「糖尿病×ヘルス2.0」を実現するAlliance Health Networks社
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海外ユニーク事例編:
「糖尿病×ヘルス2.0」を実現するAlliance Health Networks社
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今回は前号に引き続き、患者・健康消費生活者の体験情報を集合知にし、
新しい価値を提案する「ヘルス2.0」という動きに注目します。
今まで、
・patientslikeme
・curetogether
・MeYou Health
といったサイトを紹介しました。いずれも疾患の進行状況だけでなく
その過程(具体的な健康行動)を共有するものでした。
今回は、SNSをうまく使い健康行動の知恵の集合知を目指す
「Alliance Health Networks社」を紹介します。
同社のSNSは、コミュニティアドボケーター(応援者)を活用した
ユニークなものであり、またビジネスモデルも注目すべきものがあります。
サイトを使った集合知づくり、ネットのビジネスモデルを模索されている方
に特に参考となる事例です。
───────────────────────────────────
企業概要
───────────────────────────────────
■企業名:Alliance Health Networks, Inc.
http://www.alliancehealthnetworks.com/
■設立:2006年(サービス開始は2008年)
■ミッション:ソーシャルネットワーキングサイトで、消費者とヘルスケア
マーケターの満足できる相互関係を構築、高めるためのサービスを提供する
(Alliance Health serves consumers and healthcare marketers by
creating and growing mutually rewarding connections)
■ターゲット:様々な病気の患者(現在19の病気をテーマにする)
・糖尿病患者
・不眠患者
・アルツハイマー患者
・腰痛患者
・心臓病患者
他
■サービス
特定の疾患患者や健康問題を抱える消費者に、テーマ別SNSを提供
■提供価値
・話を聞いてもらえることで病気の孤独感が少なくなる
・病気の解決のヒントがつかめる
■実績:同社の代表的なSNS「Diabetic Connect」
・会員数:30万人の登録者がおり糖尿病のSNSでは世界1位と言われている
(2010年11月時点)
・ユニークビジター数:100万人/月
■出資企業
EPIC Ventures、Highway12Ventures、Levinthal Capital、Nautilus Ventures
などのベンチャーキャピタルが中心
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SNSサービスの概要と特長
───────────────────────────────────
疾患別にSNSを保有する同社ですが、会員数が最も多く同社を代表するSNSで
ある「Diabetic Connect」(糖尿病SNS)を例に、その特長を紹介します。
■「Diabetic Connect」の特長
1)豊富なディスカッション切り口を用意
単にフリーディスカッションができるというだけでなく、ニュース、
商品、本、ビデオ、レシピというディスカッションテーマを用意し、
発言しやすくしている。
http://www.diabeticconnect.com/discussions
http://www.diabeticconnect.com/product-reviews
2)フェイスブックとの連携でチェックしやすい環境を用意
米国でフェイスブックを使う人は、1.5億万人と言われ、
「Diabetic Connect」での動向を自分のフェイスブック中でも
見ることができるしくみをとる。
3)コミュニティアドボケーターによる励まし
メンバー同士のやり取りの中に、コミュニティアドボケーター
(コミュニティの応援者)がコメントを書き込んでくれる。
コミュニティアドボケーターは、全員が糖尿病経験者であり、
知識・経験が豊富な人。
彼らの役割は、医療的な指導やアドバイスを与えるというより、
書き込んだ人をねぎらったり、理解を示し、また自分の経験を
語ることで参考になることをシェアすることである。
※コミュニティアドボケーターの紹介
http://www.diabeticconnect.com/about
───────────────────────────────────
ビジネスモデルの特長
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「Diabetic Connect」での同社の収益は、
■広告
http://www.diabeticconnect.com/
■新商品宣伝コーナーのスペース販売
http://www.diabeticconnect.com/products-services
■テストマーケティングの場の販売
が中心となっています。
一見よくあるモデルですが、同社のビジネスモデルの特長は、同様の形式で、
合計19のサイトを運営している点です。
・19のサイト全体
http://www.alliancehealth.com/
運営サイト例)
・不眠SNS
http://www.sleepconnect.com/
・腰痛SNS
http://www.backpainconnect.com/
上記のサイトをクリックしていただくとおわかりのように、
「Diabetic Connect」とほぼ同じフォーマットでの運営を行っています。
スポルツでは、テーマを変えて複数の同じ形態(フレーム)のサイトを作り、
収益を上げるモデルを「ワンフレーム複数バリエーションモデル」と呼んで
います。
ネットビジネスで収益を拡大させる一つの方法で、
健康ネットサービスで約100億円の収益をあげる「エブリデイヘルス」
もこのモデルを採用しています。
※参考バックナンバー:エブリデイヘルス
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/228.html
───────────────────────────────────
スポルツの視点
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■今回は、糖尿病×ヘルス2.0の代表的な取り組み企業として、
「Alliance Health Networks社」の「Diabetic Connect」というSNSサイト
を紹介しました。コミュニティを活性化するしくみと、ビジネスモデルの
ユニークさに注目したいです。
■糖尿病は、疾患者数の伸び・規模の大きなマーケットである一方、食事・
運動といった生活習慣の改善維持の提案(サービスの提案)がまだ十分
なされていない、潜在性のあるマーケットと感じています。
■糖尿病生活者の不満として、
・教育入院の期間が長すぎて気軽に使えない
・カロリーを覚えるのが面倒
・空腹感を抑えるのが大変
・家族の協力が必須なのにわかってもらえない
・仕事仲間からの視線が怖く、回りに言っていない
・我慢の連続で耐えられない
・動機づけが長く続かない
・糖尿病専門医は少なく、診察してもらいにくい
・生活習慣改善の具体的なコツや工夫がわからない
など様々なものがあります。
サービスで解決できるものも多く、今後新たなビジネス創出のチャンスが
あると考えています。
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海外ユニーク事例編:
「糖尿病×ヘルス2.0」を実現するAlliance Health Networks社
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今回は前号に引き続き、患者・健康消費生活者の体験情報を集合知にし、
新しい価値を提案する「ヘルス2.0」という動きに注目します。
今まで、
・patientslikeme
・curetogether
・MeYou Health
といったサイトを紹介しました。いずれも疾患の進行状況だけでなく
その過程(具体的な健康行動)を共有するものでした。
今回は、SNSをうまく使い健康行動の知恵の集合知を目指す
「Alliance Health Networks社」を紹介します。
同社のSNSは、コミュニティアドボケーター(応援者)を活用した
ユニークなものであり、またビジネスモデルも注目すべきものがあります。
サイトを使った集合知づくり、ネットのビジネスモデルを模索されている方
に特に参考となる事例です。
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企業概要
───────────────────────────────────
■企業名:Alliance Health Networks, Inc.
