
・運動動画集
・記録機能
・ブログによるコミュニティ
・各種ツール(カロリーカウンター、グラフ、
減量シミュレーションなど)
・オンラインストア
※雑誌「Prevention」のブランドサイト
http://www.prevention.com/cda/homepage.do
■有料ネットプログラムでの実践支援:
有料ネットプログラムでは、自分の身長・体重・生活スタイルなどを入力する
と、自分に合った実践プランが提示される「個別プラン」が充実しています。
※同社の有料プログラム一覧「Personalized Online Fitness Plan」
http://www.rodaleinc.com/products/online-products
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スポルツの視点
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■今回は「マルチコンポーネントモデル」「実践支援の深さ・幅」に注目し、
同社の概略を上記で紹介しました。
■日本の注目事例としては、シリーズ200万部を発刊した「病気にならない
生き方」シリーズの新谷弘実氏が、サプリメント販売、さらにはクッキング
スクールの展開という新しい事業を手がけています。
http://www.drshinya.com/index.html
■日本版の健康メディアの新しい形をいかにつくるか。また、健康メディア
といかに接点をもつか。健康分野の書籍ではミリオンセラーも生まれてきはじ
めている現在、新しい模索が行われてもおかしくない時期といえるでしょう。
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