HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
今回は2023年のウェルビーイング周辺のトレンドを占ってみました!

特集: ウェルビーイング・アイテム研究編

2023年ウェルビーイング・アイテム予測

ウェルビーイング・アイテムは、生活者(ある個人)がよりよく活きるために寄与するモノ・サービス・コトのことを意味します。
人それぞれに合ったウェルビーイング・アイテムがあるのですが、既存のヘルスケア事業プレイヤーがウェルビーイング視点で顧客価値創造に貢献できるようになったらビジネスは好調拡大化するはずです。

この前提のもとに、ウェルビーイング・アイテムに共通する要素は何か?
どんなアイテムがあり、どんな可能性があるか?
を考えていくのがこのウェルビーイング・アイテム研究のビジネスコラムです。

<過去に取り上げたテーマ>
・サウナ
・スターバックス
・従来のヘルスケア
・朝ラン
・食事&食事力
・セルフコンディショニング
・睡眠

などをアイテムとして、その要素を分解してきました。
色々と分析していく中での気づきや読者からのフィードバックからの学びを通して明確になったことは、まだ、メジャーではないがウェルビーイング構造の明確化は多くの既存ヘルスケア事業強化に貢献できるということです。
ただ、このことに気づいている関係者はとても少ない(笑)

2023年注目ウェルビーイング・アイテム&コンセプト

少しずつウェルビーイング・アイテムのあり方が見えてきた中で来年注目すべきアイテムやコンセプトをピックアップしてみました。

1)ウェルビーイング・ネイティブ
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これは造語です。ですが重要な意味を持つワードだと思います。
企業でウェルビーイングに関わるビジネスを展開しているプロジェクトチームの責任者はおそらく30代後半から40代、または50代ではないでしょうか。
降って沸いたようなコンセプトとしてウェルビーイングに触れている方がほとんどだと思います。
彼らはウェルビーイングについていくことで精一杯なはずです。

全く無理せず自然にウェルビーイングな世代、つまりウェルビーイング・ネイティブがこれからの時代を牽引していくのだと思われます。
何人かウェルビーイング・ネイティブのリーダーと思われる人財候補がいます。
来年のどこかで紹介する予定です。
ウェルビーイング・アイテムをテーマに掲げ、D2Cでビジネスメイクをしている20-30代スタートアップのメンバー周辺にウェルビーイング・ネイティブがいそうです!

2)ジモッチGYM&1平米フィットネス
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既存フィットネス施設を否定するのではありません。
しかし、フィットネスは生活者のものであるべきで、そこをとことん追求すると今時はこのようなアプローチが品質を上げ、顧客満足を創出しているということです。
地元の商店街にある安価な小さなジム、自宅のリビングにヨガマット(1平米)を敷けるだけのスペースも立派なジムになるという事実と、それをサポートする様々なサービスとグッズの存在がもっと盛り上がると予測しています。

フィットネス設備を調達するために投資をして、それを回収していくというビジネスモデル自体が一部崩れていることを感じているのは我々だけではないと思います。

既存施設主導ではなく、パーソナルにフィットネスによるベネフィットを求める生活者を中心とする新たな経済圏ができていくはずです。
そこをドライブする中心コンセプトはウェルビーイングになります。

3)睡眠品質ソリューション
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睡眠の質をセンシングできるようになって久しいのですが、やっとここ1-2年でチェック後のソリューション(具体的な改善策)提案ができるサービスが登場してきています。
人生の1/3は眠っている訳で、この1/3の品質がアップできれば起きている2/3のパフォーマンスに強く影響するはずです。

眠っている時間も自分の人生であり、その間の質の向上をデザインする時代です。
充実した睡眠により体調の向上の実感はウェルビーイングを促進する重要アイテムであり、今以上の睡眠の質アップのさまざまな提案やサービスはウェルビーイング・ジャーニーの入り口の一つです。
睡眠品質ソリューションサービスはウェルビーイングサポートビジネスのジョーカー的存在になるはずです。

4)腸活と脳
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ここ数年、「腸活」ブームは盛り上がりっぱなしです。
腸活とは、腸内環境を整えるための活動のことです。体重コントロールや快便、免疫機能の向上が期待できます。
食事や運動など日々の生活の工夫によってダイナミックに変化を体感できることも魅力の一つです。

