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[健康サービス・デザイン編]2019年5月7日号
   ≫≫≫Author:大川 耕平
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こんにちは HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今回はas a serviceの課題について共有させてください。
大企業のサービス化がうまくいかない場合、今回のケースが当てはまるかもです。
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「as a service 化の課題」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「update力の勝負」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 モバイルヘルス市場、海外 スマートグラスなど、10本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>as a service 化の課題
 
MaaS(マース:Mobility as a service)に代表されるas a serviceとは、あらゆる課題解決や価値提供、ソリューションをサービスの形で提供していくというコンセプトです。
簡単に言うと既存産業・業種サービス化です。
 
2018年1月に行われた世界最大見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)でトヨタの豊田章男社長が、「クルマ社会を超えて、モビリティ・カンパニーへと変革する決意をしました」と表明しました。
クルマを売って成長してきた同社の脱モノづくり宣言とも言えるこのスピーチの持つ意味と無関係でいることができる業種はないかもしれません。
 
前号で紹介したサブスクリプションと同根であるas a servceは、今後のビジネスのコアトレンドになっていきます。
 
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メーカーのas a serviceがなぜ進まないのか?
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多くのモノづくり企業がサービス化を模索し始めています。
今までのビジネスであったモノ売りをサービスの形で提供するには、自らのビジネスコンセプトの再定義が必要になります。ここで多くの企業が躓きます。
 
再定義ができないのです。
 
一例を挙げると、流通チャネルを活用してモノを販売しているメーカーのミッションは「・・・づくりを通して豊かな社会づくりに貢献する、、、、」的な、とても大きな社会的意義を目指すものが多いことはご存知と思います。
 
再定義とはミッションの再定義と言ってもいいかもしれません。
実は壮大な今までのミッションのままでは多くの場合再定義がしにくいのです。
 
旧ミッションは
・社会的貢献という大きく外れていない価値→具体的ではなく抽象的
・モノづくり志向になりがち→顧客価値不在の場合が多い
 
という傾向があります。
また、既存の流通構造によって直接顧客との接触が少ないことで、顧客のことを知らない、向き合っていないというケースがほとんどです。
 
顧客サービスセクションはどのメーカーにも存在しますが、モノ販売の後処理対応なので向き合っているとは言えないのです。
 
多くのメーカーがサービス化に手こずっている理由は
・今までのミッションでサービスシフトできない
・顧客と向き合っていない(向き合い方が分からない)
・サービスのマネタイズ方法が分からない
→顧客価値づくりと利益の一体化の経験がない
 
処方としては、既存の枠組みを一切無視したレベルで顧客課題に向き合うことです。そこからしか再定義の道筋は見えてきません。それも、既存組織ヒエラルキーから外に出た環境でチャレンジすると成功の確率がグッと高まります。
 
米国で創業118年の百貨店であるノードストローム(Nordstrom)は顧客中心の行動を是とし、デジタル技術を駆使したオムニチャネル化に大成功しています。
つまり、Nordstrom as a serviceに成功しています。
 
ここではその展開の詳細を述べませんが、彼らのビジネスコンセプト再定義は「顧客のこだわりをデジタルで実現する会社」としています。
 
自らが流通業であるとか高級百貨店であるとかは一切言っていません。今までの常識を捨て去るぐらいの覚悟が必要なのです。
 
もっと言うと「顧客主語」の発想でミッションを再定義できるか否かがサービス化(as a service)成功の分岐点です。
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「update力の勝負」
 
プロダクトやサービスが定額課金(サブスクリプション)にシフトしていく現象はどんどん広がっていく。そうなると顧客価値を継続的にアップデイトしていけるか否かが勝負になる。そのアップデイトは顧客との共創で初めて意味を持つこととなる。
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]ワコール、“インナーウェア体験の未来を創る”接客サービス「3D smart & try」を開始
「3D smart & try」では、同社独自の3Dボディスキャナーと接客AIにより、サイズ、体型、悩みや好みのデザイン、シルエット等に対応した最適なブラジャーを数多くある中から絞り込んで提案する(特許出願中)。(2019/04/18)
 
[2]グンゼ、睡眠改善インストラクターが考えた寝返り、横向き寝しやすい快適パジャマを新発売
ここちよい眠りを提案するパジャマブランド「KAIMIN NAVI(快眠ナビ)」より。脇の縫い合わせを前身頃側にずらすことで脇に縫い目があたらないように工夫し、寝返りや横向き寝をしやすくした。(2019/04/18)
 
[3]名古屋大学、運動が筋量を維持するメカニズムを解明【PDF】
名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科の山田麻未大学院生・奥津光晴准教授らは、日本福祉大学、筑波大学とアイオワ大学の研究者と共同研究を行い、運動はオートファジーの調節に関わる因子を活性化し抗酸化物質の産生を促進することを筋肉で初めて発見した。(2019/04/19)
 
[4]フィリップス、ヘルスケア領域におけるモビリティサービス(MaaS)へ参入
既に複数の自治体、企業との協議を始めており、自治体・企業との連携を通じて、交通、小売、物流、食などの様々な分野とヘルスケアを組合わせたモビリティサービスの用途を具体化し、新しいモデルを実証していくことを目指していく。(2019/04/19)
 
[5]みずほ情報総研、イスラエルのスタートアップ企業MyndYou社とパートナーシップ契約を締結
今回のパートナーシップ契約は、MyndYou社が独自開発したシステムならびにサービスの日本国内での実用化を目指し、健康・医療分野でITを活用したツール開発・導入支援の実績のあるみずほ情報総研が、国内での実証からサービス事業化までを担う。(2019/04/22)
 
[6]電通、企業の健康経営を支援する「Fitbit Inner Activation Program」を開発
「Fitbit Inner Activation Program」は、フィットビット・ジャパン合同会社の協力により、フィットネスウェアラブルデバイスから得られる従業員の活動データを活用して、健康経営を支援する。(2019/04/23)
 
[7]エコナビスタ、医療法人社団一心会 初富保健病院/初富保健病院介護医療院との業務提携について
日本最大の介護医療院とスリープテックベンチャーが業務提携。医療の発展を目標に、IoT睡眠センサーの利用を介護医療院・療養病床で実証開始。エコナビスタのIoT睡眠センサーは介護の分野では既に1,500台以上の出荷実績がある。(2019/04/23)
 
[8]ニッセイ基礎研究所、政策指標としての「健康寿命」が抱える課題
本稿では、「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」が3月に公表した報告について紹介する。(2019/04/23)
 
[9]ウーマンズラボより、拡大する世界のモバイルヘルス市場 国内事例と参考情報
ヘルスケア産業の中でも急速に拡大しているのがモバイル端末を活用したモバイルヘルス市場。モバイルヘルス市場の平均年成長率は33.7%との予測もある。(2019/04/23)
 
[10]『mHealth Watch』注目ニュース:眼鏡にしか見えないスマートグラス『Focals』
今回のアップデートでは、「Spotify」対応の再生コントロール機能、ルート案内機能、表示内容の共有機能などが追加されました。このアップデートにより、mHealth Watchとしても気になるヘルスケアへの活用、さらに健康経営への活用が期待されます。(2019/05/07)
 
 
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