[ヘルスコーチングの視線編]ヘルスコーチングの可能性を探る:オンラインでのサービス設計のポイント
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[ヘルスコーチングの視線編]2019年3月26日号
≫≫≫Author:里見 将史
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こんにちは、里見です。
ヘルスコーチングのコミュニケーションを取り入れたヘルスケアサービスやプログラムでは、設計が重要になってきますが、設計の際に見過ごしがちなポイントがあります。
そこで、今回はオンライン上でヘルスコーチングのコミュニケーションを取り入れたサービスを設計する上で押さえておきたいポイントを解説します。
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---「ヘルスコーチングの可能性を探る:オンラインでのサービス設計のポイント」
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「サービスメイクの本質」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 最新のSleep-Tech、海外 世界ウェアラブル市場動向など、12本
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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<テーマ>
ヘルスコーチングの可能性を探る:
オンラインでのサービス設計のポイント
ヘルスコーチングは双方向のコミュニケーションが基本であるため、1対1のコミュニケーション、対面でのコミュニケーションでしかヘルスコーチングは成立しないのではと誤解される方も多いのも事実です。
しかし、実際にヘルスコーチングのコミュニケーションを活用しているヘルスケアサービスでは、オンライン上で提供しています。
特に、海外のサービスではヘルスコーチングのコミュニケーションの要素を取り入れてサービス設計、プログラム設計されている事例が多いです。
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サービス設計、プログラム設計
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オンラインでヘルスコーチングのコミュニケーションを組み込んでサービス設計、プログラム設計する際には、以下のようなポイントで検討します。
以下一例をご紹介します。
1、サービス、プログラムのテーマ、目的
2、サービス、プログラムの提供期間
3、サービス、プログラムのシナリオ、全体ストーリー
4、ヘルスコーチングの要素からのアプローチ
→設計に合わせてどの要素を組み込むか?
(例えば)
・PDCAサイクルの設計(期間や方法)
・変化の気づきを促すタイミング
・具体的なアクションと振り返りの方法
・フィードバックの手法、アプローチ
5、システムの活用と「人」の役割切り分け
サービス設計、プログラム設計の段階では、例えば上記1から5のようなステップで手段や方法を具体化していくことになります。
特に3から5のステップで、ヘルスコーチングの要素をシステム、仕組みで提供する部分と、「人」のコミュニケーションで提供する部分をどのように切り分けるかが重要になってきます。
サービス、プログラム全てをシステムや仕組み、または「AI」で対応するという方法もあります。
その場合、直接ではなく間接的なコミュニケーションであったとしても、対象者にシステムやAIを相手にコミュニケーションをしていると感じさせないようにすることが重要になってきます。
ヘルスコーチングでは、コミュニケーションを通したアプローチが基本です。
直接、間接的なコミュニケーションを通して対象者に「気づき」を促して、次の行動につなげて目標、ゴールに向かっていきます。
しかし、明らかにシステムからの投げかけだと感じられることに対して、対象者は「自分ごと化」しにくく、自らの「気づき」につながらないことになります。
そのため、システムやAIを活用する場合には、コミュニケーションの相手がシステムやAIとして受け取られないための、工夫や演出などが重要になってくるのです。
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隠れた管理負荷
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オンライン上でヘルスコーチングのコミュニケーションを活用してサービスを提供する上では、システムに頼る部分と「人」に頼る部分を切り分ける際、もう一つ押さえておきたいのが「隠れた管理負荷」です。
「人」が管理する部分、「人」が確認する部分などを最初から仕組み化、システム化して対応できていれば「管理負荷」は少なく、効率の良いサービス運用が可能です。
しかし、最初から全てをシステム化、自動化なんていうケースは少ないはずで、どちらかというとサービス提供開始時はサービス、プログラム提供の部分に注力して、見えない管理の部分は後回しになってしまうケースが多いと思われます。
実際にサービスを提供していくうちに、この「隠れた管理負荷」という人海戦術で対応している部分の負荷の大きさが表面化してきます。
特に対象者に対してヘルスコーチングの要素からのアプローチでしっかりと寄り添っているサービスは、「管理の負荷」は大きくなる傾向があります。
この「管理の負荷」を軽くするには、やはり最初のサービス設計の時から「管理作業」の視点での検討が必要になってきます。
