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海外ユニーク事例編:ヘルス2.0の代表事例「MedHelp」

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2012年も注目の「ヘルス2.0」
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今回は、2011年最後の「海外ユニーク事例編」です。

2011年に海外事例編として紹介したテーマを振り返ると、
一番数多くとりあげたのが、

「ヘルス2.0」でした。

ヘルス2.0は、最新ICT(情報コミュニケーション技術)を使って、
生活者情報(行動・知恵)を集合知化し、健康医療分野での
新しい価値提供を目指すものです。

キーワードは、
「User Generated HealthCare」(健康生活者自身が生みだすヘルスケア)

4月の米国「ヘルス2.0」カンファレンスには私も参加して、
現地の熱気を感じてきました。
その後、米国ではヘルス2.0企業に投資家の注目が集まり
大きな流れになってきています。

今号では、ヘルス2.0の動きが目立ってきた2008年当時から
現在にわたり、その代表事例の一つとして紹介されている、

「MedHelp(メドヘルプ)」というサイトを紹介します。


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企業概要
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■企業名:MedHelp
http://www.medhelp.org/

■設立:1994年

■売上:非公開

■ミッション:オンラインコミュニティを通して、医療専門家や患者同士による
       治療・対策情報のやり取りができる場をつくる
       (複数文より意訳)

■ターゲット:病気の患者とその家族

■サービス概要:コミュニティで患者同士や専門家からの情報を入手できる。
        また、健康記録と携帯アプリケーションが充実している

■実績:患者SNSでは世界最大とされている
・月間平均ユニークビジター数:1,200万人
(2011年12月、同サイトabout usより)

■料金:無料(ただし、登録が必要)

■収益源
・企業からの広告収入
・顧客が医師に質問した際の手数料


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サービスの全体像
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同サイトの主なサービスとしては下記の3つがあります。


■コミュニティ(フォーラム)

・メディカルサポートコミュニティ
 病気ごとの患者同士のコミュニティ。250を超えるコミュニティがある。
(妊娠、体重管理、心臓病、ストレス、うつ病、脱毛、風邪、アレルギー等)
 ※特に妊娠・出産のコミュニティが充実

・Ask a Doctorフォーラム
 病気のカテゴリー別に、患者が専門医に質問した結果が見え、
 それに書き込めるコミュニティ。
 医師に最初に質問するには20ドル支払う。
 クリーブランド・クリニックなど有名医療施設の医師200名以上と
 提携している。

http://www.medhelp.org/forums/list



■ヘルスツール

・トラッカー(記録)
 自分専用のマイページで「記録」をつける項目を選べる。
 積極的に見せ合うことでモチベーションを高めることを目的とする。
 消費カロリー記録、気分記録、生理記録、排卵記録などの30を超える
 ツールがある。

・アプリケーション(携帯向け健康アプリケーション)
 10以上のアプリケーションがある。
 たとえば、妊婦向けのアプリケーションでは、自分の出産予定日を入れると
 逆算して毎週その時期に知っておくべきことを教えてくれたり、同じ出産
 予定日の人を紹介してくれる。

http://www.medhelp.org/health_tools



■薬ごとのフォーラム

アルファベット順に薬が表示され、薬ごとにコミュニティが存在する。

http://www.medhelp.org/health_topics/drugs_list


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サービスの注目点(みどころ)
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■患者体験情報+医師による信頼性の高い情報

同サイトのコミュニティは、患者同士で行うコミュニティと、
患者が医師へ質問した結果を見ることができるコミュニティがあります。

患者同士でしか得られない体験情報、医師からの信頼性の高い情報の
2つがコミュニティ形式で同時に得られます。


■「時系列」に見せ合うことでやる気を高める「記録(トラッカー)」

ヘルス2.0の中心的な考え方が集合知です。例として同サイトの
「ウエイトトラッカー(体重記録)」を見ると、各人がその体重変化と対策を
「時系列」に見えるようにし、何が効果的であったかを参加者で共有できる
しくみにしています。


例)ウエイトトラッカー(体重記録)
http://www.medhelp.org/user_trackers/gallery/weight


見どころは、「時系列」であるという点です。

・どんな全体プロセスをたどったか?
・どんな行動をしたのか?
・どんな結果がでているのか?
・時点時点でどんなことを考えていたのか?(なにが障害としてあったか)

がわかります。

利用者としては、自分と似た状況・行動の人を見つけ、交流を行い
さらにやる気(モチベーション)を高めていると考えられます。


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スポルツの視点
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■今回は、ヘルス2.0の代表的な取り組み企業の一つとして「MedHelp」を
 紹介しました。

■米国ネットヘルスビジネスでは最大級サイトであるWebMD社も、
「MedHelp」の取り組みに刺激を受け、2010年3月に「Health Exchange」
 というコミュニティを立ち上げたという経緯もあります。

■同社のサイトの基本的考え方のキーワードに「Finding cures together」が
 あります。これは、具体的な解決に結び付くよう集合知化し、健康医療分野
 での新しい価値提供を目指すヘルス2.0の考え方に沿っています。

■今後のコミュニティのあり方を考える上での示唆の多い事例と言えないで
 しょうか。


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