[健康サービス・デザイン編]Wellnessにおけるオープン・イノベーション
健康ビジネス問題解決サポートメディアHealthBizWatch
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[健康サービス・デザイン編]2019年2月5日号
≫≫≫Author:大川 耕平
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こんにちは HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
今回はオープン・イノベーションについて考えてみました。
ぼくは本質的理解ベースに進めるのであれば凄い威力発揮のメソッドだと思っています。
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「Wellnessにおけるオープン・イノベーション」
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「Frenemy時代へ」
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 「食べたい気持ち」を可視化、海外 介護支援アプリなど、12本
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>
Wellnessにおけるオープン・イノベーション
健康をベースとした生活の質向上のウェルネスとオープン・イノベーションとの相性について考えていきます。
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イノベーションとオープン・イノベーション
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そもそも、イノベーションとは物事の新たな組み合わせや結合、新機軸、新しい切り口、新しい捉え方や活用法を創出することです。*1
どんな企業であっても事業拡大や成長を目指して新規事業にチャレンジします。その際、既存路線の延長以外の道筋を新たに開発する活動がイノベーションです。
そして昨今、イノベーションのあり方が変化しています。
R&D(リサーチ&デベロップメント)という自社シーズを中心に開発育成していくアプローチからC&D(コネクト&デベロップメント)という出来る相手を見つけてきて一緒に開発していくというオープン・イノベーションが注目を浴び実践する企業が増えてきています。
どの業種業態であっても、自社一社での閉じた開発の限界を感じているのだと思われます。
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オープン・イノベーションのメリット・デメリット
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<メリット>
1)事業ドライブ・スピードの確保
→出来る強みを持ち合うことで前行程のカットと経験による加速
2)視野の広がり・知的刺激・学びの促進による人財成長
→この人財成長に対応した組織のあり方デザインが鍵
3)開発コスト削減&カット
→技術・経験・工程の共有
4)自社リソース外部視点での棚卸し
→新たなポテンシャルの発見
<デメリット>
1)異なるカルチャー相互理解にかかる手間と時間コスト(もしくはコンフリクト)
→内向きカルチャーが障害になる場合あり
2)知的資産流出
→適切な事前合意などが重要
3)自信やる気喪失
→実力差によるショックや依存度の増長
ぼくはオープン・イノベーションへの着手はデメリットを上回るメリットがあるとみています。しかし、相手へのリスペクトと貢献マインドと相互に自ら変わっていくという覚悟が必須となります。これが無いとうまくいきません。
新しく生まれた「アイデア」を実現運用していく「人財開発」とその際の「組織開発」が同時に進行している必要もあります。
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ウェルネスこそオープン・イノベーションで!
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ウェルネスへのアプローチはライフスタイルサポートになります。
相手の健康をベースとした生活の質を向上していくスタイルを創っていくことになります。単独のサービス一つでウェルネスの追求はほぼ不可能です。
ひょっとしたらウェルネスがオープンイノベーションを求めているのかもしれません。
ウェルネスでのオープン・イノベーションでは次の3つのアプローチが有力になっていくと予測しています。
■複数の単独のサービス同士が相互補完しながら価値提案していく
(アライアンス戦略)
→相互補完で新たな顧客価値創造を継続的に提供できるかが鍵になります。
→どちらかの顧客基盤に頼る場合と、全く新しく顧客開拓をしていく場合があり、前者から始め後者へ進めるやり方がベターのようです。
■すでに存在しているプラットフォームを通じて新たなウェルネス価値を提案していく(チャネル戦略)
→既存顧客基盤の元に顧客の感じている「不」解消の提案にフォーカスできると比較的早期にパフォーマンスが上がります。
→全く新しい価値提案をする場合、顧客教育プロセスの丁寧さがその後のパフォーマンスに直結することがわかっています。
■同業と新たな価値創造に取り組む(フレネミー戦略)*2
→「昨日の敵は今日の友」的なアプローチのことでまだメジャーにはないですが、今後注目です。
→協力することによって顧客価値をより高めていく活動品質を創っていくアプローチです。
繰り返しになりますが、どの戦略にも相手へのリスペクトと貢献マインド、自ら変わっていく覚悟が必須です。
内向き志向の呪縛から逃れられない、形だけアライアンスやオープン・イノベーションごっこも見かける昨今ですが、オープン・イノベーションへの本質アプローチへチャレンジしたい方はぜひ、一度ディスカッションしましょう!!!
