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[ヘルスコーチングの視線編]2019年4月23日号
   ≫≫≫Author:里見 将史
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こんにちは、里見です。
 
ヘルスコーチングのコミュニケーションを取り入れたヘルスケアサービスやプログラムでは、設計が重要なポイントになってきますが、設計の際に見過ごしがちなポイントを前回ご紹介しました。
 
そこで今回は、そもそものヘルスコーチングのコミュニケーションをサービス・プログラムに取り入れる上で押さえておきたいポイントを解説します。
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチングの可能性を探る:オンラインでのコミュニケーションのルール化
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「個人も再定義の時代へ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 脳活性度定期検査、海外 HealthVault終了など、7本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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<テーマ>
ヘルスコーチングの可能性を探る:
オンラインでのコミュニケーションのルール化
 
ヘルスコーチングは、双方向のコミュニケーションのやり取りが基本です。
そのため、対象者に合わせたパーソナライズなコミュニケーションで、その時々の対象者の反応に合わせて、コミュニケーションも変化させていきます。
 
しかし、全てのコミュニケーションをパーソナルに対応し、対象者に合わせてカスタマイズしていくコミュニケーションでのサービス・プログラムでは、「人」に頼る部分が大きくなってしまい、ヘルスコーチングの経験やコミュニケーション能力に依存することになります。その結果、サービス品質のバラツキが出てきてしまいます。
 
また、「人」が細かく対応するとどうしてもコストが膨らみ、ビジネス的な拡がりにも制限がかかってしまうことになります。
 
そのため、オンラインを活用したヘルスコーチングのコミュニケーションを取り入れたサービス・プログラムでは、AIやシステムと「人」を組み合わせたスタイルでの提供が多くなってきています。
 
まずは、オンラインでヘルスコーチングのコミュニケーションを組み込んでサービス・プログラム設計をする際のステップを見ていきたいと思います。
 
 
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1、サービス・プログラムの基本設計
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1)サービス・プログラムのテーマ、目的
2)サービス・プログラムの提供期間
3)サービス・プログラムのメソッド(目的に向けた手法)
4)サービス・プログラムのシナリオ、全体ストーリー
 
上記の設計の項目は一例ですが、まずはサービス・プログラムの基本的な部分を定めた上で、次に具体的なコミュニケーションの設計の中に、ヘルスコーチングの要素を入れていくステップになります。
 
 
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2、ヘルスコーチングの要素を取り入れたコミュニケーション設計
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以下は、ヘルスコーチングを行う上で抑えておきたいポイント、要素の一例です。
 
1)目標のその先のイメージを描く
2)目標と行動の違い
3)行動の選択と取り組みの把握
4)パーソナライズ(個別対応)
5)気づく、気づかせる
6)成功体験の積み重ね
7)成功体験の気づかせ方
8)習慣化、定着化
9)強制的と自発的
10)継続と意志の強さとの関係
11)振り返りの意味
12)目標と現在の距離感
13)「しない」ではなく「する」に変換
14)できないことに気づく、認識する
15)無理しない、頑張らない
16)できることにフォーカス
17)フィードバックの意味
18)アドバイスではない、提案、提示
19)アセスメントの役割
20)ティーチングとコーチングの役割とタイミング
21)自ら選択する意味
22)視点を広げる
23)PDCAサイクル
24)ストレス、障害を認識する
25)ヘルスコーチングの対象者
 
上記のようなポイント、要素を押さえた上で、「行動」に目を向け対象者に気づきを与えながら「継続」していけるように寄り添うのが「ヘルスコーチング」です。
 
コミュニケーションを設計する上では、どのタイミングでどの要素を入れて、どんな手法でアプローチ、コミュニケーションをしていくのかということを設計します。
 
また、設計する際には、コミュニケーションの意図や目的、そして対象者に期待する反応などもしっかりと定義し、具体的な対応方法を想定しておくことがポイントになります。
 
それは、AIの活用や仕組み化する上でも、また「人」が対応する上でも、どんな目的のコミュニケーションであるのか明確にしておくことが重要だからです。
 
 
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3、ヘルスコーチングの要素を取り入れたコミュニケーションのルール化
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コミュニケーション設計で具体的なアプローチ方法が決まったら、次に具体的なコミュニケーションのルールの設定が必要になってきます。
 
これは、サービス・プログラムでAIの活用や仕組み化する場合のシステム開発に必要な要件、定義にもなりますし、「人」が対応する上では、この手順やルールがないと実際に使いこなせないものになってしまうのです。
 
 
---3-1)ルール化の例(その1):ヒアリング情報の活用
 
ヘルスケアサービス・プログラムの提供では、事前の問診やヒアリングで対象者の情報を把握するステップがあると思います。
 
この事前のヒアリングの意味や目的、そして情報の活用方法が曖昧で明確になっていないケースがあります。
 
事前ヒアリングでは、対象者の情報が多ければ多いほど、その後のコミュニケーションに活かせるという考えから、盛りだくさんにヒアリングしている傾向が強いです。
 
この盛りだくさんなヒアリングはサービス提供者側からの視点だけであって、実際に回答する対象者にとっては、かなりの負担を強いられているのです。
 
また、盛りだくさんな情報を入手しても、サービス・プログラムの中でその情報を活かしたコミュニケーションとして明確にルール化できているところは、まだまだ少ないです。
 
ヘルスコーチングを取り入れたコミュニケーションの設計では、例えば事前ヒアリングの情報をパーソナライズする時の基本情報として活用したり、スタート時点との変化を見つけるための情報と位置づけ活用したりします。
 
サービス・プログラムのコミュニケーションの中で、どのタイミングで事前ヒアリングのどの情報をどのように活用するのかまでルール化することで、システム化はもちろん、人がサポートする場合でもサービス品質が一定に保たれるのです。
 
