2017年に「食べても食べても太らない法」を出版された際にインタビューさせていただいた管理栄養士の菊池真由子さんは、その後もシリーズ本を出されて売れ行きも好評の様子です。マスコミにもちょこちょこ出られているのでご存知の方も多いかと思います。
菊池さんの書籍はとにかく分かりやすいのです。その後の手応えを伺いました。

菊池 真由子(きくち まゆこ)氏

管理栄養士

菊池 真由子(きくち まゆこ)氏

Profile

武庫川女子大学食物学科管理栄養士専攻を卒業。大阪大学健康体育部(現 保健センター)を退職し、在阪プロ野球団、国立循環器病センター集団検診部(現 予防検診部)を経て厚生労働省認定健康増進施設のフィットネスクラブで栄養アドバイザーを務める。2000年からメールでのダイエットアドバイスを始める。オリジナルダイエットメソッド「ブログdeダイエット」はTV番組「主治医が見つかる診療所」で紹介され、オール満点に輝く。

Q1.「図解 食べても食べても太らない法」「食べても食べても太らない法」「食べれば食べるほど若くなる法」「食べて痩せる!おうちdeダイエット」シリーズ展開をさせてきていますが、これら全部に貫くコンセプトがあるように感じるのですが、いかがですか?

私が絶対に外せないと考えているのは、近所のおばちゃんが世間話のように「痩せたいんやけど、めんどくさいことはしたくないねん」という質問に「こうしたらええんよ」と気軽な内容をお話する、というようなスタイルです。つまり「簡単・手軽」が第一なのです。

「痩せたいけれど、難しいことはしたくない」という方があれこれ悩まずに、書いてある内容を実践するだけで希望が叶う、ということを常に考えています。
しかもその内容が特別な食品を買ったり、わざわざ何かをしなければならないという、面倒くささが一切ないことが絶対です。

ここ何年か、科学的根拠に基づいた健康本や食事方法の本がベストセラーになっています。しかし、読みこなすには難易度が高めです。
そういった難しい部分は私に任せてもらって、食に関する様々なエビデンスを身近で手軽に出来るノウハウとしてかみ砕く、ということも念頭においています。
ですから、長年のカンだけで本を書いているというわけではありません。

もちろん管理栄養士としての経験は踏まえています。そこで痛感するのは、食べないガマン比べみたいなダイエットは必ず失敗します。
なので、とにかく何かをガマンする、制限するようなことは一切しないというのを基本の柱としています。

Q2.私(大川)は実は書籍は全部手元にあり、ことあるごとに内容を確認したりしているのですが、想定読者はどんな人なのでしょうか?

TVをみながらお菓子を食べつつ「痩せたいな~」とだらけている人です。
深刻に悩んでいるというよりも、気軽な気持ちで「ダイエットしなきゃ」とつぶやいているような人です。

具体的に言うと、ダイエットをするにはお菓子も揚げ物もダメって解っちゃいるけど、やめられなくて、漠然と「痩せたいな~」と思っているような人ですとか…。
あるいは、ダイエットに運動が必要だと思っているんだけれど、絶対に運動はしたくないような人です。食事だけでダイエットを成功させたいような人ですね。

Q3.反響が大きかった内容などを教えてください。

「ショートケーキよりシュークリーム」や「カルビよりロース」「あじフライよりとんかつ」「ざるそばより天ぷらそば」とダイエットにダメそうなものを「選び方を変えるだけでOK」と容認したところです。

「ガマンしなくて良いんだ」「食べても痩せられる」と喜ばれました。
「食べたほうが痩せるなんて」と不安になられた方もいるのですが、実際に本のとおりにやってみると痩せていったというメールやお手紙を頂いたときは本当に嬉しかったです。
「シンプルな料理よりあれこれ具が入っているもののほうがカロリーが高くてもやせる」という下りには皆さんビックリされていました。

特に「ショートケーキよりシュークリーム」「あじフライよりとんかつ」「厚揚げは理想のダイエット食」は管理栄養士仲間にも「盲点だった」とコメントを多数もらい「勉強になるわ~」と真剣に読み込んでくれたのは嬉しかったです。

ほかには具体的な商品名やおすすめ食材の料理方法を紹介して「コレがおすすめ」としたところです。難しいことを考えなくて済みますからね。
もちろん料理方法も、料理初心者でも簡単にできる内容にしています。

Q4.SNSなどで読者との交流もされているのをお見かけしました。読者交流での気づきなどがあれば教えてください。

書籍ではページ数や文字数の問題で扱いきれなかった内容を補完したり、掘り下げるような内容をお伝えしています。

言葉で説明する内容も「なるほど」と思っていただけるので「本を読むのも面倒くさい人もいるよね」と実感しました。

人気なのが「実際に私が食べ比べをして試してみました」と商品や写真を見せながら解説するもので、とても評判が良いです。やはり「実際に食べてみた」がウケるみたいです。
「これぐらいの分量がおすすめ」「これとこれを組み合わせるとダイエットに効果的」などと実際のお菓子や食品、テイクアウト品などを画像などでお伝えするのが人気です。

カップ麺でも食べて痩せる方法を取りあげた時は「管理栄養士さんがカップ麺って食べるんですか?」とツッコミがありました。
「私だって面倒くさいときは食べますよ」と言うと、ものすごく安心されるんですよね。
管理栄養士でも色んな立場の方がいるので、そうもいかない人は大勢います。
ですが私自身は“管理栄養士だけれど、普通の主婦でもある”という感覚を忘れないようにしたいな、と改めて思いました。
それと、手抜きな料理や適当な食事でも何とかなるようにアドバイスが出来る管理栄養士がいるってことをもっと知ってもらえれば、嬉しいですね。

いま、袋ラーメンでもダイエットできる方法ってのを考えていて、色んな袋ラーメンを試食しています。
さすがに食べ過ぎてうえってなってるんですけど、栄養も大事なんですが、美味しくないとダメだという私の美意識みたいなものが働いてしまって。
頭では「こういう食べ方をするとダイエット向きになる」と理解しても、実際に食べてみると、頭の中にある構想と色んなラーメンと組み合わせた時に美味しくないものが出てくるんです。
そうなると「このラーメンはオススメできない」となるので、味の相性の良い美味しいラーメンを求めて、相当な種類を食べてしまいました。
時間も手間もかかることなんですが、読者の方は「インスタントラーメン」や「レトルト食品」といった、“健康に悪そうな食品”でも使いこなし方次第でダイエットにも成功するし、健康にもなれる、といった情報を欲してるんじゃないかと感じています。

Q5.最後に今後の企画などがあれば教えてください。

4月23日(金)に『まんがでわかる!食べても食べても太らない法』が発売になります。
『食べても食べても太らない法』のコミカライズなので文字が苦手な人でも気楽に読んでもらえればと思います。さらっと読んで中身がわかるようになっています!

まんがでわかる!食べても食べても太らない法
https://amzn.to/3uIVGrG

また『食べても食べても太らない法』、『食べれば食べるほど若くなる法』と続き、シリーズ3部作として『食べて○○○(仮)』という本を予定しています。
ダイエットだけでなく健康に特化した内容です。ご期待ください。

ありがとうございました!

インタビュアー:大川耕平

[取材日:2021年4月13日]