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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2019年2月12日号
   ≫≫≫Author:渡辺 武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
ラスベガスで1月8日-11日に世界最大の家電見本市“CES 2019”が開催されました。今年も多くのヘルスケア製品が登場しましたのでご紹介します!
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---“CES 2019”注目のヘルスケア製品をチェック
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「所有から利用へ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 セミナー情報、海外 23andMeなど、10本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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<テーマ>“CES 2019”注目のヘルスケア製品をチェック
 
 
今年も米国ラスベガスにて世界最大の家電見本市“CES 2019”が1月8日-11日に開催されました。
以前に比べ、どこまでがヘルスケアと線引するのは難しくなっていますが、ヘルスケアに関連する製品(サービス含む)といえるものは、私が把握できただけで56種類ありました。
 
昨年から登場した「Sleep Tech」ゾーンは今年もあり、睡眠関連が紹介されていましたが、今年はさらにスタートアップ企業が集まるゾーンとして「Eureka Park」が登場し、そちらでも睡眠関連が多く出展されていました。
 
“CES 2019”の多くの出展の中から、今回は「睡眠(いびき対策)」「高血圧管理」「ヘルスボイステック」の3つの視点で見ていきます。
 
 
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注目の視点1 「睡眠(いびき対策)」
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以前は計測までで、ソリューションの少なかった睡眠関連製品ですが、昨年の「Sleep Tech」ゾーンでの展示からソリューションを中心価値とした製品が多くなってきました。
今回はソリューションとして“いびき対策”の製品が増えているようです。
 
<Philips「Snoring relief band」>
お腹に巻いて使うセンサーで、起こさないような優しい刺激を発して、寝返りを打つよう促すデバイス。
現在トライアル版を199ドルで提供。
 
 
<Hupnos「Hupnos Sleep Mask」>
目と鼻を覆うマスク型デバイス。いびきを検知すると起こさない程度の振動で、寝返りを打つよう促すデバイス。
プロモーション期間125ドルで提供(プロモーション終了後179ドル)。
 
 
<SNORE CIRCLE「顎貼り付けタイプ」>
イヤホンタイプ、アイマスクタイプなど複数展開しているSNORE CIRCLEの新製品は顎に貼り付けるモデル。いびきを検知すると電気的な刺激を与える。
Indiegogoにて販売予定。
 
 
<QuietOn「QuietOn Sleep」>
いびきを聞かされる側をサポートするイヤホン。いびき音を低減させるアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されている。
2016年に初期モデルが販売されているが、新たに外部の音が聞こえるヒアリングモードに切り替えられる機能を搭載。
QuietOnサイトにて159ドルで販売。
 
 
その他、枕タイプなど睡眠時に利用、着用するデバイスが複数展示されていました。
いびきをかく人用のデバイスは、総じていびきをかいたら姿勢を変えさせるものですが、睡眠の質、もっと言えば睡眠の満足度にどう影響するか?個人にあったチューニングがどこまでできるのかが価値になるでしょう。
 
 
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注目の視点2 「高血圧管理」
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<Omron Healthcare「HeartGuide」>
昨年のCESで発表されたスマートウォッチ血圧計「HeartGuide」が、FDAの承認を受け、改めて公開された。
バンド部分を膨らませるオシロメトリック法で血圧を測定する。指定した時間で日に複数自動測定が可能になる。
価格は499ドル。
 
 
2年連続の展示となった「HeartGuide」の特長は、血圧測定の際にバンド部分を膨らませても形状を変えることがないため、普段の生活の中でも無理なく使うことができます。
何よりも自動で日に複数計測できることで、活動時、睡眠時の血圧の状態を把握できるようになることは画期的です。
 
まだ試していないので想像ですが、計測時は手首に少なからず圧迫感があるはずです。この圧迫感がポイントで、例えば歩数など自動計測だと計測していることを意識しなくなってしまうことがあります。計測はしても、今どのくらいなのか確認しなければ行動に活かせません。「HeartGuide」は、スマートウォッチなので計測後のフィードバックもあるはずですが、計測を体で感じることも重要な気付きにつながると思います。
 
参考までに以下の記事もご覧ください。
 
「血圧測定スマートウォッチは、高血圧管理のためのパラダイムシフトである」(mHealth Watch,2019/2/4掲載)
 
 
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注目の視点3 「ヘルスボイステック」
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<Halfords「Cybic E-Legend」>
ボイスアシスタントAlexaを搭載する自転車「Cybic E-Legend」(電動アシスト有りと無しのモデルがある)は、ハンドル中央にマイクとスピーカー、モニターを備え、サイクリング時に役立つナビの利用やアクティブの記録、メッセージの送信などが可能になる。
英国で2019年夏に販売予定。
 
