こんにちは、里見です。

国内外のヘルスケアサービスの最新事例を見ていると、ヘルスコミュニケーションの要素を取り入れたサービス事例が目立ってきています。

ヘルスコミュニケーションの要素がなぜ多くなってきているのか、ビジネスとヘルスコーチングの視点から解説してみたいと思います。

特集:ヘルスコーチングの視線編

ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコミュニケーションへの取り組みが注目されている理由

1)日本のヘルスコミュニケーション機能の提供

米国の保険会社が提供するヘルスケアサービスや国内のヘルスケアサービスでも「コーチ」「コーチング」というキーワードが目立つようになってきています。

米国では、以前から「コーチ」「コーチング」というキーワードを目にすることはありましたが、日本では数年前まであまり目にすることはなかった印象です。

現在、日本におけるヘルスコミュニケーションの取り入れ方をみていると、米国のサービスの流れを受けている印象が強いです。

以前の日本におけるヘルスコミュニケーションの主流は、専門家と対象者の直接的なコミュニケーションが中心であったため、コスト面、そして人的リソースやエリア(場所)的な制約などから、ごく一部の限られたサービスだけの機能という認識が強かった感じです。

しかし、オンラインでのシステムの活用などから、ヘルスコミュニケーションの機能は一般的なヘルスケアサービスでも取り入れやすくなってきており、部分的に、擬似的なコミュニケーションを取り入れたサービスも多くなってきています。

この部分的、擬似的なコミュニケーションであれば、コスト面、そして人的リソースやエリア(場所)的な制約面などがクリアできるので、採用しやすくなってきているのです。

しかし、あくまでもヘルスコミュニケーションの機能の提供が中心であって、「コーチ」「コーチング」というキーワードであったとしても、ヘルスコーチングのアプローチが取り入れられているサービスは、まだまだ少ない状況です。

2)米国におけるヘルスコミュニケーションアプローチの背景

米国のヘルスケアサービス事例を経年で見ていると、ヘルスケアサービスの提供されている機能のトレンドが見えてきます。

以前のヘルスケアサービスの提供されている機能のトレンドは、記録・インセンティブ・情報提供が主流で、比較的手離れが良いサービス、機能を提供さえすれば対象者自身で取り組めるものが主流でした。

しかし、対象者自身で取り組める機能だけの提供だけでは、本当の意味での成果に導けないということが課題となりました。この背景には「継続」ということが大きな要因になっているのです。
 
また、一方通行型のサービス提供では、対象者の「継続」へのアプローチが弱く、結果的に対象者の改善に導けないことが、最終的にはサービスに対する顧客満足度が高まらなかった要因です。

このような背景から、米国ではヘルスコミュニケーションの要素が、ヘルスケアサービスでは積極的に取り入れられるようになってきています。

3)「継続」へのアプローチは、2つのメリットが存在する

「継続」へのアプローチのメリット1つ目は、これまでお話ししている通り、対象者の行動の継続、習慣化に導くことが本当の成果につながり、顧客満足度に直結するからです。
どんなに効果が見込めるアプローチ、方法であっても、健康、特に予防領域においては「継続」が欠かせないものです。

特に生活習慣病などの生活習慣が大きく関係しているものでは「継続」が必須になってきます。
本来の成果に導くためには「継続」へのアプローチは切っても切れない必須アイテムなのです。

メリット2つ目は、ビジネス的な観点から利用者の継続性が高まれば利用期間も比例して伸びることになって、当然のことながら収益にも大きく影響するからです。

また、「継続」をサポートして利用者の成果を含めた満足度に貢献することは、サービス自体の評価が高まり、ビジネス面での好循環も生まれていきます。

ヘルスケアビジネスの成功要因の一つは、いかにサービスを継続的に利用してもらえるかという点です。
そのため、多くのサービス提供事業者は、継続利用に力を入れて工夫されていますが、これまでは、なかなか効果的な策が見つかっていない状況だったのです。

4)「継続」へのアプローチとしてのヘルスコミュニケーション

これまでのヘルスケアサービスで継続利用に向けたアプローチでは、インセンティブやゲーミフィケーション、ヘルスナレッジなどの情報提供など、様々なアプローチがありました。

