【海外ユニーク事例編】ソーシャルメソッド「地中海食」とソノマダイエット
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【海外ユニーク事例編】
ソーシャルメソッド「地中海食」とソノマダイエット
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こんにちは。
株式会社スポルツ、ヘルスビズウォッチ編集長の脇本和洋です。
安倍政権の「健康・医療戦略」の中で、「健康寿命伸長産業の創出」
というテーマがあります。
その中の取り組みとして、厚生労働省が中心になって行っている
「長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」があります。
2014年夏を目処に「健康な食事」の
・定義
・構成要素
・目安
が発表される予定ですが、
このような、新しい「健康な食事のあり方」が作られると
その後、どのようなビジネスが生まれてくるでしょうか?
それを予想するヒントとして今号では、健康な食事のあり方として
その検討会でも参考事例として出された「地中海食」と
さらにそれを応用して生まれたソノマダイエットを紹介します。
※参考:日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会
・第1回
・第2回
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地中海食とは?
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地中海食とは名前の通り、地中海地域特有の食事の事ですが、
正確には1960年代のギリシャのクレタ島、南イタリアの
伝統的な食事法の事をさします。
いくつかの定義があるようですが、
食べる頻度とグループ
が設定されています。
■毎日食べたいもの
・フルーツ
・野菜
・オリーブオイル
・豆
・ナッツなど
■1週間に2回は食べたいもの
・魚
■少量で1週間に複数回食べたいもの
・豚肉、卵、チーズ、ヨーグルト
■あまり食べないもの
・赤身の肉
・スイーツ
このように食生活ガイダンスで、学術的なエビデンス(論文)が豊富に
ある点が特徴です。
地中海食は、いわば多くの人で共有できる食生活ガイダンス(食事法)の
ことです。
今号では、
「ソーシャルメソッド」と呼びたいと思います。
※参考:メイヨークリニックの地中海食の説明
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地中海食が生まれた背景
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地中海食が研究された歴史は、
第二次世界大戦後の1950年頃までさかのぼります。
このころ、アメリカでは心臓病が深刻な問題となっていました。
ところが、地中海沿岸諸国では戦後の貧困と食糧不足が続いていたにも
かかわらず、心疾患の発症率は非常に低かったのです。
これに注目したのが、当時ミネソタ大学の教授だったアンセル・キーズ博士
でした。
博士は心臓病の発症率が低い理由として、地中海地域の食生活に注目し、
様々な研究の結果、地中海食が心疾患、心血管疾患を抑制することを発見
しました。
その後も様々な研究者が地中海食に注目し、
心疾患だけでなく、糖尿病やガン、アルツハイマーに対する
健康効果も報告されており、その注目度はその後も高まっています。
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地中海食の展開事例
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地中海食を実行・継続するための様々な商品/サービスが展開されています。
(例)
■レシピ本:パスタなどの地中海食レシピ集
■携帯アプリ:地中海食についての情報やレシピなど
■自然食品販売:
魚の缶詰、ナッツ類、ドライフルーツなどの自然食品をオンラインで販売
地中海食はソーシャル性がありオープンですが、
アレンジを加え、ビジネス発展を目指す事例を以下にひとつ紹介します。
それは「ソノマダイエット」です。
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地中海食をベースに「ダイエット」に応用した「ソノマ・ダイエット」とは?
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ソノマダイエットとは、コニー・ガッターセン博士(栄養学士、栄養
コンサルタント)が提唱しているダイエット法です。
これは、あくまでも健康な食事法の一つにすぎなかった地中海食を
・減量を目的とした食事法にアレンジする
・アメリカの農産物(特にカリフォルニア産)やアメリカ人の食の好みに
合わせる
という点に意識してアレンジし
「食材本来の風味を楽しみ、豊かで健康的な食事をしながら痩せる」
というものです。
名前もカリフォルニア州ソノマ地方から取られており、
ソノマ地方がワインの生産地として知られており、
その豊かな土地と産物がダイエットの考え方に適しているということで
命名されたようです。
実績としては、2006年からフォーブス誌、ヘルス・マガジン社などの
ベストダイエット法に数回にわたって選ばれています。
■ソノマダイエットの内容
ウェーブと呼ばれる3つの期間に分けて食習慣が変わります。
・ウェーブ1:導入期
10日間で、精製した砂糖、加工食品、ジャンクフードなどを食生活から
除去します。食べられるのは脂身のない肉、卵、アスパラガス、ナス、
蕎麦、オリーブオイル、アーモンド、クルミ、ハーブやスパイス等で、
フルーツは食べられません。この期間だけでも通常1キロから2.5キロ
減量します。
・ウェーブ2:減量期
目標体重になるまでの期間で、フルーツ、野菜、低脂肪ヨーグルトなどを摂り
ます。また、時々であれば、はちみつ、ダークチョコレートなどを食べること
もできます。この期間では、通常一週間に200グラムから700グラムほどの
ペースで減量します。
・ウェーブ3:維持期
ダイエット後の食生活。ウェーブ2に加え、少量の菓子類、デザート類を
食べられます。
※参考:ソノマダイエット・オフィシャルサイト
※参考:ソノマダイエットの説明(wellness.com)
※ソノマダイエットの書籍
■提供サービス
このダイエット法のオフィシャルサイトを見ると、
運営は、大手健康プログラム配信のネット企業である
「EverydayHealth社」が行っています。
同社はこのダイエット法の発案者であるコニー・ガッターセン博士より
ウェブ上でプログラム化する権利を購入し、展開しているものと予想されます。
・オンラインプログラム:カスタマイズされた食事プランやトラッキングツール
価格:4ドル/週。
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日本でも期待されるソーシャルメソッド
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現在、日本では、厚生労働省が中心になり、
新しい「食のソーシャルメソッド」が企画されています。
6月に発表された安倍政権の
「健康・医療戦略」の健康寿命伸長産業の創出には、はっきりと
『技術や手法を核とする具体的サービスの創出』
と記載されています。この中の
「手法」は、=メソッドとも言えます。
今後は食事だけでなく、運動・マインドヘルス・QOLなどのソーシャル
メソッドが開発されていくと思われますし、期待したいですね。
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