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【海外ユニーク事例編】ダイエットビジネスのトレンド紹介
 
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こんにちは。株式会社スポルツの脇本和洋です。
 
本メルマガ「海外ユニーク事例編」では、毎月1回特定のテーマで
海外のトレンドを紹介しています。
 
今回のテーマは、「ダイエットビジネスのトレンド」です。
 
ダイエットビジネスは、ダイエットメソッド(ダイエット法)の内容が
重要な切り口になるため、今回はダイエットメソッドを中心にトレンドを
紹介します。
 
 
切り口は、
 
・世界最大のダイエット事業者である「ウエイトウォッチャーズ」動向
 
・米国USニュース2014のダイエット法トップ10に見るトレンド
 
・英国NHSより、イギリスの注目ダイエット法
 
です。
 
 
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世界最大のダイエット事業者である「ウエイトウォッチャーズ」動向
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■ウエイトウォッチャーズ社とは
 
世界最大のダイエットセンターを運営するダイエット専門企業。
ダイエットというブームで終わりやすいテーマで安定成長を続ける(創業51年)。
2013年の売上は1,724億円、営業利益率は26.6%となっています。
 
 
 
■同社の収益源
・ダイエットセンターでのミーティング受講料
・ウェブサービス利用料
・商品販売(食品、ガイドブック、体重計など)
・ライセンス他
 
 
■2014年注目の動向
 
1)メソッドの改良:「Simple Start」の導入
 
同社のダイエットメソッド(ダイエット法)はポイントプログラムと呼ばれ
ています。「日常食の選択力が身につく」ことを狙いにした食事中心のダイ
エット法で、1日の食事の持ちポイント(体重、年齢などにより算出)内で
あれば何を食べてもよいというものです。
 
ただこのメソッドは、初期導入時の日々のポイント計算を手間と感じる人も
多くいたようです。
 
その点を「Simple Start」では解決しようとしています。
具体的には、「Simple Start」では最初の2週間は、同社からポイント換算
されたレシピが紹介され、それにしたがって食べるだけというものにして
います。
 
 
2)糖尿病プログラムの導入
 
同社の企業向け新サービス。糖尿病を患う従業員は、集合型のダイエット
ミーティング以外に、糖尿病専門指導士による体調に合わせた食事・栄養面の
指導を受けられるというものです。ダイエットで磨いたメソッドを糖尿病にも
応用するものと考えられます。
 
 
■メソッド間の競争をいかに捉えるか?
 
売上、営業利益とも前年から減少した同社は、
その原因を、メソッドの競争に負けていると判断したようです。
 
特に、無料のカロリー計算のアプリが多く出回る中
同社のメソッドとの違いがわかりにくくなってきました。
 
そこで、「Simple Start」では大胆にメソッドを改良し、
初期導入を簡単にし、新たな勝負にでてきました。
 
 
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米国USニュース2014のダイエット法トップ10に見るトレンド
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では次に、今後のダイエットトレンドを知る上で参考にしておきたい、
米国USニュース2014のダイエット法を見てみましょう。
 
・米国USニュース2014のダイエット法
 
この中で、今まで本メルマガで紹介していなかったダイエット法を
いくつか紹介します。
 
 
■Ornish Diet
 
・オーニッシュ博士が考案した低脂肪を特色とする食事法。
 博士はライフスタイル全体による健康法(エクササイズ、ストレスマネージ
 メントなど)を提唱する中で食事法も提案している
 
・食物を健康に良いものの順位で1から5グループに分類し、改善目標(ダイ
 エット、血圧を下げるなど)に従い、体に良い1や2グループの食品を中心に
 食べるようにする
 
・グループ1は野菜やフルーツ、良質の炭水化物や脂質、タンパク質を含む
 食物で、グループ5は悪質の脂質を含む食物(鶏肉や魚のフライ、ホット
 ドッグなど)
 
 
 
■TLCダイエット
 
・Therapeutic Lifestyle Changes Diet(食事療法ダイエット)の略で、
 NIH(アメリカ国立衛生研究所)が考案した低脂肪を特色とする食事法
 
・コレステロール値を下げるのが主な目的で、飽和脂肪を1日の摂取カロリー
 の7%以下、総脂質(飽和脂肪を含む)を25-35%に抑える
 
・コレステロールを200mg/日以下に抑える
 
・全粒穀物類、野菜、フルーツを基本食として多めに食べる
 
 
 