http://www.alliancehealthnetworks.com/
■設立:2006年(サービス開始は2008年)
■ミッション:ソーシャルネットワーキングサイトで、消費者とヘルスケア
マーケターの満足できる相互関係を構築、高めるためのサービスを提供する
(Alliance Health serves consumers and healthcare marketers by
creating and growing mutually rewarding connections)
■ターゲット:様々な病気の患者(現在19の病気をテーマにする)
・糖尿病患者
・不眠患者
・アルツハイマー患者
・腰痛患者
・心臓病患者
他
■サービス
特定の疾患患者や健康問題を抱える消費者に、テーマ別SNSを提供
■提供価値
・話を聞いてもらえることで病気の孤独感が少なくなる
・病気の解決のヒントがつかめる
■実績:同社の代表的なSNS「Diabetic Connect」
・会員数:30万人の登録者がおり糖尿病のSNSでは世界1位と言われている
(2010年11月時点)
・ユニークビジター数:100万人/月
■出資企業
EPIC Ventures、Highway12Ventures、Levinthal Capital、Nautilus Ventures
などのベンチャーキャピタルが中心
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SNSサービスの概要と特長
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疾患別にSNSを保有する同社ですが、会員数が最も多く同社を代表するSNSで
ある「Diabetic Connect」(糖尿病SNS)を例に、その特長を紹介します。
■「Diabetic Connect」の特長
1)豊富なディスカッション切り口を用意
単にフリーディスカッションができるというだけでなく、ニュース、
商品、本、ビデオ、レシピというディスカッションテーマを用意し、
発言しやすくしている。
http://www.diabeticconnect.com/discussions
http://www.diabeticconnect.com/product-reviews
2)フェイスブックとの連携でチェックしやすい環境を用意
米国でフェイスブックを使う人は、1.5億万人と言われ、
「Diabetic Connect」での動向を自分のフェイスブック中でも
見ることができるしくみをとる。
3)コミュニティアドボケーターによる励まし
メンバー同士のやり取りの中に、コミュニティアドボケーター
(コミュニティの応援者)がコメントを書き込んでくれる。
コミュニティアドボケーターは、全員が糖尿病経験者であり、
知識・経験が豊富な人。
彼らの役割は、医療的な指導やアドバイスを与えるというより、
書き込んだ人をねぎらったり、理解を示し、また自分の経験を
語ることで参考になることをシェアすることである。
※コミュニティアドボケーターの紹介
http://www.diabeticconnect.com/about
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ビジネスモデルの特長
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「Diabetic Connect」での同社の収益は、
■広告
http://www.diabeticconnect.com/
■新商品宣伝コーナーのスペース販売
http://www.diabeticconnect.com/products-services
■テストマーケティングの場の販売
が中心となっています。
一見よくあるモデルですが、同社のビジネスモデルの特長は、同様の形式で、
合計19のサイトを運営している点です。
・19のサイト全体
http://www.alliancehealth.com/
運営サイト例)
・不眠SNS
http://www.sleepconnect.com/
・腰痛SNS
http://www.backpainconnect.com/
上記のサイトをクリックしていただくとおわかりのように、
「Diabetic Connect」とほぼ同じフォーマットでの運営を行っています。
スポルツでは、テーマを変えて複数の同じ形態(フレーム)のサイトを作り、
収益を上げるモデルを「ワンフレーム複数バリエーションモデル」と呼んで
います。
ネットビジネスで収益を拡大させる一つの方法で、
健康ネットサービスで約100億円の収益をあげる「エブリデイヘルス」
もこのモデルを採用しています。
※参考バックナンバー:エブリデイヘルス
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/228.html
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スポルツの視点
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■今回は、糖尿病×ヘルス2.0の代表的な取り組み企業として、
「Alliance Health Networks社」の「Diabetic Connect」というSNSサイト
を紹介しました。コミュニティを活性化するしくみと、ビジネスモデルの
ユニークさに注目したいです。
■糖尿病は、疾患者数の伸び・規模の大きなマーケットである一方、食事・
運動といった生活習慣の改善維持の提案(サービスの提案)がまだ十分
なされていない、潜在性のあるマーケットと感じています。
■糖尿病生活者の不満として、
・教育入院の期間が長すぎて気軽に使えない
・カロリーを覚えるのが面倒
・空腹感を抑えるのが大変
・家族の協力が必須なのにわかってもらえない
・仕事仲間からの視線が怖く、回りに言っていない
・我慢の連続で耐えられない
・動機づけが長く続かない
・糖尿病専門医は少なく、診察してもらいにくい
・生活習慣改善の具体的なコツや工夫がわからない
など様々なものがあります。
サービスで解決できるものも多く、今後新たなビジネス創出のチャンスが
あると考えています。
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