健康行動の継続率を向上させる「パーソナライズ」のチェックポイント
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特集:健康行動の継続率を向上させる「パーソナライズ」の
チェックポイント
<今回の切り口>
・パーソナライズのプロセスは?
・パーソナライズプロセスごとのチェックポイントは?
※今回は通常の海外ユニーク事例紹介でなく、
健康行動の継続に関するスポルツの自主研究「継続ドライバ」について、
特集として紹介します。
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スポルツでは、国内外の様々なビジネス事例研究から、
健康行動の『継続率を向上させる』支援技術を探査・抽出・整理し
「継続ドライバ」と命名し、自主研究しています。
本メルマガでも、今までにいくつかの継続ドライバを紹介しました。
今回は、その中の「パーソナライズ」をとりあげます。
「パーソナライズ」は一人一人に合った選択を可能にする技術のことで、
人々が愛着を感じ、健康行動の「継続率を高める」上で効果的と考えられ
ます。
特に、
・パーソナライズを、企画の柱にしようと考えている
・現在パーソナライズを事業や商品に組み込んでいる
という読者の方、是非チェックしてみてください。
※10の継続ドライバ概要は下記ページの一番下の
「継続ドライバプロジェクト最新資料」をご覧ください。
http://www.sportz.co.jp/service/
───────────────────────────────────
パーソナライズのプロセスは?
───────────────────────────────────
パーソナライズのプロセスは、
・Before=対象者の現状把握
・Live=提案
・After=提案後の継続リレーション
の3つに分けると、各プロセスの役割が明確になります。
※本号の事例シート(PDF形式)には、各プロセスでの代表的な項目を整理
したので、参考にしてください。
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/67.html
■Before=対象者の現状把握
代表的な現状把握の項目としては、
・デモグラフィック項目(年齢、性別など)
・目的/目標/生活スタイル
・健康状況(興味のある健康テーマ、体調や健康状態など)
・健康行動状況(行動変容理論上の期、食生活の状況など)
などがあります。
■Live=提案
代表的な提案の項目としては、
・現状の見える化(不足栄養素表示、同世代との比較表示など)
・情報の編集(健康ポータル情報がマイページ化されるなど)
・具体的なアドバイス(食品の摂り方、食生活の方法のアドバイスなど)
などがあります。
■After=提案後の継続リレーション
代表的なリレーション項目としては、
・実行時のうまくいかない点のフォロー
・定期的な現状把握の推奨
などがあります。
以上3つのパーソナライズプロセスごとに、チェックポイントを考えました
ので、それを紹介します。
───────────────────────────────────
Before(対象者の現状把握)プロセスでのチェックポイント
───────────────────────────────────
健康状況、健康行動、年齢、性別といった項目の把握が多くの事例で中心と
なっていますが、パーソナライズの結果が、「まじめ一本の健康アドバイス」
にならないようにするためにも、心理的な特性や達成後のイメージを把握する
ことが重要と考えます。
□性格、趣味など心理的特性の把握
本人の性格や、趣味、好きなことなどの心理的特性を把握すること。その情報
をもとにまじめすぎず健康にアプローチする提案が可能になります。
□ビジョンの把握
ビジョン(例えば、目標数値を達成した時に自分の環境や仕事、家族との関係
などをどう変化させたいか)を把握しておけば、その情報をもとに、次のプロ
セスで幅広い提案ができます。
□現状把握と提案とのバランス
現状把握に多大の時間をかけ、次の「提案」のレベルが低いと顧客の信頼を
失います。当然ですがそのバランスへの配慮が必要となります。
───────────────────────────────────
Live(提案)プロセスでのチェックポイント
───────────────────────────────────
「提案=個別アドバイス」と考え、まずアドバイスを企画する場合がよく見ら
れます。提案の前には、本人が「気づく」という行為が重要であり、「現状の
見える化」が大切なポイントとなります。
□現状の見える化という価値
既存情報の中から、その人に合った情報を編集(見える化)し、
気づきを与えるだけでも、パーソナライズになります。