この「隠れた管理負荷」の軽減、効率化の部分にこそシステム化、AIの活用が有効だと思います。
しかし、この「隠れた管理負荷」は運用していく中で見えてくる部分も多いため、どの部分にシステムやAIを活用していくのかを見極めるには、やはり運用しながら、運用の中で見つけて解決していくことがポイントです。
このようにオンライン上でのヘルスコーチングを活用したサービス提供では、管理の負荷まで含めたサービス、プログラム設計の必要性があるのです。
これまでにヘルスコーチングのコミュニケーションを活用したヘルスケアサービス、プログラムのサポートを数多くしてきております。
もし、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「サービスメイクの本質」
やりたいサービスではなく、求められているサービスが何かを問う姿勢が本質への一歩です。
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【3】今週の注目デジクリップ! <12クリップ>
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[1]KDDIと沖縄セルラー、最新のSleep-Techにより眠りの質を改善し健康支援
「あんしん」「べんり」「たのしい」をコンセプトとした「au HOME」に、快眠をサポートする「すこやか」をコンセプトとしてサービスを拡充。「睡眠モニター 01」により睡眠状況を測定し、専用アプリ「Real Sleep」で睡眠の質を定量的に確認できる。(2019/03/13)
[2]ソフトブレーン・フィールド、サステナブル∞ワークスタイルプロジェクトVOL.11「《働く主婦》睡眠に関する意識調査」を実施
現在の睡眠の質を「不満だと感じている」が53.5%で、「満足だと感じている」44.4%を上回る。睡眠の悩みは「睡眠時間が足りない」が30.8%で最多となり、「日中に眠気を感じる」30.1%、「夜中に目が覚める」29.7%と続く。(2019/03/14)
[3]順天堂大学、順天堂医院が患者さんの待ち時間削減に向けて窓口会計を不要にする「料金後払いシステム」を導入
グローリーの医療業界向け「料金後払いシステム」と富士通の医事会計システムを連携させた「料金後払いシステム」の運用を開始する。これにより、患者さんは診察後に支払窓口で会計をすることなく、帰宅が可能となる。(2019/03/14)
[4]リコー、ドリームネッツと「チーム手帳」を提供開始
チーム手帳は、従業員のエンゲージメントを強化するためのSNS型コミュニケーションツール。スタンプやテキストメッセージなどをチャット方式で送受信可能。業務連絡だけでなく日常会話を積極的に促すことでチーム内の良好な人間関係の構築を支援する。(2019/03/18)
[5]JTBとスノーピーク、ハワイでの「ワーケーション」を推進するサービスを共同開発
第1弾は法人向けの「CAMPING OFFICE HAWAII」。「働き方改革」や「休み方改革」を支援する法人向けソリューション。ハワイの大自然の中で休暇を取りながら快適に働く新しいワークスタイルを提案。(2019/03/18)
[6]パラマウントベッド、睡眠と健康領域の新ブランド「Active Sleep」設立
同ブランドで発売する「Active Sleep BED」は、「入眠時」「熟睡時」「起床時」それぞれの睡眠状態に合わせて角度が自動で変化するベッド。日本初の「眠りの自動運転」を実現。(2019/03/18)
[7]ソフトバンク、勤務間インターバル制度の導入や就業時間中の禁煙などにより健康経営をさらに推進
勤務間インターバル制度では、社員の生活時間や睡眠時間を十分に確保することを目的に、終業から次の始業まで一定の休息時間を設ける。(2019/03/19)
[8]ウーマンズラボより、米国で人気、消費者向け遺伝子検査サービスの現状と課題
米国で遺伝子検査サービスがブームとなり利用者が急増。しかし遺伝子検査による疾患リスク情報は誤診率40%との指摘もあるなど、課題は多いとのこと。ヘルスケア市場における遺伝子検査サービスの現状と課題、周辺のビジネスチャンスとは。(2019/03/19)
[9]新社会システム総合研究所、「健康SDGs×既存事業の変革2025-30」を開催
開催日は4月23日(火)。本講演では、金融、自動車、デジタルサービスなど異業種における健康分野の持続可能な開発目標への取組事例を紹介しながら、既存業務変革に繋がるプラットフォーム技術×マネジメントの方向性を考察する。
[10]調査:世界ウェアラブル市場2018年Q4はAppleが首位維持、耳装着型デバイスなど成長
IDCの最新調査によると、2018年第4四半期の世界ウェアラブルデバイス市場は、前年同期比で31.4%増となり、出荷数は5930万台に達した。この四半期、最も急成長したのは耳装着型のデバイスだった。(2019/03/14)
[11]筋トレみたいに脳波を鍛える 睡眠の質向上デバイス「URGONight」
ニューロフィードバックにより睡眠の質向上に焦点をあてた「URGONight」は、ヘッドセットを着けたら、アプリから自身の脳波の状態が確認できて、睡眠に適した脳波をつくるためのトレーニングを実施。(2019/03/19)
[12]『mHealth Watch』注目ニュース:マルホ、ニキビ患者さん向けスマートフォンアプリ『ニキビログ』
今回注目するのは、皮膚科学領域に特化した製薬企業のマルホと各種PHRサービスを提供しているWelbyが共同でニキビ患者さん向けアプリの提供を開始したというニュースです。(2019/03/25)
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