しかし、これらの継続への要素、アプローチは、ある意味動機付けの役割だったり、自らのモチベーションに頼った要素が中心でした。

しかし、それだけでは本来の健康行動の取り組みの継続に直接作用させる役割としては弱く、ヘルスコミュニケーションを通した寄り添いや見てくれている感といったアプローチに改めて注目が集まっているのです。

また、ヘルスコミュニケーションのアプローチも、従来の人に頼ったサポートからオンライン上での仕組み化、自動化を取り入れ、効率化されたサポートがビジネス的な面でもコスト削減につながっているのです。

しかし、継続に向けて、そして成果に導くヘルスコミュニケーションを取り入れている事例の多くは、人の要素と仕組み化、自動化の要素を上手く組み合わせて提供しています。
またヘルスコーチングの要素を組み合わせたコミュニケーションを通して、対象者が主体性を持った取り組みになるようなアプローチがしっかりと行なわれています。

成果に導くための取り組み、行動の継続に向けたアプローチは、対象者の成果や満足度アップに貢献するのはもちろんなのですが、それこそがビジネスの成功に外せない要素であるということは間違いありません。
だからこそ、国内外のヘルスケアサービスが、ヘルスコミュニケーションの要素を取り入れたサービスを展開しているのです。



今回は、継続とヘルスコミュニケーションに関して、ビジネス的なメリットも含めて解説しました。

ヘルスコーチングはヘルスコミュニケーションの中の一つの種類と言えますが、他のヘルスコミュニケーションとの違いは、ズバリ行動に着目して行動の継続、習慣化に向けたアプローチだということです。

ヘルスコーチングのコミュニケーションを取り入れたサービス提供において、ビジネス的な側面も含めて、これまでにも数多くサポートしてきております。
ご興味ある方、是非一度ご相談ください。
https://healthbizwatch.com/consultation?athr=15

健康ビジネスキーワード

「修正主義 」

一つの正解があらゆる局面に存在するという今では錯覚としか思えない、学校教育を多くのビジネスパーソンが経験しています。
社会人になってもほぼ同じ方向に効率的に向かうことで利益を得ることができました。

量の拡大という勝ち方が存在していました。

しかし、今起こっていることは「・・・が正解だ」と設定したとしても、次の瞬間にそれが変わってしまうという時代が進んでいるということです。
その設定自体を時代の変化スピードが変えてしまうのです。
これは避けようのないことです。

一つの解が修正に迫られ変容していくことが常態化していく時代です。
修正主義こそがこれからの時代の好ましいスタンスです。

そして、チャレンジと失敗はセットです!

今週の注目記事クリップ

[1]TANPAC、筋肉食堂DELI「特別ダイエットパッケージ」をパートナージム向けに販売開始!(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000106557.html
パーソナルジムのトレーナーはジム会員に対して、各トレーニングプログラムに即したプランを提案。ジム会員は4週間の間、1日1食または2食を筋肉食堂DELIの冷凍弁当に置き換えることで、最適なPFCバランスの食事を摂ることができる。(2022/11/10)

+++★追加解説音声:110秒(編集主幹 大川)★+++
トレーニングと食デザインの可能性あるアプローチです!
https://youtu.be/rl_LbmLhTMs

[2]神戸大学、子どもの褒め方、叱り方が将来に影響するー「頑張ったね」と褒め、「次は頑張ろうね」と叱るのがプラスにー
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2022_10_26_01.html
子ども時代に親から受けた「褒め方」と「叱り方」のあり方が、成人後の自己決定度や安心感、さらに、長期的な視点で物事を考える習慣や倫理的行動に与える影響について、アンケート調査による分析を行った。(2022/10/26)

[3]第一工業製薬、「脳疲労と睡眠に関する調査」を実施【PDF】
https://www.dks-web.co.jp/updata/n_pdf/2022110903.pdf
https://www.dks-web.co.jp/
本調査では、現代社会において脳の疲労を感じている人が約6割いることが分かった。ストレスを感じている人ほど、睡眠の質に満足していなかったり、脳疲労を感じやすかったりするという傾向も明らかに。(2022/11/09)

[4]東日本旅客鉄道など、JR横浜駅にて実証実験「駅チカふらっと健康測定」を今年度も実施します【PDF】
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221109_ho01.pdf
https://www.jreast.co.jp/
JR横浜駅にて健康測定を実施するほか、健康測定を受けた方にはアンケートを実施し、結果をもとにどのように健康意識が変化したかを検証。(2022/11/9)

