お陰様で1999年6月創刊のHealthBizWatchは、今回2022年8月2日配信で1000号を迎えることができますことを読者の皆様へ心から感謝いたします。
HealthBizWtch 編集主幹の大川耕平です。

23年ヘルスケアメディアを運営してきた経験からズバリ申し上げたいことがいくつもありますが、今回は1000号を記念して2つ提言させてください!
この2つの課題をクリアできたプレイヤーが国内外にてヘルスケア領域でのリーダーシップを握っていくと断言いたします!

特集:HealthBizWatch 1000号

HealthBizWatchからの提案

「ヘルスケア」の民主化が意味すること

もはや、「ヘルスケア」というワード、概念は珍しいものではなく、ごく当たり前のものになリました。
誰も彼もがヘルスケアなのです。

かつて、お茶(日本茶)は茶葉を入れた急須にお湯を注ぎ、茶碗に入れたてをいただいていました。
これしかお茶をいただく方法がなかった時代がありました。
今はどこでもペットボトルでお茶を自動販売機から購うことができます。
誰もこれを不思議に思いません。当たり前のことです。

このペットボトルのお茶が今後の「ヘルスケア」なのです。

お茶を作る技術があるだけではビジネスをスケールさせていくことはできません。
ヘルスケアを論理的に提供できる技術があるだけでは、その価値を広めることはできません。
ヘルスケアはマーケティングの時代になっています。
売れているお茶に学ぶべきです。

これに気づき、自社事業にとってのマーケティング展開の具体化を模索するためにHBWを使い倒してください。

テクノロジーと人間本質不変の隙間

ICTの普及発展がヘルスケアビジネスの拡大を加速させていると言われています。
確かに情報アクセスの拡大をICTが下支えしていることを否定できる人は存在しないでしょう。

しかし、ヘルスケア周辺のテクノロジーで便利になっただけでの果実(成果)はあまりありません。
何が言いたかというと、テクノロジーだけでは何も解決しないという事実から目を背けてはいけないということなのです。

それまではできなかったことができるようになるだけで止まってしまうテクノロジーが多いのです。
ベネフィットが理解浸透しない課題を持つテクノロジーであり、これに関わる多くのプレイヤーがぶち当たる壁です。

ヘルスケアの価値提供対象は人間です。これは永久に変わることはないでしょう。
テクノロジーが進化したから人間も進化したか?というと、それはNOです。

心の3大欲求(自己決定理論)があります。
今後のヘルスケアやウェルビーイングをデザイン・プロバイドしていく上での重要ワードです。

その3大欲求とは
・関係性(人とのつながり)
・有能感(何かできた、できるという感覚)
・自律性(強制ではなく、自分の意思でやっている感覚)

この3大欲求という人間の本質を促進するテクノロジーが昨今スケールを始めています。
そしてこの人間本質は不変です。

テクノロジーと人間本質の狭間の例を説明します。
例えば、体重計測データをスマートフォン側のアプリに送信できるサービスは何個も存在して運用されています。
これもテクノロジー進化の一つです。
できなかったことができるようになった時に便利と思っていても、元々何のために体重計測データを確認したいのか?が明確でなければ使うことをやめてしまいます。

多くのアプリサービスがここまでで止まっています。
仕方ないかもしれません、アプリはここまで以上の価値創出を目指していません。
ここに、テクノロジーと人間本質の隙間があるのです。

体重計測データのハンドリングを自律化プロセスにテクノロジーが絡む姿がベターなサービスになるという仮説を我々は持っています。
テクノロジーと人間本質の間に存在する課題を認め、それを実直にサポートしていくコミュニケーションデザインが肝になる!

このテクノロジーと人間本質の隙間の話は会議室ではウケないテーマであるばかりか、そこに存在するギャップはグランドキャニオン級になっている企業も多く見かけます。
決して笑い話ではありません。

テクノロジーと人間本質の隙間を埋めてサービスパフォーマンスを最大化していくためには、顧客との関係性を徹底的に磨いていくしかありません。

テクノロジーと人間本質との隙間を理解せずしてwell-beingアプローチをどんなにやっても絶対上手くいきません。

HealthBizWatchからの提案


■ヘルスケアビジネスのマーケティング展開促進にHBWを活用ください!

