[海外事例にみる企画ヒント編]健康経営の注目支援企業(Virgin Pulse)
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[海外事例にみる企画ヒント編]2018年3月20日号
≫≫≫Author:脇本和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
先月、2018年度の健康経営銘柄26社が経済産業省より発表されました。また、今年は「健康経営優良法人2018」も同時発表され、大規模法人部門に541社、中小規模法人部門に776社が認定されました。「健康経営」の取り組みは今後もさらに加速しそうですね。
では、健康経営を支援するサービス提供企業としては、今後どうあるべきでしょうか?今回は、健康経営の支援企業(及び健康経営に取り組む企業)にとってのヒントとして「Virgin Pulse」という海外事例を紹介します。
・参考>HealthBizWatch先週号(2018年における健康経営)
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---「健康経営の注目支援企業(Virgin Pulse)」
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「contribution(貢献)」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 食育フォーク、海外 スマートインソールなど、9本
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>健康経営の注目支援企業(Virgin Pulse)
【今回の切り口】
1.事業概要
2.従業員エンゲージメントを高める
3.サービス概要
4.サービスの評価、効果
5.目指していること
6.これからの健康経営の支援
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1.事業概要
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●企業名:Virgin Pulse
●設立:2014年
●事業概要:
イギリスのヴァージングループの系列会社。2014年に設立され、コーポレートウェルネスプログラムを提供している。単なる従業員の健康管理の枠を超え、「従業員エンゲージメント」を高めることを掲げています。
●実績:
・185か国で、2,200企業が利用(2016年度)
・同社の職場ウェルビーイングソフトのユーザー数:200万人(2016年度)
・2018年3月時点で合計92億円を資金調達
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2.従業員エンゲージメントを高める
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では、同社の事業概要に記載のあった「従業員エンゲージメント」とは何でしょうか。
●同社の考える「従業員エンゲージメント」:
一般的に従業員エンゲージメントとは、会社への帰属意識・貢献意識と訳されることもありますが、同社はさらに踏み込んで、
会社の目標達成のために、
・単なる個人としてのプレーヤー意識だけでなく、従業員同士の関係性を高めること
・その結果、チームまたは組織として一体感を持ち、組織の生産性を高めること
としています。
そして、「従業員エンゲージメント」のためには、「個人のウェルビーング」がまず必要で、次に「チームワーク力」ともしています。
ウェルビーングとは、食事、睡眠、ストレス対策、運動といった基本的な健康指標だけでなく、集中力/認識力、健全な家計、人間関係、社会奉仕活動といった人としての包括的な幸福感、充実感のことです。
まずは個人として目的意識がはっきりしており、ワーク&ライフでバランスが取れている従業員をつくり(ウェルビーイングな個人)、その後チームとしての一体感を持って躍動できるようにするという考え方です。
同社の考える「従業員エンゲージメント」は、
・「会社の目標達成に向けて、最高のパフォーマンスを発揮できる個人をつくり、次にチームで協力しあう状態をつくること」
と言い換えてもよいでしょう。
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3.サービス概要
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そして、この「従業員エンゲージメントを高める」ことに役立つのが、同社の2つのプログラムです。
●プログラム(1)Core:個人のウェルビーイングを高める
自分の興味ある健康テーマ(減量、禁煙、ストレス管理など)で、ウエアラブル機器による記録するだけでなく、オンラインヘルスコーチング、インセンティブなどを利用して、ウェルビーイングを高める行動を「習慣化」させます
●プログラム(2)Ignite:チームワーク力を身につける
チーム主体の様々なチャレンジプログラム。チャレンジには運動や健康習慣に関するものがあり、従業員同士で同じ目標に向かってチームで取り組むことを意識しています
・参考>サービス紹介ページ(概要となります)
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4.サービスの評価、成果
