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[健康サービス・デザイン編]2019年4月2日号
   ≫≫≫Author:大川 耕平
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こんにちは HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今回は、今話題のサブスクリプションに関して考えてみました。
きっとどの事業者も無関係ではいられないファクターでもあります。
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「サブスクリプションとヘルスケア」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「知識より発想力」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 オーラルフレイルチェック、海外 医師向けデジタルゲームなど、9本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>サブスクリプションとヘルスケア
 
デジタル技術進化によって所有の時代が終焉へ向かいつつあると言われています。そこで注目を浴び、成長しているビジネスモデルがサブスクリプションです。
 
※subscription(サブスクリプション):直訳は定期購読・予約・申込み
新聞の定期購読などが馴染みあると思います。最近は継続定額課金で行われるビジネスモデルとして使われることが多いです。
 
有名な調査会社Gartner社によれば、2020年までに80%以上のソフトウェアプロバイダーがサブスクリプションモデルへ移行すると予測しています。
 
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サブスクリプションのメリット・デメリット
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俗に言われているメリット・デメリットは下記になります。
 
◇ユーザー・メリット
-気軽にサービスが利用できる
-いつでも解約できる
-モノの所有が必要ない(ある場合もあり)
 
◇ユーザー・デメリット
-使わなくても料金がかかる
-使用しないコンテンツもある
-解約すると一切のコンテンツが使えなくなる
 
◇サービスプレイヤー・メリット
-継続課金前提なので売上予測がしやすい
-様々なデータ取得が可能
-ユーザーにとっての気軽さで採用障壁が低くなる
 
◇サービスプレイヤー・デメリット
-継続的アップデイトが必須で運営体制が必要
-初期段階から利用者ボリュームを確保することが多くの場合困難
 
顧客の求める使用価値にフォーカスしたサービス提供ができ、かつアップデイト体制がしっかりとあり品質管理も行えるプレイヤー向けのビジネスモデルです。本来的にヘルスケア&ウェルネスサービス事業との相性はいいと思われます。
 
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サブスクリプションの本質は顧客との関係性追求
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定額継続課金は昔からあったモデルです。
なぜ今注目されているのでしょうか?
 
その理由は、デジタルテクノロジーを駆使したサービスが顧客と提供側の合理性がある意味一致し、win-win関係が熟成・拡大を続けていて、今後も可能性が期待されているからです。
 
サブスクリプションが目的なのではありません。ここ要注意です。
 
顧客体験を継続的に満足するレベルで維持・向上していくための関係性の持ち方の実現が先に来て、そのための手段としてサブスクリプションが適しているから拡大しているのです。
 
既存のヘルスケア&ウェルネスサービス事業者からサブスクリプション化の相談をいくつか受けていて、その中で共通した課題があります。
 
その代表例である既存サービスをそのまま定額課金化という流れに対しては
 
・心構え
・進め方の順序
・文化づくり
 
について解説・提案することにしています。
 
・心構え
サービスを販売する方法として、定額課金の選択という発想は全くの思い違いであり、顧客体験の満足品質化に対して顧客と一緒に密接な関係性を通して推進していくのだという心構えが必須です。
 
・進め方の順序
まずは、自社サービスは顧客の役に立っているのか否か?顧客は我々に何を期待しているのか?顧客中心の行動とは何かを明確に共有してから、手段としてのサブスクリプションの検討という流れだと思います。
 
・文化づくり
サブスクリプション化にはテクノロジーが必須です。このようなデジタルトランスフォーメーションは技術の問題ではなく、実は文化づくりを問題としなければなりません。先にも述べた顧客中心の行動文化づくりができて、それを加速させるためにテクノロジーを使うのです。
 
 
サブスクリプションモデルはあらゆるジャンルでの拡大が期待されています。顧客価値アップにつながる関係性継続のためのエコシステムは、新たなサービスをどんどん追加していくことになるはずです。
 
例えば、生活インフラサービスのサブスクリプションはすでに存在しています。そこにヘルスケア&ウェルネスサービスがどんどん乗っていくイメージです。
 
多くのヘルスケア&ウェルネスサービス事業者にとってサブスクリプションモデルと無関係でいられなくなるはずです。
 
ぜひ、ディスカッションしましょう!
 