■顧客関係性を磨き進化させていくためにもHBWをフル活用してください!!



<HealthBizWatchオーサー号コンテンツ紹介>

第1週「well-beingアイテム研究」:Author_大川耕平
→全てのサービス・ビジネスモデルはウェルネスやwell-beingへと向かっていくと仮説し、well-beingに寄与するプロダクトやサービスにどんなものがあり、そのビジネス的な可能性はどうなっていくのか?を探っていきます。

第2週「健康ビジネス・マーケティング&収益化」:Author_渡辺武友
→健康ビジネス・マーケティングにおける収益化をいかに推進していくかの具体的なアプローチを解説します。

第3週「海外事例にみる継続支援アプローチ」:Author_脇本和洋
→健康サービスの継続利用を促す「基本事項」と、海外で注目したい「継続支援アプローチ」を紹介しています。

第4週「ヘルスコーチングの視線」:Author_里見将史
→海外先行モデルが採用している顧客とのコミュニケーション技術としてのヘルスコーチングのあり方を国内サービスでどう展開するかを解説していきます。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
今後も読者の皆様の課題を共有させていただきながら、国内外の事例から導き出せるエッセンスやヒントを提案していきます。

<1000号記念プレゼント>

本メルマガでも何回も紹介してきましたが、

・ヘルスケアサービス成功の型
チェック&ソリューション|チョイス&チェンジ|ピア&トゥギャザー
・継続ドライバの8つの解説をまとめたレポート(PDF)

をプレゼントします!

ダウンロードはこちらから
https://healthbizwatch.com/member/hbw2208



▼ お問い合わせ ▼
大川へのお問い合わせやご質問などがあればこちらへ(直接届きます)。
ディスカッションも大歓迎です!
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=12

健康ビジネスキーワード

「Z世代をどうみているか?」

Z世代(1990年半ば~2010年代生まれ)は世界中の消費者の約40%を占めるとされています。
グローバルで考えると無視できない存在です。
国内だけに限って言えば、少子化が加速し始めた世代ですし、マーケティング視点でみても個性化がはっきりしている層と言えます。
十把一絡げにしにくい。
デジタル・ネイティブです。

貴社はZ世代をどうみていますか?
無視できないビジネス影響ファクターであることを認識していますか?

今週の注目記事クリップ

[1]asken、第二種医療機器製造販売業許可を取得
https://www.asken.inc/news/2022/7/20
AI等デジタル技術を用いた医療機器プログラムの製造・販売を目的に、第二種医療機器製造販売業許可を取得。これにより、糖尿病をはじめとする食事療法のデジタル治療(DTx)用アプリの事業化を推し進め、医療への貢献を目指す。(2022/07/20)

+++★追加解説音声:70秒★+++
https://youtu.be/99Af9pItj6w

[2]慶應義塾大学薬学部、腸内細菌の栄養源となる二つの糖の協調作用が肥満を抑制ー腸内細菌利用糖の組合せによる新規プレバイオティクス開発に期待ー
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/7/20/28-125756/
研究グループは、腸内細菌によって利用される二つの異なる糖が特定の腸内細菌に協調的に作用することにより高脂肪食誘導性の肥満を抑制することを発見した。(2022/07/20)

[3]JMR生活総合研究所、「腸活」女性は約5割 暮らしに溶け込む発酵食品
https://www.jmrlsi.co.jp/trend/newsletter/f-monthly-145.html
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター第145号。今回は、腸活と発酵食品に着目して、どんな人がどのような理由で取り入れているのか調査実施。(2022/07/20)

[4]矢野経済研究所、美容医療市場に関する調査を実施(2022年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3022
2021年の美容医療市場規模は前年比101.8%の3,990億円。コロナ禍の影響から脱して回復基調に。(2022/07/20)

[5]グローバルニュートリショングループ、注目される睡眠の重要性
https://global-nutrition.co.jp/blog/2022-07-20/
ウェルネスフード・ワールド第103回では「睡眠の重要性」について紹介。睡眠不足により免疫力が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなることが世界中で大きく注目されるようになっている。(2022/07/20)