□トライ&エラーを前提とする
多くの健康行動は、飽きたり、途中で継続できなくなります。
そのことを大前提に、豊富な選択肢を用意し、トライ&エラーを前提とした
提案を行います。
□提案の重み付けと最終選択余地
「効果」のある方法の重み付けをして、最終的な選択は本人に任せることに
より、本人のやる気を高めます。
□エビデンスの見える化
各提案内容がどの程度、効果が証明されているのかも提示します。
(特に男性の場合、根拠を知り納得して行いたいという人が多い)
───────────────────────────────────
After(提案後の継続リレーション)プロセスでのチェックポイント
───────────────────────────────────
日本では、Before(対象者の現状把握)とLive(提案)で終わっている事例が
多く、Afterまでをサービス設計している事例は多くはないようです。最終的
な結果を出すには、「After」のプロセスが重要であり、今後特に重要になる
プロセスと考えます。
□期間設定
プログラムの期間をどのように設計するかがポイントになります。
期限を設定しない方法と、あえて一定期間を設定する方法(卒業型にする)が
ありますが、ターゲットやテーマにより期間設定をどう行うかがポイントに
なります。
□傾聴と承認(フィードバック)
リレーション時においては、今後の行動のすべてをユーザーに考えさせるので
なく、また一方的に提案するのでなく、共に考える姿勢が重要になります。
(これはLiveにも共通しています)
───────────────────────────────────
スポルツの視点:
───────────────────────────────────
■今回は、パーソナライズプロセスごとのポイントを紹介しましたが、
パーソナライズ全体のポイントとして、費用の考慮があります。
パーソナライズを入れると、通常費用は高くなりますが、他の余分な機能を
削るなどし、費用を必要以上にあげない工夫が必要になります。
■また、パーソナライズは他の継続ドライバと連携して使うことで効果が
高まると考えられます。
■スポルツでは今後も「継続ドライバ」の研究を進め、メルマガやサイトを
通じて発表していきますので、引き続き参考にしてください。
●継続ドライバに関する情報交換
本号に関しての、ご意見・ご感想を是非お聞かせください。
また、読者限定の「情報交換」を歓迎しています!
下記よりご連絡ください。
https://www.sportz.co.jp/contact/
●本号の参考バックナンバー
・インセンティブ特集(2009年2月配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/237.html
・ヘルスコミュニケーション特集(2009年3月配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/238.html
・ビジュアルモニタリング特集(2009年5月配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/242.html
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特集:健康行動の継続率を向上させる「パーソナライズ」の
チェックポイント
<今回の切り口>
・パーソナライズのプロセスは?
・パーソナライズプロセスごとのチェックポイントは?
※今回は通常の海外ユニーク事例紹介でなく、
健康行動の継続に関するスポルツの自主研究「継続ドライバ」について、
特集として紹介します。
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スポルツでは、国内外の様々なビジネス事例研究から、
健康行動の『継続率を向上させる』支援技術を探査・抽出・整理し
「継続ドライバ」と命名し、自主研究しています。
本メルマガでも、今までにいくつかの継続ドライバを紹介しました。
今回は、その中の「パーソナライズ」をとりあげます。
「パーソナライズ」は一人一人に合った選択を可能にする技術のことで、
人々が愛着を感じ、健康行動の「継続率を高める」上で効果的と考えられ
ます。
特に、
・パーソナライズを、企画の柱にしようと考えている
・現在パーソナライズを事業や商品に組み込んでいる
という読者の方、是非チェックしてみてください。
※10の継続ドライバ概要は下記ページの一番下の
「継続ドライバプロジェクト最新資料」をご覧ください。
http://www.sportz.co.jp/service/
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パーソナライズのプロセスは?