腸活だけでも十分にウェルビーイング・アイテムなのですが、身体全体、もっというと思考行動の全てに連動する「脳腸相関」が注目を集めています。
腸は第二の脳とも言われ、独自の神経ネットワークを持っており、脳の司令なしに活動が可能です。

そして、脳と腸がお互いに密接に影響し合っていることが分かってきました。
まだまだ未開発領域でもあるのですが、腸内環境が思考品質にどう影響するかが今後明らかになっていくことが予測されています。
とても、ウェルビーイング的にも重要なポジションを得ていく気がしてなりません。

5)フードTECH
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食事はウェルビーイング・アイテムの中でもっとも頻度の高い重要アイテムです。
さらに食事はヘルスケアの中心であることも間違いありません。
現在、材料としての食物、調理方法やレシピ、製品としての食品飲料、器具設備、流通・提供形態など全ての局面でテクノロジーアプローチが行われています。
このフードTECHには3種類あると我々は考えています。
(1)SDGsアプローチ
(2)経済合理性アプローチ
(3)ウェルビーイングアプローチ

(1)はフードロス対策を始めサスティナビリティのもとで問題解決を目指すテクノロジーで代替肉などはその代表です。

(2)はデジタルを駆使したオーダーシステム、食材ロスを未然に防ぐマッチングサポートなどビジネスモデルのプロセス改革で新たな価値創造にチャレンジするものです。

(3)は完全栄養食など新たなアプローチで食を楽しめる提案ビジネスなどです。

3つのジャンルどれもが楽しみですが、我々としては(3)を中心に今後も取材研究をしていこうと考えています。

6)ウェルビーイング・ポートフォリオ
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ウェルビーイング生活を快適に送っていくためのツールとしてスマートフォンやウェアラブルデバイスは今まで以上に活用されていくと予測しています。

自分がどのようなウェルビーイング・アイテムを組み合わせてコンディショニングしているのかを可視化する「ウェルビーイング・ポートフォリオ」が登場するのではないでしょうか?
その運用にはウェアラブルデバイスが必須となると思うのです。

そう考えるとアップルウォッチ、Fitbit、ガーミン、シャオミ、アマゾンHaloなどとどう付き合うか?ウェルビーイング・ポートフォリオに連動するポジショニングを持っているか否かはビジネススケールに直結する重要課題でなはないでしょうか!?

年明け早々にこのウェルビーイング・ポートフォリオはどんなイメージになるか?のプロトタイプ創作を予定していますのでお楽しみに!

興味を持ったテーマをお知らせください!

2023年以降のウェルビーイングビジネスに重要な役割を果たすであろうアイテム&コンセプトとして6つ紹介しましたが、みなさんはどれに興味を持ちましたか?

1)ウェルビーイング・ネイティブ
2)ジモッチGYM&1平米フィットネス
3)睡眠品質ソリューション
4)腸活と脳
5)フードTECH
6)ウェルビーイング・ポートフォリオ

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健康ビジネスキーワード

「今一度unlearn 」

unlearnとは学ぶの反対語になりますが、学ばないという意味ではなく、一度学んだことをリセットするという意味を持ちます。
不確実性が高まっている時代のビジネス&ライフスキルとして重要になります。

過去の成功体験を解放してからアプローチすることが重要な意味を持つ時代になっていることに貴方は気づいているでしょうか?
自己再定義とアンラーンできるビジネスパーソンにチャンスが引き寄せられていく時代です。

今週の注目記事クリップ

[1]ライオン、「ORAL FIT(オーラルフィット)」の実証実験結果について【PDF】
https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/8431/20221124b.pdf
https://www.lion.co.jp/ja/
自宅で口腔機能のチェックと口腔機能の維持・改善に向けた口周りの筋力トレーニングを実施できるプログラム。2ヵ月で参加者の7割超が口腔機能の改善を実感。(2022/11/24)

+++★追加解説音声:90秒(編集主幹 大川)★+++
セルフケアTECHの代表例になっていくかもしれません。
https://youtu.be/k8K4UeSXoZk