 
●問い合わせ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「知識より発想力」
 
既にある答えはスマホでググれば分かってしまう時代にあって、重要なことは知識ではなく発想力です。
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]東京医科歯科大学、噛む力が顎の骨を造り変える分子メカニズムを解明【PDF】
コンピューターシミュレーションにより、噛む力そのものが顎の骨を造り変えることを予測解析した。この研究成果は、顎の形や大きさの不調和に対する治療法開発の糸口となることが期待される。(2019/03/20)
 
[2]三井住友アセットマネジメント、マーケットレポート:「再生医療」への民間企業の参入が相次ぐ
経済産業省によると、世界での「再生医療」の周辺産業の市場規模は2030年には5.2兆円になる見通し。今後の拡大を期待して、製薬企業に加えて、電気機器、精密、化学企業など異業種からの民間参入が相次いでいる。(2019/03/20)
 
[3]KDDI、「KDDI Open Innovation Fund 3号」保育ICT化支援事業を行う「Kids Diary」への出資について
「スマート保育園プラットフォーム」を開発・展開へ。Kids Diaryは、保護者の利便性を高めるだけでなく、保育士・園運営者を重複していた作業から解放し、ICT化を進める自治体の業務効率改善に寄与する。(2019/03/20)
 
[4]ダイエー、神戸市内13店舗への「SIRU+(シルタス)」の導入について
毎日お買い物するだけで栄養状況が把握できる健康管理サービスを開始。「SIRU+」は神戸市がスタートアップの新技術による将来的な市民サービス向上を目指す実証事業「Urban Innovation KOBE+P」において、2019年3月に第1号認定事業として採択された。(2019/03/22)
 
[5]サンスターグループ、健康寿命の延伸を目指し健康診断に「オーラルフレイルチェック」を導入開始
同社における従業員の健康管理の特徴は、充実した健康診断・歯科健診、要経過観察対象者の継続的支援と、従業員向け健康増進施設「サンスター心身健康道場」を活用した宿泊型健康指導。新たに「オーラルフレイルチェック」を追加する。(2019/03/25)
 
[6]リンクアンドコミュニケーション、明治安田生命の従業員と企業・団体向け健康増進サービスへの導入が決定
「カラダかわるNavi」は、企業の従業員を対象に、AI管理栄養士が食事・運動・睡眠などの毎日の生活をサポートする健康アドバイスアプリ。AI×ヘルステックで、従業員の健康サポートと企業の「健康経営」を支援する。(2019/03/25)
 
[7]日経デジタルヘルス、佐野正弘が斬る!ニュースなアプリの裏側「なぜスマートホームは盛り上がらないのか」
スマートスピーカーの登場とともに一時は注目を浴びたスマートホーム。引き続き積極的に取り組む企業は多いものの、関心が高まっているとは言い難い。(2019/03/25)
 
[8]エアウィーヴ、「睡眠休暇制度」開始ー「良質な睡眠は日中の活動に良い影響」
睡眠休暇制度は、同社の睡眠測定アプリ「airweave sleep analysis」を使用し、一定の基準をクリアした社員にポイントを付与する。社員は累積ポイント数によって特別休暇(睡眠休暇)を取得することができる。(2019/03/20)
 
[9]『mHealth Watch』注目ニュース:モバイルゲーム『Cardio Ex』でCME(医師生涯教育)単位獲得
今回は医師向けのデジタルゲームです!Level Ex社は、医師の専門性に合わせたカリキュラムをデジタルゲームとして提供しています。極端な言い方ですが“医師はスマホゲームで遊んでいたら専門知識がアップデートされる”というものです。(2019/04/01)
 
 
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