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2014.10.8
トップギアインターナショナル合同会社 
代表 白方 健一 氏

筆者もランナーですが、実は走り始めて最初に出会ったランニングコーチが白方さんだった。それをきっかけにランニングに関する様々なビジネスサポートをいただいている。
 
ランニングという健康ライフスタイルにとても相性の良いこの世界での彼らのポジショニングを伺った。
プロフィール
白方 健一[しらかた けんいち]
1978年生まれ。東京都出身。TopGearインターナショナル合同会社 代表ヘッドコーチ。自身も生涯ランナーをモットーに、ウルトラマラソン、トレイルランなどで快走中。あらゆるランナーへライフスタイルにフィットしたオリジナルメソッドの提案をしている。大会主催やランニングクリニックも多数開催し、メディアにも多数出演中。
 
筑波大学大学院 人間総合科学研究科
スポーツ健康システム・マネジメント専攻 修士課程(2014ー)

なぜ?ランニングコーチなのか?

「大学時代に自身も中距離選手で針灸師の資格を持つ先輩にフィジカル面を教えてもらい、格段と成績が伸びました。これが自分でプログラムを考えたり、コーチングに興味を持った原体験だったかもしれません」
 
そのとき、約半年で1,500mを4分20秒だったのが3分台までになったという。そしてそのノウハウを後輩に指導し、タイムを伸ばすことにも成功しています。
 
元々白方さんは体育系ではない。農学部を出て食品メーカーの製造部門に所属しており、商品企画開発への興味が同社への志望動機であったものの、なかなか実現せず、自分の知識・技術の応用の領域としてなんとランニングに進むことになったのだ。
 
「私自身は実業団選手でもなくランニングの資格も何もないので、どこかで自分の格付けを上げるかを考えたとき、マラソンのパフォーマンスを上げるしかありませんでした。2005年にホノルルで8位に入った時からターザンなどのメディアへ出られるようになりました」
 

ランニングをブームからムーブメントへ

トップギアとしての活動はパーソナルトレーニングとイベント企画になる。月間では約200名がイベントに参加し、コアメンバーは約50名前後とのことだ。白方さんはパーソナルトレーニングをとっても大切にしている。

「パーソナルを希望されるのは企業のトップの方が多いです。そのような方は目的が明確です。マラソンのタイムアップか、初めての完走などです」
 
企業のトップとして多忙な毎日を送りながら練習時間を融通するのでどうしてもパーソナル対応になるとのこと。
例えば6ヶ月のマラソン完走目的としたパーソナルトレーニングメニューは
 
・運動経験のヒアリング
・スタミナのチェック
・練習メニューの設定
・週一程度でのフォームチェックや併走
・10kmやハーフなどでのレースチェック
・日頃の練習メニューのフィードバック
 
1回パーソナル1.5万×4×6ヶ月で36万(消費税別)
紹介が続き、絶えず5名のパーソナルをサポートしているとのこと。
 
そして、この秋からスタートする事業が自己ベスト達成に貢献する『JAFT認定プロランニングコーチ養成講座』だ。
 
「ランニングをブームからムーブメントへと確実に発信する人をつくっていく活動を開始します。知識を持ってしっかりとアウトプットもできる人をつくっていきます。スポーツシューフィッターとして有名な藤原岳久コーチと組んでいきます。ランニングの指導はどうしても経験則が多くを占める傾向が強く、思い込みとかそもそも評価がなかったりでしたが、医科学的な根拠に基づいた視点でクライアントの走動作を評価できる力を養成したり、クライアントの運動能力・性格・モチベーションなどの状況を把握しながら適切なアプローチを選択し、実行できるコーチング力、そしてトレーニングの処方力などを身につけてもらう講座です」
 
既にシリアスランナーも含めた申込みがあるそうだ。
 
この事業を通じて
「共通言語で話せる人をチームとして増やしていくことによって自分の店を全国展開するのではなく、ノウハウベースを人を通じて広めることでより大きなことができるのではと思っています」とのこと。
 
運動経験の無い人がフルマラソンを完走するというひとつの感動体験は、そのプロセスをいかに楽しんでもらうかが重要だと白方さんは言う。その新しい自分との出会いは、その人のライフスタイルに確実に影響を与えていくことになる。
 
つまり、白方さんたちの仕事はランニングを通じたライフスタイルプロデュース業でもあるのだなと感じる。
 
自らもトライアスロンなど新しいフィールドにチャレンジしている白方さん率いるトップギアが、東京オリンピックのとき何をしているか、またぜひともインタビューしてみたい。



取材後記:
とても爽やかなインタビューができボクが得した気分です。
 
 
 
インタビュアー:大川耕平
 
[取材日:2014年10月1日]