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パーソナライズのプロセスは、
・Before=対象者の現状把握
・Live=提案
・After=提案後の継続リレーション
の3つに分けると、各プロセスの役割が明確になります。
※本号の事例シート(PDF形式)には、各プロセスでの代表的な項目を整理
したので、参考にしてください。
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/67.html
■Before=対象者の現状把握
代表的な現状把握の項目としては、
・デモグラフィック項目(年齢、性別など)
・目的/目標/生活スタイル
・健康状況(興味のある健康テーマ、体調や健康状態など)
・健康行動状況(行動変容理論上の期、食生活の状況など)
などがあります。
■Live=提案
代表的な提案の項目としては、
・現状の見える化(不足栄養素表示、同世代との比較表示など)
・情報の編集(健康ポータル情報がマイページ化されるなど)
・具体的なアドバイス(食品の摂り方、食生活の方法のアドバイスなど)
などがあります。
■After=提案後の継続リレーション
代表的なリレーション項目としては、
・実行時のうまくいかない点のフォロー
・定期的な現状把握の推奨
などがあります。
以上3つのパーソナライズプロセスごとに、チェックポイントを考えました
ので、それを紹介します。
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Before(対象者の現状把握)プロセスでのチェックポイント
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健康状況、健康行動、年齢、性別といった項目の把握が多くの事例で中心と
なっていますが、パーソナライズの結果が、「まじめ一本の健康アドバイス」
にならないようにするためにも、心理的な特性や達成後のイメージを把握する
ことが重要と考えます。
□性格、趣味など心理的特性の把握
本人の性格や、趣味、好きなことなどの心理的特性を把握すること。その情報
をもとにまじめすぎず健康にアプローチする提案が可能になります。
□ビジョンの把握
ビジョン(例えば、目標数値を達成した時に自分の環境や仕事、家族との関係
などをどう変化させたいか)を把握しておけば、その情報をもとに、次のプロ
セスで幅広い提案ができます。
□現状把握と提案とのバランス
現状把握に多大の時間をかけ、次の「提案」のレベルが低いと顧客の信頼を
失います。当然ですがそのバランスへの配慮が必要となります。
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Live(提案)プロセスでのチェックポイント
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「提案=個別アドバイス」と考え、まずアドバイスを企画する場合がよく見ら
れます。提案の前には、本人が「気づく」という行為が重要であり、「現状の
見える化」が大切なポイントとなります。
□現状の見える化という価値
既存情報の中から、その人に合った情報を編集(見える化)し、
気づきを与えるだけでも、パーソナライズになります。
□トライ&エラーを前提とする
多くの健康行動は、飽きたり、途中で継続できなくなります。
そのことを大前提に、豊富な選択肢を用意し、トライ&エラーを前提とした
提案を行います。
□提案の重み付けと最終選択余地
「効果」のある方法の重み付けをして、最終的な選択は本人に任せることに
より、本人のやる気を高めます。
□エビデンスの見える化
各提案内容がどの程度、効果が証明されているのかも提示します。
(特に男性の場合、根拠を知り納得して行いたいという人が多い)
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After(提案後の継続リレーション)プロセスでのチェックポイント
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日本では、Before(対象者の現状把握)とLive(提案)で終わっている事例が
多く、Afterまでをサービス設計している事例は多くはないようです。最終的
な結果を出すには、「After」のプロセスが重要であり、今後特に重要になる
プロセスと考えます。
□期間設定
プログラムの期間をどのように設計するかがポイントになります。
期限を設定しない方法と、あえて一定期間を設定する方法(卒業型にする)が
ありますが、ターゲットやテーマにより期間設定をどう行うかがポイントに
なります。
□傾聴と承認(フィードバック)
リレーション時においては、今後の行動のすべてをユーザーに考えさせるので
なく、また一方的に提案するのでなく、共に考える姿勢が重要になります。
(これはLiveにも共通しています)
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スポルツの視点:
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■今回は、パーソナライズプロセスごとのポイントを紹介しましたが、
パーソナライズ全体のポイントとして、費用の考慮があります。
パーソナライズを入れると、通常費用は高くなりますが、他の余分な機能を
削るなどし、費用を必要以上にあげない工夫が必要になります。
■また、パーソナライズは他の継続ドライバと連携して使うことで効果が
高まると考えられます。
■スポルツでは今後も「継続ドライバ」の研究を進め、メルマガやサイトを
通じて発表していきますので、引き続き参考にしてください。
●継続ドライバに関する情報交換
本号に関しての、ご意見・ご感想を是非お聞かせください。
また、読者限定の「情報交換」を歓迎しています!
下記よりご連絡ください。
https://www.sportz.co.jp/contact/
●本号の参考バックナンバー
・インセンティブ特集(2009年2月配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/237.html
・ヘルスコミュニケーション特集(2009年3月配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/238.html
・ビジュアルモニタリング特集(2009年5月配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/242.html
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