 
ついに自転車にもスマートスピーカーが搭載されました。運転の操作性を考えると、自転車こそ音声操作が適していると言えます。
まだ機能の詳細が公表されていませんが、期待される機能としては、サイクリングによるトレーニングのサポートです。心拍やケイデンス、距離を計測することで、適切な負荷のかけ方を音声によりアドバイスしてくれる、などができるようになるのではないでしょうか。
 
参考までに以下の記事もご覧ください。
 
「CES2019に見るヘルスボイステックの活用」(mHealth Watch,2019/1/21掲載)
 
 
 
今年はヘルスケアに関わらず、日本からの出展も多くありました。皆さんも、来年の年始めはCESで発表!などいかがでしょうか?
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「所有から利用へ」
 
所有に価値があった時代は終わり、利用価値品質にこだわるサブスクリプションモデルへ多くのビジネスモデルが向かい出す。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]経済産業省、「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019」グランプリ決定
ビジネスコンテスト部門においては、事前審査を通過したファイナリスト7社が公開プレゼンテーションにて最終審査を行い、グランプリは株式会社カケハシが受賞。(2019/01/31)
 
[2]TPCマーケティング、コンシューマーレポートNo.275 睡眠サポート食品(機能性表示食品)利用者のペルソナ分析とニーズ分析ー狙うべきターゲットは“リアルが充実している”若い男性!ー
「睡眠サポート機能性表示食品」を摂取している20-60代を対象に、睡眠と睡眠サポート機能性表示食品に関する調査を実施。調査の結果、自身の睡眠に不満を持っている人は、全体の8割以上にのぼった。(2019/01/31)
 
[3]東京都健康長寿医療センター研究所、75歳以上の約8割が2疾患以上、約6割が3疾患以上の慢性疾患を併存
東京都の75歳以上の後期高齢者約131万人分のレセプト情報を分析し、多病の実態や頻度の高い3疾患の組合せを把握するとともに、多病に関連する要因を分析。頻度の最も高い3疾患の組合せは、男性では高血圧・潰瘍性疾患・虚血性心疾患(12.4%)。(2019/02/01)
 
[4]ニッセイ基礎研究所、経営の中心にある健康経営ーファーストリテイリングの経営者人材育成の事例から
本稿は、健康経営が経営そのものであることを見つめる題材として、健康経営の原型ともいうべき事例として、ファーストリテイリングにおける経営人材の育成に組み込まれた取組みを紹介。(2019/02/04)
 
[5]富士経済、企業による従業員向けサービスで需要増加が期待されるヘルステック・健康ソリューション関連市場の調査結果
この調査では、健康経営サービス5品目、健康情報測定機器・治療器12品目、注目検査・健診サービス4品目、健康プラットフォーム&生活習慣改善サポートサービス6品目について、市場の現状を分析し将来を予想した。(2019/02/05)
 
[6]RDサポート、第8回「Bio & Healthcare career +α」セミナー
開催日は2月21日(木)19時から。「新規事業開発の進め方」と題し、株式会社インキュベータ代表取締役 石川明氏が登壇。
 
[7]クオリティライフサービス、中災防主催「食コンディショニングアドバイザー養成講座」
2019年3月より、食コンディショニングアドバイザー養成講座を、新たに中央労働災害防止協会様でも開催。第1回は、3月7日(木)、14日(木)の2日間。講師は同社スタッフ管理栄養士 上木明子氏。
 
[8]新社会システム総合研究所、【Apple、Google等BIG5がもたらすバリューチェーン革命】デジタル医療・ヘルスケアビジネス 2025
開催日は3月18日(月)。講師はICTソリューション・コンサルティング代表取締役社長 冨永孝氏。今回のセミナーでは、「医療改革の本質とは」「BIG5のもたらす医療バリューチェーン革命」などについて解説。
 
[9]23andMe、Lark HealthのAIヘルスコーチに遺伝データを統合へ
Lark Healthは、ユーザーの慢性疾患管理をサポートするAIプラットフォーム。この新しいイニシアチブでは、ユーザーの23andMeゲノム情報をLark Healthのウェルネスプログラム及び糖尿病予防プログラムに統合させることになる。(2019/01/31)
 
[10]『mHealth Watch』注目ニュース:コニカミノルタ、月経前の不調を抱える女性向け『Monicia』
今回注目するのは、コニカミノルタが女性向けセルフモニタリングツールをオープンイノベーションで開発し、クラウドファンディングでプロジェクトを開始させたニュースです。(2019/02/12)
 
 
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