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[海外注目企業の継続支援編] 2016年1月26日号
          ≫≫≫Author:脇本和洋
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「海外注目企業の継続支援編」を執筆している脇本和洋です。
 
健康ビジネスの成功のカギである「継続支援」。
今回は、米国最大のダイエットセンターである「ウエイトウォッチャーズ」の
2016年に始まった新サービスに着目し、継続支援の工夫をチェックしましょう。
 
新プログラムは、
 
・「Beyond the Scale」(=「体重計測に縛られない!」)
 
さて、その内容はどうなっているのでしょうか。
 
 
■□■□■□■ I N D E X ■□■□■□■
 
【1】特集:海外注目企業の継続支援編
---「ウエイトウォッチャーズ」の新サービスにみる継続支援
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「インフォギフト」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新商品・セミナー情報、海外 CES2016情報など9本
 
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【1】特集:海外注目企業の継続支援編
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【テーマ:「ウエイトウォッチャーズ」の新サービスにみる継続支援】
 
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「ウエイトウォッチャーズ」とは
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■企業名:Weight Watchers International, Inc
■設立:1963年
■上場:2001年
■売上:1,479milUSD(2014年)
 (1ドル=100円として約1,479億円)
 
■同社のサービス
・施設サービス(ダイエットセンター)
・ウェブサービス
・パーソナルコーチングサービス
・商品販売
 
■同社のダイエット法(ポイントプログラム)
 
自分の1日の持ちポイントの上限が決められ、その範囲で食生活を行う。持ちポイントは、年齢、性別、身長、現体重、目標体重により、算出される。
 
ポイントは、食品に含まれる「脂質・炭水化物・食物繊維・たんぱく質」の4つの要素をもとにして独自の計算式で換算。
 
高たんぱくの食品はポイントが低く、バターやシュガーなどの糖質が多い食品はポイントが高い。フルーツと野菜のポイントはゼロ。
高たんぱく、低糖質の食事、さらに野菜とフルーツを摂る食生活が自然と身に着くというもの。
 
 
参考>ウエイトウォッチャーズのバックナンバー
 
 
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2016年の新プログラム:Beyond the Scale
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2016年に入り、同社は「Beyond the Scale」という新しいプログラムを開始しました。Beyond the Scaleは、「ポイントプログラムの確実な実践とともに、軽い運動を習慣化し、日々の体調変化や気持ちよさを感じながらダイエットを行う。体重の変化に一喜一憂しない」というものです。新プログラムの柱は以下の2つです。
 
1)New SmartPoints(ポイントプログラムの確実な実践)
 
2)New Fitness approach(軽い運動を加える)
 
この2つについて解説します。
 
 
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1.New SmartPoints(ポイントプログラムの確実な実践)
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2016年に新しくなったNew SmartPoints。根本となるダイエット法「ポイントプログラム」に変化はないが、ポイントの管理を行うサイト・アプリの画面、機能が大きく強化されました。
 
■2016年の強化点
 
1)サイトデザインの刷新
昨年までの食事の記録ページのデザインは、単に数値ポイントを記録するための、どちらかと言えば味気ないものでした。新サイトでは、レストラン雑誌のような食事のおいしさ、楽しさ、シズル感を感じながら記録できるよう、食事のビジュアルを数多く提示し、それを見ながら記録できるようにしています。
 
2)人気メニューの提示
会員の中でどのメニューが人気があるかが即提示されます。
 
3)素材からのメニュー検索
素材だけ決まっていて、どんなメニューにするか決めていない場合、素材を入力するとどんなメニューがあるか提示します。
 
4)24時間対応のエクスパートチャットへの誘導
エクスパートチャットとは、同社のポイントプログラムに詳しい人がどんな質問にも24時間対応で即時に答えてくれるというもの。サイト上に常にそのメニューが現れ、どんな時にでも即時対応してくれます。
 
 
■継続の工夫
 
食事記録ページのデザインを「レストラン雑誌のよう」と表現しましたが、2016年版の同社のサイトは、全体を通じて女性ファッション誌のような「かっこよさ」を表現し、「ウエイトウォッチャーズのダイエット法を行っていること、それ自体がかっこいい!!」そんな雰囲気をだしています。
 
 
参考>オンラインプラス
 
 
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2.New Fitness approach(軽い運動の習慣化)
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ウエイトウォッチャーズといえば、食事の管理によるダイエット法というイメージが強くありました。また、2015年にFitbitなど外部デバイスからのデータを連携する程度は行っていましたが、あくまで補助的なものでした。
 
 
■2016年の強化点
 
1)「FitPoint」で管理を行う
 
今迄、運動に関しては明確な目標値まではありませんでした。2016年からは、運動の目標値が「Fit Point」として提示されます。
(例:運動レベルの低い人は1日のFitPointは1ポイントと設定されます。1ポイントとは約10分間の中程度の運動をすることを指します)
 
「FitPoint」は食事のポイント管理と同じように毎日行います。
 
2)運動を増やす独自アプリ「Fitbreak」を導入
 
同社は2015年春に、「welios」と「Hot5 Fitness」という2つのフィットネスアプリを買収していました。その2つのアプリを活用し、2016年の新アプリ「FitBreak」をリリースしました。
 
FitBreakは、同社の会員ならば使える無料のアプリです。
このアプリの特長は以下です。
 
・「1分間の運動」をどこでも、いつでもできるように様々な運動アイデアを動画で提供する
・簡単な運動動画が流れた後、1分間のカウントダウンがはじまり、その間運動を行う。
 