■Flexitarian Diet
 
・Flexitarianとは緩やかな菜食主義という意味で、完全なベジタリアンに
 なるのではなく肉類を控えめに摂取し、野菜を多めに食べる食事法
 
・これまでの食習慣を次の5つの食物グループを中心にアレンジする
 (1)豆、豆腐、ナッツ類、(2)野菜/フルーツ、(3)全粒穀物、
 (4)乳製品、(5)自然甘味料やハーブ
 
・肉類はチキン、魚、低脂肪肉などを食べる
 
・標準的なプログラムでは3-4-5法で、朝食に300キロカロリー、昼食に
 400キロカロリー、夕食に500キロカロリー、その他間食を含め1500キロ
 カロリー/日にする
 
 
 
■特定の食材に頼り過ぎない、食事の「選択法」が好まれる
 
Ornish Dietは、健康的な食事の選択を支援するもの。
TLCは国が研究してできた、コレステロールの低下を目指した食事法。
Flexitarian Dietも、完全なベジタリアンではない食事法。
 
何か特定の食材だけを摂るものではなく、多くの食事の選択肢を認めて、
うまくチョイスしていこう。そういうダイエット法が好まれているようです。
 
 
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英国NHSより、イギリスのダイエット法
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NHS(National Health Service)は、英国の国営医療サービス事業のこと。
同事業はサイトを通じて、健康情報を発信しており、その中で人気の
ダイエット法に関する記事を紹介している。
 
・参考
 
この中で今まで本メルマガで紹介していなかったダイエット法をいくつか
紹介します。
 
 
■5:2 Diet
 
・一週間のうち5日は通常の食事をし、2日は断食(少量の食事は摂れる)を
 するダイエット方法
 
・通常の食事の摂取カロリーは性別、体重、活動レベルなどによって適量を
 算出する
 
・断食日は通常日の4分の1のカロリー量に抑える。標準では1日あたり男性600
 キロカロリー、女性500キロカロリー
 
・断食日は2連続日でも、そうでなくともよい。また断食日の食事は一回のみ
 でも、小分けにして数回の食事にしても良く、タンパク質と食物繊維を主体
 としたメニューにする
 
 
 
■Slimming World diet
 
・高脂肪の料理の代わりに、Free Foodsと呼ばれる低脂肪の料理に置き換えて
 作ることで減量するダイエット方法
 
・食べられない食品はなく、好みのメニューを選んで食べて良い。分量制限も
 ない
 
・グループ単位で行われるリアルなミーティングによるサポートプログラムと
 オンラインによるサポートグループがある
 
・ミーティングではコンサルタントと呼ばれる指導員がイメージセラピーと
 いうセッションを行い、そこで情報交換やアドバイスをもらえる
 
 
 
■LighterLife diet
 
・低カロリーの代替食品による食事と毎週行われるカウンセリングによるダイ
 エット方法
 
・BMIが30以上であれば、フードパックと呼ばれる代替食品(シェイク、
 スープ、ムースやバーなど)を1日4回食べる。BMIが25-30であれば、フード
 パックを3回と、食べても良い通常食を1回摂る
 
・また、カウンセラーが指導する男女別々のグループサポートがあり、そこで
 食に対する考え方や体験などを話し合う
 
 
 
■Rosemary Conley diet
 
・イギリスで40年以上の経験を持つダイエットとフィットネスの専門家
 Rosemary Conleyによる低脂肪、低GIの食事とエクササイズによる
 ダイエット方法
 
・2週間、4週間のダイエット食のデリバリーサービス。低脂肪でカロリー
 コントロールし、分量を制限することで減量につなげる
 
・フィットネスクラスが各地で開催されており、専門トレーナーによる
 エクササイズで運動する
 
 
 
■メソッドをアレンジし、導入しやすくする
 
最初の「5:2 Diet」は、日本でいう断食をアレンジして、導入しやすくした
ものです。既存にあるメソッドの欠点を改善し、新しいメソッドにする方法を
とっています。
 
 
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「ダイエットビジネス」今後のトレンド
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今回は、「ダイエットビジネスのトレンド」というテーマで、
 
・世界最大のダイエット専門事業者である「ウエイトウォッチャーズ」の動き
・米国の主なダイエットトレンド
・英国の主なダイエットトレンド
 
をメソッドを中心に紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
 
 
全体的なトレンドとしては、
 
●ダイエットメソッドの、改良が数多くなされている
 
●一つの方法へのこだわりを捨て、大胆に見直している
 
●メソッド実行のハードルを低くして、いかに効果を出すかに着目している
 
 
といったことが読み取れます。
 
 
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