[2]エムティーアイ、「FEMCATION白書」第2弾!ルナルナユーザー4,000人以上に聞いた「低用量ピルの認知・理解度調査」
https://www.mti.co.jp/?p=32201
今回の調査では、ピルについて知っている人は多い一方で、ピルについて学ぶ機会はまだまだ少なく、効果や副作用、また入手方法などについて正しい知識を得る機会を増やす必要があると感じました。(2022/11/24)

[3]KEYWORD:リスキリング(Beyond Healthより)
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/keyword/19/00190/
リスキリング(reskilling)とは、働く人が新しい取り組みにも順応できるよう、業務に役立つスキルや知識を学び直して身につけることを指す。人材戦略の一つとして脚光、政府は後押しに向け5年で1兆円支援。(2022/11/24)

[4]ハルメクホールディングス、デジタルデバイスに関する意識と実態調査2022
https://www.halmek-holdings.co.jp/news/press/2022/k-2czzod0nbo/
55-74歳の女性544名を対象に「デジタルとネットの活用についてのアンケート」を実施。2022年のシニア女性のスマホの利用率は、昨年より2.1ポイントアップの94.3%。(2022/11/24)

[5]博報堂生活総合研究所、生活者にきいた“2023年 生活気分”を発表
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/100716/
今回の結果では、昨年に続き今年の景気が「悪かった」が多数を占め、来年の景気でも「悪くなる」が過去最多を更新。また、来年は今年よりも「旅行」「貯金」などにお金をかけたいという意識が高まっています。(2022/11/24)

[6]ファストドクター×Hakali「Awarefy」メンタルヘルス治療の質的向上を目指し事業提携(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000031533.html
本提携はヘルスケアアプリ「auウェルネス」を運営するKDDIが仲介し、同じ思いを持つヘルステック企業による価値創造を支援したもの。(2022/11/24)

[7]ラフール、AIによる的確なフィードバックに驚いた?!人事戦略構想を推進する『ラフールサーベイ』の魅力とは
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000042113.html
「個人が変われば、組織が変わる」組織改善サーベイ『ラフールサーベイ』の成果事例として、浜松ホトニクス株式会社の事例を公開。組織状態を可視化し、適切な対策を実現。(2022/11/24)

[8]NEIGHBOR、筋トレしないとクリアできないメタバースがFortniteに登場!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000111821.html
Twitterフォロワー180万人超のインフルエンサーTestosterone氏と共同開発。ゲームをしながら運動不足も解消できちゃう!世界初のメタバースアクションゲーム「TOKYO WORKOUT DEATHRUN」。(2022/11/24)

[9]オイシックス・ラ・大地、第3回「K,D,C,,, Food Challenge」最終審査を公開開催!~最終審査に進出する8組が決定!~(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000717.000008895.html
「K,D,C,,,Food Challenge」は、日本のフードチャレンジャーを支援し、社会実装による「新しい食文化」を創ることを目的に、Future Food Fund、JR東日本、CAMPFIRE、オレンジページが共催するピッチコンテスト。(2022/11/25)

[10]日本政策投資銀行と日本経済研究所、「ヘルスケア業界データブック2022ー数値で理解する医療・介護・関連産業の経営動向ー」を出版
https://www.dbj.jp/topics/dbj_news/2022/html/20221125_204085.html
本書では、ヘルスケア業界の現状を総合的に俯瞰するための情報をコンパクトな形で提供。【分析編】ヘルスケア業界データの全体像、など。(2022/11/25)

[11]メドトロニック、シンガポールに「Medtronic Customer eXperience Center」を開設、革新的な技術とトレーニングへの遠隔アクセスを促進
https://www.medtronic.com/jp-ja/about/news/pressrelease/2022-11-25.html
患者さんにより良いアウトカム(結果)をもたらすため、アジア初となる先進的なヘルスケアテクノロジーを活用し、世界中でトレーニングと知識のエコシステムを構築。(2022/11/25)

[12]LIXIL、お風呂が面倒と感じたことがある人は6割以上!20分以内で効率的にリラックスする方法とは?
https://newsroom.lixil.com/ja/2022112501
11月26日の「いい風呂の日」にちなんで、20代-60代の男女661人を対象とした「あなたのお風呂事情」の実態調査を実施。平均入浴時間は「20分以内」が多数、など。(2022/11/25)