FitBreakとFitPointとの連動がなされていれば、記録が容易になりますが、現時点では連動していません。
 
 
参考>FitBreakアプリの概要
 
 
■継続の工夫
 
2016年の新しい取り組みである「軽い運動」の支援。どこでも(屋外の公園で、室内で座ってなど)できるよう運動の種類を多くあげ、運動が苦手な人(時間がない人)でもできるよう、工夫しています。
 
 
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3.「ウエイトウォッチャーズ」にみる継続支援のポイント
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今回は、「ウエイトウォッチャーズ」の2016年の強化点をみました。
同社は最新のエビデンスや研究成果をプログラムの中に入れ込むことを得意にしています。上記に記載したことも含めて、気になる点を3つ整理します。
 
 
●軽い運動を含めることが最終的には「食事中心のダイエット」に成功をもたらす
「FitBreak」では、1分間でできる(汗をかかない程度で、消費カロリー自体は多くない)運動を推奨しています。同プログラムを開発した専門家は、「軽く運動することにより、日々気持ちよく生き生きと過ごせるようになる。それが結局のところ、食事管理が長く継続できる」ということを述べています。
 
 
●体重計に毎日乗らない
 
今回のプログラムの名称である「Beyond the Scale」。つまり、「体重を測ることに縛られない」ということでした。今まで体重計に日々乗るように気を付ければ、それだけ意識が増すのでダイエットが成功しやすくなるという考えが多くありました。実はその結果、一喜一憂することでやる気を維持できず、継続できない理由にもなっていたのです。
 
最新プログラムでは、1週間に1回の体重測定を勧めます。ただ、何を食べたか、どんな軽い運動をしたかは毎日記録するようにし、日々の体調(朝起きた時の気持ちなど)に敏感であるように伝えています。
 
 
●情動的摂取への対応
 
ダイエット中には、「いくら食べても、まだ食べ物が欲しい!」そんな心理的状態になり、ダイエットが決定的に止まってしまうことがあります(情動的摂取と呼ぶ)。同社はその際には、3つのコツがあると伝えています。
 
1.他のことを考える。(なんでもいいから考えるのでなく、なぜウエイトウォッチャーズに入ったかなど、このプログラムに参加した理由や動機を考える)
2.何か違うことをする(特に1分間の運動がよい)
3.違う環境にでかける(特に1分間の運動がよい)
 
 
今回は、ウエイトウォッチャーズ社の最新プログラムと継続のコツを紹介しました。ヒントとなる点はありましたでしょうか。
 
世界最大のダイエットセンターである同社が毎年1月に発表する、2016年の本気のプログラムです。是非チェックしてみてください。
 
 
参考>プランベーシック
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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[2]MSD、「糖尿病が気になる人のためのHEALTHY BALANCE RECIPE」ウェブで公開
ABCクッキングスタジオとのタイアップ・レシピブック。糖尿病疾患啓発サイト「患者さんのための糖尿病ガイド」に電子版を公開。1日1,600kcalを目安にした朝、昼、晩の栄養バランスレシピを紹介する。(2016/01/13)
 
[3]ジェトロ、北米における新ビジネス創出事例(2016年1月)
北米では技術革新や新サービス、ビジネスモデルなど、これまでにないビジネス上の付加価値が数多く生まれている。こうした動きの経緯や事業環境の変化に焦点を当てて北米各地域の事例を紹介。「フィットネスが多様化、手軽さや娯楽性が人気に」など(2016/01/14)
 
[4]富士フイルム、機能性表示食品「飲む食べる私のサプリ」新発売
女子会など外食の機会が多い人や食事の糖質が気になる人をサポートする機能性表示食品。糖の吸収を抑える機能性が報告されている機能性関与成分「サラシア由来サラシノール」を配合。(2016/01/18)
 
[5]新社会システム総合研究所、「未来予測、貴社のビジネスモデルは通用するのか?」医療介護ヘルスケアビジネス戦略 2025ー顧客(患者)情報の争奪戦が始まるー
開催日は2月16日(火)。今回のセミナーでは「医療改革の本質とは」「仁術から、算術、さらには情報ビジネスへ」「ビジネス勝者は誰か?その条件は?」について解説。
 
[6]パソナと横浜銀行、健康経営セミナー「健康な従業員こそ収益の高い会社をつくる!」健康経営とストレスチェック対策について
開催日は2月19日(金)。ストレスチェック制度の概要やポイントの解説、効果的な実施方法について健康経営セミナーを開催。
 
[7]CES2016:Intel基調講演、スポーツ・ゲーム・ロボット・ファッションと幅広い日常シーンを激変させる新技術満載
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[8]Hometeam、モバイル対応シニアケアサービスで27億5,000万ドル調達
家族はHometeamを利用して高齢者宅に介護者を送ることができ、介護者は食事の準備、薬の服用サポート、良好な衛生状態を保つ手助けをする。Hometeamは各契約者宅にiPadを常備し、介護者が楽しい活動計画を立てたり日々の経過状況について家族に報告できるようにしている。(2016/01/14)
 
[9]CES2016:ウェアラブル製品、写真で見る注目機種
展示されたウェアラブル製品の中からCNETが注目したウェアラブル15機種を紹介。Razerの「Nabu Watch」、Under Armourの「UA HealthBox」、Healbeの「GoBe 1.2」など。(2016/01/19)
 
 
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