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●ビジネスモデル事例【健康モニタリング機器】

   ~米国健康モニタリング機器の動向(1)~
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 「健康モニタリング機器」とは、ユーザーが血圧・心拍・食事・運動など
の健康データを測定・記録後、そのデータを送信して傾向を分析したり、
アドバイスや診療を受けることができる機器を指します。

データの送信方法は、測定機器をパソコンに繋ぎデータをネット経由で
送信するタイプや、携帯端末や無線技術など使う「ワイヤレス送信タイプ」
などがあります。

今回は、その「健康モニタリング機器」の分類を行い、代表例を紹介します。


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【分類】
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米国の「健康モニタリング機器」は、大きく下記の6種類に分けることが
できます。

1、心拍計
(例)Acumen社:TZシリーズ
腕時計型の心拍計。パソコンにデータをダウンロードし、傾向を見ることが
できる。
http://www.acumeninc.com/products.htm

2、歩数計・カロリー計
(例)Fitsense社:FS1シリーズ
腕時計型で、「距離・消費カロリー・スピード」を測定。ワイヤレス送信。
http://www.fitsense.com/tour3.asp#tourtop

3、総合データ測定機器
(例)Viometrics社:LifeShirt
ベスト型のジャケット。センサーが感知した健康状態(血圧、呼吸、心拍数)
のデータを、リアルタイムで送信して医師がモニタリングできる。
http://www.vivometrics.com/Products/index.html

4、特定の疾病用のモニタリング機器(喘息・糖尿病)
(例)LifeChart社:LifeChart
喘息患者が、マウスピースに息を吹き込みデータを測定、電話回線を利用し
送信できる。糖尿病患者に「血糖値データ」を測定できるシステムもある。
http://www.lifechart.com/

5、ヘルスアクションナビゲーション機器(運動プランのサポート)
(例)physicalgenius社:デジタルトレーニングアシスタント
サイトから好きな運動プログラムをダウンロード、運動を実行後、内容を
記録できる携帯型機器。データ(運動結果)をネットで送信し、指導を
受けることも可能。
http://www.physicalgenius.com/PG/index.html

6.その他(PDAや携帯電話を活用した機器)
(例)KIVALO社:KIVALO PROCESS
「血糖値データ」を収集。PDAを使ってデータを送信する。
http://www.kivalo.com/process.html


今回は、世界初の一般向け「ウェアラブル(着用可能な)健康機器」として
注目を集めている3、Viometrics社のLifeShirtを紹介します。

■Viometrics社
http://www.vivometrics.com/home.html


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【LifeShirtの特徴】 ベストを着るだけで30種以上もの健康データを測定!
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LifeShirtのターゲットは、慢性病患者から運動選手までの幅広い一般ユーザー
と、病院や製薬会社などの企業です。その特徴は、「ベストを着用するだけで
健康データを測定できるしくみ」にあります。

ベストに内臓された40以上のセンサーが、血圧・血流・呼吸数・心拍数など
全30種以上の健康データを測定し、ベルトに付けた小型端末を通じてデータ
センターに自動送信します。担当医師は、データセンターにアクセスして、
リアルタイムでユーザーの健康状態をモニタリングできるしくみです。

※LifeShirtの写真(重さ約300gで洗濯も可能)
http://www.vivometrics.com/Press/photogallery/index.html
※モニタリングのしくみの紹介
http://www.vivometrics.com/Products/index.html
※LifeShirtの専門的な解説(登録ユーザーにPDFで提供)
http://www.vivometrics.com/clinical_info/index.dsl

Viometrics社によると、来春頃までにLifeShirtのFDA(米国食品医薬局)から
認可を得る見込みとしており、価格は未定としています。


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【まとめ】
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こうした「健康モニタリング機器」が米国で発展している背景には、優れた
IT技術があるだけでなく、「自分の病気は自分で管理し、治すというセルフ
ケア」の意識が強くあると考えられます。

また、米国では、測定データを総合的に記録・管理できる「データセンター」
のサービスを提供する企業も増えてきています。

「健康モニタリング機器」及び「データセンター」が普及すると、医師と
患者の間で健康データの共有化が進むだけでなく、患者が自分の過去の
すべての健康データを医師から吸い上げ、完全に管理し、医師や治療法を
自由に選ぶといったことが可能になってきています。


【参考情報】

●TECHNOLOGY REVIEW(LifeShirtに関するニュース記事)
http://www.techreview.com/magazine/jul01/innovation8.asp

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