*1 ウィキペディアより
*2 本号「現場で使えるキーワード」より
●問い合わせ
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「Frenemy時代へ」
Frenemy(フレネミー)とはFriend(友)とenemy(敵)との造語のこと。IoTが広く浸透することによって競合や敵といった主客の区別がなくなり、むしろ協調すべき相手(友)になるということ。
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【3】今週の注目デジクリップ! <12クリップ>
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[1]ユーグレナなど、世界初となるASC-MSC海藻(藻類)認証を微細藻類ユーグレナとクロレラが取得
藻類で初めて国連が定めた世界共通目標「SDGs」に貢献する食材として認定。これまで、ASC認証の対象は養殖水産物のなかでも一部の魚・貝・エビのみ、MSC認証の対象は天然の魚介類のみで、ともに海藻は対象外だった。(2019/01/23)
[2]サンスターグループ、サンスター健康道場「ラクトフェリンS」新発売
日本初!お通じと睡眠の質が気になる方にダブルで働く機能性表示食品。良い菌と悪い菌のバランスを変化させるよう腸内フローラに働きかけ、硬めの便の状態をなめらかにし、起床時の眠気や疲労感を軽減する。(2019/01/24)
[3]J-オイルミルズ、世界初!ヒトの「食べたい気持ち」を可視化
慶應義塾大学との共同検証。リアルタイムで感性を取得することができる脳波計「感性アナライザ」を活用し、ヒトの「食べたい気持ち」を可視化することに成功。(2019/01/24)
[4]キリンビバレッジ、「KIRIN naturals(キリン ナチュラルズ)」全国にて展開
いきいきと健康的に働ける職場づくりをサポートする法人向け福利厚生サービス。オフィスに届けられるスムージーと、企業の要望に沿って開催できる健康セミナーを通じて、従業員の健康的な食習慣の実現とヘルスリテラシーの向上をサポートする。(2019/01/24)
[5]東京商工会議所、「健康経営に関する実態調査」調査結果について
本調査は、東京都内の中小企業(従業員300人以下)を対象に「健康経営」の認知度や取り組む上での課題を明らかにするために実施したもの。健康経営の認知度については、29%の企業が「内容を知っている」と回答、など。(2019/01/28)
[6]オムロン ヘルスケア、「オムロン 手首式血圧計 HEM-6233T」新発売
測定結果が基準値より高い場合に「血圧確認マーク」で知らせる血圧確認機能を搭載した手首式血圧計の新商品。電源オフの状態から測定開始までの起動時間が約1.5秒と従来の約半分となり、すぐに測定を開始する。(2019/01/29)
[7]タニタ、生涯現役社会の実現に向けた新技術を搭載「フレイル体組成計」「脂肪燃焼モニター」「カード型活動量計」を開発
生涯現役社会の実現に向けた「次世代健康づくりソリューション」の要となる新技術を搭載した3モデルを開発。第1弾として、フレイル体組成計「MC-780A-N」を2月1日に発売。(2019/01/29)
[8]ウエルネスデータ、「JouleLife」、Health & InsurTechを強化!アクティブで健康な人ほど得になる「JouleLife チャレンジ」を開始!(PR TIMESより)
Health & InsurTechサービス第1弾として、累計27万DLのダイエットアプリ「JouleLife」のプライム会員及び月額制ヘルスケアサービスの「JouleLife CLUB」会員を対象に、日常のアクティビティ中のケガによる入院・通院を補償する保険「JouleLife けがのおまもり」の無料付帯サービスを開始。(2019/02/01)
[9]クラブビジネスジャパン、「Fitness Business No.100」を発刊
フィットネス業界の動きが分かる経営情報誌。特集は、「コーポレート・ウェルネス」。
[10]CES2019:Philips、シニアの世話をする家族を支援するアプリプラットフォーム『Philips Cares』発表
アプリ「Philips Cares」には、リマインダー、スケジュール設定ツール、緊急サービスへのアクセスなど、高齢者の介護を追跡・管理するための様々な機能が含まれている。(2019/01/25)
[11]『ヘルスケアIT 2019』セミナーレポート
株式会社フジクラCHO補佐 浅野氏をコメンテーターとして招き、『これから健康経営、働き方改革をはじめる企業必見!「企業が経営に活かすべき健康経営、働き方改革」』と題したセミナーが開催された。(2019/01/29)
[12]『mHealth Watch』注目ニュース:血圧測定スマートウォッチは、高血圧管理のためのパラダイムシフトである
「HeartGuide」は、腕時計として腕に装着しながらも、大きさ、精度の問題をクリアし、FDAでの認可も得た製品です。この製品により、日々の定期的な計測が可能になり、ユーザーへのフィードバックにより、気づきを与えていくこともできるでしょう。(2019/02/04)
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