[13]アドバンテッジリスクマネジメント、「ウェルビーイングと仕事のパフォーマンスにおける相関」に関するデータ分析を実施
https://www.armg.jp/news/newsrelease/2022/1125/
顧客企業272社、28.8万人のメンタルデータを分析。その結果、従業員の総合ウェルビーイング偏差値と生産性の間には中程度から大きな相関関係があることが明らかになりました。(2022/11/25)

[14]Hakuhodo DY Matrixなど、ビジネスを成長へ導く新発想。ビジネス×ウェルビーイングの実態を明らかにした『ザ・ウェルビーイングレポートVol.2』を公開(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000112175.html
「ウェルビーイングはビジネスを成長させるのか?」をテーマにした調査レポート。ウェルビーイングのマーケティング活用により、次々と幸せが繋がっていく「ウェルビーイング・バリューチェーン」を提唱。(2022/11/25)

[15][月刊NEXTコラボ記事]米国フィットネスクラブ最新トレンド(Fitness Businessより)
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1352
ライフタイムフィットネス@NEW YORKの新規オープンクラブに見るアフターコロナの総合フィットネスクラブトレンド。(2022/11/28)

[16]アテックス、抱きしめて不眠症をやわらげる「ルルド メディカルハグピロー」発売
https://www.atex-net.co.jp/news/atex_news/release_bnl806/
累計販売台数1,300万台(2022年9月時点)のルルドシリーズより。不眠症をやわらげる抱き枕型の電位治療器。肌触りの良い抱き枕の中には、電位治療を行うメディカルテクノロジーを搭載。(2022/11/28)

[17]グローバルインフォメーション、[市場調査レポート]世界の健康雑誌市場:産業調査報告書、成長動向と競合分析(2022年~2028年)
https://www.gii.co.jp/report/qyr1162430-global-health-magazine-industry-research-report.html
当レポートは、健康雑誌(Health Magazine)市場について調査しており、市場規模や動向・需要の予測、成長要因および課題の分析、タイプ・用途・企業・地域別の内訳、競合情勢、主要企業のプロファイルなどの情報を提供。(2022/11/28)

[18]JETRO、地域・分析レポート:米国で遠隔医療などのデジタルヘルス市場が成長
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/60886751fce8949a.html
本稿では、新型コロナ禍で特に普及した米国の遠隔医療市場の現状や課題、デジタルヘルス分野のスタートアップの投資動向などを紹介する。(2022/11/29)

[19]ヘルスケアテクノロジーズ、体調不良の際の通院に対する懸念1位は「待ち時間」、医療にアクセスする「即時性」「手軽さ」のニーズが明らかに
https://healthcare-tech.co.jp/news/20221129-2.html
全国の20代-70代の男女600名を対象に「医療へのアクセスに関する意識調査」を実施。オンライン診療など、医療にアクセスする選択肢は増えたと半数以上の人が思う一方で、9割以上の人はそれらを活用できていない現状が明らかに。(2022/11/29)

[20]矢野経済研究所、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する消費者アンケート調査を実施(2022年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3126
全国の20代から60代の女性10,147人の「フェムテック」の認知度は5.8%、前年調査の3.4%からは2.4ポイント上昇したものの依然低い水準にとどまる。今後は若年層への認知拡大が課題。(2022/11/29)

[21]AlphabetのVerily、ResMedが睡眠プラットフォーム「Primasun」を発表
https://mhealthwatch.jp/global/news20221129
ジョイントベンチャーとして設立された「Primasun」は、まず不眠症の患者を評価し、睡眠の状況を改善するためのガイダンスを提供する。(2022/11/29)

[22]『mHealth Watch』注目ニュース:北里大学と慶應義塾大学、ウェアラブルデバイスでふらつきを測定し日々の体調変化の見える化へ
https://mhealthwatch.jp/japan/news20221205
今回注目するのは、ウェアラブルデバイスによるふらつきを測定した基礎研究に関してのニュースです。(2022/12/05)