[6]エス・エム・エス、自治体向け「データを活用した介護・フレイル予防」サービス提供開始
https://www.bm-sms.co.jp/news-press/prs_20220720_kaigo-frailyobo/
本サービスは2020年の法改正により、2024年までに全市町村での整備を目指す高齢者の保健事業と介護予防の一体化に向けて、各市町村が行う調査事業・計画策定事業・予防事業の3つの事業をワンストップで支援する。(2022/07/20)

[7]富士フイルム、インドにがん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」2拠点を新たに開設
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/8272
本年7月にグルグラム、9月にはムンバイに「NURA」をオープン予定とし、新興国での健康診断サービス事業をさらに拡大。画像診断支援AI技術を活用し、がん・生活習慣病の早期発見に貢献。(2022/07/21)

[8]リハビリ新時代:第9回 オンライン遠隔リハビリ、エクサウィザーズと北原病院(Beyond Healthより)
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00053/071200011/
スマートフォンアプリやテレビ電話などを使ってリハビリを行う「オンラインリハビリ」の取り組みが加速している。その開発プロジェクトの1つが、エクサウィザーズと北原病院グループによる「オンライン遠隔リハビリサービス」だ。(2022/07/21)

[9]nanoni、経済産業省フェムテック等サポートサービス実証事業へ採択(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000091427.html
国内初のフェムテック プラットフォーム「carefull(ケアフル)」を提供するnanoniは、企業のフェムテック利用・検討状況と経営課題との関連性を可視化するため、市場調査事業を開始する。(2022/07/21)

[10]第一三共ヘルスケア、働く世代の8割以上の人が悩む睡眠事情 ミドル世代を中心に問題あり
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/newsletter/info_npr_2207_00843.html
生活様式や働き方の変化により重要性が増している「睡眠」に着目し、20-60代の働く男女を対象に「睡眠に関する調査」を実施。(2022/07/21)

[11]ロッテ、スポーツ用ガム「GEAR ストロングタイプ<パワーコーラ>」「GEAR スタンダードタイプ<パワーレモン>」を発売【PDF】
https://www.lotte.co.jp/info/pdf/20220720105716.pdf
https://www.lotte.co.jp/
この「GEAR」は噛んでいる間の硬さの変化が少なく噛み応えが続くため、噛むことのトレーニングに適した、ロッテの技術を結集したスポーツ用ガム。(2022/07/21)

[12]クラブツーリズム、アシックスと共同企画 基礎から学べるシニア初心者向けのランニングイベント【PDF】
https://www.club-tourism.co.jp/jpn/wp/media/2022/07/FNLpress22-23_1.pdf
https://www.club-tourism.co.jp/jpn/
本イベントの舞台は、皇居から近い東京都・丸の内にある「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI」。アシックスランニングクラブコーチがクラブツーリズムのお客様だけにランニングの基礎を丁寧にレクチャー。(2022/07/22)

[13]PwCコンサルティング、「幸福度イニシアチブ」より2つの調査レポートを公開(日本経済新聞より)
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP636964_S2A720C2000000/
このたび2つの調査レポート「全国熱狂実態・幸福度調査2022」「全国フード&エンタメ実態・幸福度調査2022」を公開。(2022/07/22)

[14]日本健康生活推進協会、第16回 日本健康マスター検定 10月23日(日)に開催
https://kenken.or.jp/2022/12544
申込受付は7月19日(火)-9月9日(金)まで。健康マスター検定協会は、仕事や生活に必要な“ヘルスリテラシー(=健康リテラシー)”を高めることを目的に、2017年より日本健康マスター検定【健検】を開催している。(2022/07/22)

[15]ヴェルト、ウェルネスの未来を“共創”するヘルスデータ・プラットフォーム「Data Ethnography(TM)」8月より提供開始
https://veldt.jp/news/20220725
「Data Ethnography(TM)」は、ウェアラブルやIoT端末などから蓄積され増加するヘルスデータやライフログと企業や機関が持つデータを合わせ、日本のウェルネス・ヘルスケア領域の共創的なイノベーションを加速するためのデータ・プラットフォーム。(2022/07/25)

[16]海外ヘルスケア動向:なぜAmazonはOne Medicalを買収するのか?(Healthtech DBより)
https://healthtech-db.com/articles/amazon-acquire-one-medical
米Amazon社はOne Medicalを買収すると発表した。なぜAmazonはプライマリケアを提供するOne Medicalを買収するのか?目的はどこにあるのか?について、Amazon社のヘルスケア領域での取り組み全体を俯瞰した上で考察を行っていく。(2022/07/25)

