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[健康サービス・デザイン編]2017年9月5日号
   ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今回扱う事例は、ともにヘルスケアそのものではありませんが、サービスプロセスをどうデザインしていくか?を考える優れたトリガーになると思っています。
 
ぜひ、ご意見などお聞かせくださいね!
 
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「顧客の能動的活動のデザイン」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「体験共有から生まれるもの」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 機能性表示食品、海外 VR動向など、9本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>顧客の能動的活動のデザイン
 
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1、IoTのパワー
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前回の号で「今までの課題がチャンスに!」になるのがIoT時代の醍醐味であると述べました。
 
つい先日、ダイナースクラブから「ごひいき予約」というサービス開始のアナウンスがありました。とてもユニークで可能性を感じる動きなので共有させてください。
 
どのような内容かというと、ダイナースクラブ会員が使いたいと思う高級レストランや料亭などの予約キャンセルをクラブ側が買い取り、会員に対してLINEアカウントでお知らせするというサービスです。
 
高級飲食店にとってキャンセルは、そのチャージを取ったとしてもダメージが残ります。この損失の減少効果と会員にとって取りにくい予約席をゲットできるというメリットがあります。
 
課題がIoTによってチャンスとなり、新たなマーケットが生まれていく一つの形です。まさに飲食予約再販ですね。
 
 
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2、IoTをテコに変わる顧客の立ち位置
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IoTを活用したビジネスモデル進化を3つのステップにすると
 
◆ステップ1 繋げる
-IoTがデータレコーディング
 
◆ステップ2 スマート化
-データを使った価値創造提案
 
◆ステップ3 自律化
-顧客もパートナーも巻き込んだエコシステムの自律的価値増幅
 
おそらく「ごひいき予約」もこのステップを経て価値を磨いていくことになるでしょう。まず「ごひいき予約」はステップ1 繋げるにいます。
 
これからサービスをスタートしながら利用者の満足度やサービスプロセスにおける課題などを整理し、チューニングしつつスマート化を目指します。
 
スマート化を進めるプロセスの価値創造は、あくまでも顧客目線であることが重要です。
このスマート化プロセスでもっとも重要なことは、言い方を少し変えると実は顧客の立ち位置なのです。
 
スマート化はサービス品質の担保のみではなく、サービスを受動するという受け身から顧客の立ち位置を能動的スタンスにシフトしてもらえる回路を用意し提案するチャンスなのです。
 
これに成功すると自律化のステップでの価値増幅構造への可能性が一気に増していくのです。
 
 
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3、Amazon Treasure Truck(アマゾン トレジャートラック)
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顧客を能動的存在へと導く事に成功したのがAmazonがスタートしたこのトレジャートラックなのです。
 
米国のアマゾン会員は、
限定商品を搭載したトラックの運行ルートから受け取り地点を専用アプリで注文決済してチョイスします。
 
顧客は自ら欲しいと思った限定商品を定められた地点へ取りに行くという能動的存在となっている事が特徴です。
 
イベント型新消費モデルとも言えるかもしれません。
 
このトレジャートラックはド派手なデコレーションが施してあり、配布場所はお祭り状態が演出され、サンプリングイベントなどもあり、とにかく目立つそうです。
 
つまり、トレジャートラックでのピックアップというアクションを演出しているのですね。
その効果としてこの経験をユーザーはインスタグラムへ拡散し、ますます興味深いコトづくりとなっていくのです。
 
ここがスマート化プロセスで顧客に意味のある役割を提案して、参加してもらい価値増幅と自律化へつなげるポイントとなります。
 
将来的にドローンなどで自宅にタイムリーに届けるサービスは利用者の立場は受動的な存在でよく、音声デバイスECHOなどはその便利さはまだまだ進化して行きますが、利用者の役割を自ら楽しみながら演じるという顧客参加型のサービスデザインになっているのがトレジャートラックなのです。
 
ヘルスケアサービスにおいても顧客に能動的に参加してもらうプロセスデザインのケーススタディとしてぜひ今後もウォッチしていきましょう!!
 
トレジャートラック記事
トレジャートラック動画
 
 
●問い合わせメール
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「体験共有から生まれるもの」
 
体験を共有することでお客様に生まれる所有感(オーナーシップ)を見逃してはいけません。ここを認め賞賛することで関係性はアップデイトされていきます!!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]エムティーアイ、ママ向け情報配信アプリ「ルナルナ ベビー」が母子手帳アプリ「母子モ」と連携開始
「ルナルナ ベビー」から「母子モ」の機能が利用できるようになることで、母親の孤独感や不安感を解消し、妊娠中から出産、子育てまでライフステージや地域に合わせた切れ目のない支援を目指す。(2017/08/23)
 
[2]医師500人が支えるオンライン病気事典「MEDLEY」の狙い(Newsweek日本版)
株式会社メドレー 代表取締役医師 豊田剛一郎氏のインタビュー記事。(2017/08/24)
 
[3]東ハト、仕事や勉強による一時的な精神的ストレスを緩和する機能性表示食品を新発売
1食当たり28mgのGABAを配合した同社初の機能性表示食品。「オールレーズンプラス・レーズン」「オールクランベリープラス・クランベリーヨーグルト」の2種。(2017/08/25)
 
[4]藤沢市とセブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、ヨークマート、「地域活性化に資する包括的連携協力に関する協定」を締結【PDF】
協定の目的は、藤沢市とセブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、ヨークマートが、緊密な相互連携と協働による活動を推進し、地域活性化と市民サービスの質的向上を図ること。(2018/08/25)
 
[5]こんなものまでIoT化!?警告を発して早食いを防止する「フォーク」(ITmedia)
早食い防止で肥満を防ぐIoTフォーク「Hapifork」を開発したのは、フィットネステクノロジー・スタートアップのHapiLabs。スマホアプリと連動し、ユーザーの食事スピードを計測。食事スピードが速い場合は警告を発する。(2017/08/26)
 
[6]綜合ユニコム、月刊レジャー産業資料 2017年9月号を発刊
特集は、『「ロケーションベース」VR 体験価値が生み出す新たなにぎわい』。
 
[7]日本計画研究所、日本総合研究所「稼ぐスタジアム&アリーナ研究会」第二弾研究成果を踏まえて稼ぐ公共スポーツ施設運営の民間発想による道筋
開催は11月14日(火)。詳しい講義概要・項目は9月中旬公開予定。
 
[8]痛みや不安を和らげるため、入院した子供たちをVRを使って動物園に連れて行く
オーストラリアのある病院は、代替医療としてバーチャルリアリティ(VR)によるペットセラピーを患者に提供しようと計画している。(2017/08/23)
 
[9]mHealthWatch注目ニュース:楽天、遺伝子検査サービスを提供するジェネシスヘルスケアに出資
今回の楽天の「遺伝子検査サービス」事業への出資は、今後の「遺伝子検査サービス」のアプローチに変化があるのではないかと期待をしている。(2017/09/04)
 
 
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