[5]主婦の友インフォス、書籍「復職率9割の精神科産業医が教える マンガでわかる 休職サバイバル術」発売(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000957.000007785.html
3人に1人がメンタル不調を抱える今、絶対に知っておきたい!復職率9割の大手企業の産業医による「休職」のノウハウが満載の1冊。(2022/11/09)

[6]KEYWORD:幸福学(Well-being study)(Beyond Healthより)
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/keyword/19/00188/
幸福学とは、人や社会の幸せについて心理学や経済学、教育学などさまざまな角度から考える学問。慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 システムデザイン・マネジメント専攻 教授の前野隆司氏が提唱し、研究を進めている。(2022/11/10)

[7]アラガン・ジャパン、ダイエットに関する調査を実施 体型の変化を実感するのは31.6歳(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000111701.html
ダイエットへの意識が高い30-49歳の女性を対象に「ダイエットに関する意識調査」を実施。女性の9割以上が年齢とともに体型が変化したと感じており、実際に変化を感じた年代は「30-34歳」と回答した人が最も多かった。(2022/11/10)

[8]リクルート、2022年流行グルメ「マリトッツォ」が2年連続1位!今年の流行グルメキーワードは「健康」と「チートデイ」(PR TIMESより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001759.000011414.html
コロナ禍の健康意識の高まりにより「低糖質・高タンパク質」「体の調子を整える」をうたうものが多くランクイン。「オートミール」や「乳酸菌飲料」などは昔からあるものですが、今年あらためて健康文脈で注目を集めました。(2022/11/10)

[9]サンスターグループ、将来の医療費の明暗を分ける「歯の健康意識」若いうちから始めるオーラルケアで健康貯金
https://www.sunstar.com/jp/newsroom/news/20221111/
「いい歯の日」(11月8日)に合わせて、全国の男女1,100名を対象に「お口の健康に関する調査」を実施。30代以上の約7割がかかっている歯周病だが、自分が歯周病になっていると認識している人は約4割しかいないという結果に。(2022/11/11)

[10]グローバルニュートリショングループ、アイメックRD、CPCCが3社業務提携
https://global-nutrition.co.jp/information/%e3%80%90%e3%83%97%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%80%91%e3%82%b0%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%ab%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3/
3社が協業し、高レベルのエビデンスに基づく質の高い機能性表示食品の届出と、国内企業の海外展開のサポートや海外企業の国内進出支援を総合的にサポートできる体制を構築。(2022/11/11)

[11]AuB、「正しい腸活に関する意識調査」を発表
https://aub.co.jp/archives/4447
20代~50代の「腸活に興味がある」方々を対象としたインターネット調査を実施。大半が“食べる”腸活に注力するも温活や歯磨きなど“守る”腸活には意識が低いという結果も。(2022/11/14)

[12]国立がん研究センターなど、野菜・果物およびフラボノイド豊富な果物とうつ病との関連について
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2022/1115/
本研究では、果物およびフラボノイドの豊富な果物の摂取量が多いほど、うつ病が発症するリスクが低いことが分かった。(2022/11/15)

[13]ハルメクホールディングス、シニアの夫婦関係と生活に関する意識調査2022
https://www.halmek-holdings.co.jp/news/press/2022/2b18y_t93hsl/
夫婦ともに健康な人の約8割が仲良し夫婦。健康な夫婦ほど仲良し夫婦の割合が高い。体調が悪い時の気遣いが夫婦円満のカギ、など。(2022/11/15)

[14]デロイト トーマツ コンサルティング、デロイト トーマツ イノベーションパークを拠点に活動する協創型コンソーシアム「インシュアテック アトリエ」を立ち上げ
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20221115.html
様々な分野の国内スタートアップ企業から保険業界の発展・変革に資する企業を発掘し、未来の保険業界を形成するインシュアテック企業として育成。(2022/11/15)

[15]『mHealth Watch』注目ニュース:Upmind、「マインドフルネス業界カオスマップ2022(日本版/海外版)」を公開
https://mhealthwatch.jp/japan/news20221121-2
今回注目するのは、日米のマインドフルネスの市場、業界に関してのニュースです。米国でのマインドフルネスへの流れと日本国内でのマインドフルネスの動きは、大きく異なっている印象です。(2022/11/21)