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では、このサービスはどのような評価や成果があるのでしょうか。
同社はその点を以下のように訴求しています。
●サービスの評価:
・Retention rate(リテンションレート:明確な定義はないもののサービスの再利用率と思われる)=95%
・利用頻度:一人の会員が1年間でサービスにアクセスし、機能を活用する平均回数=1,440回
※一般的な他のプログラムと比較すると8倍多い(同社調べ)
・満足度:利用者の87%が生活への変化を実感している
●成果
・ビジネスパフォーマンスの向上
-利用者の44%が生産性が上がったと感じている
-長時間座りっぱなしだった利用者の60%が、以前よりアクティブになった
・コミュニケーションの向上
-イントラネットで自分の経験や体験談をブログにしたり、シェアしたりするといった工夫により、直接またはオンラインを通じた「社内コミュニケーション」の活性化がなされた
・医療費の削減
-利用者の47%が血圧を下げることに成功した
-利用者の25%において、病気による欠勤日数が減少した
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5.目指していること
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さらに、同社は従業員エンゲージメントを高める「目的の達成」まで考えています。
そのあたりを、同社のサイトから抜粋すると、
●従業員エンゲージメントが企業に何をもたらすか?という「目的」は企業ごとに異なる
●雇用主や管理職は己の組織を見つめ、「わが社における従業員エンゲージメントの位置づけとは何か?」を考える必要がある。
と記載しています。
「従業員エンゲージメントを高める目的」は、ある企業にとっては「プロジェクトの中でチームで新しい価値を生み出せる人材の育成」であったり、またある企業にとっては「独創的な発想をチームで行える人材の育成」であったりします。多くの場合、その企業が抱える人材課題となります。
企業が抱える人材課題までを共有し、その解決に役立っているかまで踏み込むのが、同社の基本姿勢と思われます。
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6.これからの健康経営の支援
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同社のサービスのエッセンスを整理してみると、
●売るのは、健康施策でなく「従業員エンゲージメント(会社の目標達成に向けて、最高のパフォーマンスを発揮できる個人をつくり、次にチームで協力しあえる状態)を高めること」
●「従業員エンゲージメント」を高める目的(主に人材面の課題解決)は、企業ごとに違い、その目的が達成できたかまで踏み込んで考えている
とまとめることができます。
これからの健康経営の支援企業としては、
・体重減量者の増加
・メンタル不調による休職者の減少
・医療費削減に貢献
といった価値にとどまらず、
・ウェルビーイングな従業員(最高のパフォーマンスを発揮できる個人)の増加
・コミュニケーション力などの向上によるチーム力の強化
・最終的にその企業が抱える人材面の課題解決への貢献
という所まで、価値を引き上げて提示していくことが重要ではないでしょうか。
【脇本和洋】
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●健康経営をテーマとしたセッション
第3回ヘルスケアIT2018にて、健康経営をテーマとしたセッションがいくつか開催されますので、参考にしてください。
・第3回ヘルスケアIT2018
人数制限がありますので、お早めに申し込むことをオススメします。
我々スポルツも健康経営をテーマに講演します。
『メンタル予防を生産性向上に転換する健康経営におけるモバイルヘルス』
健康経営における健康施策は、“従業員の健康課題を潰す”ことではなく、従業員が前向きに取り組める施策で“結果健康になる”ことが重要です。
特にメンタル予防においては、潜在的な段階で、従業員が気づかない内に“健康になっている”状態に持っていけるようにすると効果的です。
今回は健康経営で先行企業の取組みと、ユニークなサービス事例を紹介します。
4月20日(金)13:00-16:15 B会場
1)海外事例にみる健康経営のヒント
株式会社スポルツ HealthBizWatch他ヘルケアメディア・ディレクター 渡辺武友
2) 株式会社富士通ゼネラル 健康経営への取り組み
プレゼンター:株式会社富士通ゼネラル 健康経営推進室 室長 兼 人材開発部 主席部長 佐藤光弘
3)従業員が前向きに取り組み“結果健康になる”健康サービス
モデレーター:渡辺武友、佐藤光弘
プレゼンター:株式会社日立製作所、東京メンタルヘルス株式会社、株式会社ウィット、Noom Japan、WINフロンティア株式会社
講演をご聴講されるには、事前登録が必要になります。
上記3講演が一連のテーマとなりますので、B-15、B-16の2枠へのお申込みをお願いします。
来場登録を行い、セミナープログラムページよりB-15、B-16の2枠にチェックを入れて「お申し込み」に進んでください。
人数制限がありますので、お早めにお申し込みください。
●健康経営の企画と運営支援
スポルツでは、健康経営を推進する企業を支援しています。
詳しくはお問い合わせください!