 
---3-2)ルール化の例(その2):選択支援のための提示ルール
 
ヘルスコーチングでは、目的やゴールを設定し、その目的やゴールに向けて具体的な行動にフォーカスして、PDCAサイクルを回しながら進めていきます。
 
この具体的な行動の取り組みは、生活習慣とも関係しているため、なかなかハードルも高く、継続が難しい状況が発生するものです。
 
継続が難しい状況の場合、ある程度工夫して粘り強く取り組むことが必要なケースもありますが、それでも継続が難しい場合には、無理をして頑張って取り組むという困難を乗り越えるアプローチよりも、むしろ具体的な行動を入れ替えて継続できそうな取り組み、行動を早く見つけることのほうが、行動の習慣化という観点では近道になります。
 
そのため、具体的な行動を入れ替えるタイミングにおいて行動の選択を支援するコミュニケーションの具体的なルールも必要になってきます。
 
そもそもヘルスコーチングでは、対象者が主役のコミュニケーションです。そのため、対象者が自ら具体的な行動を選択する、決定するプロセスが必要になります。
 
しかし、行動の選択をサポートする際には、いくつかの選択肢を提示したりレコメンドしたりする「選択支援」が求められます。
その際、どんな基準で行動を提示、レコメンドするのかといったルール化が必要なのです。
 
この具体的な行動は、成果や結果に直結するため、「人」の経験値や「人」の考えに頼ったレコメンドや提示では、成果にバラツキが生じてしまいます。
 
サービス・プログラムの根幹となるアプローチやメソッドとの関連性も必要になってくるため、具体的な行動のレコメンドや提示のためのコミュニケーションのルール化が重要になります。
 
具体的に行動を提示する時には、サービス・プログラムの根幹となるアプローチやメソッドに則していることを前提に、その範囲の中で対象者にパーソナライズしていくことになります。
 
このパーソナライズする際、どの情報を基準に提示するのかということもルール化の一つです。
 
例えば
・事前ヒアリングによる対象者のライフスタイル情報
・対象者が設定したゴールや目的
・対象者がこれまでに取り組んだ行動
・対象者の取り組みの状況や結果
など
 
上記のような提示する際の具体的なルールや情報を定義するコミュニケーションの設計が、オンラインでのヘルスコーチングのコミュニケーションを組み込む際にはポイントになってくるのです。
 
 
今回お話したコミュニケーションの設計から、より一歩踏み込んだコミュニケーションのルール化まで含めて準備することは、サービス品質の均一化や効率化するためには避けては通れないステップです。
 
さらに、コミュニケーションのルール化まで明確にしておくことこそが、AIの活用やシステムの活用に辿り着くための近道とも言えるのです。
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「個人も再定義の時代へ」
 
トヨタがメーカーからサービス・ブランドへと自らの事業コンセプトを再定義したことは多くの方がご存知と思います。この流れは個人にも言えることだと思いませんか?
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <7クリップ>
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[1]大塚製薬、女性の健康をサポートする「エクエル」米国にてDtoCチャネルで販売開始し事業拡大へ
エクエルは、大豆を乳酸菌で発酵させた成分エクオール含有サプリメント。医薬品を使わずにより自然な方法で不調に対処したいと考える米国女性に、更年期やエクオールに関する情報や製品をダイレクトに提供。(2019/04/12)
 
[2]ファンケル、新業態店舗「FANCL New me」をオープン【PDF】
「FANCL New me」は、若年層とファミリー層を対象に、居心地の良い空間で専門知識を有したスタッフとコミュニケーションしながら気軽に製品を試すことができる。美と健康を目指すあなたを輝かせる「体験・体感型」店舗。(2019/04/12)
 
[3]テック・パワー、かんぽ生命アプリにエイジング・ダイエットアプリ“FaceAI”を提供開始【PDF】
FaceAIは、iPhoneまたはAndroidデバイスで、ユーザー自身の顔写真から本格的なエイジング/アンチエイジング・ダイエットシミュレーション・喫煙/禁煙・飲酒シミュレーションを行う事ができる。(2019/04/15)
 
[4]ベネフィットワン・ヘルスケアと帝人、業務提携しストレスチェック利用者に睡眠チェックサービス「スリープチェック」を提供
従業員の不眠や睡眠障害の抑制を目的として、ベネフィットワン・ヘルスケアと契約する企業のストレスチェック利用者に対して、帝人が展開する睡眠チェックサービス「スリープチェック」の提供を開始する。(2019/04/15)
 
[5]クレディセゾン、脳活性総合研究所へ出資【PDF】
脳活性総合研究所では、医療機関で提供されている認知症であるか否かを判定する認知症テストとは異なり、認知症以前の正常時から脳の認知機能レベルを定期的に把握し、認知症の兆候といわれている認知機能の低下を本人や周囲が異変に気付きにくい段階で把握できる検査「脳活性度定期検査」を提供予定。(2019/04/16)
 
[6]Microsoft、医療情報管理サービス『HealthVault』を11月に終了へ
HealthVaultは、Microsoftの初期のヘルスサービス製品として残っているものの1つ。11月20日に終了し、保存されているデータは同日以降削除される。(2019/04/15)
 
[7]『mHealth Watch』注目ニュース:三菱地所、企業と個人の健康意識・行動の活性化を企図したアプリ『丸の内ヘルスカンパニー』
これまで「健康施策」は会社、企業単位で行うことといった概念が強かったと思うのですが、会社・企業の枠組みを超えて、会社・企業同士の連携や地域との連携など、これまでの枠組みや範囲とは異なった取組みや展開の可能性を感じました。(2019/04/22)
 
 
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