[17]ANA Xとルネサンス、「RENAISSANCE Online Livestream(R)~徒歩0分で通える自分だけのフィットネススタジオ~」を発売
https://www.s-renaissance.co.jp/news/detail/?did=1830&&t=1
申込期間は9月23日(金)まで。リアルタイムでプログラムを配信するライブレッスンと、録画したプログラムを配信するオンデマンドレッスンより、お好きなプログラムを受講可能。(2022/07/25)

[18]CureApp、来たる“心不全パンデミック”を抑えたい。ユーザー目線を大切にUIデザイナーとして挑む、治療アプリ(R)開発
https://cureapp.blogspot.com/2022/07/ui.html
同社では、慢性心不全の患者さんの体調を管理し適切なリハビリを促す治療アプリ(R)を開発中。そのアプリのUIデザインを担当する山田 五百女さんへのインタビュー記事。(2022/07/25)

[19]2021年度版「健診・検診/保健指導実施機関」状況報告(保健指導リソースガイドより)
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011382.php
保健指導リソースガイドでは、2012年度から「健診・検診/保健指導機関リスト」を制作し掲載。今回は2021年度の評価認定の更新の状況と、10年間の推移についてまとめを報告。(2022/07/26)

[20]フェムケア イニシアティブ:女性の健康課題をめぐる日本の現状と、支援の必要性とは(Beyond Healthより)
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00054/072500003/
フェムケア イニシアティブ 第1回研究会レポート。「フェムケアがなぜ、日本に今必要なのか」について、生活者の意識調査と医学的視点から専門家の解説を聞き、議論した。(2022/07/26)

[21]起立性調節障害改善協会、朝起きられない「起立性調節障害」LINE・メール無料相談を開始(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000097246.html
想定の3倍以上の相談が連日寄せられており起立性調節障害で悩んでいる方の多さが顕著となった。親や教師のなかで起立性調節障害という病気を認知している方は少なく、相談できる相手がいないという裏付けでもある。(2022/07/26)

[22]京都大学、スマートフォンアプリによる睡眠改善の効果を実証ーショート・メッセージによる行動変容技術の有効性ー
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2022-07-26
沖電気工業、ヘルステック研究所との共同研究で、不眠症の認知行動療法(CBT-I)を応用したスマートフォン向けのアプリケーションとして「睡眠プロンプトアプリケーション(SPA)」を開発し、不眠に対する有効性を検証。(2022/07/26)

[23]サイコム・ブレインズ、組織のWell-beingとダイバーシティから考える、男性育休取得推進の“本質”~最新データの紹介と「課題の自分事化」体験ワーク~
https://www.cicombrains.com/event/japan/20220808.html
保健同人社との共催Online Seminar。開催日は8月8日(月)。性別関わりなく育休を取得しやすい職場づくりの意義、求められる取組みについて、健康経営・DE&Iの専門家による解説とアクティビティを通して理解する。

[24]新社会システム総合研究所、ヘルスケア分野における行動経済学を活用した行動変容アプローチ法~国内外の最新活用動向と今後のビジネスチャンス~
https://www.ssk21.co.jp/S0000103.php?spage=pt_22428
開催日は9月7日(水)。ヘルスケア分野等におけるデジタルデータの最新の活用動向を解説するとともに、ナッジ等の行動経済学・行動変容アプローチの基本的な考え方やデジタルデータ×行動デザインの活用事例、ビジネス展開の可能性について解説する。

[25]LUCID、「音楽を薬に変える」AIツール開発
https://mhealthwatch.jp/global/news20220720-2
カナダのLUCID社は、AI技術によって個人に最適な音楽的介入を予測し、メンタルヘルスの改善効果を示す音楽療法ツールを開発している。(2022/07/20)

[26]『mHealth Watch』注目ニュース:ロッテ、継続的なガム咀嚼で自律神経改善、免疫成分濃度が増加
https://mhealthwatch.jp/japan/news20220801
今回注目するのは、ロッテが研究発表した継続的なガムの咀嚼による効果に関するニュースです。「咀嚼」を含めたオーラルケアのテーマは、最近ヘルスケアの中では注目されているキーワードではないかと私は感じています。(2022/08/01)