[海外事例にみる企画ヒント編]一人では長続きしにくい瞑想にライブ感を取り入れた「Journey Meditation」
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[海外事例にみる企画ヒント編]2019年9月17日号
≫≫≫Author:脇本 和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
[海外事例にみる企画ヒント編]の7月号8月号では、リリース後4年間で売上700億円に達し、デジタルホームフィットネス市場を創っているPelotonを紹介しました。
Pelotonの成功をもとに、その後様々な企業が類似の取り組みをしています。
今回紹介する事例「Journey Meditation」も、その一つ。
自宅で一人で瞑想を行っても長続きしない人に向けてライブレッスンを行っています。
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---一人では長続きしにくい瞑想にライブ感を取り入れた「Journey Meditation」
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「デジタル化の魅力(3)」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 Activ5、海外 Optum調査など、8本
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>
一人では長続きしにくい瞑想にライブ感を取り入れた「Journey Meditation」
米国で瞑想は、2006年にグーグルが社内研修で瞑想を取り入れた頃から話題となり、2013年頃には瞑想に関する科学論文が数多く発表されました。
そして、今では瞑想スタジオ、本、スマホアプリ、静養所などがあり、市場が確立しています。
瞑想は自分に向き合うため本来一人で行うもの。でも、自宅で一人で行う瞑想は長く続かない。
Journey Meditationは、そんな人に向けてライブレッスンを提供しています。
では、まず事業概要をみましょう。
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1.Journey Meditationの事業概要
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■企業名:Journey Meditation
■設立:2015年
■資金調達:2.6億円(2019年8月時点)
■売上:非公開
■サービス概要と価格
インストラクターが指導する瞑想セッションのライブレッスンに自宅から参加できるサービス
・年 間:95.99ドル
・1か月:19.99ドル
■顧客ターゲット
(B-C)
・ストレスや不眠など心身の不調を改善したい人
・集中力、幸福感などをアップさせたい人
(B-B)
・企業の福利厚生や労務担当者(Nike、Facebook、Disneyなど大手企業が採用)
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2.サービスの流れ
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次にサービスの流れを簡単にみましょう。
(1)アプリをダウンロードし、瞑想のテーマを選ぶ
テーマには、
-Happiness
-Performance
-Stress & Anxiety
-Better Sleep
-Relationship
-Learn to meditate
(2)ライブレッスンの希望時間帯を入力
(3)お勧めのライブレッスンが紹介される
それぞれのレッスンでは、インストラクターの名前、顔写真、時間、テーマが記載されている
(4)好きなライブレッスンを受ける
・インストラクターがライブレッスンで瞑想の理論と実践を解説、指導してくれる
・その際には、そのライブレッスンに参加している人数が表示されている
・時にインストラクターは参加者の名前を呼びかける
・インストラクターとコミュニケーションもとれる(詳細は別の機会に)
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3.Journey Meditationが仕掛けていること
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Journey Meditationでは、2つの点に注目したいです。
■ブームにのるだけでなく、新しい切り口を加える
8月に紹介したPelotonは、スピンバイクスタジオ(有酸素と無酸素の激しい運動を行えるエクササイズバイクを使いグループで楽しむスタジオ)のブームにのるだけでなく、自宅からでもその体験ができ、離れた参加者同士でも一体感を感じることができるという新しい切り口を加えました。
Journey Meditationも、「瞑想」というブームにのるだけでなく、インストラクターとともに自宅で本格的な瞑想ができるという新しい切り口を加えました。
つまり、両社ともうまくブームにのるだけでなく、そこに新しいサービスの切り口を加えていると言えます。
■インストラクターの採用の在り方
Pelotonでは、エキサイティングな体験を作れるよう、異分野からインストラクターをスカウトしていましたが、Journey Meditationのインストラクターは確実に瞑想習慣をつけられるよう、マインドフルネス系の有資格者や専門の人を採用しています。
ライブレッスンにおいてはインストラクターが重要なポイントです。サービスの狙いに合わせて、適切にインストラクターを採用していくことの大切さがわかります。
ブームにのるだけでなく新しい切り口を加えること、インストラクターの採用のあり方といった点は、今後、新しい健康ビジネスを仕掛ける際のヒントとして使えるのではないでしょうか。
【脇本和洋】
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「デジタル化の魅力(3)」
コミュニケーションに管理者が必要なくなり、そこでのブラックボックス化ができないので権力がそこに集中しないオープン環境を創ることができる。
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]タニタ、人気テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」とコラボレーションした体組成計と歩数計を新発売
登場キャラクターのとり下ろし音声で操作方法や計測結果をナビゲートする「僕のヒーローアカデミア ボイス体組成計」と、同作品の第3期までに登場するほぼすべてのキャラクターをあしらった「僕のヒーローアカデミア 歩数計」91モデル。(2019/09/04)
[2]ActivBody Inc.、スマートフィットネスデバイス「Activ5」がアジア太平洋地域のApple Storeで発売開始(PR TIMES)
Activ5は場所を選ばずにトレーニングができるデバイス。専用アプリ「Activ5トレーニングアプリ」を使えば、5分で行える100以上のパーソナライズされたトレーニングメニューやトレーニング結果を見ることができる。(2019/09/04)
[3]医療・健康データのうち、計測&活用できているものTOP7(ウーマンズラボより)
生活者は普段からどのようなデータを記録・活用しているのか?マクロミルが実施した調査によると、活用率が最も高いのは「血圧」。(2019/09/04)
[4]ヘルステック関連の市場規模3,038億円へ(2022年)注目カテゴリーと企業事例(ウーマンズラボより)
AIやビッグデータなど進歩が目覚ましい新しいテクノロジーは、ヘルスケア領域のさまざまな課題を解決する可能性を秘めており、国、産業、アカデミアがヘルステックに熱い視線を注いでいる。(2019/09/07)
[5]オムロン ヘルスケア、40代から70代の男女6,000人に聞いた人生100年時代におけるシニアの健康に関する意識と実態 調査結果概要
「アクティブシニア」と「諦めシニア」の二極化が浮き彫りに。将来の不安要素は「お金」?「健康」?調査結果から見えてきた人生100時代におけるシニアの実態。(2019/09/09)
[6]富士通総研、健康経営の実現に向けブロックチェーンを活用した社員向けコインの実証サービス開始
本サービスには、地域活性化スタンプラリーなどで得られたゲーミフィケーションの知見を取り入れており、社員はさまざまな行動を起こすことでスタンプを獲得することができる。(2019/09/09)
[7]調査:米国の雇用主の健康に関する最新の焦点
Optum社が行った調査によると、ウェルネスプログラムへの投資を継続しようとしている雇用主は、行動による健康と女性の健康をターゲットにしたサービスに注目している。(2019/09/04)
[8]『mHealth Watch』注目ニュース:『seeker』で自分の症状に合った歯科医院を見つける!
今回注目したのは、自分の症状の治療を得意とする歯科医院を探せる、plaza社のマッチングサイト「seeker(シーカー)」について。(2019/09/17)
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