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「contribution(貢献)」
今後のビジネスサービスやコミュニティにおける関係性構築の鍵を握るのがcontribution(貢献)である。我々はどこでどれだけの貢献ができているだろうか?
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]GEウェルネス、「もの忘れアルかなチェック はからめ(R)」アプリ版を新発売
認知症と嗅覚の関係性に着目した簡易チェックキット。アプリ版では、はからめのチェック結果を紙で郵送ではなく、アプリで気軽に、その場ですぐに表示して確認することができる。(2018/03/05)
[2]ウィット、「あすけん」Apple Watch版アプリに音声入力機能を新たに搭載
音声入力機能を搭載したApple Watch版アプリの提供を開始。アプリを起動し、朝・昼・晩などの食事区分を選択、食事のキーワードをApple Watchに話しかけると候補メニューを提示、候補の中から食べたものを選択することで入力が完了。(2018/03/07)
[3]日経デジタルヘルスより、デジタルヘルス事例:豊田通商グループ、自費リハビリ事業に参入
自費リハビリ事業が対象とする利用者は、主に回復期病院退院後の脳卒中、整形疾患、婦人科系疾患などの患者。保険制度の枠にとらわれず、個々人の状況に応じて、必要な日数・時間・回数・方法の“オーダーメード型リハビリ”を提供する。(2018/03/07)
[4]健康・医療・教育情報評価推進機構など、「学校健診レポート」と「母子健康手帳アプリ」の連携による学校健康診断情報のデジタル還元を開始ーアプリで生涯にわたって蓄積し続けることができる健診情報の一元化を実現ー【PDF】
現在紙で配布している「学校健診レポート」が「母子健康手帳アプリ」で閲覧できるようになる。胎児期から中学3年生までの健診結果を蓄積し、アプリで一元的に管理・閲覧することが可能に。(2018/03/07)
[5]ハナマルキ・AuB鈴木啓太氏・慶應義塾大学SFC研究所、「液体塩こうじ・アスリート腸内環境向上プロジェクト」を発足
塩こうじの腸内環境への効果及びスポーツパフォーマンスへの効果を研究。ハナマルキが液体塩こうじを提供、慶應義塾体育会競走部の部員が被験者として毎日の食事に液体塩こうじを取り入れ、AuBが腸内細菌の効果を検証する。(2018/03/08)
[6]博報堂、野菜を食べるのがもっと楽しくなる食育フォーク「pacoo」を開発
子どもの野菜の記憶をポジティブにする、新しい食体験を提案。食べるタイミングに合わせて流れる、オノマトペの音やリズムで、子どもの「食べるモチベーション」を刺激して、野菜を食べるのがもっと楽しくなる食育フォーク。(2018/03/09)
[7]重心や消費カロリーをモニタリングしてくれるスマートインソール『Stapp one』
『Stapp one』は、布に編み込まれたセンサーが搭載されており、ユーザーの重心のかけ方、そこから読みとれる姿勢、そしてカロリー消費量を計測。姿勢に異常が見られるとアプリがその場で指摘してくれるためすぐに姿勢を正すことができる。(2018/03/07)
[8]『Apple Watch 3』、スキーやスノボの距離やスピードの計測が可能に
Apple Watch 3に内蔵するGPSや高度計を利用して、滑走本数、滑走の時間、燃焼カロリーなどが計測できる。(2018/03/13)
[9]mHealthWatch注目ニュース:米保険会社が「プロスペクト理論」を使った健康アプリを開発
日本では、「プロスペクト理論」を使った「逆インセンティブ」を使ったヘルスケアサービスはまだまだ少ないですが、「本気」にさせるためのインセンティブとしては効果的なのでこれから増えていくと予想しています。(2018/3/19)